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第51話

第51話


8月24日、午後1時僕は今、渉の家にいる


僕以外にもはる姉、美里先輩、美奈ちゃん、優菜ちゃんそして母さんがいる


なぜ渉の家に母さんまで集まる状況になっているかというと、明日の8月25日は亜姫の誕生日であり、亜姫の誕生日会のための作戦会議をしているところだ


ちなみにここに由香ちゃんがいないのは、亜姫を買い物に連れ出してもらっているからだ


会議の内容は後で渉に知らせてもらうから由香ちゃんに行ってもらったのだ


「さて、それじゃあ明日の亜姫ちゃんの誕生日の役割分担を決めましょうか」


美里先輩がそう言った


「そうですね、必要な分担は、家の飾りつけと料理、それと亜姫と一緒に出かける人かな」


「なんで出かける必要があるんだ和人?」


「亜姫が目の前に居るのに誕生日の準備をするの渉は」


「おっとそれもそうだな、じゃあその役は和人でいいじゃん」


「そうね、和人君が連れ出すのが一番適任よね」


「どうしてですか?」


「亜姫ちゃんのことだから、和人君が出かけようって言えばすぐについていくもの」


「はぁ、じゃあ僕がやります。出かける時間とか帰ってくる時間はどうします?」


「出かけるのは朝の10時くらいにしてもらえる、帰ってくる時間帯は私たちの準備の速さによるから終わったら連絡入れるわ」


「分かりました」


「つーことは、準備は7人になるな」


「そうね」


「どう分けましょうか」


「料理に三人、飾り付けに4人でいいんじゃない」


「そうね優菜ちゃんの言うとおりその分け方がベストね」


「料理は・・・私と・・・美里・・・母さんでやる」


「ええ」


「まかせなさい!可愛い娘のために腕をふるっておいしいものを作るよ~!」


母さんが燃えている


「じゃあ、飾り付けは俺と由香、美奈ちゃんに優奈ちゃんだな」


「はい」


「亜姫ちゃんのためにも頑張りましょう」


「ねぇねぇ、和くん」


母さんが僕を呼ぶ


「何?母さん」


「プレゼントはどうするの?」


「「「「「「あ!!」」」」」」


母さん以外の6人がその場で固まった


「もしかして、和くんまだ用意してないの?」


「か、母さんは準備したの?」


「え、うん、家に隠してあるけど」


「どうする和人」


「今日買うしかないでしょ・・・」


「だな、後で買いに行くか」


「それはまずいわ」


「どうしてですか?」


「もうすぐ、由香ちゃんと亜姫ちゃんが帰ってくるころだわ、今出ていってもし鉢合わせなんてことになったら」


「「確かに・・・」」


僕と渉は声を合わせてそう言った


「今日行くしかないけど、行く時間帯は何人かで分けないとバレちゃうわよ」


「そうっすね」


「二人くらいに分けましょうか」


「そうね、後で皆で買い物に行く名目で私たちもプレゼント買っておかないと」


「ですね」


そんな話し合いをしていると玄関の方からただいまぁ~と聞こえてきた


「ただいま・・・帰りました・・・兄さま」


亜姫が僕に抱きついてきた


「おかえり、楽しかった?」


「はい・・・」


「ただいま帰りました」


「おかえりなさい由香ちゃん」


僕たちは、亜姫を一回離して由香ちゃんに小声でさっきのことを話す


「あのさ、由香ちゃんプレゼントってもう買った?」


