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第59話

第59話


学校に復帰してから数十日たった土曜日の朝、今日は渉たちと一緒に由香ちゃんの学校の文化祭に行く日だ


文化祭は午後から行くことになり一回なぜか家に集合してから行くことになった


皆が家に集合するのは10時頃だというのでお昼を用意しようかとも思ったのだが皆が由香ちゃんの学校の文化祭を回りながら何か食べればいいんじゃないかと言うことで用意するのはやめた


はる姉と亜姫は、いつも通りリビングで本を読んでいる


そろそろ、10時になるのでぼちぼち誰か来るんじゃないかと思った矢先にチャイムが鳴った


「誰か来たみたいだね」


「私が・・・出る」


はる姉がそう言って玄関に向かった


「和人君、おはよう~」


最初に家に来たのは美里先輩だった


「美里先輩、おはようございます」


「皆本君はまだ来てないの?」


「はい、まだですねもう少ししたら来るんじゃないですか」


「まだ時間があるしね」


「じゃあ・・・お茶淹れてくる」


はる姉がそう言ってソファーから立ちあがる


「あ、はる姉悪いんだけど5人分淹れてくれる」


「ん・・・分かった」


はる姉は頷いてからキッチンに向かう


「あら?和人君、どうして5人分頼んだの?」


「渉の分ですよ」


「でも、まだ来てないじゃない」


「多分、もうすぐ来るんじゃないかなと思いまして」


僕がそう言った時、玄関のチャイムが鳴った


「お~い、和人~来たぞ~」


「ホントに来た!」


美里先輩が驚きながらそう言った


僕は玄関に向かい渉の家に入れる


「悪い悪い遅れちまって」


「まだ時間はあるし気にしないで」


僕と渉がリビングに戻るとすでにお茶を淹れ終えたはる姉が各自が座っていた場所にお茶を置いて元の位置に戻っていた


「和ちゃん・・・お茶淹れといた」


「ありがとね、はる姉」


僕と渉はそれぞれお茶の置いてある場所に座った


「はぁ、お茶が美味い」


渉がお茶を飲んでそう言った


「それにしても、良く皆本君が来るって分かったわね」


「まぁ、付き合い長いですからね。渉は基本的に約束の時間に遅れても10分以内くらいで来ますからね」


「へぇ、なるほどねぇ~」


こうして皆が集まってしばらく話をしてたらあっという間に時間が過ぎてそろそろ由香ちゃんたちの学校に向かうことにした


家を出てから30分ぐらい経って由香ちゃん達の学校に到着した


学校の中は思っていたよりも人混みが激しかった


「大分盛り上がってるわね」


美里先輩が周りを見渡しながらそう言った


「そうですね」


「それでまずはどうするよ?」


「この人数で一緒に行動するのは帰って難しいかもしれないわね、一旦別れる?」


「その方がいいかもしれないっすね」


渉が美里先輩の意見に賛同した


「それじゃあどう分けます?男女で分けますか」


「そうね、まぁ今回は5人だしそう分けた方が自然かもね」


「私も・・・それでいい」


「へぇ、美晴が賛成するのは意外だったわてっきり和人君たちと行きたいって言うと思ったのに」


「気まぐれ・・・」


「あらそうなの、亜姫ちゃんもそれでいいかしら?」


「はい・・・」


亜姫も賛成し僕たちはここでいったん別れることになった


「それじゃあ、後でね~」


「はい」


美里先輩たちが人混みの中に入って行きすぐに姿が見えなくなった


「さて、僕たちも行こうよ」


「だな、まずはいろいろ食って回らないか?」


「そうだね、お腹も空いてるし」


ということで僕たちは焼き鳥や焼きそばなどを食べながら外の店をまず見て回った


しばらく食べ歩いていたがお腹もそれなりにいっぱいになったので近くに設置してあったごみ箱にゴミを捨ててから


僕たちは今度は、校内に入り展示物やなんやらを見てから由香ちゃん達がやっている喫茶店に向かった


そして、由香ちゃん達のやっている喫茶店の前まで来たのだが


「すごいね・・・」


「ああ、こりゃあ入れるのはだいぶ先になるぞ」


僕たちの前には喫茶店で順番を待っているものすごい行列があった


「どうするよ和人、もうしばらく校内見て回ってからにするか」


「でも、この流れだとまた来ても同じな気がするし列に並んで待ってようよ」


「じゃあそうするか」


僕たちは、少し話をしてから列の最後尾に並んだ


僕たちが列に並んだ時、喫茶店の中からメイド服を着た美奈ちゃんが出てきた


「あ!和人さんと皆本さん来てくれたんですね!!」


美奈ちゃんが僕たちに気づき声をかけてきた


「うん、美里先輩たちも来てるけどまだ来てない?」


「そうですね、うちの学校はお店も多いしゆっくり回ってるんじゃないですかね」


「アハハ、そうかもね」


「せっかく来てくれんたんですから、入ってください!」


そう言って美奈ちゃんが僕たちの腕を引っ張る


「で、でも並んでる人もたくさんいるし、順番が回ってきたらね」


