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第9話

第9話


午前中の授業を終えて、僕が教科書をかばんにしまっていると、はる姉と亜姫がやってきた


「和ちゃん・・・おまたせ」


「兄さま・・・お弁当・・・食べよ」


「いいけど、どこで食べるの?」


僕が、二人に聞くと、二人とも声を合わせて


「「ここ」」といった


「え!ここって教室で食べるの!」


「「うん」」


「なんでまた・・・」


「「兄さま(和ちゃん)がいつも・・・座ってる・・・席で・・・食べたい」」


なんとも仲のいい姉妹な事で、間の開け方まで同じとは・・・


そんな、やりとりをしていると昼飯を買って渉が戻ってきた


「お、めずらしいな美晴先輩と亜姫ちゃんがこっちの教室に来るなんて」


「一緒にお弁当食べようって誘いに来たんだよ」


「ふ~ん、そうなのか」


「しかも、この教室で食べるらしい」


「なんで、ここなんだ」


「僕がいつも使ってる席で食べたいんだって」


「屋上とか中庭とかいろいろ他にも場所あるのにな」


「まったくだよ」


渉と話していると、話に置いて行かれたはる姉と亜姫が片方ずつ僕の袖を引っ張ってきた


「和ちゃん・・・早く食べよ」


「兄さま・・・早く食べましょう」


「あ、うん」


「今日は一段と和人にべったりな気がするぞ」


「気にしたら負けだよ・・・」


僕は、渉にそう言いながら鞄から弁当を取り出した


はる姉と亜姫は周りからイスを借りて僕の席の近くに座りお弁当を食べ始めた


僕も自分の弁当を開けて食べ始めた


「和ちゃん・・・あ~ん」


はる姉が僕に箸を差し出してきた


「っ!兄さま・・・あ~ん」


はる姉に対抗するかのように亜姫も僕に箸を差し出してきた


「い、いいよ自分のがあるし」


「「・・・・・・・・(グスン)」」


「わ、分かったよ食べればいいんでしょ食べれば」


僕は、なかばやけくそ状態で二人が差し出してきたのを食べた。


視線が痛い


「「・・・・・・(///)」」


なんか、二人の顔が紅くなってるような


「くそ~なんで和人ばっかり」


「文弥君ってもしかしてシスコン?」


「死んでしまえ」


僕に対して様々な言葉が発せられる、いくらなんでも最後のはひどいんじゃないかな


「和ちゃん・・・もう一回・・あ~ん」


「兄さま・・・こっちも・・・あ~ん」


再び僕に箸を向けてくる二人、このままじゃ僕にシスコンの称号がクラスから与えられてしまう


(なんとか、この場を回避しなければ)


僕が、打開策を考えていると、僕が困っているのを察してか渉が話を振ってきた


「そういえば、美晴先輩と亜姫ちゃんは体育祭の出場種目何にでるか決めた?」


ナイスだ渉!これに便乗して僕も話を振る


「そ、そうだよ二人とも出場種目決まってるの?」


「「まだ・・・決まってない」」


「じゃ、じゃあ出たい種目とかないの?」


「私は・・・100m走とか・・・出てみたい」


「そっか、はる姉は運動得意だし向いてるんじゃないかな」


「ありがとう・・・和ちゃん」


「亜姫はどうなの?」


「私は・・・運動が・・・あまり得意じゃないので・・・借りもの競争・・とかがいいです」


「ああいうのは、借りる物によって勝敗がきまるからね亜姫にはいいかもしれないね」


「はい・・・」


しまった、亜姫は運動が得意じゃないからこういった話題はあまり好きじゃない、あきらかに落ち込んでいるのがわかる


「亜姫、運動でもなんでも一生懸命やることに意味があるんだよ、だから、少しぐらい運動が苦手でも一生懸命やればいいんだよ」


僕は、そう言って亜姫の頭をなでてやる


「はい・・・がんばります」


亜姫は、頭をなでられて嬉しそうにしている。元気出してくれてよかった


僕が、亜姫の頭をなでていると、隣で、はる姉がむすっとしている


「はる姉、なんで怒ってるの」


「別に・・・怒ってない」


はる姉は、怒ってないと言っているが、僕からみれば怒っているようにしか見えない、怒っているといっても本気の怒りではなくどちらかというとすねている感じだ


「和人、お前は相変わらず鈍感だな」


渉が僕にそう言った、何が鈍感なんだろう


「はる姉も怒ってないで、はいあ~ん」


僕は、はる姉に自分の弁当をあげた


すると、はる姉は、ニパァっと明るい表情になり僕の差し出した弁当を食べた


「姉さま・・・やられた」


「どうかしたの亜姫?」


「なんでも・・ありません」


亜姫が何かいったようだが良く聞き取れなかった


「和人、自分でフラグを立てていることに気づいてないのか・・」


「何が?」


「いや、なんでもない」


なんで、僕は渉に残念な人を見るようね眼で見られているのだろうか


僕は、わけがわからないまま残りの弁当を食べた


こんな感じで僕たちの昼休みは終わった


ちなみにこの昼休みの後、僕は陰でシスコンの称号を与えられたのはまた別の話





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