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第63話

今回は、かなりの長文になりました



第63話


文化祭、2日目


今日は、昨日と違い僕たちのクラスはメイド喫茶になるので男子は昨日ほど早く言って準備することもなかったので早く行かずに済んだ


僕と渉は、今日は特にすることもないのでバンドをする2時までは昨日行けなかった、はる姉と亜姫のクラスの出し物に行く予定だ


時刻は現在九時半。僕は、まだ家に居るのだがそろそろ行こうかと思い着替えを始めた


バンドの時は、制服ではなく普段着ている私服で演奏するので僕は、カバンに私服をたたんで入れて出かける準備が終わった


カバンを持ってリビングに居る母さんに一言言ってから出かけようとリビングに行くとテレビを見て笑っていた母さんがこちらを見た


「あ、和く~ん。一緒にテレビ見ようよ~面白いんだよこの番組」


「ごめんね、母さん。僕今から学校に行くからさ」


「そっか~じゃあしょうがないね~」


「うん、母さんは今日は行かないの?」


「和くんたちのバンド演奏のころに行くよ~。皆のところの文化祭の出し物には行ったしね~春香ちゃんと加奈ちゃんと約束したんだ~」


「加奈ちゃん?」


「和くんの担当だったナースさんだよ~知らなかったの?」


「うん、病院に居る時も水瀬って言っただけだから」


そっか、水瀬さん下の名前は加奈っていうのか、それにしても母さんいつ聞いたんだろ?昨日は一緒に帰ってるときはそんな会話は聞いた記憶がないけど


「そうなんだぁ~とにかくバンドの時には行くから!」


「分かったよ、じゃあ行ってきます」


「行ってらっしゃ~い。車には気を付けてね」


「うん」


僕は、母さんにそう言い家を出た


家を出て少し歩いた頃に渉と合流した


「お~す、和人!」


「渉、おはよう」


「おはよう、いや~昨日は大盛況だったな」


「そうだね、昨日はよく動いたから帰ったらすぐ寝ちゃったよ」


「俺もだ、でも楽しかったよな」


「うん」


「今日は、他のとこのクラスの出し物見るんだろ」


「そうだね、今日は僕たちのすることはバンドだけだしね」


「そういえば、バンドの練習しなくていいのか?最終調整みたいな感じで」


「う~ん、大丈夫じゃないかな。皆悪いところはないし」


「それもそうだな」


「まぁ、もし練習するんだったら美里先輩が何か言うんじゃないかな」


「かもな」


そんな話をしていると学校に到着した、学校にはすでにかなりの人数の人がおり賑わっている


「2日目なのに賑わってんなぁ~」


渉がそれを見て驚きながらそう言った


「そうだね、むしろ昨日よりも多いかもしれない」


「まぁ、いいことだよな賑わってんのは」


「うん」


「それじゃ、俺たちも色々見に行こうぜ!」


「まずは、何処に行こうか?」


「とりあえず、外を見て回ろうぜ一度学校に入ってから来るのもめんどくさいしな」


「それじゃ、行こうか」


「おう!」


僕たちは、近くのお店からみて回りいろいろ食べ歩きしながら1時間ぐらい見て回っていた


「そろそろ、校内の方に行こうか」


「そうだな、外の方はあらかた回ったしいろいろ食ったしな」


「昨日、亜姫とはる姉とも行くって約束したしね」


「そんじゃ、行くか」


「うん」


外の出し物をあらかた見て回った僕たちは上履きに着替えて、まずは亜姫のクラスの出し物であるお化け屋敷に行くことにした


亜姫のクラスに到着するとそこには行列ができていた


「ここも、すごい盛況だな」


「うん、男性客が多いみたいだね」


