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第70話

第70話


金曜日、朝のホームルームで先生はいくつかの連絡事項を伝える


「来週の金曜には、授業参観が行われる。さらにその次の週にはマラソン大会も控えているこの時期は行事もたくさんあるので体調管理などをしっかりとしておくように」


と言って先生は教室を後にする


「和人~」


渉がこちらに顔を向ける


「何、渉?」


「来週の授業参観って美空さん来れるのか?」


「う~ん、来ないんじゃないかな?というより来れないんじゃないかなさすがに」


「やっぱ、仕事か?」


「そうだね、それもあるけど夏休みや文化祭の時に帰ってきてからそんなに日もたってないしそう何度も休みは取れないでしょ」


「だけどよ、寂しくないのか?」


「僕だってもう高校生だよ?別に寂しくないよ、と言いたいところだけど少しさみしいかな」


渉の疑問に笑って返す


「まぁ、母さんも仕事なわけだし、それに文化祭も見に来てくれたしね。今回ばっかりはしょうがないよ。一応連絡しておくけどね」


「そっか、それじゃしょうがないかもな。まぁ皆が皆、親が来るわけでもないだろうしな」


「渉のところはどうなの?やっぱり春香さん来るの?」


「あ~どうだろうな去年は来なかったけどな」


「そういえば来てなかったね」


「俺はあんまり来なくても気にしないしな」


「渉らしいね」


「つーかそんなもんじゃないのか?小学生じゃないんだしさ親が来ても皆いつも通りになると思うぞ」


「そうかもね」


そんな話をしていると予鈴が鳴った


先生も教室に来ていろんな場所で話をしていた皆も自分の席に戻る


いつものように授業が行われる


そしてあっという間に時間が経ってお昼休み


いつものように屋上に集まりお昼を食べる


「ふ~ん、美空さんも仕事なんだろうしさすがに今回は仕方ないかもね」


今朝、僕と渉がしていた話を美里先輩にしたら美里先輩は納得したようにそう言った


「今回は、夏休みに帰ってきたり文化祭に来たりとあんまり間隔を空けずに休みを取っていましたからね」


「まっ!いいんじゃない私のところも毎年親は来てないし」


「美里先輩のところも来ないんですか?」


「来ないと思うわよ、うちの両親も和人君たちのところほどじゃないけど結構忙しいしね」


「そうなんですか」


「私も高校生だしね、あんまり無理して来なくてもいいって言ってあるし」


「でも・・・私のクラスでも・・・あんまり両親には来てほしくないって・・・言ってる人もいました」


亜姫がお弁当を食べながら言う


「確かにそういうやつもいるかもな、普段の自分を見られるのが気恥ずかしいんじゃないか?」


「確かに、そう考えるとちょっと恥ずかしい気もするかもね」


「しかも丸一日みられるわけだしな」


「そうね人によっては恥ずかしいって思う人もいるかもしれないわね」


「しっかし、金曜か~教室移動とかあって面倒なんだよな~2年は」


「一般的な授業より音楽とか家庭科とかの授業が多いからね」


「授業自体は楽でいいんだけどな」


こうして昼休みは過ぎていった


午後の授業も特に変わったことなく終わり家に帰った僕は授業参観のことを連絡しようと電話をかける


『は~い、もしもし~和くんどうしたの~』


いつもと同じ間の抜けたような声で電話に出る母さん


「母さん、あのね・・・」


今日言われたことを母さんに報告すると


