表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/71

第67話

第67話


白石先生が来た週の土曜日


時刻は午前九時半を少し回ったくらいで


僕は、いつものように朝食を済ませて食器を片づけたり掃除などをしていた


二人はというと


はる姉はこれまたいつも通りかもしれないが部屋で本を読んでいる


亜姫は、由香ちゃんたちから遊びに行こうと誘われて少しいつもより機嫌がよかった


集合時間が10時半らしく今は部屋で服を選んでいる


「さてと、こんなもんかな」


僕は一通り掃除を終わらせて辺りを見渡す


「掃除も終わらせたし食器も洗ったし、どうしようかな~。あ、そういえばまだ部屋に夏服が入ったままだったな冬服も少し入れたけど後で残りの冬服と入れ替えとかないと」


服の入れ替えは午後からでいいとして僕は今まで動きっぱなしで少し疲れてしまったのでソファーに座ってテレビを見始める


とはいえ休日の午前中は面白い番組をやっているわけでもなくただテレビをぼ~と眺めていると


「兄さま・・・」


後ろから亜姫に呼ばれた


「亜姫、準備終わったんだね」


「はい・・・服似合ってますか?」


亜姫がその場で回り服を見せてくる


「うん似合ってる、かわいいよ」


「うれしい・・・です」


そう言うと亜姫は僕の隣に座る


「少し時間があるから一緒にテレビ見てます」


「そっか、何か見たいのあったら変えてもいいからね僕は何となく眺めてただけだから」


「私も・・・とくにはないです」


「まぁ、休日のテレビ番組は良いのないよね、午後とかならたまにバラエティ番組の再放送とかやってるけど」


「そうですね・・・でも私は・・・スイーツ特集とかが・・・いいです」


「そっか、亜姫は甘いもの好きだしね」


「はい・・・大好きです」


スイーツの話になると亜姫はふだんの時より表情が明るくなる


「それじゃ、今度何か作ってあげるよ」


「楽しみ・・・です」


一言僕にそう言った後、亜姫は時計を確認した


「あ、そろそろ・・・行かないと・・・兄さま・・・行ってきます」


「うん、楽しんでおいで」


「はい・・・」


亜姫は、カバンを持って出掛けた


亜姫が出かけてからしばらく経ったお昼の十二時半頃、僕は昼食の準備をし始めた


今日は、簡単にできるチャーハンにした卵スープとサラダを少し作り料理を完成させた


僕は、はる姉の部屋に向かった


部屋の前に到着しノックをすると中から「どうぞ」と声が聞こえたので扉を開けた


「はる姉、お昼できたから降りて一緒に食べよう」


「ん・・・分かった」


はる姉は、持っていた本を机に置き僕と一緒に下に降りた


リビングに戻り向かい合うように座り食事を始める


「相変わらず・・・和ちゃんの料理は・・・おいしい」


「ありがと。そう言ってもらえると作ったかいがあるよ。そういえばはる姉は今日ずっと部屋に居たね」


「うん・・・久しぶりに・・・昔買った本読んでたら・・・夢中になっちゃって」


「そうなんだ、でもあんまり部屋にばっかり居たら駄目だよ」


「ん・・・気をつける」


その後、普通に食事を終えて片付けもさっさと終えて僕は朝言っていた通りに冬服と夏服の入れ替えを始めた


とはいえまだ暑い日もあるので1着、2着は夏服の物を残しておき残りの夏服をしまいに行った


冬服が入っているケースを開けて服を取り出したが


「う~ん、どうしよう結構小さくなって着れないのがあるなぁ」


服を出して実際に見てみると小さくなっているのがかなりあった


「買いに行くしかないか、とりあえず着れそうな分の服だけ入れ替えて後は少し買い足せばいいか」


そう思った僕は、テキパキと整理を済ませて入れ替えが終わったケースをしまい取りだした服を自分の部屋のタンスにしまった


そして、財布に少しお金を足して出かける準備をする


はる姉に一言行ってから行こうと思いはる姉のところに行く


ちなみにはる姉は午前中は部屋で本を読んでいたが午後になってからはリビングで本を読んでいた


「はる姉ちょっと出かけてくるね」


「何処に・・・行くの?」


「ちょっと服を買いにね」


「めずらしいね・・・和ちゃんが服を買いに行くなんて」


「服の入れ替えとかしてたらサイズが合わなくなった物がいくつかあったから。まぁ、適当に買ってすぐ戻ってくると思うけど」


「駄目・・・」


「え?」


「和ちゃんも・・・高校生だしオシャレしないと・・・駄目」


「いや、でも僕ファッションとかよくわかんないし」


「私が・・・服選んであげる」


