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第69話

第69話


あの人気投票のプリントが配られた日から四日後の木曜日


学校を終えて今日は、ノートが少なくなってきてちょっと心配になのでノートを買って帰ろうと思い


昇降口で待っていたはる姉たちには少し申し訳ない気もするが僕の買い物に付き合わせるのも申し訳ないのでそのことを報告し先に帰ってもらった


ちなみに今日は、45分の短縮授業だったのでいつもより帰るのが早い


そして、僕は近所のスーパーへと向かっている


スーパーに到着しさっそく文房具売り場に行く


しかし・・・


「あれ?ノートがない」


どこを見てもノートが見当たらない


というより見た感じ普段ノートが売られている段だけ何もない


「売り切れなのかな?しょうがないもうちょっと歩くことになるけど文房具店に行こうかな」


無いものは仕方ないのでもう少し歩いたところの文房具店に向かうべくスーパーを後にする


スーパーを出てさらに少し時間が経つ


ようやく文房具店に着いたが


「・・・」


店は閉まっておりそこには臨時休業という紙が貼られていた


「困ったな~ここがあいてないとなるとさらに遠くのお店になっちゃうよ」


しかもそこまでのお店はスーパーから今の文房具店の距離よりはるかに長い距離歩かないといけない


「でも、今買っておかないと家にもストックなかったと思うし」


しばらく、その場で考えていたがやはり明日のことを考えると買っておかなければと思い仕方ないので遠くの文房具店に向かう


さっきのお店から歩くこと数十分やっと文房具店に到着した


「良かった開いてるこっちの方はあんまり来ないから開いてるかどうか不安だったけどよかったよ」


とりあえずノートを買うべくノートが売っているであろうコーナーに向かう


三軒目にしてやっとノートが売ってあった5冊ぐらいでまとめてあるやつを二つ買い後、念のためにシャーペンの芯も買っておく


そして、せっかく遠くの文房具店まで来たので少し店内をウロウロしてみる


「へぇ~、いろいろ売ってるんだな~」


しばらく見て回っていると


「あれ?和人さんじゃないですか?」


と声をかけられた


声の聞こえた方を見ると


美奈ちゃんが立っていた


「美奈ちゃん、こんにちは」


「はい、和人さんこんにちは。奇遇ですねこんなところで会うなんて」


「そうだね、美奈ちゃんも買い物?」


「はい、お気に入りのシャーペンが壊れちゃってそれを買いに、和人さんはどうしてここに?和人さんの家からずいぶん遠いですよね此処」


「それがノートがなくなってきたから買いに行こうと思って近くのスーパーに行ったら売り切れでそのあと、そこから少し歩いて文房具店に行ったんだけど休みだったからここまで来たんだ」