『う~ん、それは無理かな~冬休みに休暇がとれるように仕事してるからそれはちょっと~ごめんね和くん』


「しょうがないよ一応連絡だけはしておこうと思って電話しただけだから、じゃああんまり長話すると悪いよねそろそろ切るよ」


『うん、あ!そうそう、和くんこの前作ってもらった弁当おいしかったよ~♪それじゃあね~』


母さんはそう言って電話を切る


「和ちゃん・・・やっぱり駄目だった?」


電話を切ると同時にはる姉が聞いてきた


「うん、冬休みに休暇が取れるように仕事してるからちょっと無理だって」


「そっか・・・」


「さてと、それじゃ夕食作らないとね、はる姉手伝ってくれる?」


「ん・・・もちろん」


笑顔で頷くはる姉


お互いエプロンを身に着け夕食の準備を始める


数十分後、夕食が完成したので亜姫の部屋へと向かう


コンコン


「亜姫、夕ご飯できたから食べよ」


ドア越しにそういうと亜姫が出てきた


「はい・・・」


下に集まり3人でいつも通り仲良く食事を済ませるのだった


そして、時間は経ち授業参観日


現在和人たちはいつものメンバーで学校へ向かっている途中だ


「ふぁぁ~」


「渉、ずいぶん眠そうだね」


「ああ、ゲームしてたら止まらなくなってな、ふぁぁ~」


「相変わらずねぇ~、それ調子じゃ授業中に寝ちゃうんじゃない?」


「今日は、教室移動もあるし大丈夫っすよ・・・多分」


「多分ってゲームもほどほどにしなきゃだめだよ渉」


「分かってるんだけどさ~面白くってついな」


「気持ちはわかるけどね」


そんなこんなで学校へ到着


すでに校内には保護者が所々に立っており周りの知り合いの人たちと話していた


僕たちもそれぞれの教室へ向かう


和人たちの教室にもすでに何人かの保護者がいた


通り過ぎる時に軽くお辞儀をして和人たちも自分の席へと座った


「まだ結構時間あるのに意外と保護者の人もいるんだな」


「そうだね他の教室にも結構いたみたいだし」


とその時


「あ、見つけたわ~」


聞きなれた穏やかな声がした


声のした方を向くと


「母さん来てたのかよ!?」


「あ、春香さんおはようございます」


そこには春香さんが立っていた


「和人君、おはよう。よかったわ~見つかって普段学校に来ることなんてないから教室がどこかよく覚えてなかったものだから」


「そうだったんですか」


「つーか、母さん来たんだな。全然そんなそぶり見せなかったから少しびっくりしたぞ」


「実はね、昨日美空ちゃんに頼まれたのよ~和人君の勇姿をどうかカメラで撮ってきてほしいって」


そう言った春香さんの手にはカメラがあった


「勇姿って・・・(汗)」


「あの人らしいっちゃらしいけどな」


「美空ちゃんなりに和人君たちを気にかけてるのよ~途中で亜姫ちゃんと美晴ちゃんのところにも行こうと思ってるわ。渉はついでね」


「実の息子はついでかよ!」


渉が春香さんにツッコミを入れる


「冗談よ、折角来たんだから息子の愚行を見ておくわ」


「この親、容赦ねぇ!」


「そういうことだから和人君、今日の授業日程聞いてもいいかしら?それを聞いて今日の動きを決めたいから」


「いいですけど、えっと1時間目が古文で2時間目が数学、3・4時間目が家庭科で5・6時間目が音楽ですね」


「分かったわ、じゃあどうしようかしらね~最初に亜姫ちゃんのところに行こうかしら」


「上から順番に行けばいいんじゃね?2時間ずつで」