「はる姉が?」


「うん・・・まかせて」


「つまり一緒に行くと」


僕がそういうとはる姉がこくんとうなずいた


「じゃあ、お願いしようかな」


たぶん断ってもどの道行くことになるだろうし


「まかされた・・・」


はる姉は胸を張ってそういった 


「着替えてくるから少し待ってて」


「うん」


はる姉は、持ってきていた小説を重ねて部屋に持って行った


そして、10分ぐらいしてはる姉は戻ってきた


「おまたせ・・・」


「それじゃ、行こうか」


「ん・・・」


戸締りを確認しいつものデパートに向かって歩き始める


はる姉といろんな話をしながら歩くこと数十分、話しながら来たためかいつもより少し遅めにデパートに到着した


このデパートは男物の服は4階にあるのでそこまで移動する


4階に到着しとりあえず適当なお店に入る


一応、見て回っているがやはりオシャレというものにあまり興味がないためどれでもいいという考えが浮かぶ


「和ちゃんは・・・自分で何かこれがいいっていうのは・・・あった?」


「ないかなぁ、やっぱり何でもいいって思っちゃうし」


「じゃあ・・・私なりに選んでいい?」


「いいよ、そのためについてきてもらったようなものだしね」


「じゃあ・・・何着か適当に選ぶから・・・試着室のあたりで待ってて」


「分かったよ」


はる姉にそう指示され試着室のあたりに待機する


待機すること数十分はる姉が服を持ってきたのだが 


「あのさ・・・はる姉」


「何・・・和ちゃん?」


「いくらなんでも多すぎじゃない?」


僕の目の前には買い物カゴに山積みの服を持ったはる姉がいる。しかもカゴ二つ分


「これでも・・・少ないくらい」


「十分多いと思うけど」


「とりあえず・・・これと・・・これ・・・着てみて」


はる姉が僕に服を渡す


「わかったよ」


僕は言われるがままに服を着替え始める


はる姉に渡された服は、白いセーターとその上から着る黒のテーラードジャケットで下は紺色のデニムジーンズ


着替え終わり試着室のカーテンを開ける


「はる姉、着替え終わったけど」


「・・・」


「はる姉?」


「あ・・・うん似合ってるよ・・・和ちゃん」


「そうかな?でもこのジャケット少し大きい気がするんだけど」


「和ちゃんの・・・サイズに・・・合わせたつもりだけど・・・大きかった?」


「少しね、まぁ服によってはもともと大きめのがあるし」


「じゃあ・・・今度は・・・こっちの服着てみて」


「了解」


はる姉から別の服を受け取る


今度のは、さっきよりも全体的にラフな感じの服だった


着替えを済ませてカーテンを開ける


「今度のは・・・どう・・・和ちゃん?」


「着心地いいよ」


その後も、持ってきていた服の試着を何度もさせられた


しかも、何度か別の店に行ったり来たりしていた


おそらく数時間は経った頃に僕の試着はようやく終わった


「ふぅ、やっと終わった」


「それで・・・どれが良かった・・・和ちゃんは?」


「ん~どれがと言われるとな~はる姉から見た感じはどうだったの?」


「私は・・・一番最初の服装が・・・良かったと思う・・・和ちゃんは普段・・・もっとラフな感じの服を着るから」


「じゃあ最初のでいいや」


「でも・・・ジャケットが大きかったんじゃないの?」


「探せばもう一回り小さいのがあるかもしれないし。それに僕よりファッションに詳しいはる姉の意見のほうがいいと思うしね」


「じゃあ・・・最初のと・・・後もう何着か・・・別の買っておいた方がいい」


「そうだね」


はる姉の助言通りに他に試着した中から服を何着か決めた少し大きめだったジャケットも探してみたら一回り小さめのがあった


「あの・・・和ちゃん」


服を決め終わったころにはる姉が僕に話しかけた


「どうしたの、はる姉?」


「お願いがある?」


「お願い?別にいいよ今日は服を選んでもらったしね欲しいものでもあるの?」


僕がそう聞くとはる姉は首を横に振った


「そうじゃなくて・・・えっと・・・最初に選んだ服を・・・着てほしい」


「え?それって買ってすぐに着てほしいってこと?」


はる姉がコクンと頷く


「でも、着替える場所ないし」


「店員さんに話せば・・・その場で値札を切って・・・試着室で着替えさせてくれると思う」


「そうなの?」


「ん・・・場所にもよるけど」


「じゃあ、聞いてみてOKだったら着るよ」


「わかった・・・」


ということで店員さんに聞いてみるとお会計を済ませてからなら大丈夫というので服の会計を済ませて値札を取ってもらい試着室で着替えた


