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第54話

第54話


9月1日時刻は6時半、今日から二学期がスタートする、僕は制服に着替えてリビングへと降りる


「和ちゃん・・・おはよう」


「兄さま・・・おはようございます」


「はる姉、亜姫、おはよう」


すでに下に居た二人と挨拶をする


「朝ごはん・・・もうできてるから・・・食べよ」


「うん」


なぜ二人が僕より早く起きてるのかというと


8月27日の事を次の日に二人に話したら「私たちにも・・・遠慮しないで・・・何でも言って」と言って家事全般を前より手伝ってくれるようになったのだ


僕は、気にしないでいいのにと言ったが


そしたら今度は母さんが「和くん!遠慮しちゃだめって言ったでしょ!めっ!」となんだかよくわからに怒られ方をしたので僕もなるべく手伝ってもらうようにしたのだ


その母さんは昨日、仕事のため海外にある自分の家へと帰って行った


まぁ、帰る直前に「和くんと、離れたくないよ~!!」と言って僕を無理やり一緒に連れて行こうとしたけど・・・


でも、飛行機に乗るとき最後に「文化祭なんかのイベントのときには連絡してね!必ず行くから!!」と言ってくれたのは嬉しかったな


そんな事を思いながら朝食を済ませた僕は食器を洗うため、はる姉と亜姫の食器も片付け始める


そして、食器を洗い始めたとした時


「兄さま・・・私も・・・手伝います」


亜姫が僕の隣に来て一緒に食器を洗い始めた


「ありがと亜姫、じゃあ一緒にやろう」


「はい・・・」


僕がそう言うと亜姫は、少し頬を赤らめて返事をした


ちなみにはる姉も洗おうとしていたようだったが出遅れたのか少し残念そうな顔をしてからテレビのほうへと向かった


二人で洗ったため思いのほか早く済んだ僕たちは、まだ学校に行くには早いと思いテレビを見てしばらくぼ~っとしていた


しばらくお茶を飲みながらのんびりしていたがテレビの左上に表示されている時計が7時半を表示していたのでそろそろ家を出ることにした


鍵を閉めたか確認して僕たちは家を出た


しばらく歩いていると


「お~す、和人」


少し眠そうな顔をしながら渉が近づいてきた


「おはよう渉、なんか眠たそうだね」


「ああ、昨日遅くまでゲームしててな、すっかり寝不足だぜ」


渉はそう言い終わると大きな欠伸をした


「渉らしいね」


「そうか、そう言う和人こそなんか今日はすっきりしてるぞ」


「そうかな?」


「ああ具体的には、家族間で少しトラブルがあったけどそれが無事解決されたような顔をしてるな」


「具体的すぎるよ!ほとんどピンポイントじゃないか!!」


「お、当たったか?」


僕のツッコミに渉が図星かみたいな顔をしながら聞いてくる


「ま、まぁ、当たりかな」


「そうか、なら良かったじゃねえか!」


「うん」


渉は、詳しいことは聞いてこないで素直に喜んでくれていた


その後学校に到着した僕たちは、はる姉と亜姫と別れて自分の教室に向かった


教室に入るとすでに半分くらいの人が来ており僕と渉は挨拶してくるクラスメイトに返事を返しながら自分の席に着いた


しばらく渉や他の友達と話をしていたがチャイムが鳴り先生がきたのでそれぞれ前のほうに向きなおる


「え~、今日から二学期が始まる今日は始業式だけで学校が終わるがこれから学校がまた始まるから夏休みボケで寝坊などをしないように」


先生は、軽く諸注意をしてから僕たちに体育館に行くように指示して教室から出て行った


僕たちは、先生に言われた通り体育館へと向かった


少しして全校生徒が集まったので始業式が始まった


しばらくして始業式が終わった僕たち生徒は一回教室に戻りSHRを行って今日はもう学校は終わった


「和人、帰ろうぜ」


「うん、今日は部活ないの?」


「ああ、明日からだ」


「そうなんだ、じゃあ帰ろうか」


「おう!」


僕と渉は教室を出て昇降口に向かう


昇降口に行くとすでに、はる姉・亜姫・美里先輩が待っていた


「和人君、皆本君、おはよう!」


美里先輩が元気いっぱいに挨拶してきた


「おはようございます美里先輩」


「ども~っす、美里先輩」


「皆本君は今日部活ないの?」


「ないっすよ」


「へぇ~そうなの」