「だよな、俺たちも順番は守らねぇと」


「何言ってるんですか!和人さんたちなら並ばなくても入れてあげますよ」


美奈ちゃんがそう言って僕と渉をひっぱる


うう・・・周りの視線が・・・


周りからは、なんだよあいつら見たいな視線がどんどん浴びせられる


美奈ちゃんはそんなことお構いなしに僕たちを教室の中に入れる


「「「お帰りなさいませご主人様!!」」」


教室に入った瞬間、何人かのメイド服を着た子が僕たちをお出迎えをしてくれた


「な、なんかすごいね」


「ああ、ここまで完成度高いとはあの行列ができるのも納得だな」


僕と渉は少しびっくりしながらそう言った


「さぁさぁ、二人とも席に案内しますから付いてきてくださいね」


美奈ちゃんがそう言いながら僕たちをあいている席へと案内する


案内された席に座る


「こちらがメニューです」


美奈ちゃんがメニューを僕たちに渡す


「へぇ、以外といろいろあるんだね。ケーキとかもいろいろ種類あるし」


「ああ、ドリンクも充実してるな」


「これも料理上手な子がたくさんいるから何とかなってるんですよ」


「へぇそうなんだ。って折角来たのに話してるだけじゃ悪いね何か注文しないと」


「だな」


「もう決まってるんだったらお聞きしますよ」


「じゃあ、チョコレートケーキとコーヒーにしようかなミルクと砂糖はなくていいよ」


「俺は、イチゴショートにするかそれとコーラ」


「分かりました、少し待っててくださいね」


美奈ちゃんは、そう言って僕たちの頼んだものをキッチンの方に言いに行った


「しかし、ほんとにすごい人気だな」


「そうだね、中も満席だし。そういえばさっきから由香ちゃんと優菜ちゃんがいないね」


「そういえばそうだな、休憩か何かで学校の中回ってるんじゃないか」


僕たちがそう話していると美奈ちゃんが注文したものを持って戻ってきた


「お待たせしました、チョコレートケーキとコーヒー、イチゴショートとコーラです」


美奈ちゃんがそう言ってテーブルにケーキなどを置いていく


「美奈ちゃん、由香ちゃんと優菜ちゃんは今どうしてるの?姿が見えないけど」


「由香と優菜は今、お店の客寄せで学校の中を回ったりしてますよ交代制でやってますからもう少しで戻ってくると思いますよ」


「へぇ、そうなんだ」


「きっと和人さんたちを見たら由香ビックリすると思いますよ。朝から大分そわそわしてましたから」


「そうなの?」


「はい」


そんな事を話していると、僕たちが入ってきたところからメイド服を着た由香ちゃんと優菜ちゃんが入ってきた


「戻ってきたみたいですね。由香~、優菜~」


僕たちに一言そう言った後、美奈ちゃんが二人を呼んだ


二人は、美奈ちゃんの声に気づきこちらを見るそのあと僕たちの存在に気づくが優菜ちゃんは普通の反応なのだが由香ちゃんは顔を赤くして俯いてしまった


俯いている由香ちゃんを優菜ちゃんが引っ張る形でこちらに向かってきた


「ありゃ、由香ったら恥ずかしがってるよ」


少し呆れたように美奈ちゃんがそう言った


「和人さん、来てたんですね」


こちらにやって来た優菜ちゃんがそう言った


「うん、今さっきね二人ともメイド服似合ってるね」


「ありがとうございます!」


「あ、ありがとうございます」


由香ちゃんもまだ顔は赤いが俯かずにこちらを見ている


「そ、そういえば、今日は、亜姫ちゃんたちは来てないんですか?」


由香ちゃんが何かをごまかすような感じで聞いてきた


「来てるよ。でも、別行動ににしてるんだ」


「そ、そうなんですか」


「そのうち来ると思うけどね」


そんなやりとりをしながら、コーヒーを口にする


「このコーヒーおいしいね」


「そうですか、それは良かったです」


「そういえば、3人ともさっきから僕たちと話してるけどお客さんの相手しなくていいの?」


「まぁ、休憩って事で」


「気にしたら負けですよ」


美奈ちゃんと優菜ちゃんがそう言った


「そ、そうなんだ。それなら椅子に座りなよ席もちょうど3つ空いてるし」


「いいんですか、じゃあそうさせてもらいます」


そう言って美奈ちゃんは僕の隣に座る


僕と向かい合うように座っている渉の隣に由香ちゃんが美奈ちゃんの隣には優菜ちゃんが座った


そのあとも、由香ちゃんたちとしばらく話をしていた


話を続けながらケーキを食べていると、今まで他のお客の接客をしていた女の子が僕に話しかけてきた


「あ、あの、文弥和人さんですよね」


「え、そうだけど君は?」


「わ、私、和人さんのファンなんです!」


「ぼ、僕のファン!!!」


僕がその子の発言に驚いているように渉もびっくりしていた


しかし、由香ちゃん、美奈ちゃん、優菜ちゃんの3人はああやっぱりというような顔をしていた


さらに他に接客していた何人もの娘が僕のところに来た


「あの!私もファンなんです握手してください!」


「私も、できればサインも欲しいです!!」


僕は、いったい何がどうなってるのかいまだに分からず、えっと、その、などの言葉しか言えなかった