着替えを済ませ家から着てきた服は買い物した袋に入れた


そして、僕とはる姉はお店を後にした


洋服ショップから離れた僕たちは、カフェで休憩を取っていた


「結構買いものしてたね」


「ん・・・和ちゃんなんでも似合うから・・・服を選ぶのに迷った」


「ありがと、僕もうれしかったよ自分一人だったら確実に目に入ったのをいくつか買って終わってただろうから」


「私も・・・楽しかった」


「でも、さっきから気になってるんだけどさ」


「ん・・・何?」


「なんか、チラチラ見られてる気がするのは僕の気のせいなのかな」


お店を出てからというものなんだか他の人たちにチラチラ見られている気がするのだ


「やっぱり、はる姉が美人だから皆見てるのかな」


「見てるのは・・・私じゃないと思うけど」


「へ?」


僕が不思議がっているとはる姉は残りの紅茶を飲みほして


「そろそろ・・・お店出ようか」


と言って席を立った


「え、あ、うんそうだね」


僕はよくわからないままお店を出た


そして、帰ろうと思いデパートを出ようと入口あたりに差し掛かった時に僕の携帯が鳴った


「ん?電話だ誰だろ」


僕は携帯を取り出しディスプレイを確認する


電話の相手は渉だった


「もしもし、渉」


「おう、和人テレビ見てみろよ!テレビ!」


渉の声からは興奮と驚きが混じった感じの声がした


「え?テレビ?でも僕今デパートにいるんだけど」


「だったら、外のでかいモニター画面見てみろって!俺も今そのあたりにいるんだが」


「あのさ話が全く読めないんだけど」


「亜姫ちゃんがテレビに出てるんだよ!!!」


「・・・・・は?」


「だから~亜姫ちゃんがテレビに出てるんだって由香や優菜ちゃん、美奈ちゃんも出てる」


「え~っ!な、なんで」


「俺もよくわからん!と、とにかく今会えるか近くにいるならすぐ合流できるだろ」


「わ、わかったじゃあデパートを出たところで待ってるよ」


僕は電話を切る


「どうかしたの・・・和ちゃん?」


「渉から電話があって、なんかよくわかんないけど亜姫がテレビに出てるって」


「どういうこと?・・・」


「と、とにかく渉と合流することになったからデパートの外で待ってよう」


「わかった・・・」


僕とはる姉は外に出て渉の到着を待つ


渉は思いのほか近くにいたらしくすぐに合流できた


「ハァハァ、和人ほら見てみろよ」


渉はデパートの外側のでかいモニタを指さす


僕とはる姉は渉が指差す方を見た


すると・・・


渉の言っていた通り亜姫がテレビに映っていたしかも背景から察するにここから歩いて15分ぐらいのところにいる


「あ、亜姫なぜに?」


「亜姫・・・すごい」


僕とはる姉が驚いていると息を整えた渉が説明を始めた


「さっきは驚いてよく確認してなかったんだがどうやらいろんな街で美男、美少女を探す企画みたいでなたまたま近くを通りかかった亜姫ちゃんたちが掴まったんだと思うが」


「そ、そうなんだ。でもこれすごいよ」


テレビを見ていると番組を担当しているであろう二人の男性と女性が亜姫、由香ちゃん、優菜ちゃんそして美奈ちゃんににインタビューしていた


「君たちかわいいね!名前は?」


「え、えっと・・・文弥亜姫・・・です///」


「皆本由香です///」


「神崎優菜です!」


「瀬戸内美奈です!」


亜姫と由香ちゃんはは赤面しながらも名前を答えた


優菜ちゃんと美奈ちゃんはノリがいいためか恥ずかしそうにするそぶりもなく元気に返答していた


「皆さんはお友達ですか?」


「は・・・はい・・・そうです」


「今日は遊びに来てたんですよ!」


亜姫と美奈ちゃんがそれぞれそう答えた


「これはいきなりの美少女ぞろいですよ!」


女性リポーターが男性リポーターにそういった


「そうですねぇ~長いことこの企画をやってますがかなりの美少女じゃないですかね!明菜さん」


男性リポーターも女性リポーターにそう返した


さらに質問を受ける亜姫たち


「亜姫さんたちは今付き合っている方とかいるんでしょうか?」


女性の人がそう聞いた


「い、いません」


「その全員いないです」


今度は、亜姫そして由香ちゃんが答えた


「ええ!いないんですか!じゃあ好みのタイプとかはいるんでしょうか?」


「えっと・・・タイプとかはよくわからないです・・・でも兄さまが好きです」


ん・・・?あれ・・・今なんかすごいこと言ったような


「お兄さんですか?」


「はい・・・」


亜姫ーーー何をカミングアウトしてるのーーー!!!!