「バスケ部は結構適当なところがあるっすからね」


「それって、駄目なんじゃないかしら?」


美里先輩が呆れ気味に言った


「まぁ、確かにそうかもしれないっすけど。うちの部員は基本的に身体スペックは悪くないっすからねなんやかんやでなんとかなるんすよ」


「それは、自分の身体スペックが良いという自慢かしら皆本君」


美里先輩がニヤニヤしながら渉に言った


「そ、そういうわけじゃないっすよ。それに俺よりうまいやつが隣に居ますし」


渉はそう言いながら僕の方を見る


「帰宅部の僕が渉よりうまいわけないでしょ」


そんな会話をしながら学校を出る


そして、それぞれ自分の家に帰る


美里先輩と別れもうしばらく帰り道が一緒な渉と駄弁りながら帰る


そして、渉と分かれるところまで来たときに


「そうだ和人、今日家に飯に食いにこないか?」


「急にどうしたの?」


「泊りが終わった後、家に帰ったら母ちゃんがいろいろお世話になったんだし機会があったら和人を家に誘えって言われたんだよ」


「へぇそうなんだ、でも良いの今日で?」


「良いんじゃねえか別に、後和人だけじゃなく美晴先輩と亜姫ちゃんも誘えって言われたな」


「だったらお邪魔になるけど二人は今日でも大丈夫?」


僕は二人に予定を聞いてみた


「大丈夫・・・」


「特に予定は入って・・・ないです」


「そうじゃあ、今日は3人でお邪魔しようかな」


「おうじゃあ夕方にな、母ちゃんに報告しとくから」


「わかった、じゃあ夕方に」


夕方に渉の家に向かう約束をして僕たちは自分の家へと帰って行った


家に到着した僕たちは私服に着替え軽いお昼を取って休憩していた


しばらくすると亜姫がおもむろに口を開いた


「兄さま・・・本屋に一緒に・・・行きませんか?」


「いいけど、何かほしいものでもあるの?」


「はい・・・新しい本が今日・・・発売予定なので・・・皆本先輩の家に行くのも・・・まだ時間があるから・・・一緒に行こうかと」


「そうなんだ、じゃあ行こうか僕はこの恰好のままでいいけど亜姫そのままでいいの」


「はい・・・私も・・・このままで・・・いいです」


「じゃあ行こうか」


そう言いながらリビングを出ようとすると後ろからはる姉に服を掴まれた


「どうかしたのはる姉?」


「私も・・・行く」


「いいけど、はる姉も何かほしい本あるの?」


僕がそう聞くとはる姉はコクリとうなずいた


「そっか」


ということで結局3人で出掛けることになった僕たちなのだが


「あの~二人とも結構良く言ってると思うんだけど、少し離れてくれないかな」


僕の両腕には亜姫とはる姉がくっついていたしかも二人とも毎度のことながら結構力強く抱きついているので特に痛いとかはないのだが胸が当たってしまってものすごくドキドキしてしまう


しかし二人は


「いや・・・です・・・最近・・・くっついてなかったです」


「私も・・・最近・・・くっついてない」


そう言って再びぎゅっと抱きついている腕に力が入る、む、胸が・・・


しばらくドキドキしながら歩いているとようやく本屋に到着した


本屋に到着した僕たちは各自、自分の好きなところに向かったそこで僕もやっとドキドキから解放された


「ふぅ、やっと解放されたよ、さてと僕も漫画でも見て回ろうかな」


そう思い僕は漫画コーナーのほうに行く


ちらほらとどんな漫画があるか見ていると前に母さんが買えなかった漫画があった


今度帰って来たときのために買っておいてあげようと思いその本を手に取る他にも僕が前に母さんと来た時に進めた漫画の続きをいくつか手に取りレジに向かう


レジで会計を済ませてから僕は二人を待ってようと店内の入り口付近に設置してあった自動販売機で飲み物を買って飲みながら待っていた


しばらく買った飲み物をチビチビ飲んでいると二人がやってきた


「兄さま・・・お待たせしました」


「和ちゃん・・・待たせて・・・ごめんね」


「そんなに待ってないから大丈夫だよ」


「それなら・・・良かった」


「兄さま・・・帰りましょう」


「うん、でもその前にデパートまで買い物に行ってもいいかな、渉の家に行く前にケーキでも買っていこうかと思うんだ、多分まだ行くには早いけど、買って冷蔵庫にでも入れとけばいいし折角外出したからついでに買っておきたいんだ」