「そうなんですか大変でしたね」


「まぁ、ノートも買えたからいいんだけどね」


「ここは品ぞろえが豊富ですからね」


「そうだね、少しびっくりしたよ」


「まぁ、私も滅多には来ないんですけどね」


「アハハハ、文房具店って滅多に来ないよね」


「そうですね、あっ!折角ですから近くでお茶でもしませんか?」


「うんいいよ、じゃあ僕はこれ買って店の外で待ってるよ」


「はい、私もすぐに買っちゃいますね」


そして、僕はすぐにレジで買い物を済ませてお店を出たところで待つ


美奈ちゃんもあれからすぐに買ったらしく思ってたより早くお店を出てきた


「早かったね美奈ちゃん」


「はい!買うものは既に決まっていたので」


「そうなんだ、それじゃ行こうか」


「はい」


僕たちは、お店を後にする


僕は、この辺のお店には詳しくないので美奈ちゃんがオススメしてくれた喫茶店に向かった


美奈ちゃんオススメの喫茶店に到着し中に入る


店員さんが席に案内してくれて僕たちは向かい合うように座る


「ここのケーキおいしいんですよ」


「へぇ、それじゃそれにしてみようかな」


注文もすぐ決まり僕と美奈ちゃんは同じケーキセットを頼んだ


しばらくして、注文したものが届く


ケーキを食べながら僕たちは話をする


「ホント和人さんを見つけた時はビックリしましたよ家と反対方向なのになんでここにいるんだろうって」


「僕もまさかあそこで会うなんて思ってもみなかったよ。美奈ちゃんの家はこの辺なの?」


「はい、そうですよ」


「そうなんだ、そういえば美奈ちゃんも今日学校早いけど短縮授業だったの?」


「はい、先生同士で会議があるらしくて」


「ってことは部活もなかったの?」


「はいまぁ部活は、今週から休みだったんですけど」


「えっ、どうして?」


と僕が聞くと美奈ちゃんはいきなり涙目になり


「うう~来週テストなんですよ~今、現在進行形でテスト期間中なんです~」


「ええっ!じゃあ、ここでお茶してるのはまずいんじゃ・・・」


「そうですけど~折角あったしリフレッシュしたいじゃないですか~」


「き、気持ちはわからないでもないけど、だったら由香ちゃんや優菜ちゃんとリフレッシュすればいいんじゃ」


「そう思ったんですけど、二人とも今日は用事があるからって冷たいと思いませんか!!」


「用事じゃ仕方ないと思うけど・・・」


「和人さん!!!」


「は、はい!」


「私に勉強教えてください・・・切実に」


「わ、分かった。僕でよければ教えられる範囲でだけど」


「ホントですか!」


「う、うん折角会ったんだし断る理由もないし」


「えっと、じゃあ私の家でもいいですか?騒がしいかもしれないですけど喫茶店で長居するのも申し訳ないし図書館とかでもいいですけど家のほうが近いので」


「僕はそれでいいよ」


「じゃあ、さっそくいきましょう!」


そういいながら美奈ちゃんはカバンを持って帰る支度を整えた


僕も鞄を持ちレジで会計を済ませて外に出た


そして美奈ちゃんの家に向かう


そして、歩くこと10分


美奈ちゃんの家は確かにあの喫茶店から近かった


今更だけど少し緊張するかも


美奈ちゃんがただいま~と言いながらドアを開ける


「どうぞ、和人さん」


「お邪魔します」


と言って玄関に入ると


「おかえり~」という声が聞こえた


そちらに目を移すと年上と思われる女性が立っていた


その女性と目が合う


「・・・え、えっとお邪魔します」


「・・・み」


「み?」


「美奈が男連れてきたーーーーーーーーーーー!!!」


と大声で叫んだ


「ちょ、ちょっと夏目なつめお姉ちゃん!何大声で叫んでるのよ!!」


美奈ちゃんが顔を真っ赤にしながら女性の人を怒鳴るどうやら美奈ちゃんのお姉さんのようだ


「ええ!美奈が!?」


「あの美奈が!?」


と言いながらさらに二人の女性が出てきた


夏目っていう人と2,3つ違うんじゃないかと思われる女性だった


「ホントだ美奈が男の人連れてきた!」


「しかもイケメン!」


その二人も僕を見てテンションを上げていた


可憐かれんお姉ちゃん!歌帆かほお姉ちゃんも騒がないでよ恥ずかしいじゃない!」


とさらに現れた二人のお姉さんに美奈ちゃんの顔はさらに赤くなる


「うう~やっぱり図書館にすればよかった・・・」


そして、しばらくの間玄関でごたごたしていた


その後、3人のお姉さんに僕も美奈ちゃんも連行され今現在リビングにいる


「えっと、和人さん改めて紹介します。右から長女の可憐お姉ちゃん、次女の歌帆お姉ちゃん、三女の夏目お姉ちゃんです」


「初めまして~可憐です22だよ」


「どうも~歌帆20才です」


「よろしくね~夏目19だよ」


軽く手を挙げて挨拶をしてくる


「初めまして、文弥和人っていいますえっと17です」


僕も自分の名前を名乗り返事を返す


「へぇ~和人君ていうんだ~」


「かっこいい名前だね~」


「美奈とはどういう関係なの?」


「変なこと聞かないでよ夏目お姉ちゃん!ただの先輩だから!」


「ええ~ホントに~」


「嘘ついてどうするのよ」