「女性客もいるけどそれはカップルとかが多いな」


「僕たちも並ばないと」


「ああ」


僕たちは、最後尾と書いてあるプラカードを持った生徒の所に並んだ


長い行列だったのだが、喫茶店などの長時間いるようなタイプのお店ではないので意外とすぐに順番が来た


中に入ると、雰囲気を出すための効果音などが流れていた


周りもかなりこまめに細工が施してあり学校の文化祭にしてはかなりクオリティが高かった


「な、なんか、すごいね」


「お、おう大分雰囲気出てるよな」


僕たちは少し、驚きながらも一定の間隔で置いてある矢印の方向に進んでいった


進んでいくと


隠れていたお化け役の人たちが出てきて驚かしてきた


「おお!びっくりした」


渉が驚愕の声をあげた


「すごいね、このお化け屋敷」


と僕が言っていると今度は僕に近いほうからお化けが出てきた


「うわ!」


「結構的確な場所に配置されてるよな」


「た、確かに・・・」


そういいながら歩いていると


「う、うらめしや~」


やや恥ずかしそうに亜姫が出てきた


「「・・・」」


僕たちは、それを見てどう反応していいかわからなかった


今まで、けっこう怖いのが出てきたのに急になんか可愛いのが出てきたからだ


亜姫は、薄暗くて良く気づいていないのだろうが僕たちが黙っているのを見て不思議そうにこちらを見てやっと気付いた


気づいた途端、恥ずかしさで赤かった顔がさらに赤くなった


「に、兄さま・・・あの・・・えと」


「お、落ち着きなよ亜姫」


「は、はひ」


駄目だ完全に恥ずかしさで滑舌がおかしくなっている


「そ、そうだ!亜姫ちゃんはいつ終わるんだ!」


「そ、そうだよ!僕たち待ってるからさ教えてよ!」


「えっと・・・あの・・・後10分ぐらいで・・・かわります」


「わ、分かったじゃあ外で待ってるね」


「はい・・・」


その後、僕たちはやや早足でお化け屋敷を抜けて外で亜姫を待った


しばらくして、いつもの制服に着替えた亜姫がやってきた


しかし、まだ顔が赤い


「亜姫、お化け役やってたんだね」


「は、はい・・・昨日は・・・やってなかったんですけど・・・今日は・・・やってみたらってクラスの子に・・・言われて」


「そうなんだ」


「はい・・・」


「でも似合ってたよな、和人」


「うん、可愛かったと思うよ」


「ホント・・・ですか?」


「うん」


「ありがとう・・・ございます・・・少し恥ずかしかったけど・・・そう言ってもらえると・・・うれしいです」


「そっか、それじゃ亜姫も来たことだし今度は、はる姉の所に行ってみようか」


「そうだな」


「はい・・・」


僕たちは、お化け屋敷を離れて今度は、はる姉と美里先輩のいるクラスの出し物に向かった


「美晴先輩と美里先輩の所は猫耳喫茶っていってたっけか?」


移動しているときに渉が聞いてきた


「確かそうだったね、どんな感じなのか楽しみだよね」


「ああ、つってもまた並ぶんだろうなあの二人が猫耳してる恰好だったらなおさら」


「その可能性は高いよね、二人とも男子からの人気高いから」


「喫茶店だから・・・並んだら・・・だいぶ長いと思います」


「そうなんだよね」


そんなことを話していると。はる姉と美里先輩のクラスの喫茶店にやってきた


そして、その光景に唖然としていた


なぜなら、僕たちの想像していた以上に列が並んでいるからだ列なんか反対側の通路からきたから近くに来るまで分からなかったけど曲がり角の近くまであるし、しかももうすぐ入れる人なんかは早く出ろよとお客さんに対して叫んだりしている人もいたからだ