それを見ていた由香ちゃんたちが横から助け船を出してくれた


「皆少し落ち着きなさい!和人さんが困ってるでしょ!」


由香ちゃんの一喝で皆まだ少し興奮収まらぬもののなんとか落ち着いてくれた


「和人さん大丈夫ですか?」


美奈ちゃんがそう聞いてきた


「だ、大丈夫だよ驚きはしたけど。それにしてもどういうことなのこれ?いまだに状況がよくわからないんだけど・・・」


僕が困惑していると優菜ちゃんが説明してくれた


「え~とですね、皆自分でそう言ってましたけどこの娘たちは和人さんのファンなんですよ」


「すげぇな和人とうとうアイドルみたいな存在になったな」


「変なこと言わないでよ渉・・・」


「しつこくなるんですが皆結構あの事件のニュースを見ててですね。それで和人さんの事を知ったんです。」


「だからってどうして僕なんかにファンが?」


それを聞いて僕以外の4人がため息をついた


「これさえなければねぇ」


「和人さんの唯一の欠点ですよね」


「???」


ますます良くわからない


「3人だけずるいよ私たちだって和人さんと話してみたいのに!!」


それまで黙っていた女の子の一人がそう言った


周りの娘も、そうよそうよと言っている


「だからってねぇ、いきなりそんなに大勢で押し掛けたら和人さんが困っちゃうでしょ!」


由香ちゃんもそれに負けじと言い返す


「ゆ、由香ちゃん、僕は大丈夫だから少し落ち着いて」


「で、でも」


「この娘たちも悪気はないわけだし」


僕がそう言うと皆がうんうんと頷く


「う~、和人さんがそう言うなら」


そう言って由香ちゃんは、渋々といった感じで引き下がった


「み、皆もさ今お仕事中なんでしょ。あんまりお店で騒がない方がいいんじゃないかなお客さんもびっくりしてるし。僕にはなんかものすごく鋭い視線がいろんな方向から突き刺さってくるし・・・。僕たちも2週間後ぐらいには文化祭が控えてるからその時にでも話をしようよ」


騒いでいた娘たちも渋々といった感じで「は~い」と言ってお仕事に戻って行った


「なんとか収まりましたね」


美奈ちゃんがそう言った


「そうだね」


そのあとも何人かが僕と話しに来たけど、さっきのような騒ぎにはならなかった


「そろそろ、出ないとね思いのほか長居しちゃったし」


「それもそうだな、んじゃでるか」


「じゃあ私たちも仕事に戻らないとね」


美奈ちゃんがそう言った


「そういえば今からは私がお会計当番だった」


由香ちゃんが慌ててその場所に向かう


僕たちもテーブルから離れお会計と紙を張り付けてあるテーブルに向かう


「えっと由香ちゃんいくらだっけ?」


僕が財布を取り出しながら由香ちゃんにそう聞いた


「いいですよ、さっきは和人さんに迷惑かけちゃったからタダでいいですよ」


「それは悪いよ、由香ちゃんたちも商売なんだからお金はちゃんと払わないと」


「気にしないでください、私たちも楽しかったし料金もそんなに高く設定してるわけでもないから売上にあんまり影響はないし」


「で、でも」


「まぁまぁ、和人いいじゃねぇかタダでいいって言ってるんだから」


「ほ、ほんとにいいの由香ちゃん?」


「はい、構いませんよ」


「ありがとね由香ちゃん」


「良かったな、和人」


「兄貴は払ってよね」


「なんでだよ!」


「ずっとメイド見てニヤニヤしてたからよ!かなり恥ずかしかったんだからね!!」


「う~、納得いかねぇ~」


そう言いながらもお金を出す渉


「ほらよ」


「はい、ちょうどね」


「さてさっさと店でないとな」


「そうだね」


そう言いながら僕と渉はお店を出る


僕たちがお店を出ると美里先輩たちとちょうど会った


「あら、和人君たち今出てきたの?」


「はい」


「入れ違いになっちゃったわね」


「そうですね」


「兄さま・・・由香さんたちは・・・いましたか?」


亜姫が僕にそう聞いてきた


「うん、いるよ亜姫たちは早く来ないのかなって言ってたし」


「そう・・・ですか」


「美里先輩たちはどうしてこんなに遅かったんすか?」


渉が美里先輩にそう聞いた


「もっと早く来るつもりだったんだけど、数百メートルごとにナンパされてね中々たどりつけなかったのよ」


「あれは・・・大変だった」


はる姉がため息をもらしながらそう言った


「そうだったんだ、大変だったね」


「ということで折角合流したけどまたお別れね」


「ですね」


僕たちは、そう言って美里先輩たちと別れる


僕と渉はそのあとも校内をブラブラ歩いていた


数十分たった後、美里先輩からそろそろ帰りましょという内容と今いる場所がメールが送られてきたので分かりましたとだけ打って


その場所に向かった


その後、美里先輩たちと合流し由香ちゃんたちの学校を後にして僕たちは各自の家に帰宅した












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