「だって顔赤いし~制服も違うし~」


「顔が赤いのは怒りのせいで制服が違うのは別の学校の友達経由で知り合ったからよ」


3人のお姉さんはいまだにニヤニヤしながら美奈ちゃんを見ている


「も、もういいでしょ!今日は、勉強教えてもらうために呼んだの。私の部屋に行きましょ和人さん!」


そう言って美奈ちゃんは僕の腕をつかむ


しかし、反対側の腕を夏目さんに掴まれる


「ちょっ!なんで和人さんの腕つかんでるのよ!夏目お姉ちゃん!」


「だって私たちも和人君と仲良くしたいしここで勉強すればいいじゃん」


「ここで、勉強したらお姉ちゃんたちが邪魔するでしょ!」


「しないって~和人君とお話しするだけだし」


「それが邪魔になるの!」


「じゃあ、私たちも美奈の部屋に行く」


「何の解決もしてないじゃない!」


結局、お姉さんたちにしつこく言われ美奈ちゃんはしぶしぶリビングで勉強することになった


勉強道具を広げながら美奈ちゃんはまだ少しご立腹のようだ


「すいません和人さん騒がしくて」


「気にしないで、楽しいお姉さんたちじゃない」


「ただうるさいだけです」


「酷いな~美奈は~」


「和人君は私たちの味方よね~」


歌帆さんが後ろから抱きつきながら僕に聞いてくる


「さぁ!、始めましょう和人さん!ほら歌帆お姉ちゃん離れて」


「え~」


「そうよ歌帆、次は私が抱きつくんだから」


可憐さんが歌帆さんにそう言う


「その次は私ね~可憐姉さん」


「二人も抱きつかないでね!」


「「え~」」


「え~じゃない!」


「と、とりあえず始めようよ美奈ちゃんは何が苦手科目なの?」


「えっと暗記は何とかなるんですけど、数学とか物理とかが苦手で・・・」


「なるほど、確かに計算は苦手な人も多いからね」


「だからその辺を教えてもらえたらなぁ~と」


「なるほど了解。ところで・・・あのそろそろ離れてもらえるとうれしいんですが」


僕はいまだに抱きついている可憐さんたちに話しかける


いつのまにか皆ひっついているのだ


「いいな~肌すべすべ~」


「はぁ~こんな弟がほしかった~」


「和人君、今彼女とかいるの~?」


あれ?なんか話聞いてない気がする・・・


「皆邪魔しない約束でしょ!和人さんから離れる!」


「邪魔してないよ~」


「そうそう美奈の邪魔はしてないもん」


そういいながら3人は抱きしめている腕にギュッと力を入れる


「う~!和人さんここ分からないので教えてください!」


美奈ちゃんは少し怒りながらノートを指さす


「あ、うん。あのこのままじゃ教えづらいのでとりあえず一旦どいてもらえると助かるんですけど」


そういうと3人はしぶしぶながらにどいてくれた


そして僕は美奈ちゃんが指差した問題を見る


「どれどれ、この問題はねまずこのxを求めてそのあとこの式に解いたxを代入すれば解けるよ」


「え~と、ここを計算して・・・入れると・・・ホントだ!できました」


「じゃあ、この問題解いてみて似たような問題だから解けると思うよ」


「はい、わかりました」


美奈ちゃんは教科書の問題をノートに写して解き始める


「ちょっと、この教科書見てもいいかな?」


「はい、いいですよ問題写しましたしどうしたんですか急に」


「僕たちの高校とは教科書違うみたいだからちょっと気になってね」


「そういうことですか、まぁ何かやってる方がいいかもしれませんねあっちで目を光らせてる人たちがいるし・・・」


そう言って美奈ちゃんはジト目でそっちを見る


その方向には美奈ちゃんのお姉さんたちが獲物を待つ獣のように目を開き待っていた


「何よ~邪魔してないわよ~」


「そうだそうだ~」


「まるで人を獣みたいに失礼しちゃうわ」


3人は美奈ちゃんに不満そうな顔でそう言った


苦笑いしながら僕は美奈ちゃんが使っている教科書に目を向ける


いくつかページをパラパラとめくりどれくらい違うのか見てみる


しばらく教科書を見てそれからもともと開かれていたページに戻して机に置く


「どうでした?」


美奈ちゃんが気になる様子で僕に聞く


「この教科書だとちょっと難しいかもしれないね。例題とかも式が省かれてるところがあるから」


「あ~やっぱりそうなんですか~学校でよくこの教科書分かりづらいって皆言ってますよ。あ、和人さん問題解けたので見てもらえますか?」


「了解」


美奈ちゃんからノートを渡され問題を見てみる


「え~と、ここがこうなるからこうなって・・・あ!少し計算ミスしてるね」


「え、ホントですか!」


「うん、ほら此処」


間違っている場所を指でさす


「あ、ホントだ・・・解けたと思ったのにな~」


「計算ミスだけで解き方はあってるから落ち着いて解けば大丈夫だよ」


「なんか悔しい~」


「何回か同じように解いていけば絶対解けるよ。そうだ!じゃあプチテストやってみようか」


「プチテストですか?」


「うん、僕が教科書からいくつか問題出すから何も見ずにとりあえずやってみて終わったら正解不正解関係なく美奈ちゃんが解き方を一回説明する。そのあと僕が見てあってるかどうか確認するって感じで」