「え?プレゼントですか、はい買いましたよ」


僕たちは由香ちゃんの発言を聞いてず~んと落ち込んだ


「僕たちって一体・・・」


「???」


亜姫が落ち込んだ僕たちを見て首をかしげている


僕たちが落ち込んでいると不意にドアが開いた


「皆~おやつにケーキ作ったんだけど良かったら食べてね~」


春香さんがエプロン姿で現れた


「どうかしたの皆~?」


「いえ、ケーキいただきますね」


「ええ少し運ぶには量が多いから悪いんだけど下に降りて来てくれるかしら?」


「わかりました」


僕たちは、ひとまず下に降りた


下に降りると人数分のケーキと紅茶がテーブルに置いてあった


「わぁ、おいしそう!ありがとう春香ちゃん!」


母さんは、春香さんに抱きついている


春香さんは「あらあら~」と言いながら母さんが抱きついてきたのを受け止めていた


ちなみに、母さんと春香さんは渉の家に行ってからすぐに仲良くなった


僕たちは、とりあえずそれぞれ席についてケーキを食べ始める


春香さんの作ったケーキはすごくおいしく皆も大絶賛の味だった


僕たちは、しばらくケーキを食べている時、美里先輩が話を切り出してきた


「ねぇ、和人君この後デパートにでも行かない?」


美里先輩がそう言った瞬間、僕はとっさにさっきの話し合いを思い出し美里先輩の話に乗った


「そうですね、僕も買いたいものがありますし行きます」


「私も・・・」


「じゃあ、俺も行くかな」


「私たちも付いていって良いですか?」


「私たちも買いたいものがあるので」


皆それぞれ、そう言っているがデパートに行く目的は全員決まっている。皆それぞれアイコンタクトをひそかに取り合っている


「そうじゃあ、決まりねこの後、行きましょうか」


この話がここで終わると思ったその瞬間


「私も・・・付いていって・・・いいですか?」


亜姫がそう言ってきたのだ


その瞬間、再び周りの空気が変わった


亜姫、以外の皆がアイコンタクトで相談し合う


(どうしましょう美里先輩)


(どうしましょうって言われても、連れていくしかないじゃない)


(でも、そしたらプレゼント買いづらくなるっすよ)


(でも・・・ダメって・・・言ったら逆に・・・怪しまれるかもしれない)


(連れていくしかないでしょうね)


(そうですね)


注意:これはあくまでアイコンタクトです


「駄目ですか・・・?」


いつまでも返事が返ってこないのを不安に思ったのか亜姫が少し声を小さくして聞いてきた


「そんなことないよ、一緒に行こう」


「はい・・・」


こうして、僕たちは春香さんの作ってくれたケーキを食べ終えて渉の家を後にしてデパートへと向かった


しばらくして、デパートに到着した僕たちは再びアイコンタクトを取っていた


(これから、どうやってプレゼントを買います?)


(そうねぇ、私たちはまだ何とかなるかもしれないけど・・・)


(問題は和人だよな・・・)


(亜姫ちゃん、和人さんにべったりですもんね)


僕は、腕に抱きついている亜姫を見る


(困ったなぁ、これじゃあプレゼント買いに行けないよ)


(それなら、私たちの誰かにメールしてプレゼントを代わりに私たちが買ってくればいいんじゃないかしら)


(なるほど、それがいいかもしれませんね)


(確かに、じゃあ僕は亜姫と一緒に行動しますメールはばれないようにタイミングをはかって送ります)


(了解)


注意:あくまで!アイコンタクトです!!