「な、なんか、すげぇな・・・」


渉がそう口を開く


「そ、そうだね。想像通りと言うか想像以上というか」


「な、なんだか・・・少し・・・怖いです」


亜姫にいたっては本気で怖がっている


「これなんかやばくね?」


「と、とりあえず並ぼうよ最後尾はあっちだってさ」


「あ、ああ」


「はい・・・」


僕たちは、最後尾はこちらという矢印に沿って最後尾に向かう


「あら!和人君たちじゃない!」


最後尾まで行くと行列の整理をしている猫耳と尻尾の姿の美里先輩がいた


「どうも美里先輩、すごい行列ですね」


「まぁ、そうね私たちも少し引いてるわ」


「俺たちどん引きでしたけどね」


渉が苦笑いでそう言った


「行列の人が・・・店の中の・・・お客さんに文句・・・言ってました」


「そうなのよねぇ~、やっぱり美晴の人気がずば抜けてるからでしょうね」


「美里先輩もそうだと思いますけどね」


「そうかしら」


「はい、だって」


「さっきから話しているだけで殺気を込めた視線が刺さってますから」


「和人、それを言うなよ。俺、ずっと気のせいだと思うようにしてたのに・・・」


「少しでも言って楽になりたかったんだよ・・・」


「わ、笑う所なのかしら。それより3人なら別に普通に入ってもいいわよ。和人君が来てるんだから美晴も喜ぶだろうし」


「いや、あの状況で3人で入るのはお客に殺してくれと頼むのと同じっすよ」


「ま、まぁ、亜姫は女の子だし大丈夫だと思うけどね」


「和ちゃんでも・・・大丈夫」


「いやいや、それはないって・・・はる姉、いつからそこに居たの!」


「今・・・なんか・・・和ちゃんが・・・来てる気がした」


「なんか、すごいこと言ってる!」


「それより・・・和ちゃん・・・どう似合ってる?」


はる姉も美里先輩と同じ格好で僕の方を見ている


「うん、似合ってると思うよ」


「うれしい・・・にゃん///」


「ごはっ!」


「わ、渉!!」


はる姉が語尾ににゃんをつけた途端渉が急に倒れた


「な、なんというアルティメットウェポン」


「お~、早くも皆本君が倒れたわね」


「姉さま・・・なんか・・・ずるい」


と言って亜姫は少し拗ねてる感じだった


「とりあえず、はる姉仕事戻らなくていいの?」


「そうだね・・・戻る・・・にゃん」


はる姉は、そう言いながら僕の腕を掴んで店の方へと向かおうとする


「な、なんで、僕の腕つかんでるの?」


「お客さんだから・・・にゃん」


「いや、まだ順番来てないし」


「気にしなくていい・・・にゃん」


なんだろう普通に話しているはずなのになんか語尾に何かついてるだけで変な感じがする


「美晴もそう言ってるから3人とも入っていいにゃん」


「美里先輩ノリノリですね」


「そうかしら、さっきまで語尾つけるの忘れてたけどね私」


そういえば


「とりあえず、美晴3名様ご案内にゃん」


「了解・・・にゃん」


と言って美晴先輩も亜姫と復活した渉の腕を掴んで僕たちをお店の方に連れていく


僕は、まだはる姉に腕を掴まれたままだし


そのまま引っ張られお店の入口にさしかかった時、他のお客さんが僕と渉に順番守れよとかいろいろ罵声を浴びせてきたけど僕たちをひっぱている二人は気にした様子もなく中へと入っていく