「そんなの自信ないですよ~」


「正解してなくてもいいんだよ、間違ってたらそこをちゃんと教えるし、合ってたらそれを相手に説明することで自分の頭にも入るから」


「わ、わかりました頑張ってみます」


「うん、その意気だよじゃあ試験範囲見せてくれないかな?違うところだしたら大変だしね」


「はい、ちょっと待ってくださいね~え~と・・・これですね」


「ありがと、えっと結構広いねでもさっき教科書見た感じだとある程度今さっきのような問題がちゃんと解ければ後は応用で何とかなるものが多いかな」


「え?和人さん教科書の中身覚えてるんですか!?」


「え?うん、大まかにだけど」


「でも、さっきの一回しか見てないですよね!」


「ま、まぁ一回やってることだし中身が違うといっても習うこと自体は同じだから」


「それでもすごいですよ!私なんか一年たったら内容なんか忘れちゃいそうだし・・・」


「とりあえず問題作るね範囲が広めだから20問ぐらいにしようかな」


「あ、じゃあその間に私お茶でも入れますよ!というより今までお茶も出さずにすいません」


「そんなこと気にしなくていいのに」


「いえ!どのみち作るまでに少し時間あるだろうしそれまでにぱぱっと作りますね。お姉ちゃんたち和人さんに手を出したら駄目だからね!」


キッチンに行く前に3人に念を押す美奈ちゃん


「「「え~」」」


しかし、一人としてハイとは言わない


「え~じゃない絶対だからね!」


と言ってキッチンに向かう美奈ちゃん


しかし、美奈ちゃんがキッチンに消えた瞬間お姉さんたちの目が光る


あ、これやばい・・・


ジリジリとこちらに近づいてくるお姉さんたち


「そんな心配しなくても大丈夫大丈夫問題作るところ見てるだけだから」


「ほ、本当ですか?」


「もちろん!だから、そんな怯えた小動物のような目で見なくても大丈夫!」


「そうそう、なんだかんだであんまりお話しできてないしね。それに・・・」


「それに?」


「「「そんな目されると逆に襲いたくなるから」」」


「・・・」


とりあえず問題作りに取り掛かる


3人は言った通り僕が作るのを見てるだけだった


半分くらい問題を書いているところで


「和人君、問題作り上手いわね」


と可憐さんが言ってきた


「そんなことないですよ、ただ問題教科書から抜粋してるだけですし」


「いやいや、うまい具合に問題抜粋してると思うよ」


今度は、歌帆さんがそう言った


「うんうん、さっき美奈に教えてた時もわかりやすく教えてたし~和人君って頭いいんだね」


と夏目さんが言った


「褒めすぎですよホントにそんな大したもんじゃないですから」


と3人と話しながら問題が完成した


「和人さ~ん、お茶入れたのでどうぞ」


そういいながら美奈ちゃんが僕の前にお茶を置いてくれる


「ありがと美奈ちゃん」


「いえいえ、勉強教えてもらってるんですからこれくらいのことは。後、一応お姉ちゃんたちの分」


「さんきゅ~」


「どうも~」


二人は、美奈ちゃんにお礼を言う


「私は紅茶が良かったな~」


「嫌なら飲まなくてもいいわよ」


「冗談よありがと」


夏目さんも冗談を言いつつもお礼を言う


「じゃあ、問題解いてみようか」


「はい!」


美奈ちゃんは、その問題を黙々と解き始めた


しばらくして、問題を解き終えた美奈ちゃんが僕にそれをいいその後どうやって解いたか説明をする


「って感じで解いたんですけどどうですか?」


全部の説明を終えて美奈ちゃんは不安そうに僕を見る


「うん、2,3問間違いもあるけどほとんど正解だよ」


「ほ、ホントですか?」


「うん、じゃあ今から間違ってるところを教えるね」


「はい、お願いします!」


そうして教えようとした時、ドアを開く音がした


「ただいま~」


そこには、穏やかそうな女性が立っていた


「あ、お母さんお帰り~」


「可憐、ただいま~玄関に知らない靴があったけどお客さんかしら?」


「美奈の知り合い~かっこいい男の子だよ~勉強教えてもらってるの~」


可憐さんが少しだらけたような声でそういった


「あらあら!美奈が男の子連れて来たの!」


「私が男の人連れてくるのがそんなにおかしい?」


美奈ちゃんが拗ねたように小声で言う