「そうね、そうしましょうか。じゃあ私はひとまず亜姫ちゃんのところに行ってくるわね」


そう言って春香さんはその場を後にした


「しっかし、まさか母さんに頼むとは」


「僕も少しびっくりしたよ」


「だろうな、俺もさっきまで美空さんにそんなこと頼まれてるとは思わなかったし」


二人でそう話していると


キーンコーンカーンコーン


授業のチャイムが鳴った


「あ、授業始まるね」


「なんか、後ろから見られているかと思うとドキドキするな」


「そうだね」


先生が来て礼をして授業が始まる


授業参観は先生も授業風景を見られるわけだからいつもより積極的に生徒をあてたりすることが多くなる


実際、古文の先生は普段あんまりあてたりしない方だが今日はいつもよりあてられる回数が多かった


しかし、生徒の方はあてられても特に緊張などしている人は少なかった


さすがに、高校生にもなって保護者の人に見られても特になんとも思わないのかもしれない


僕や渉は特にあてられることもなく古文の時間は普通に過ぎて行った


「ん~朝から古文は眠くなっていけないな~」


渉が背伸びをしながらそうつぶやく


「渉、眠そうだったもんね」


「ああ、なんとかウトウトもせずに授業を切り抜けられたけどな」


そして2時間目


「え~、それでは今から授業を始めますね」


二時間目の数学


白石先生も緊張しているのか少しいつもと雰囲気が違った


そんな雰囲気を察したのか生徒の何人かが白石先生を励ます


「柚葉先生~!そんなに緊張しなくても大丈夫っすよ~!」


「そうそう、肩の力抜いて気楽に気楽に!」


「白石先生教えるの上手いんだから!」


「皆さん・・・そうですね、ありがとうございます!」


「それに、いざとなったら文弥にあてとけば大丈夫っすよ!」


「なんで僕!?」


「笑いを取りたいときは皆本君ね」


「どう意味だそれ!?」


なぜか矛先が僕と渉に向いた


「ふふふ、そうですねそうしましょうか」


皆の言うことにノッてしまった白石先生


「「やめてください!」」


「冗談です。さぁ、授業を始めましょう」


先生がそう言って教科書を開き授業が始まる


皆が緊張をほぐしたからなのか白石先生の雰囲気もいつも通りになり授業も滞りなく進み無事に終わった


そして、3,4時間目の家庭科


「さてと今度は、和人君と渉の授業参観ね」


亜姫のクラスに行っていた春香さんと家庭科室で会い少し話をする


「つっても、調理実習だけどな」


「何言ってるのよ、調理実習だって立派な授業なのよ?渉もちゃんとできてなかったら家で料理の練習させるわよ」


「ま、マジ?」


「当たり前よ、今の時代男の子だって料理できないと。渉ができるのって味噌汁とかの簡単なものでしょ?」


「なんか、急にハードル上がったぞ・・・」


「ま、まぁみんなで作るんだからさ気楽にやろうよ。そういえば春香さん亜姫の授業はどうでしたか?」


「ちゃんと、ビデオに収めたわよ。亜姫ちゃん、真面目だから感心しちゃったわ」


「亜姫は良い子ですから」


「っと、和人そろそろチャイムが鳴るぞ」


「ホントだ、それじゃあ春香さんこれで」


「頑張ってね、和人君。渉もね」


「はいよ」


僕と渉はひとまずテーブルに先生の話を聞くためテーブルにつく


「今日は、各自で好きなものを作ってもらいます材料は揃えてあるので班で話し合って作ってくださいね後、親御さんが来ているのでちゃんと班で人数を確認してください。親御さん方も料理が始まったらお好きに見て回ってください」


