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第8話

第8話


朝僕は、妙な違和感とともに目が覚めた。


違和感といっても体調が悪いとかそういうのじゃなくて


なぜか、いつもより布団が膨らんでいる気がする・・・僕は、布団を剥ぎ中を確認するするとそこには


「すぅすぅ・・・」


僕の布団の中でとても気持ちよさそうに眠っている亜姫を見つけた


「なんで、僕の布団の中に亜姫がいるの!」


僕は、必死に頭をフル回転させた、確か昨日は、はる姉の騒動も終わりその後は、普通に家に帰って、普通にご飯を食べて、風呂に入り、テレビをしばらく見た後、歯を磨いて、部屋に入り寝たはずだ(もちろん一人で)


僕が全力で頭を回転させている間に、亜姫が目を覚ました


「ふみゃ・・・兄さま・・・おはよう・・・・ございます」


亜姫はまだ完全に目が覚めていないらしく、まだ少し寝ぼけている


「ああ、おはよう・・じゃなくて!なんで亜姫が僕の布団で寝てるの!」


「兄さまと・・・一緒に・・・寝たかった・・・から」


「一緒に寝たかったって・・・」


「兄さまは・・・私と一緒に寝るの・・・嫌ですか?」


亜姫が上目づかいで聞いてくる


「い、いや別に嫌とかそういうことじゃなくてね。亜姫も年頃の女の子なんだから常識で考えると一緒に寝るのはちょっと・・・」


「常識なんて・・・関係ない・・・私は・・・兄さまが・・・好きだから・・・一緒に・・・寝たいの」


「い、いやでもね亜姫」


僕が、亜姫の言葉にとまどっていると、部屋の扉が開いた


「和ちゃん・・・もう朝だから・・・起きて」


「・・・」


「和ちゃん・・・なんで・・・ここに・・・亜姫が・・いるの?」


はる姉がストレートな質問を投げかけてくる、しかもちょっと怒っている気がする


「え、えっとそれは、亜姫がいつのまにか・・・」


「私が・・・兄さまと・・・一緒に・・・寝たから」


僕が、理由を言いきる前に、亜姫がはる姉に向かってそう言った


はる姉は、亜姫の言葉に驚きながら話を続ける


「今の話・・・本当なの・・・和ちゃん?」


「その、どうやら僕が寝ている間に布団に潜り込んだらしく」


「そう・・・」


僕が、そう言うと、はる姉は少し肩を落としながら亜姫の方を向いた


「亜姫・・・和ちゃんを・・・困らせたら・・・ダメ」


「兄さま・・・私と・・・寝るの・・・嫌じゃないって・・言った・・・だから・・・困ってない」


「それは・・・亜姫を・・・悲しませないため・・・本当は・・・困ってる」


「困ってない・・・」


「困ってる・・・」


「困ってない・・・」


「困ってる・・・」


「困ってない・・・」


「困ってる・・・」


このままじゃ、永遠と、このやりとりが続くと思い僕は二人の仲裁に入った


「二人とも少し落ち着いて・・・」


「「兄さま(和ちゃんは)・・・黙ってて」」


「はい・・・」


一瞬で、止められた。


「だいたい・・・姉さま・・・昨日、兄さまに・・・キスした・・・だったら・・・私が・・・兄さまと・・・一緒に寝るのも・・・私の自由」


僕の自由はないのかな・・・


「あれは・・・和ちゃんに・・・助けて・・・貰ったから・・・そのお礼・・・あの場で・・・すぐにお礼がしたかったから・・・だからキスした・・・それ以外に何もなかった・・から」


いや、他にももっとたくさんあったと思うよ


「姉さまは・・・ズルイ・・・私だって・・・兄さまと・・・キスしたいのに・・・それなのに・・・抜け駆けして」


あれ、今ものすごく気になるワードがあったような・・・


「だったら・・・今・・・キス・・・すればいい・・・そのかわり・・・今日の夜は・・・私が和ちゃんと・・・一緒に・・・寝る」


はる姉ーーーーー!自分が何言ってるか分かってるの!今とてつもない事言ったよ!


「・・・・なるほど」


「亜姫!なんでそこで納得するの!」


僕のツッコミを無視して亜姫は、僕のほっぺにキスしてきた


「あ、亜姫!」


「兄さまと・・・キス出来た♪」


「亜姫・・・良かったね」


「うん・・・姉さま・・さっきは・・ごめんなさい」


「気にしなくていい・・・私も・・・ムキになってた」


あれ!いきなり仲直りが成立してる!


仲直りが終わった二人は何事もなかったかのように僕の部屋から出て行った。僕は、亜姫にキスされたほっぺをさすりながら呆然としていた




あれから、しばらく呆然としていた僕をはる姉が呼びに来た後、すぐに朝食を済ませ学校に向かう準備をした。


今、僕は学校へ向かう道を歩いているのだが


「あの~二人ともなんで僕と手をつないでいるの?」


「「手をつなぎたいから」」


さいですか・・・


「家族で仲よくするの・・・大事」


「いや、それとこれとは関係ないと思うんだけど」


そう言ってはる姉はつないでいる手をぎゅっと握った


学校に向かう途中のため当然、僕たち以外にも生徒がいる。なのにこの二人は、つないでいる手を放そうとしない


うう~周りからの視線が痛い


僕は、この視線に耐えながら学校へと向かうのであった。


あの視線に耐え僕はようやく学校へ着いた。


「兄さま・・・昼休み・・・一緒にお弁当・・・食べましょう」


「和ちゃん・・・午前中の授業が終わったら・・・和ちゃんの所に・・・行くから・・・教室で・・・待っててね」


二人は、僕にそう伝え自分たちの教室に向かった


今日は、朝からなんだかすごく疲れる日だ、そんな事を思いながら僕も自分の教室へと向かった


「おはよう和人」


教室に入ると、渉が自分の席から僕に挨拶をしてきた


「おはよう渉・・・今日は、早いね部活の朝練?」


「まぁな、来月練習試合が入っててな顧問の先生が妙に気合入れちゃってさ~もう。大変なんだよ」


「渉も苦労してるんだね」


「まぁ、お前に比べりゃ大したことないけどな」


「なんで?」


「お前、今日、美晴先輩と亜姫ちゃんに手つながれながら登校しただろ」


「なんで、知ってるのさ!」


「そりゃあ、学校中で話題になってるからな」


「嘘・・・」


「ホント」


道理で教室に入った時、妙な殺気を感じたわけだ


「まぁ、気にすんなよ和人」


「すごく、気にするよ」


「誰もお前にちょっかい出したりしないと思うし」


「どうして?」


「お前に手を出したら、自分たちが文弥姉妹からひどい目に会うって皆わかってるから」


「それはそれで、なんか複雑だなぁ~」


そんな、会話をしているとチャイムが鳴った


先生が教室に入ってきて、それまで話をしていた生徒も自分の席に着いた


「え~来週の金曜には体育祭があるので、今日の放課後クラスの委員長は、出場競技を皆で決めるように話し合ってください」


先生は、体育祭の連絡をした後、号令をかけ教室を出て行った


そういえば、来週は体育祭かすっかり忘れてた


そんなことを思いながら僕は、授業の準備を始めた










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