「あら!ホントかっこいい子ね~」


「お邪魔してます。初めまして文弥和人っていいます」


「礼儀正しい子ね~初めまして椿つばきといいます美奈がお世話になってます」


「いえいえそんなことは!」


返事を返しながら随分丁寧な人だなと思う性格的には春香さんに似ているかもしれない


「どうぞゆっくりしていってね」


「はい、ありがとうございます」


「さぁ、和人さんやりましょう!」


突然の美奈ちゃんの声にビックリする僕とニヤニヤするお姉さんたち


「あ!そうだね。えっと間違ってたのはね此処と此処、あと此処だね。」


僕は間違っていたところを指摘し教える


その後、ちょっとだけ数学を続け次は、物理に入った


物理もさっきと同じようにプチテストを作りそれを数回繰り返した


そして、大分時間がたったころ勉強を終えた


「はぁ、疲れました」


「お疲れ様、今日だけで大分解けるようになったじゃない」


「和人さんの教え方がいいからですよ」


「美奈ちゃんが頑張ったからだよ。さてと、そろそろ帰らないと」


「え~和人君帰っちゃうの~」


「まだいいじゃない~」


「夕飯食べていきなよ~ね~お母さん」


「そうね~和人君も食べて帰りなさい」


「悪いですよそんな」


「是非食べていってくださいよ和人さん」


「でも・・・」


僕が悩んでいると美奈ちゃんを含めた4姉妹がうる眼でこっちを見てくる


うっ!こ、断れない


「じゃ、じゃあお言葉に甘えて」


と僕が言った瞬間4人が一気に笑顔になる美奈ちゃんたちのお母さんも笑顔でこちらを見ている


「あ、でも亜姫ちゃんと美晴さんが夕食作ってるかもしれないですよね」


「連絡して言っておくよ」


僕はそういいながら携帯を出して家に連絡する


「はい・・・もしもし・・・和ちゃん?」


「うん、はる姉もう夕食作った?」


「まだ・・・和ちゃんが・・・なかなか帰って・・・こないから・・・帰ってきてから作ろうと・・・思って」


「そうなんだ、えっと実はね・・・」


僕は、今までのことを説明する


「ということなんだ」


「ん・・・分かった・・・じゃあ夕食は亜姫と二人で・・・食べる・・・帰りは気を付けてね」


「うん、ありがと」


「後・・・なるべく早く・・・帰ってきてね・・・寂しいから」


「分かった、じゃあ切るね」


僕は、話を終えて連絡を切る


「どうでしたか和人さん?」


「まだ作ってなかったよ」


「あの、やっぱりご迷惑でしたか?」


「そんなことないよ、むしろ僕のほうが迷惑なんじゃないかなって思うよ」


「そんなわけないですよ、じゃあ食べましょう」


「ありがと」


僕は、美奈ちゃんの隣に座ることになった


「今日は、すき焼きなんだ~いい匂い~」


歌帆さんが料理の様子を見ながらそう言った


「お肉が安かったのよ~」


「そういえば、今日はお父さんはどうしたのいつもより遅いけど」


可憐さんが椿さんにそう聞いた


「今日は、会社の人たちとご飯食べて帰ってくるみたいよ、携帯に電話があったの」


「てことは結構遅くなるね」


「そうね~」


材料を切ったりしながら椿さんは可憐さんの質問に答える


というか今までの会話の中に入れなかったけど何か手伝った方がいいのかなやっぱり


そう思い僕は、椿さんに話しかける


「あの~、何か手伝えることありませんか?じっと待っているのも悪いですし」


「いいのよ~和人君はお客さんなんだからそんなに気を遣わなくても」


「そうですよ、和人さんはゆっくりしててくださいお母さん私が手伝うよ」


美奈ちゃんがそう言って席を立つ


「ありがと~、でも美奈材料切れるの~?」


「ば、バカにしないでよ!それぐらいは切れるわよ」


「じゃあ~シイタケとねぎ切ってくれるかしら」


「は~い」


返事をし作業に取り掛かる美奈ちゃん


しかし、あんまり料理はしないと前に行っていたので動きはやはりぎこちない


ちょっと危なっかしかった


「や、やっぱり僕も手伝おうか美奈ちゃん?」


「ア、アドバイスだけもらえますか・・・」


「アハハ、了解」


「えっと、ネギって斜め切りでいいんでしょうかそれともぶつ切り?」


「斜め切りかな、その方が断面積が増えるから火も通りやすくなるし味も染み込みやすくなるし」