先生の指示があった後、それぞれの班が動き出す


保護者の人たちも自分の子のいる場所へと移動し始める


僕たちの班は、渉・相沢さん・吉姫さんと最近は割と一緒になることが多いメンバーとなった


「よろしくね~文弥君、皆本君」


「よろしく~」


「うん、よろしくね相沢さん、吉姫さん」


「良かった~文弥君がいて私も吉姫も料理経験ほとんどないから」


「そうなの?」


「たまにお母さんの手伝いするくらいかな~」


「そうなんだ、まぁ時間もあるしゆっくりやれば大丈夫だよ」


「まぁ、和人がいるんだからまずくはならないだろ。さてと、先生はああ言ってたけど何作るよ?」


「う~ん、ちなみに皆は何か食べたいものとかある?」


「そうねぇ~あ、じゃあハヤシライスは?」


「ああ、それいいね~前に相ちゃんと食べに行ったところおいしかったよね~」


「そうそう、今それをふと思い出したのよ」


「なるほどな、和人作り方わかるか?」


「もちろん、それじゃハヤシライスにしようか。相沢さんと吉姫さんは保護者の方は来てる?」


「ええ、うちはお母さんが来てるわ」


「私のところもお母さんが来てるよ~」


そういいながら二人は視線を後ろに移す


視線の先には春香さんを含め3人の女性が立っていた


春香さんの隣にいるのが相沢さんと吉姫さんのお母さんだろう


「じゃあ、7人分だね。それじゃ、さっそく取り掛かろうか。渉、材料取りに行くから手伝ってよ」


「分かった、んじゃ行くか」


渉と一緒に材料を取りに行く


「えっと、玉ねぎと牛もも肉と後はホールトマト、バターにマッシュルームと後は・・・」


次々と必要な材料を取っていく


材料をあらかた揃え自分たちのグループへと戻る


「お帰り~文弥君、皆本君材料いっぱいだね~」


「うん、何しろ7人分だからね」


「まぁ、おのずと量も多くなるわな」


「あれ、卵もあるわね?」


「うん、折角だからオムハヤシにしようと思って」


「おお~それもいいねぇ~」


ということでいざ料理スタート


「く~やっぱり玉ねぎは目に沁みるぜ~」


渉が玉ねぎを切りながら涙を流す


「そうだね、ゴーグルとかあると切りやすくていいんだけどねそういうのはないから我慢して切るしかないよ」


「くそぅ、玉ねぎなんという強敵!」


なおも涙を流しながら玉ねぎを切り続ける渉


僕は周りをちらりと見渡してみる


皆、料理の経験が少ないためかいろいろ苦戦しているみたいだ保護者の人たちも切り方が違うなどと言っている人も結構いる


そしてここも例外ではない


「葵、もう少し小さく切った方がいいわよ」


「え、そうなの?」


「楓ちゃんももう少し小さく切りなさい2センチくらいに」


「は~い」


相沢さんと吉姫さんのお母さんも娘の調理に少しアドバイスをしている


ちなみに前者が相沢さんのお母さんで後者が吉姫さんのお母さんだ


相沢さんは下の名前が葵で吉姫さんは楓というらしい


相沢さんと吉姫さんにはマッシュルームと牛肉を切ってもらっている


「はぁ、うちの娘も文弥君ぐらい料理ができたらね~」


相沢さんのお母さんが軽くため息をついてそうつぶやく


「無茶言わないでよお母さん、さすがに文弥君並みにはできないって年季が違うもん」


相沢さんがそういい返す


「そうだよね~さすがにそれは無理だよ~」


「だったら人並みに料理できるくらいにはなりなさい楓ちゃん」


「そうね、葵にも料理を本格的に教えようかしら?」


なんだか話の方向が先ほどの渉と春香さんの会話に似ている


僕はそれを苦笑いで見ていることしかできなかった


それから少しして材料を切り終えたたので食材を炒める


まず牛肉を強火で簡単に炒めて一度取り出し次に中火にしてバターを融かし玉ねぎを炒めしんなりしてきたところでマッシュルームを入れて、そこから少し時間が経って牛肉も入れる