そして、美里先輩が大きな声で


「和人君たちだから顔パスでいいわよね~?」


クラスメイトの人たちに聞いていた


いやいや、いくらなんでもそれは通用しないと


「「「良い!!むしろグっジョブ!!」」」


と美里先輩に親指を立ててそう言った


「「いいのかよ!!」」


僕と渉は思わずそう突っ込んでしまった


「ということであそこのテーブルに座って」


「ほ、ほんとにいいんですか?僕たちさっきの罵声でものすごく不安な気持ちになってるんですけど」


「気にしたら負けよ!!」


「いや、気にするっすよそこはだって店内でも同じような状況だし」


「うう~心が折れそうだよ」


「大丈夫・・・和ちゃんには・・・私が付いてるにゃん」


「それは慰めになってない気がするよ」


僕たちは、諦めてテーブルの椅子に座った


「こちらがメニューですにゃん」


美里先輩が素早くメニューを持ってくる


「へぇ~、色々あるんだな」


「確かに、僕たちの喫茶店よりメニュー豊富かも」


「何を頼もうか・・・悩んでしまいます」


「ゆっくりでいいにゃんよ」


「ちなみに・・・3品以上の注文で・・・くじ引きができる・・・にゃん」


「くじ引き?」


「当たったら・・・写真が撮れる・・・だれと撮るかは選べないけどにゃん」


「でも、選べないってじゃあだれと撮るかはどうやって決めるの?」


「当たりのくじには、名前が書いてある」


「へぇ~、そうなんだ」


「だから・・・3品以上の・・・注文を希望にゃん」


「ていっても僕と渉はいろいろ食べてお腹いっぱいだしな~」


「だよな」


「私は・・・少し小腹がすいているので・・・チーズケーキとココアにします」


「皆で3品以上でもくじが引けるの?」


「引ける・・・にゃん」


「ちなみに、美晴はまだくじで当たってないからにゃん」


美里先輩がそう付け加えた


「じゃあ、僕はレモンティーにしようかな」


「俺は、ミルクティーで」


「了解にゃん、しばらく待っててにゃん。美晴は少し休んでてもいいにゃんよ」


「ありがとう・・・美里」


はる姉は、美里先輩にお礼を言って僕の隣の椅子に座る


ちなみに反対側に亜姫がいて向かいに渉が座っている


「あの~、バランス悪くない」


「和人、諦めろよここに来た時点で」


ですよねー


ギュっ


僕の腕にはる姉が抱きついてくる


「あの~、離れてくれないかな?はる姉」


「なんで・・・?」


「命がほしいからだよ・・・」


「大丈夫・・・にゃん・・・和ちゃんなら」


「その根拠はどこから!!」


「姉さま・・・ばっかりずるい・・・私も」


と言って亜姫も反対側の腕に抱きついてきた


「亜姫まで・・・もう何回ぐらいだろうこのやりとり」


「少なくとも2桁は超えてるだろうな」


「そうだろうね」


そんな話をしていると美里先輩が注文したものを持ってやってきた


「お待たせにゃん、ご注文の品ですにゃん」


と言いながらそれぞれの注文を目の前に置いておく


「後これ、さっき言ったくじ引きだから引いてほしいにゃん」


「今ですか?喫茶店でるときじゃないんですか?」


「今でいいにゃんどうせ引くんだから」


「まぁ、確かに」


そういうので僕は美里先輩が持っている箱の中に手を入れる


回りの人がちらちらこっちを見てる気がする


僕は適当に紙をとる


「じゃあこれで」


僕は、取った紙を美里先輩に渡そうとした


「ああ、渡さなくても自分で見ていいわよ」


「あ、そうなんですかそれじゃあ、え~と当たりみたいですね」


「誰の名前が・・・書いてあるにゃん・・・和ちゃん?」


はる姉がそう聞きながら僕が持っている紙に顔をのぞかせる


「はる姉の名前だったよ」


「やった・・・にゃん」


「おお~さすが和人君ここで大当たりをひくとは」


「でも、周りには落胆した人もいるみたいだけどな」


「なんでさ?」


「いや和人は知らなくてもいいことだ」

 

