第68話
第68話
週明けの月曜日、特に変わったこともなくいつものように家を出て途中で渉や美里先輩と会って
学校に向かっていた
「最近寒くなってきたわね~」
「そうですね、最近は薄着だともう過ごせなくなりましたからね」
「寒くなってくるとだんだんと布団から出る時間が長くなるんだよな~」
「それわかるわ~私も冬になるとだんだん布団から出る時間がなくなるもの」
「後は、風邪にも気を付けないとませんね今はまだ大丈夫だけど後ひと月ぐらいしたら今より乾燥しちゃいますし」
「そうね、湿度とかにも気を付けないといけないわね」
「そうですね」
そして色々話しているうちに学校に到着
そして各自の教室へ向かう
教室に入りクラスメイトの何人かと挨拶をする
その時、クラスメイトの一人が
「あ、そうだ新聞部のやつがさっき来てな、前においてあるプリントを取っとけってさ」
「分かったよ」
「了解」
そう言われて僕と渉は、前においてあるプリントを取る
「なんだろうこれ?」
「え~何々、君も一位を目指そう色々な人気者ランキング?」
僕たちがプリントを見ながらそうつぶやくと近くにいたクラスメイトが説明してくれた
「なんか、新聞部が考えた企画みたいでなそこに書いてあるものに当てはまるやつを書いて2週間後に投票するんだとそれでどれでもいいから一位になるとメダルを貰えるらしいぜ」
「へぇ~そうなんだ」
「でもこれ、結構いろんな項目があるぞ」
「確かに、優しい人、面白い人、物知りな人、他にもゲームが強い人なんてのもあるね」
「ああ、歌がうまいやつとか、喧嘩が強いやつなんてのもあるな」
「この、ビビりな人とか変わってるよね」
「ああ、一位になってもうれしくないだろそれ」
「ちなみに、一人で複数一位を取ることも可能だそうだ」
とさっきの説明に補足を入れてくれた
「なるほどな~まぁいいやそろそろ席に行こうぜ和人」
「そうだね」
プリントをしまって席へと向かう
ちょうどチャイムが鳴り先生が入ってくる
今日は、白石先生がホームルームをした
いくつかの報告を済ませて白石先生はホームルームを終了する
白石先生は、そのまま授業に参加するらしく教室に残った
「文弥君、皆本君、おはようございます」
白石先生がこちらにやってきた
「おはようございます白石先生」
「どうもっす」
「そういえば先生方も対象になるんですか?新聞部のあの人気投票は」
「そうみたいですよ。何人かの先生方がその話をしていましたからね」
「へぇ、そうなんですか」
「なんか、いつもより他のやつが優しくふるまってるしな」
「そうかな?」
「ああ、特に男がな」
「いつも通りじゃないの」
「そんなことねえよ、いつもより教室の花の水を替えたりしてるやつがいるしな」
「良いことじゃない」
「そうですよいいことだと思いますよ」
「ああだけど、そのたびに微妙に周りをチラチラ意識してるのが分かるんだよな~」
その言葉を聞き白石先生は若干苦笑いに
「ま、まぁ、そういう年頃ですし理由があっても自分から率先して動くのはいいことだと思いますし」
「まぁ、いいじゃない」
と話していると
「なんか楽しそうね」
「私たちも話に入れてよ~」
前にバスケで一緒になった相沢さんと吉姫さんがやってきた
「何の話してたの?」
相沢さんが聞いてきた
「今日の朝配られたプリントの話だよ」
「あの人気投票の?」
「そうそう、周りのやつらが意識してるなって話」
「確かにね~」
「色々項目があるからねもしかしたら自分がどれか一位取っちゃうんじゃね?ぐらいの気持ちなのよ」
「まぁ、確かに項目はいっぱいあるからね」
「でも~あんなに意識されると投票したくないよね~」
「そうそう、それに投票されるのは男子だけじゃないんだから」
「確かにな、女子限定の項目もあったし。普通の投票自体も男だけが投票されるわけじゃないしな」
「こういうのは、普通に過ごしている人の方が投票されるもんなのよ」
「そうかもしれませんね」
「さて、そろそろ授業の準備しないと」