「お兄さんのどんなところが好きなんですか?」


「全部です・・・」


「亜姫ちゃんらしいね」


由香ちゃんが亜姫にそういった


「おや?由香さんは亜姫さんのお兄さんを知っているのですか?」


「は、はい、私だけじゃなくてここにいるみんな知ってますよ」


「どういった経緯で知り合ったのですか?」


男性リポーターがそう聞いた


「私は、兄が友達で二人は、私つながりでといった感じです」


由香ちゃんが質問に答える


「ちなみになんですがどんな人なんでしょうか?」


亜姫以外の3人に女性リポーターの人が質問した


「え~と、勉強できて、運動できて」


「優しくて、かっこよくて」


「料理できて、勇敢な人です」


由香ちゃん、優菜ちゃん、美奈ちゃんの順に質問に答える


ていうかめちゃくちゃ尾ひれついてる


「完璧超人じゃないですか!」


男性リポーターがややオーバーリアクションで答えた


「そこまで聞くとそのお兄さんにあってみたくなりますね~」


女性リポーターが興奮気味にそういった


「そうですね!今そのお兄さんを呼んでもらえることってできますかね?」


男性リポーターが4人にそう聞く


「な、なんか嫌な予感がしてきた」


「わかり・・・ました」


亜姫がリポーターの要望に応えた


「い、いいの亜姫ちゃん!?和人さんに迷惑なんじゃ・・・」


由香ちゃんが少しおろおろしている


「大丈夫です・・・兄さまなら・・・来てくれます」


やばい・・・逃げ道ふさがれた・・・


「どんまい!和人!」


渉が少し楽しそうに僕の肩に手を置きそういった


「あ!だったら渉さんも呼べばいいよ!」


優菜ちゃんの意見に今度は渉が固まった


「え!兄貴も!」


「そうだね、渉さんも美形の部類だし」


「そうなんですか?だったら由香さんのお兄さんも呼んでもらってもよろしいでしょうか」


「わ、わかりました」


「な、何ぃぃぃぃぃぃぃぃ!」


「電話してみます・・・」


そして携帯を取り出し僕に電話を掛ける亜姫


僕は、だれかわかりきっている携帯に出る


「もしもし・・・兄さま・・・今大丈夫ですか?」


「うん・・・大丈夫だよ、というより選択肢なくしたよね・・・」


「もしかして・・・見てるんですか?」


「うん・・・渉に教えてもらってね」


「皆本先輩も・・・いるんですか?」


「うん・・・一緒にね。今由香ちゃんの電話に出てるよ」


「兄さま・・・今どこですか?」


「いつも行くデパートの外だよ。そこのでかいテレビで見てたから」


「じゃあ・・・その・・・来てもらってもいいですか?」


「うん、わかったよ」


「待って・・・ますね」


そして、僕は電話を切る


同じタイミングで渉が電話を切った


「どうする和人?」


「行くしかないでしょ」


「じゃあ・・・私もついていく」


はる姉がそういった


「そうだね、はる姉だけ帰らせるのも悪いし」


「だな」


僕たちは意を決して亜姫たちのいるところに向かった


しばらく歩いていると亜姫たちを発見した


こちらに気付いた亜姫たちが駆け寄ってくる


そして、その後ろからカメラマンの人たちがついてきていた


「兄さま・・・」


駆け寄ってきた亜姫はそのまま僕に抱きついた


「こらこら・・・」


僕は、少しあきれながら亜姫の頭をなでる


「えへへ・・・♪」


撫でられてさらに機嫌が良くなった亜姫は顔をすりすりとこすりつけてくる


「あなたがお兄さんですか!」


男性のリポーターが聞いてきた


「はい、そうです」


亜姫は、抱きつくのをやめて僕の隣に立つ


「これは、思ってた以上にカッコいい方なんじゃないですか!お友達の方もカッコイイですし私も一瞬見惚れてしまいしたよ~」


そう言いながら女性リポーターの人が僕らを交互に見てきた