「良くわからないけど写真撮っちゃおうかはる姉」


「うん・・・♪」


ということで美里先輩に写真を撮ってもらうことにした


「じゃあ和人君、なんかお望みのポーズとかあるかにゃん美晴に」


「いきなりそんなこといわれても・・・はる姉の好きなポーズでいいですよ」


「じゃあ、美晴の好きにしていいわよ~」


「分かった・・・にゃん」


美里先輩にそう言われたはる姉は僕の後ろに立ちのしかかるような感じで抱きついてきた


「じゃあ・・・これでにゃん♪」


「ちょ、ちょっとこれはいくらなんでも」


「駄目か・・・にゃん?」


「はぁ、これでいいよ」


でも、早く終わらせてほしい背中に柔らかいものが当たってるし


「じゃあ、撮るわよ~」


美里先輩がそう言ってシャッターを切る


「はい、写真終了にゃん写真はあとであげるにゃん」


「わかりました」


「後で・・・私も・・・ほしいにゃん」


「じゃあ、美晴の分も用意しておくにゃん」


「ありがと・・・にゃん」


その後、少し雑談をしてから僕たちは店を出ることにした


「さてと、それじゃあそろそろ出ようか」


「そうだな、あんまり居ても他のやつに迷惑だしな」


「そう・・・ですね」


「あら、和人君たちもうでるのかにゃん」


「はい、さすがに出ないともう迷惑だし」


「じゃあ、出たら待っててほしいにゃん。私と美晴ももうちょっとで終わるからにゃん」


「分かりました」


お会計を済ませて教室の外に出て二人を待つ


しばらくして二人が教室から出てきた


「ふぅ、やっと仕事が終わったわ」


「お疲れ様です」


「まぁ、楽しかったけどね」


「ところでこれからどうするんすか?」


渉が美里先輩にそう聞いた


「そりゃもちろん、バンド演奏の練習でしょ。今12時ぐらいだし結構練習できるしね」


「でも、練習場所って使えるんですかね」


「使えるでしょ。あそこは文化祭の出し物の教室として使われてないしね。とりあえず一回行ってみましょ」


「じゃあ、行きましょうか」


やることも決まり僕たちは今まで練習してきた教室に向かった


練習場所に行くとだれもおらず僕たちが使うための楽器だけが置いてあった


「誰もいませんね」


「練習してもいいんじゃないかしら」


「かもしれませんね」


「楽器ってどれぐらいの時間に体育館の方に持っていけばいいんすかね?俺はドラムだし持っていくの大変なんで早めに持っていっときたいんですけど」


「私も・・・キーボード・・・運ぶのは少し・・・大変です」


と亜姫が言った


「確か・・・1時30分くらいに持っていくんじゃなかったかしら」


「じゃあ、それよりも少し早く終わって楽器持っていきましょうか」


「そうっすね」


「じゃあ、着替えはどうします?もう着替えときますか?」


「ああそうだったわね、私と美晴はさっき着替えておくべきだったわね」


「着替えるなら僕と渉は教室から出ますけど」


「そうね、悪いけど教室から出てくれるかしら、着替えが終わったら呼ぶから」


「わかりました」


「了解っす」


僕たちは、荷物だけ隅において教室から出る


数分後、着替えの終わった美里先輩が今度は和人君と皆本君が着替えなさいと言い3人と交代する形で教室に入りぱぱっと着替えて3人を呼び練習を始めた


数十分後、予定の曲をとりあえずあらかた何回か演奏し一息ついた


「まぁ、問題ないわね」


「数日やってなかったしなまってたと思ってたんすけどね」


「意外と・・・普通に弾けた」


「私も・・・ちゃんと・・・演奏できました」


「和人の歌も絶好調だな」


「そうかな、自分じゃよくわからないけど」


「和人君はもとから歌上手いしね」


「アハハ、ありがとうございます」


「どうしようかしら、予定より早いけど楽器持っていっときましょうか」


「そうっすね、後は時間までゆっくりしていればいいんじゃないっすか」