「そうだな、そろそろチャイム鳴るし」
その後、相沢さんと吉姫さんも自分たちの席に戻り白石先生も後ろで他の先生の授業を見学するために後ろにイスを用意し座っていた
チャイムが鳴り先生が入ってくる
授業が始まり先生が教科書を見ながら黒板に色々書き込んでいく
しばらくして先生が
「誰かこの問題といてみろ~」
と言った瞬間
「「「「「はい!!!!!」」」」」
僕と渉以外の男子が手を挙げた
いやいやいくらなんでも意識しすぎでしょ・・・
僕は苦笑いしながら心の中でそう思った
先生も若干呆れ顔だった
その後の授業も僕と渉以外の男子生徒は自分から進んで問題にこたえようとしたりしていた
そして、その度に他の先生たちも呆れ顔か苦笑いだった・・・
午前の授業が終わりお昼休み
携帯にメールが届いていたので内容を見てみるとはる姉からで今日は中庭で食べることになったから中庭に集合と書かれていた
「和人~今日は飯何処で食べるんだ~?」
「今日は、中庭だって。今、はる姉からメールがきたよ」
「そっか、んじゃ中庭に行くか」
「うん」
お互い弁当を持って教室を出る
そして、中庭に行くと美里先輩が手を振って合図していた
「お~い、こっちこっち~」
僕と渉は、その場所に駆け寄る
「お待たせしました美里先輩」
「ん~いい天気っすね~あんまり暑くないし過ごしやすい天候だな」
「そうね、だから今日はここにしたのよ」
「兄さまたちも座ってください」
「うん、でもその前に飲み物買って来るよ」
「あ、俺も俺も」
「先に食べてていいですよ僕たちもすぐ戻るんで」
「いいわよ、すぐだろうし待ってるわよ」
「じゃあ、すぐ戻ってきます」
僕と渉は財布を持って近くの自販機に向かう
「おっ、あれ柚葉先生じゃないか?」
そう言って渉は指を指す
その方向には確かに柚葉先生がいた
「ホントだ」
近くに行って声をかける
「白石先生」
白石先生がこちらに気づき振り向く
「あら、文弥君に皆本君。二人も中庭でお昼ですか?」
「はい、はる姉たちと」
「そうなんですか~私もなんですよ、相沢さんと吉姫さんと一緒に」
「へぇ~、柚葉先生あの二人とよく話してますもんね」
「ええ、バスケットの時以来仲良くしてもらってます」
白石先生と話をしていると
「「柚葉先生~」」
相沢さんと吉姫さんがやってきた
「二人ともどうしたんですか?」
「どうしたじゃないよ~飲み物買いに行くって言ってから結構経つのに来ないから迷ってるのかと思って」
「心配してきたんですよ~」
「そうだったんですか、心配かけてごめんなさい」
「でも、文弥君、皆本君と一緒だったんですね」
「ええ、たまたまここで会って少し話をしていました」
「そうだったんですか~」
「二人は昼飯まだなのか?」
「ええ、柚葉先生が戻ってきてからにしようと思って」
「お腹ペコペコだよ~」
「だったら俺たちと一緒に食わないか俺たちもまだだし」
「あ!それいいね!」
「だろ」
「いいの~?」
「僕たちは、いいよあっちではる姉たちと一緒に食べる予定だったし」
「でも、迷惑じゃない?いつものメンバーの中に私たちが入ったら」
「そんなことねえよ、多いほうが飯もうまいし」
「そうだね」
「そうですね折角だしご一緒させてもらいましょう」
ということで僕たちも飲み物を買って白石先生たちと一緒にはる姉たちの所に戻る
「遅いわよ二人とも~ってなんか増えてるわね」
「飲み物買いに行ったら白石先生に会って少し話をしていたらクラスメイトの相沢さんと吉姫さんと会ったので一緒にお昼食べようと思って」
「こんにちは相沢です」
「吉姫です~」
「そうなの、全然いいわよ和人君たちのクラスメイトと話すの初めてだしね」
「ん・・・皆で食べた方が・・・おいしい」
「そう・・・ですね」
「じゃあ、食おうぜさすがに腹減ったし」
「そうだね」
「兄さまは・・・私の隣です」
そう行って亜姫は隣の開いているスペースをポンポンと叩く
「はいはい」
僕は亜姫の隣に腰掛ける
他のみんなも思い思いのところに腰掛ける
「それじゃ、食べようか」