「分かりました、じゃあ次はしいたけですね。水で洗って・・・」


「あ、水で洗っちゃだめだよ美奈ちゃん」


「どうしてですか?」


「水で洗っちゃうとキノコ類は旨味成分が一緒に流れちゃうから汚れがあったら湿った布巾とかで軽く拭き取るくらいでいいんだよ」


「そうなんですか~じゃあしいたけのかさに切り込みいれるのはどうやったらいいんですか?」


「えっとね、まずしいたけの根元の石づきってところを取ってちゃんとまな板においたらかさの中央に斜めに刃を入れるようにして、放射状に切り込みを入れるそして今度は逆の方から刃を入れて切り取ればできるよ」


「えっと、こうやってああできましたよ!和人さん!」


「おお!うまいね美奈ちゃん」


「和人君、料理詳しいわね~よく料理してるのかしら?」


椿さんが感心したようにこちらを見ながら僕に聞いてきた


「はい、家は両親共働きであんまり家にいなくて姉と妹の3人暮らしなのでよく料理するんです」


「お姉さんと妹さんは料理できないの?」


「いえ、二人共料理できますよ。でも、僕の作った料理をおいしいって言ってくれるんで作ってるんです」


「そうなの~私も食べてみたいわ~」


「また、その機会があれば」


「そういえば、私も和人さんの料理食べたことないような気がします」


「そうだっけ?」


「はい、夏休みに皆さんとバーベキューはしましたけど」


「そう言われると確かにないような気がする。じゃあ美奈ちゃんにも食べさせてあげないとね」


「楽しみにしてます」


「さて、もうできたから席に着きましょ」


椿さんの一言で僕たちは席に着く


そして、食事を始める


「しかし、さっきの話を聞いてると和人君は何でもできるんだね~」


「今のところ、勉強できるし容姿もいい料理もできるしね」


「和人さんは、運動もできるよあと歌も上手だし」


「完璧じゃない!ぜひ私のお婿に!」


「何変なこと言ってるのよ!夏目お姉ちゃん」


「だって、こんなパーフェクトな子なかなかいないし~」


「いやあの、褒めすぎですからそんな完璧じゃないですし」


「ウフフ、和人君はすごい子なのね」


「ホントにそんなすごくないですから」


と皆さんと楽しく食事をした


食事を終えすぐに帰ろうと思ったのだが椿さんにお代わりを勧められ少し食べすぎたのでちょっと休ませてもらった


その間、3人にいろいろ質問された


休憩を終えてさすがにそろそろ帰らないとまずいのでカバンを持って帰る支度をした


「じゃあ、そろそろ帰りますね」


「え~もう帰るの和人君」


歌帆さんが不満そうな声を漏らす


「すいません、さすがにそろそろ帰らないと姉と妹が心配するので」


「そうですね、和人さん今日はホントにありがとうございました」


「どういたしまして、そうだこれを渡し忘れるところだったはいどうぞ」


僕は美奈ちゃんにノートを渡す


「なんですかこのノート?」


「今日勉強したところの要点をまとめておいたんだ今日は結構勉強したからあんまり勉強の話はいやかもしれないけど暇なときにそれ見てみてよ」


「いつ書いたんですか!?」


「え?美奈ちゃんが問題解いてるときとかだけど」


「さらっとすごいこと言いましたね今、そんなにまとめる時間なかったはずなのに」


「まぁ、軽くまとめただけだから」


「ありがとうございます!!」


「どういたしまして、じゃあ今日はホントにありがとうございました!」


僕は、軽く頭を下げてお礼を言う


「いいのよ~別に~」


「また来てね~」


「いつでも来ていいよ~」


「帰りは気を付けてね~」


椿さん、夏目さん、歌帆さん、可憐さんが順にそう言ってくれた


「あ、玄関の外まで見送りますよ」


美奈ちゃんがそう言ってついてきてくれた


外に出てから僕が見えなくなるまで美奈ちゃんは手を振ってくれた


余談だが


僕が家に帰ってからは、はる姉と亜姫がお風呂以外でべったりだった


寝る時もこれまた予想通りの一緒に寝ることとなった


なんか最近一緒に寝る回数が増えてる気がする・・・


今回出した新キャラが今後出るかどうかはまだわかりません

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