「じゃあ運んじゃいましょうか亜姫のキーボード運んでから渉のドラム手伝うね」


「悪いな和人」


「うん。じゃあ亜姫のキーボード運ぼうか」


「はい・・・手伝ってくれて・・・ありがとう・・・ございます・・・兄さま」


「どういたしまして」


亜姫と二人でキーボードを持ち運び始める


二人で運んだため体育館へは早く着くことができた


体育館ではすでに少しずつ準備が始まっておりその係の人の指示に従い指定された場所に楽器を持っていく


「ここかな」


「そうみたい・・・ですね」


指定された場所にはドラムの一部とはる姉と美里先輩が使うギターが置いてあった


その近くにゆっくりキーボードを置く


次に渉のドラムを運ぼうと教室に戻ろうとした時に渉とはる姉、美里先輩がやってきた


「悪い和人、手伝い必要なかったみたいだ俺が少し多めに持てば事足りたよ美晴先輩と美里先輩も手伝ってくれたしな」


「そうなんだ、じゃあそれで全部?」


「ああ、そうだなさすがにいっぺんに持ったから少し疲れたけどな」


「そっか、今1時30分だね少しゆっくりできるね」


「そうだな、つっても始まってもしばらく俺たちの番は来ないけどな」


「後の方だっけ?」


「ああ、確かそうだったと思うぞ」


「そうなんだ」


「とりあえず一回体育館から出ようか」


「そうだな、暇だったらその辺にでも座って話ししてればいいし」


「だね」


「ん~何々、体育館から出るの?」


ガールズトークをしていた3人も僕たちの話が聞こえていたらしく美里先輩が聞いてきた


「はい、美里先輩たちはどうします?一緒に出ますか?」


「そうね、ここで話しててもしょうがないし」


「私も・・・和ちゃんと・・・一緒に行く」


「私も・・・兄さま・・・と行きます」


「決定だな」


「そうだね、それじゃ出ようか」


そう言って僕たちは体育館から出た


その辺をうろうろしていると


「あ!和人さんたち発見!!」


と大きな声が聞こえた


声のした方を見ると


由香ちゃん、美奈ちゃん、優奈ちゃんがこちらに向かって小走りでやってきた


「あれ、3人共どうしたのまだバンド始まってないけど?」


「今日も回りに来たんですよ。行ってなかった場所もあったので」


美奈ちゃんがそう説明してくれた


「そしたら、和人さんたちを見つけたのでやってきたんです」


優奈ちゃんがそれに一言付け加えた


「そうなんだ」


「あれ?和人さんたち私服なんですね」


僕たちの姿を見た由香ちゃんがそう言った


「うん、バンド中は私服でいいって言ってたからね」


「そうなんですか」


「今は何してたんですか?」


優奈ちゃんがそう聞いてきた


「何もしてないよタダそのあたりをウロウロしてただけ」


「そうだったんですか~」


「つっても、そろそろ戻らないとな」


「え、もうそんな時間?」


「あ、ホントだわ意外と時間経ってたのね」


「折角、あったのにごめんね」


「気にしないでください、バンド演奏頑張ってください!和人さん」


そう言って由香ちゃんが応援してくれた


「ありがとう、由香ちゃん。それじゃ戻ろうか」


「はい・・・由香さん・・・後でね」


「うん、亜姫ちゃん。演奏終わった後にね」


その場で僕たちは別れた


2時5分前になり体育館の中にはもうかなりの人が入っていた


僕たちは裏の方から入って自分たちの楽器が置いてある場所まで行った


「お~かなりいるな~お客さん」


渉が舞台裏のカーテンの隙間から客席の方を見て驚きの声をあげた


「まだまだ、入ってきそうね」


「なんか・・・緊張して・・・きました」


「私も・・・」


「まぁ、僕たちの順番は後の方みたいだし今からそんなに緊張しなくても大丈夫だよ」


そう話していると始まりを知らせる放送が流れた


そして、舞台に2人進行役の人が現れて説明を始めた


説明するようなことあるのかな?