「そうですね~、しかも美女まで連れてきましたよ!」


今度は、はる姉の方に目線が行く


「どうも・・・」


はる姉は軽くお辞儀をする


「こちらの方は、彼女さんですか?」


「いえ、僕の姉ですけど」


「ええ!お姉さんなんですかお綺麗な方ですね~」


「ありがとう・・・ございます」


「こちらの由香さんのお兄さんもかなりかっこいいんじゃないですか!」


「いや、そんなことはないと思うんすけど」


「二人は高校生のようですし何かスポーツなどをやられてるんですか?」


「僕は、特に部活とかには体は動かすようにしてますが」


「俺は、バスケ部に」


「由香さんのお兄さんはバスケットですか~スポーツマンなんですね~」


「まぁ、運動は好きなので」


と渉は少し曖昧な答えを返した


「しかし、これだけ美男美女がそろうと壮観ですねぇ~」


男性リポーターがそう言った


「そうですねぇ~」


女性リポーターもその意見に同意していた


「これはもう、美男美女は決まったんじゃないですかね?」


「そうですねこの街の美男美女はこの方たちで決定でしょう!!」


「ということでこの街の美男美女は、美男が文弥和人さんと皆本渉さん、美女が文弥亜姫さん、皆本由香さん、神崎優菜さん、瀬戸内美奈さん、文弥美晴さんに決定しました。」


「また、次をお楽しみください!」


そう言って二人は企画を終わらせた


そして、僕たちに頭を下げて次の企画に移行するため場所を移動し始めた


二人が去ってから少しして僕たちは口を開いた


「なんかすごく疲れたよ・・・」


「ああ、嵐が過ぎ去ったあとみたいな感じなんだが」


渉もかなり疲れていた


「兄さま・・・やっぱり迷惑でしたか?」


亜姫が不安そうに聞いてくる


「そんなことないよ、ただいきなりのことで少しびっくりしているだけだから」


「そう・・・ですか」


亜姫は少しほっとしたようだった


しかし、問題は・・・


「・・・」


さっきからなぜか少し機嫌の悪いはる姉の方だ


「どうしたのはる姉?なんか機嫌悪いけど?」


僕がそう聞くと


「あの男の・・・レポーターの人・・・無意識だと思うけど・・・私の胸チラチラ見てたから・・・」


「そうなの、そんな風には僕は見えなかったけど」


と僕が言った後


「ああ~、確かに見てましたね~美晴さんの胸」


「うんうん、私も気づいたよ」


「そうですね、わざとじゃないと思いますが見てはいましたよ」


優菜ちゃん、美奈ちゃん、由香ちゃんが順に言った


「ホントに?」


「はい、何回か」


「和人さん、気づかなかったんですか?」


由香ちゃんが苦笑いで言い、美奈ちゃんが不思議そうな顔で聞いた


「僕は全然、渉は?」


「俺も気づかなかったが」


「女の子は・・・そういう視線には・・・敏感」


「そ、そうなの?」


「ん・・・間違いない」


断言された


「和ちゃんなら・・・ともかく・・・他の人に見られるのは・・・いい気はしない」


「いや、なんか一言いらない気がするんだけど」


「何が・・・?」


「いや、なんでもないよ」


なんか顔がホントに不思議そうな顔だったので続きを言うのをやめた


「私だって・・・まだ育ちます」


「私もあともう1サイズぐらいは・・・」


今度は、亜姫と由香ちゃんがなんか言っている


「べ、別に大きさだけじゃないしね!」


「そうそう!女の子の魅力は胸だけじゃないしね!」


優菜ちゃんと美奈ちゃんもそう言うがこっちは、なんかやけくそじみてるのは気のせいだろうか


「ま、まぁ気にしなくてもいいんじゃないもういなくなったわけだしもう会うこともないだろうし」


「そうするよう・・・努力はする」


今回は、結構はる姉もいい気分ではなかったようだがなんとかなだめることに成功した