「あ、そうだ。渉、悪いけどこのまま炒めといてくれる?ちょっと調味料とってくるよ」


「ん?ああ、いいけど。何か足りないものあったか?」


「ワインとリンゴ酢を持ってこようと思って」


「そんなの何に使うのよ文弥君?」


相沢さんがそう聞いてきた


「ワインは香りつけのためにフランベをしようと思って、リンゴ酢は最後の方で味付けの一つとして使おうと思ってお酒が飲める年ならワインだけでいいんだけどね」


「文弥君、フランベできるのすごいね~」


吉姫さんが感心したような声を上げる


「長年積んだ経験の産物かな、それじゃ行ってくるよ」


一言そういって僕は先生のもとに行く


「先生」


「どうしたの文弥君?」


「香りつけのためにフランベしようと思ってるんですけどワインってありますか?後、リンゴ酢が欲しいんですけど」


「ええ、あるわよ。ちょっと待ってね」


先生はそう言ってその場を離れる


少しして先生が戻ってきた


「は、ワインとリンゴ酢。文弥君は料理経験もあるし成績もいいから心配ないと思うけど、一応フランベするときは気を付けてね」


「はい、ありがとうございました」


お礼を言って自分の班へと戻る


「和人、戻ったのか」


「うん、両方あってよかったよ」


渉と場所を交代し火を調節してフランベをする


「「「お~!」」」


3人が声をそろえて驚く


「器用ね~文弥君は」


今度は、吉姫さんのお母さんがそういった


「いやいや、そんな大したものじゃないですよ度胸があればだれにでもできるってテレビでも聞いたことありますし」


「いや、その度胸を当たり前のように持ち合わせてるお前がすげえよ」


渉の言葉にうなずく二人であった


その後は、デミグラスソースをもとにウスターソースやケチャップ、醤油やリンゴ酢を加えて味を調整して時間に少し余裕をもってルーの方は完成


ご飯は一番最初に炊いておいたのですでに炊けている


半熟になるように卵をかきまぜてからご飯の上に乗せて最後にルーをかけて完成


他の班ももうほとんどが出来上がっており保護者の人と食事を楽しんでいる


「よし、できた」


「おお~うまそ~」


「なんだかんだでほとんど文弥君に任せっぱなしだったわね」


「相沢さんたちだって、自分たちで卵作ったじゃない」


「でも、文弥君ほどきれいにできなかったな~」


「最初はそんなものだよ、僕もよく失敗したしね」


「まぁ、いいんじゃねえか冷めないうちに食べようぜ」


「そうだね、椅子を持ってこよう」


人数分の椅子を確保して皆で座る


「「「「「「「いただきます」」」」」」」


手を合わせて僕たちは料理を食べ始める


「ん~おいしい~」


「本当、おいしいわ~」


「さすが、和人君ね」


保護者の3人が思い思いに感想を口にする


「皆で作ったからですよ」


「本当、おいしいわ。前回食べたレストランよりおいしいわ」


「幸せだよ~」


「うん、美味い。何杯でもいけそうな気がするぜ」


その後、食事を終え食器をきれいに片づけて家庭科は終了した


家庭科を終えてお昼休みの時間がある僕と渉、春香さんは教室で少し話をしていた


他の学年の保護者たちは今頃、食堂でお食事中だろう


「それじゃ、最後は美晴ちゃんね」


「すみません、ご迷惑をおかけして」


「そんなことないわ、見てる方は結構楽しいものよ」


「母さんは、こういうの楽しむタイプだからな」


渉がそう言う


「そうよ、好きでやってるんだもの気にしなくていいのよ」


そして、時間が過ぎていく


午後の授業も特に変わったこともなく無事終わった


放課後、保護者の人たちは生徒より先に帰り僕たちはホームルームを終えて解散となった


昇降口ではる姉と亜姫と美里先輩と合流する


渉は部活のため今日は4人での下校となる


「それにしても、春香さんが来た時はビックリしたわよ」


「僕も話を聞いたときはビックリしましたよ、なんか母さんが電話で頼んだらしくって」


「なるほどね~でも良かったじゃない、映像とはいえ自分たちの授業風景を美空さんに見てもらえるってことでしょ。美晴も今日は少し落ち着きなかったもんね~」


美里先輩がからかうように言った


「そ、そんなこと・・・ない」


おお、めずらしくはる姉が動揺している


「私も・・・うれしかったです」


亜姫も今日、自分の授業風景を見てくれる人がいたためかさっきから機嫌がよかった


「和人君はどうなのかしら?」


「そりゃあ、うれしいですよ。母さんが気にかけてくれてたってことですから。それになんか新鮮な感じでしたね自分の授業を見てくれる人がいるっていうのは」


「ふふ、よかったわね、3人とも。それじゃ私はここでまた来週ね~」


「はい、それじゃあ」


「じゃあね・・・美里」


「さようなら・・・美里先輩」


手を振りながら美里先輩は去っていく


しばらく見送った後僕たちも家へと帰る


そして、家に帰った後も僕たちはなんだか妙に気持ちがほんわかとした気分だった

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