と僕は思ったけど


そして、説明も終わりいよいよ演奏が始まった


一グループにつき4、5曲の演奏ができるので全体に的に長めの演奏になるはずだ


事実、この行事だけで数時間の時間を使うみたいだし


しかし、自分たちの番があると思うと意外と速く時間が進んでいる気がした


そして、次が自分たちの番になったとき


「いよいよ、次は俺たちの番だな」


「そうだね、少し僕も緊張してきたよ」


「だらしないわよ~二人ともこんなことで緊張してちゃだめよ」


「そういう・・・美里も・・・いつもより声が・・・おかしい気がする」


「う!き、気のせいじゃないかしら」


「気のせいじゃ・・・ないです・・・美里さんも・・・緊張してます」


「ば、ばれたか・・・う~だってしょうがないじゃない!こんなに人が来るとは思わなかったんだもの~そりゃあ緊張もするわよ。お客多すぎよもうちょっと減りなさい!」


「いや、それはそれでだめでしょ」


渉が美里先輩に突っ込んだ


「「「「「「アハハハハハッ!!」」」」」


なんだかそれがおかしくて僕たちは互いに顔を見合わせて笑い始めた


「な、なんかいつも通りですね僕たち」


「そうね私たちらしいと言えばらしいけどね!」


「言い事ではあるんすけどね!」


「わ、笑い過ぎて・・・お腹いたい」


「わ、私も・・・久しぶりに・・・たくさん笑った感じが・・・します」


「なんだか、緊張ほぐれましたね」


「そうね、それはこのメンバーだからでしょうね」


「そうだな、このメンバーなら安心感があるからな」


「長い付き合い・・・だから」


「はい・・・」


そんな話をしていると準備お願いしますと言われ僕たちは急いで準備を始める


それぞれの楽器を各場所に設置し僕はマイクスタンドを置き渉のドラムの組み立てを手伝う


そして、準備が整ったことを近くに居た係の人に知らせ進行がそれを聞き軽くグループ説明をしてからカーテンが上がった


「「「「「おおーーーーーーー!」」」」」


客席の方はだいぶ盛り上がっており


カーテンが上がった瞬間ものすごい声が上がった


僕たちは、軽くメンバーの紹介をしてから演奏を始めた


1曲目 一斉の声 〇多〇平


僕たちは、バンドを組んだだけでオリジナルの曲などは到底無理なので美里先輩がチョイスした曲目になっていた


2曲目 POP MASTER 〇樹〇々


そして、3曲目のSHAMROCK 〇V〇R WO〇L〇 


3曲目が終わり、お客さんのテンションもかなり上がっているようだ


体育館の中の熱気がすごくて僕も歌っているだけなのにかなり汗をかいていた


4曲目の涙の種、笑顔の花 中〇翔〇の歌が終わった時、少しトークみたいなものを挟んだ


「かなり盛り上がってるよね、皆!」


「そうね、お客さんも楽しんでもらえてますか~!」


「「「「「イエーイ!!!」」」」」


美里先輩がお客さんにそう聞くと大きな声で返答してくれた


「すごい・・・盛り上がり」


「そうだね、僕たちより前の人たちがかなり温めてくれたから僕たちも演奏しやすかったしね」


「だよな!俺たちだったら滑ってそうだよな・・・」


「怖いこと言わないでよ!渉!!」


僕と渉のやり取りを聞いたお客さんが大笑いしてくれた


「でも・・・私たちも・・・他のグループに・・・負けてないです」


「そうだね、皆の演奏がうまいから」


「かなり練習したもんな!」


「僕は諸事情で歌だけになってしまったけどね」


「そうね、それを知ってる人もお客さんの中に半分はいるでしょうね」


「そうですね、でもクラスメイトや家族とかいろんな人に心配してもらって僕は幸せ者ですね」


「そうよ、だから最後の一曲も全力でやるわよ!」


「はい、それじゃあ皆さん聞いてください!」


僕がそう言って他のみんなも楽器を持ち直す


客席の方からは「かっこいいぞ~このやろ~!!!」とか「文弥君、がんばれ~!!」などといった声援が飛んできた


そして、最後の曲 今、このとき 〇い〇ぎを歌い切り僕たちの演奏は終了した


僕たちが演奏を終えた後、他のグループが新たに演奏を始めた


そして数時間後、バンド演奏は大成功を収めて終わった


演奏を終えた僕たちは、荷物を置いている教室に戻ったもちろん楽器も運んだ


そして、先に女性陣の着替えを済ませて僕たちも着替え終わったころに


母さん、春香さん、水瀬さん、由香ちゃん、美奈ちゃん、優奈ちゃんが教室にやってきた


「和くん!演奏カッコよかったよ!」


「そうねぇ~皆、すごく上手だったわ~」


母さんは、僕に抱きつきながら。春香さんは、それを微笑ましそうに見ながらそう言った


「いちいち抱きつかないでよ母さん!」


「だが断る!!」


「そうですか」


「フフ、文弥君も大変ね」


水瀬さんが苦笑いで言った


「はぁ、しっかし疲れた~ドラムって意外に体力使うな~」


「そうだね、お疲れさん渉」


「皆さん、すごくうまかったですよ!」


優奈ちゃんが僕たちに向かってそう言った


「だよね~、完璧なメンバーですよね」


美奈ちゃんがそれに賛同してうんうんと頷きながらそう言った


「和人さん、とってもカッコ良かったです!」


由香ちゃんが大きめの声でそう言った


「アハハ、ありがと」


しばらく、そこでワイワイ話していたのだがさすがにいつまでもここに居るわけにもいかず