「じゃあ今からどっか行く?まだ時間もあるし明日もどうせ休みだから多少帰りが遅れても問題はないしさ気がまぎれるかもよ」


「じゃあ・・・そうする」


「皆も行くでしょ?」


僕は、他のみんなに聞いてみる


「俺は別にいいぞ、暇だから外出てうろうろしてたしな」


「私たちも遊び足りないんでいいですよ~」


「大賛成です!」


「私もいいですよ」


「私も・・・それでいいです」


渉、優菜ちゃん、美奈ちゃん、由香ちゃん、亜姫の順にそれぞれの意見を述べる


「じゃあ決まりだね、ちなみにどこか行きたいところある人いる?というより亜姫たちは、今日どこに行ったの?」


「私たちは・・・服を見たりして・・・後は、お昼食べたり・・・カラオケ行ったり・・・しました」


「う~ん、じゃあどうしようか」


「たまには、行ったことがない場所に行ってみるのもいいんじゃね」


「たとえば?」


「たとえばそうだな~、ROUND01とかどうだ、あそこならカラオケ、ボウリング、他にもゲームやスポーツとかなんでもできるし」


「それいいね、最近行ってないし」


「和人さん、行ったことあるんですか?」


「うん、高校の友達と結構前だけど、由香ちゃんは行ったことないの?」


「はい、場所は知ってるんですけど少し遠いので」


「そっか、確かに少し距離あるかもね」


「行ってみたいとは思ってたんですけど」


「確かに、私たちも行ったことないし」


「私もないな~」


「そんじゃ、行きますか」


「そうだね」


「はい・・・」


「ん・・・わかった」


僕たちは、すぐにその場から移動する


歩くこと20分ROUND01についた僕たちは


中に入って僕たちはすぐに受付に行きスポーツやゲームが楽しめるコースを選択した


まずは、ゲームをやることになったのでゲームセンターに移動する


皆でできるレースゲームのところに向かいそれぞれ適当なところに座りゲームを始める


最初は、僕と渉が1位と2位にいたのだがだんだん後ろから美奈ちゃんが追い上げてきた


ゲームの結果は、美奈ちゃんが1位、渉が2位、僕が3位となった


「美奈ちゃん、強いね」


「ああ、いきなりぶっちぎられたときは正直驚いた」


「ふふ~ん、こう見えても私レースゲームは強いんですよ~テレビゲームのレースは苦手ですけど」


「へぇ、すごいね」


美奈ちゃんの意外な一面が見れたレースゲームであった


そのあとも、しばらくビリヤードやダーツ、またゲームセンターに戻って遊ぶを繰り返していた


そして今度は、スポーツをしようと屋外へ向かう


バスケットボールを一つ借りてあいている場所に入る


「チーム分けどうしようか?僕と渉は分けるとして、他はグーパーで決める?」


「そうだな」


「私は・・・少し休憩してる」


はる姉がそういってきた


「分かった、遊びだし無理しても仕方ないからね」


「ん・・・ごめんね」


「じゃあ、由香たちで2人ずつに分かれてくれ」


「分かったわ」


由香ちゃんたちはその場に集合しグーパーを始めた


結果、僕、亜姫、優菜ちゃん


   渉、由香ちゃん、美奈ちゃん

となった


「先攻はじゃんけんで決めるか」


「そうだね」


そして、僕と渉はじゃんけんをする


先攻は渉が取った


「そんじゃ、はじめるとしますか」


「うん」


そんなこんなで勝負が始まった


渉は最初、由香ちゃんにパスを出す


由香ちゃんのマークは亜姫、美奈ちゃんのマークは優菜ちゃんがやることになった


「美奈、パス!」


由香ちゃんは、美奈ちゃんのほうにパスを出す


「そうはいかないよ~」


しかし、優菜ちゃんが美奈ちゃんに出そうとしたパスをスティールする


「亜姫ちゃん、パスだよ」


パスを受け取る亜姫


「兄さま・・・パスです」


そして、僕にパスを出す亜姫


それを受け取る


とはいえそう簡単にゴールが狙えるわけもなく