「そうだな」
そして、お昼を食べ始める
「ねぇねぇ、相沢さんに吉姫さん」
美里先輩が二人の名前を呼ぶ
「はい、なんですか?」
「和人君と皆本君て普段どんな感じなの?私たちって普段お昼休みとかしか会ったりしないから普段の二人が気になるのよ」
「そうですね~、文弥君はクラスの人気者ですね何でもできるけどそれを鼻に掛けたりしないし勉強を他の人に教えてるところを良く見ますよ」
「皆本君も人気あるよね~明るいし面白いし~あっ!でも授業中は良く寝てるよね~」
「いや、そんなことは・・・有るような無いような」
「運動神経はいいけどね~」
「な、なんか恥ずかしいんだけどそんなに持ち上げられると」
「俺もチョイ恥ずかしい」
僕たちの反応を見て美里先輩はニヤニヤしている、白石先生は微笑ましそうにその光景を見ている
「へぇ~二人とも想像通りというかそれ以上というかやっぱすごいわね~」
「女の子にも人気あるしね~文弥君」
「やっぱり?」
「はい!本人がいないところではどんな女装をさせたいか話し合われているそうな・・・」
「怖いこと言わないでよ!」
「という冗談は実際あっても置いといて」
「えっ!あるの!」
「とにかく二人は人気ありますよ。だから今度の人気投票でもメダル取ると思いますよ~」
「ああ、あのいろんな項目があるやつよね」
「はい、そのおかげで今日は男子が少し騒がしかったですよ」
「私たちのところも多分そっちと似たような感じよ中には問題といて美晴の方にドヤ顔してたやつもいるし」
「そう・・・なの?美里」
「気づいてなかったの美晴?」
「ん・・・全然・・・授業に集中してたから」
「あらら・・・、まぁそれが最善だったと思うわよ」
「でも、文弥君と皆本君は落ち着いてたよね」
「いやだって、さすがにあんなテンションにはならんだろ」
「アハハ、さすがにね皆も進んで答えようとするのはいいことだと思うけど先生もちょっと呆れ顔だったし」
「大体、ああいう投票はなるようにしかならないしな」
「そうだね」
「二人とも大人だね~」
「ハハ、ありがと」
「後は~、二人は息が合ってると思いますよ柚葉先生が来た日の体育は特にすごかったんですから!」
「へぇ、それは興味があるわね」
「あの時は確かにすごかったですよね」
「体育で何をやったの?」
「バスケだったんですけどその時の二人はすごかったですよ他の人たちを寄せ付けない強さだったしうちのクラスは皆本君以外にもバスケ部員が何人かいるんですけどその人たちにも引けを取らないくらい強かったですし。それと最後の方の皆本君のダンクもすごかったんですよ」
「へぇ、皆本君ってダンクできたのね」
「まぁ、一応できるっすよ。俺は極端に身長が高いわけじゃないからジャンプでカバーしないといけないから試合とかだとあんまり使ったことないっすけど。タイミング合わないと難しいし」
「皆本君って身長どれくらいだっけ?」
「え~と、175cmくらいっすかね」
「それぐらいだと確かにタイミング合わないと難しいかもねバスケについてはよくわからないからなんとなくだけど」
「まぁ、一番すげえのはそのタイミングにちゃんと合わせてパスを出せる和人っすよ」
「あれもすごかったよね~後ろ向きのまま皆本君がすでにジャンプしている所に投げるんだもん~ああいうのなんていうんだっけ~?」
「空中でボールをもらってすのままシュートを打つやつだからアリウープだな」
「あれはすごかったよ~」
「そうねあれはすごかったわ~」
「へぇ~、それは私も見てみたかったわね」
「まぁ、機会があればということに・・・」
「それに、そろそろ皆教室戻らないと時間がなくなるよ」
「あ、ホントだ」
「じゃあ・・・教室に戻りましょう」
「そうだね」
僕たちは、飲み物などを片付けて各自自分たちの教室に戻った
午後もテンションの高い男子生徒にやや呆れながらの先生の授業だったが何事もなく終わり放課後になった
放課後もいつもの面々で帰宅して今日の少しにぎやかな一日を思い返しながらその日を終えた