母さんの提案で家でパーティーでもしようよということになり僕たちは、急いで帰る準備を済ませて途中で色々お菓子やジュース、オードブルなどを買い家に向かった


家についた僕たちは、今日は準備が私たちがやるよと母さんが言ってくれたので僕たちは庭の方で少し休ませてもらっていた


「文化祭楽しかったなぁ~」


渉がやや疲れた表情を残したままそう言った


「そうね、最高の思い出になったわね」


「うん・・・でも・・・ちょっと寂しいね・・・」


「そうね・・・私たちはこれが最後だものね」


「うん・・・」


「そっか・・・姉さまたちは・・・3年だから」


「最後なんだよね」


「確かに、ちょっとさびしいよな」


「はる姉も美里先輩も同じ大学なんだっけ」


「ええ、ここからも結構近い場所よ」


「確かあそこって結構レベル高かったよな」


「まぁ、二人なら推薦で行けるんじゃないかな」


「だよな~美晴先輩も美里先輩も頭いいしな」


「そんなことないわよ」


「うん・・・」


「俺と和人もそろそろ進路のこととか考えなくちゃいけないんだよな~」


「難しいよね」


「兄さまは・・・進路とかどうしますか?」


「まだ、良く分からないよ。進学しようかなと思ってるだけで何処に就職するとかはね」


「だよな~俺なんか進学しようと思ったらかなり勉強しないと無理だしな」


「でも、一応進学希望なんでしょ?」


「まぁな、まだ和人や皆と色々やって見たいしな」


「できるよ、きっとまだね」


「そうね。それにまだ今年はクリスマスとかお正月が残ってるわよ」


「そうですね、そういえばまたお泊りするって言ってましたもんね」


「ええ、和人君の家でね。また・・・女装とかさせてみようかしら」


「今、さらっと不吉なこと言いましたよね!」


僕がそう突っ込みを入れた矢先


「皆さん、準備できましたよ!」


準備に協力していた由香ちゃん達が呼びに来てくれた


「行きましょうか」


「そうっすね」


そして、パーティーが始まった


数時間、皆騒いでいたのだがさすがに疲れがたまっているメンバーがいるのでぼちぼち解散しようということになり由香ちゃん、美奈ちゃん、優奈ちゃん、美里先輩は暗くなってきて危ないということで先に帰らせることになった


「それじゃあね、和人君」


「お邪魔しました、和人さん」


「「お邪魔しました~」」


「うん、またおいで。帰りに気をつけてね」


玄関まで皆を見送った後、片付けを手伝うと言って残った渉と他のメンツで片付けをする


僕と渉は、机の清掃やお菓子のごみの処理などをやり、はる姉と亜姫は机を台ふきで拭いたり掃除機をかけたりして、母さんと春香さん・水瀬さんは、食器を洗っていた


さすがに大人数の片づけは大変で全てが終わったのは夜の9時半だった


片付けが終わったので、渉、春香さん、水瀬さんは帰ることになり僕たちは見送るために玄関に向かった


「今日は、ありがとな和人楽しかったぜ!」


「僕も楽しかったよ、ごめんね最後まで片付け手伝ってもらって渉も疲れてるだろうに」


「気にすんなって、どうせ明日と明後日は振り替え休日で休みだし」


「そうよ~和人君遠慮しなくていいのよ~」


「友達の心配もいいことだけどちゃんと文弥君も体を休めなさいね」


水瀬さんが僕にそう言った


「はい、今日は僕も疲れましたしゆっくり休みますよ」


「それじゃあ、そろそろ帰りましょう」


「う~帰っちゃうの~春香ちゃん加奈ちゃん~泊って行きなよ~」


母さんが寂しそうな表情で春香さんと水瀬さんを見た


「ごめんね~美空ちゃん、でも私も帰ってお風呂沸かさないといけないから~」


「私も、明日から仕事ですし」


「む~!」


「母さん、あんまり困らせたら駄目だよ」


母さんは、しっかりしてるときはしっかりしてるのにこういうときは子供っぽいんだよな~


「うう~それじゃあ!今日は、和くんと一緒に寝るという事で我慢するよ!」


「あれ!なんか急に矛先がこっちに来たぞ!」


「駄目・・・和ちゃんは・・・私と寝る」


「いいえ・・・私と・・・です」


「なんか、話変わってない」


「いつものことだけどな」


渉が的確なことを言った


「さてそれじゃあな和人~気が向いたら遊ぼうぜ~」


「うん、それじゃあね」


3人を見送った僕たちは家に入り、お風呂や歯磨きなどを済ませて自分のお部屋に行って寝ようとしたのだが


「あの~なんで皆僕の部屋に居るの?」


僕の部屋には、はる姉・亜姫・母さんが全員寝る準備をして待っていた


「一緒に寝るためだよ!和くん!」


「いや、だから寝ないって」


「え~いいじゃないか~寝ようよ~」


「大体、ここじゃ皆で寝れないでしょ」


「じゃあ、また1階に布団を敷いて寝よう!ということで美晴ちゃん!亜姫ちゃん!和くんを捕まえなさい」


「「了解・・・(です)」」


あれ!なんか協力体制が敷かれている!


結局、二人につかまり1階に布団を敷いて寝ることになった


このときだれが隣で寝るかで口論になったのは言うまでもない













どうも、マロンです


いくつかの話で歌を歌う場面があったと思いますが


それが、ほぼアニソンなのは私が純粋にアニメが好きだからです


この話の中のキャラクターがアニメ好きというわけではありません

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