「わかり・・・ました」


「私たちに・・・付き合って・・・もらったから・・・それぐらい別にいい」


「ありがと二人ともそれじゃあ行こうか」


二人の了解も取りデパートのほうへと向かう


数十分歩いてデパートに到着した僕たちはケーキ屋さんに向かう


いくつかケーキを買ってから僕たちはしばらくデパートを回ってから帰ることにした


以外と長い時間デパートを回っていたのか時計を確認すると今から向かえばちょうど良い感じの時間になっていた


ホントは一回自分の家に戻ろうかと思っていたのだが時間がちょうどいいのでそのまま行くことにした


しばらく歩いてようやく渉の家に到着した


インターホンを鳴らすと春香さんが出てきた


「いらっしゃ~い和人君、美晴ちゃん、亜姫ちゃん、渉から話は聞いてるわ」


「こんにちは春香さん。あのこれケーキ買ってきたんで良かったら食べてください」


「あら~ごめんなさいね気を使わせちゃって」


「そんな気にしないでください」


「それじゃあ食後にでも食べましょうとりあえず入って」


「はい、お邪魔しますね」


「お邪魔します・・・」


「お邪魔・・・します」


靴をそろえてリビングのほうへと向かう


リビングに入るとすでに料理が並べられていた


「おう!和人来たか」


「あ!和人さん、美晴さん、亜姫ちゃん。こんにちは」


「こんにちは由香ちゃんお邪魔するね」


「お邪魔します・・・由香さん」


渉そして由香ちゃんと話をしていると後ろからドアを開く音がした


「お!和人君来ていたのか!久しぶりだな!」


「お久しぶりです、勇次さん」


僕に挨拶をしてくれたのは、春香さんの夫の皆本勇次(みなもとゆうじ)さんだ


明るく優しい性格で昔からよくお世話になっていた人だ


「おや?そちらの二人は兄妹かな」


「初めまして・・・姉の・・・美晴です」


「妹の・・・亜姫です」


「かわいい姉と妹がいて和人君は幸せ者だな」


「アハハ、そうですね」


そんな会話をしていると春香さんがやってきた


「勇次さん、和人君たちを立たせたままじゃかわいそうよ」


「おお、そうだな和人君たちも座りなさい」


「はい、失礼しますね」


僕は渉の隣に座りはる姉は僕の隣、亜姫は由香ちゃんの隣に座ったようだ


皆が座った所で食事を始める


「さぁ、いっぱい食べてね」


「はい、いただきます」


「いただきます・・・」


「いただき・・・ます」


僕たちは、近くにあったおかずをお皿に移して食べた


「この唐揚げおいしいです!」


僕は春香さんが作ってくれた唐揚げを食べながらそう言った


「ホントにそう言ってもらえるとうれしいわ~」


春香さんはほわほわした表情でそう言った


「ハッハッハ!春香の料理は世界一だからな!」


勇次さんが笑いながらそう言った


「もう、勇次さんったら」


春香さんも顔を赤くして喜んでいる


「相変わらず仲が良いね春香さんと勇次さんは」


「こっちからしてみれば、いい年して何言ってるんだと思うけどな」


渉は呆れながらそう言った


「そんなこと言っちゃだめだよ良いことじゃない」


「まぁ、そうなんだけどな」


「あ、あの和人さん、飲み物どうぞ」


渉と話していると由香ちゃんが飲み物を渡してくれた


「ありがと由香ちゃん」


「い、いえ」


由香ちゃんは赤面しながらそう言って自分が座っていた席に戻って行った


「由香は相変わらず、和人君一筋なんだな!」


その光景を見ていた勇次さんが大きな声でそう言った


「な、ななな、何言ってるのよお父さん!」


由香ちゃんは、勇次さんの言葉に顔を赤くしながら怒っていた


「わ、私は、別に、そういうことは・・・その」


由香ちゃんはモジモジしながらうつむいてしまった


「???」


「和人、お前今の状況理解してないだろ・・・」


「ま、まぁ」


「この鈍感さえなければ完璧なんだけどなお前」


「なんのこと?」


「まぁ、気付いてないならそれでもいいけどな、俺も同い年の親友にお義兄さんなんて言われたくないしよ」


「なんで僕が渉をお義兄さんなんて呼ぶのさ」


その言葉を聞いた周りの人たちは若干のため息とあきれ顔になっていた


春香さんと勇次さんだけはその光景をほほえましそうに眺めていたが


その後、食事を終わらせた僕たちは僕が買ってきたケーキを春香さんが用意してくれたので食べてからしばらくゲームをしてそして7時を回ったころ帰ろうと思いゲームの片付けを渉と始めた


ゲームをかたしてリビングを出る


玄関まで皆がお見送りに来てくれた相変わらずこの人たちは優しいなと僕は思った


「今日は悪かったな、急に呼んじまって」


「そんなことないよ、春香さんの料理もおいしかったし楽しかったよ」


「ありがと~和人君」


「また来てくださいね和人さん」


「そうだぞ和人君、渉もだいぶ世話になってるし世話になりっぱなしじゃこちらが申し訳ないからな」


「はい、また暇があればきますね」


「亜姫ちゃんも遊びに来てね」


亜姫に向かって由香ちゃんがそう言った


「はい・・・またきます」


「それじゃあ、そろそろお邪魔しました」


「おう、また学校でな」


「うん、また明日」


「お邪魔・・・しました」


こうして2学期初めの今日は、皆本家との楽しい交流をして終わった

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