「そうわいかないぜ和人」


「だよね~やっぱり」


渉が僕の前に立つ


僕は、なんとかして渉を抜こうとする


しかし、渉はフェイントなどを見破り僕からボールを奪う


そのまま、ゴールに向かいシュートを決める


「まぁ、こんなもんだろ」


「やっぱ、そう簡単には抜けないよね」


僕は、ボールを取りながらそう言った


「一応バスケ部だしな」


僕は、亜姫にパスを出す


「優菜さん・・・パスです」


「おまかせあれだよ~」


優菜ちゃんは、美奈ちゃんと対峙するように立つ


「ふっふっふここは抜かせないよ優菜」


「私も簡単にはボールを取らせないよ~」


互いに、言葉を交わしながらボールの奪い合いをする


「とりゃ~」


そういいながら優菜ちゃんが美奈ちゃんを抜く


「えいっと」


そしてそのままシュートを決める


やや遠くからのシュートだったのだが運なのか実力なのか優菜ちゃんはシュートを決めた


「いえ~い、やりましたよ~。和人さん、亜姫ちゃん」


「ナイスシュート優菜ちゃん」


「ナイスシュートです・・・優菜さん」


そんな展開が何回も続いていたのだがしばらくして、由香ちゃんが


「やっぱり、美晴さん元気ないですね」


そう言った


「そうだな、やっぱ結構気にしてるのかもな」


「そうですねぇ~、美晴さん結構繊細そうですし」


「周りにギャラリーもいましたしそういうのも原因なんじゃないですか?」


「兄さま・・・姉さまのそばにいて・・・あげてください」


「え、僕が?」


「はい・・・こういう時は・・・兄さまが隣にいるのが・・・一番元気が出ると思います」


「そうですね、和人さん私たちは私たちでバスケを続けてますから美晴さんの隣にいてあげてくれませんか」


「そうだな、それがいいと思うぞ」


「分かった、じゃあ一旦抜けるよ」


「おう、んじゃまたチーム分けすっか」


「何言ってんの、兄貴は一人で勝負よ」


「マジで!?」


由香ちゃんたちが同時に頷く


そのやりとりに苦笑いしながら僕は、はる姉のもとに向かう


その前に、ジュースを買っていく


「はる姉」


「あ・・・和ちゃん・・・どうしたの」


「ちょっと疲れたから休憩にね」


「そう・・・なんだ」


「ジュース買ってきたんだけど、オレンジとブドウどっちがいい?」


「ん・・・ありがと・・・じゃあブドウの方を・・・貰おうかな」


「はい、どうぞ」


はる姉にブドウのジュースを渡す


ジュースを渡した後、僕ははる姉の隣に座る


お互いしばらく黙ったままジュースをちびちび飲んでいたのだが僕が話を始めた


「はる姉、やっぱりまだ気にしてるのその・・・胸を見られたこと」


「ん・・・ごめんね・・・気にしないように・・・頑張ってるんだけど・・・なんだか今日はやけに・・・モヤモヤして」


「こっちは別に気にしてないよ、そういうときもあるだろうしね」


「皆は・・・胸が大きくていいねって言うけど・・・実際そんなにいいことない・・・肩凝るし、重いし、男子からもじろじろ見られるし」


「そっか、女の子には女の子なりの悩みがあるんだね」


「うん・・・」


「大丈夫だよ、いざとなれば僕が何とかするからさ」


「駄目・・・」


「へ?」


「私には・・・それが一番困る」


「どうして?」


「和ちゃんの何とかは・・・死んでも何とかするに変わるから・・・私のせいで・・・和ちゃんに何かあるのは・・・一番嫌なの」


「はる姉・・・そっかじゃあ皆も頼るよ」


「和ちゃん?」


「亜姫たちなら、女の子同士だし愚痴もこぼせるでしょ、喧嘩とか暴力沙汰になるのは・・・まぁめったなことじゃならないと思うけどそういうときも渉とかを頼るようにするよあんまり巻き込みたくはないけどね。だからさ元気出してよはる姉、皆はる姉の味方なんだから一人で悩まないでさ」