「じゃあここからは自分たちの行きたい場所に行きましょうか」


「そうですね、時間を決めてまた今いる場所に集合しましょう」


「だな!それじゃあ俺はこっちに行くから後でなぁ~」


「私と・・・美里は・・・あっちに行くね」


「そうね」


「和人さん、私たちは下に降りますから!」


「またあとで!」


こうしてそれぞれバラバラになった今いるのはプレゼントを買い終えた由香ちゃんと母さんそして僕と亜姫だけだ


「さて僕たちはどこに行こうか?」


「はーい!ゲームセンターに行きたいです!」


真っ先に提案したのは母さんだった


「母さん、ゲームセンターはこの前言ったでしょ」


「ええ~良いじゃない、またいこうよ~」


母さんは、亜姫が抱きついていない反対側の腕をブンブンと振ってくる


それを見ていた由香ちゃんが僕の耳元に近づいてきて


「和人さん、美空さんの言うとおりにした方がいいんじゃないですか?」


「どうして?」


「もし、他のところで皆と鉢合わせになったら大変じゃないですか」


「なるほど、確かに」


僕は少し考えてから


「それじゃあ、ゲームセンターに行こうか」


「わーい、それじゃあレッツゴー」


母さんは、ゲームセンターに走り出した


「まったく母さんは・・・」


「でも、母さまらしいです」


「まぁね」


「和人さん、早く行かないと私たち置いていかれちゃいますよ」


「そうだね、早く行かないと」


僕たちも母さんの後を追った


そして、ゲームセンターに到着した僕たちは、どんなゲームがあるのか見て回って、面白そうなのがあればそれにチャレンジしてを繰り返していた


しばらくして、僕はタイミングを見計らいプレゼントを購入してもらうために皆にメールを送る


買うものはもう決めていたので素早くメールを送る


数分後、皆はすでに買い物が終わったのかすぐにメールが返ってきた


メールを見る限りではもう帰れそうなので皆にそろそろ集まった方が良いんじゃないかとメールを送る


今度はさっきよりも早くメールが返ってきた


皆それぞれ、了解と送ってきた


僕は、それを見て僕たちも戻ろうと思い母さんたちに声をかける


「そろそろ、皆用事も済んだみたいだからさ、さっきの場所に戻らない?」


「そうね、戻りましょうか」


「はい」


「もっと・・・遊びたかったです」


「ごめんね、その代わり明日行こうよ」


「明日・・・ですか?」


「うん、駄目かな?」


「わかりました・・・でも兄さまと二人っきりが・・・いいです」


「う~ん、まぁ我慢してもらうからね僕は別にいいよ」


僕がそう言うと亜姫の表情が明るくなり、また僕の腕に抱きついてきた


「ちょ、ちょっと亜姫」


「兄さま・・・大好き♡」


「それはありがたいんだけど、離れてくれない周りの視線が・・・」


「いやです・・・」


「じゃ、じゃあとりあえずここから出よう」


「はい・・・♪」


亜姫、僕に抱きついている腕にギュっと力を入れる


今日の亜姫は上機嫌なようだ


集合場所に戻ると、すでに皆が待っていた


「遅いぞ和人~」


「ごめんごめん」


そう言うと渉が耳元に来て


「メールに書かれてたものちゃんと買っておいたぜ」


「サンキュ渉、そのまま明日まで持っておいてくれないかな」


「了解」


「兄さま・・・何の話ですか?」


僕の腕に抱きついている亜姫が不思議そうな顔で聞いてきた


「別に大した話じゃないよ、ね、渉」


「ああ」


「それより、早く帰りましょう思ったより時間かかったせいかお腹が空いたわ」


「今日は、皆で何処かで食べましょうか」


「いいですね、あ、でも、その前に一回うちに戻ってもいいですか?お母さんも一緒に誘いたいんですけど・・・」


由香ちゃんがそう言った


「もちろん、春香さんにはいつもお世話になってるしね」


こうして、僕たちは一回渉の家に戻り春香さんも誘って皆で外食することにした


渉の家に到着し春香さんに外食のお誘いをすると


「ありがとうね~皆~それじゃあすぐに準備してくるわね~」


そう言って、準備を始めた


春香さんは言った通りすぐに準備を終えて僕たちの前に現れた


いままで外出時の春香さんを見たことなかったので少し新鮮でもある


「あら、どうかした和人君~」


「あ、いえ、春香さんの外出の時の服装始めてみるなぁって思って」


「そうだったの~良かったわ~服が似合って無いのかと思ったわ~」


「そんなことはないですよ似合ってますよ」


「いやだわ~こんなおばさん褒めたって何も出ないわよ~」


「ホントのことですよ」


「そうありがと~」


「さて皆そろったわけだし行きましょうか」


僕たちは、レストランに向かって歩き始めた


その後、僕たちはレストランで楽しく夕食を済ませてしばらく話をしてから解散になった


家に帰った僕は、お風呂に入り明日のことについて軽いメールを皆としながらリビングでテレビを見たりしていたが数時間後眠くなり自分の部屋へと移動した


携帯を充電器に置いて、電気を消して僕は眠りに着いた










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