「和ちゃん・・・そうだよね・・・一人で悩んでても仕方ないよね・・・なんか色々話してたら・・・楽になった・・・ありがとね」


「どういたしまして、元気になってくれて僕もうれしいよ。でも、ほんとに無理してない?」


「もう大丈夫。でも、できればもう少し一緒にて欲しい」


「別にいいよ」


「ありがと」


そう言ってはる姉は僕の肩に頭を乗せてくる


「なんか・・・落ち着く」


「アハハ、それは何よりだよ」


「か、和人~」


しばらくして渉がものすごく疲れた様子でこちらにやってきた


「も、もう無理4対1無理しんどすぎだ」


渉は、その場に倒れこむ一応施設内なのできれいに整備されており寝転がっても汚れが付かないようなので問題はないだろうけど


「ほ、ほんとにやったんだね」


「ああ、由香のやつマジでやりやがった」


「まったく、だらしないなぁ~兄貴は」


少しにやけた顔をしながら由香ちゃんがやってきたそれに続き他の三人も


「みんなお疲れ」


「はい、その美晴さんは大丈夫ですか?」


「うん、もう元気でたってさ」


「ん・・・ばっちり」


「ホントですかよかったです」


「心配してたんですよ~」


「何かあったら言ってくださいね話聞くぐらいなら私たちでもできますし」


優菜ちゃんと美奈ちゃんもそれぞれはる姉にそう言った


「ん・・・ありがと・・・もう大丈夫・・・完全復活」


「まぁ、元気になったんならそれでいいじゃん」


息が整ってきた渉が寝転がったままそう言った


「そうです・・・姉さま元気になってよかった」


「皆にも・・・心配かけた」


「そんなことないですよ」


「そうですよ、気にしないでください」


「ありがと・・・皆・・・それと和ちゃん」


「何?」


僕がはる姉の方を向くと


むぎゅっと抱きしめられた、しかも顔が胸に埋もれるような感じで


「むぐっ!?」


しばらく、むぎゅーと抱きしめてから僕を解放した


「い、いきなり何するのはる姉!?」


「和ちゃん成分を・・・補給した」


「だからってなんでその・・・胸に顔を埋めるようなことをさっきまで気にしてたのに」


「和ちゃんだし・・・まぁいいかなと」


「それは答えになってない気が」


「やっぱり胸なのか・・・」


「まだまだ・・・需要は」


「み、魅力は胸だけじゃ」


「そ、そうだよね」


亜姫たちがここに着く前と同じようにぶつぶつと何か言っている少し変わったのは美奈ちゃんと優菜ちゃんがさっきより涙目になっていることだ


「和人、なんとうらやましい」


渉が恨めしそうな目でこっちを見る


「大丈夫・・・皆もまだ育つ」


はる姉の言葉に亜姫たちが少し嬉しそうな表情を見せる


「そうですよね、私たちにもまだ需要は」


「私は、バスト90cmあるけど頑張れ」


「「「「ぐはっ」」」」


うれしそうな表情から一変してさっきと同じようにショックを受ける4人


そして、いきなりのカミングアウトに顔を赤らめる僕と渉


「と、とどめをさされた」


「立ち直れないかもしれません」


「なんで・・・姉さま・・・ばかり育つの・・・」


「持ち上げて落とすとはまさにこのことだよ~」


その後、4人を慰めるのに数十分を使った


そして4人を慰めるのも終わりそろそろ帰るため片づけを済ませ料金を支払いに行く


支払いを済ませて僕たちはROUND01をでる


その後、来た道をいろんな話をしながら歩いてゆく


途中で美奈ちゃんと優菜ちゃんと別れ


そしてさらにその後、渉と由香ちゃんとも別れて僕たちは家に帰宅した


夕食やお風呂などをちゃっちゃと済ませ今日は珍しく3人でテレビゲームでしばらく遊んで一日を終えた

























評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