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第48話

第48話


今日で旅行も終わりの朝、僕たちはいつもより少し遅い時間に起きて朝食を取っていた


「今日で、旅行も終わりね」


美里先輩がご飯を食べながらそう言った


「そうですね、良い思い出になりましたね」


「ええ、朝食を食べたら荷物をまとめてもう帰宅だから残念よね」


「そうっすね、それに和人の家へのお泊りも明日までだしな」


「そういえばそうね、残念だわ」


「楽しかったですね」


由香ちゃんが笑顔でそう言った


「いいなぁ~由香は和人さんたちとお泊りで」


「そうだよねぇ~私たちは旅行で終わりだもんねぇ~」


美奈ちゃんと優菜ちゃんは残念そうな顔で由香ちゃんに言った


「今度のときは美奈ちゃんと優菜ちゃんも泊りに来なよ」


「良いんですか?」


「もちろん、とはいえ長い休みに入らないと無理だけどね」


「そうですね、じゃあその時まで楽しみにしてますね」


「うん」


その後、朝食を終えた僕たちは、荷物をしまい旅館を出ることにした


「皆様また、いらしてくださいね」


旅館の入り口で夏目さんがそう言った


「はい、いつかまた来ますね。それじゃお世話になりました」


「はい、お気をつけてお帰りください」


旅館を出て駅へと向かう僕たち


駅に到着し、切符を買って新幹線に乗り込む


席を確保した僕たちは、荷物を荷台に置いて席に着く


「ねぇ、和人君?」


「なんですか?」


「私、思ったんだけど明日までお泊り続くんだし、明日、美奈ちゃんと優菜ちゃんを家に招待したら」


「あ、なるほど確かにそうですね」


「え、いいんですか?」


「うん、お泊りとはいかないけど遊びに来るくらいなら特に問題はないよ」


「それじゃあ、お言葉に甘えて」


「行ったことないから楽しみです」


その話を終えた僕たちはしばらくトランプなどを楽しんでいた


そして、しばらくして新幹線は、いつもの駅に到着した


駅から降りた僕たちは、お昼を近場のレストランで適当に済ませて途中で美奈ちゃん優菜ちゃんと分かれ僕たちも家へと向かった


そして、数十分後僕たちは家へと帰宅したのだが・・・


鍵を開けようとドアに手を伸ばした時


「あれ?」


僕は、違和感に気付く


「どうしたの和人君?」


僕の反応に疑問を持つ美里先輩


「鍵が開いてます」


「それってまさか・・・」


「わかりませんけどもしかしたら」


「泥棒か・・・」


渉が怪訝そう顔でそう言った


「そ、そんな!」


皆が驚いている


「兄さま・・・怖いです」


亜姫が怯えて僕の袖をつかんでいる


「大丈夫だよ、僕が守るから」


「和人、俺もいるぜ!」


「渉・・・」


僕は、渉と一緒に警戒しながらドアを開ける、中は静まり返っており少し不気味な感じをかもし出している


僕たちは、ひっそりと家に入りリビングのドアの前へと立った


そして、ドキドキしながらドアを開けると


そこには・・・


倒れた女性がいた


その女性を見た僕とはる姉、亜姫は驚いていた


「和ちゃん・・・もしかして」


「うん・・・多分」


「何々、和人君この人知ってるの?」


「ええまぁ、知ってるどころじゃないですね」


「?」


美里先輩がよくわからないといった感じで首をかしげている


僕たちがしばらく困惑していると倒れていた女性は、僕たちの声に気付いたのか起き上がってこちらを見る


そして、その女性はこっちを見て驚きの表情を一瞬見せたがすぐにウルウルとした表情になり


「か、か、和く~ん」


僕に抱きついてきた


「和くん!!」


それを聞いたはる姉と亜姫以外のメンバーが皆驚いている


「ちょ、ちょっと離れてよ」


「いいじゃない!久しぶりの和くんの感触を味わいたいんだから~」


「皆がいるんだから!」


「か、和人君、結局のその人は一体誰なの?」


このままでは埒が明かないと判断したのか美里先輩がまだ驚きつつも僕にそう質問してきた


「僕たちの母です」


僕がそう言った瞬間


「「「「「「ええ~~~~~~~~~!!!!!!」」」」」」


驚愕の声がこだました


「嘘、和人君たちのお母さん!」


「めちゃくちゃ若いじゃねぇか!」


「大学生でも通りますよ!」


と次々に驚きの声をあげている


「和くん、この子たちは?」


今度は、母さんが僕に質問をしてきた


「この人たちは、僕やはる姉、亜姫の友達だよ」


「へぇ~そうなんだ」


僕がそう言うと母さんは納得した様子で僕から離れ


「皆、初めまして母の文弥美空(ふみやみそら)です。和くんたちがいつもお世話になってます」


と礼儀正しくお辞儀をした


「こ、こちらこそ」


美里先輩たちは、自分たちも自己紹介をしてお辞儀をしていた


しばらくして、だんだんと落ち着いてきた僕たちは、荷物を隅っこの方に置いておいて母さんと話をすることにした


「母さん、どうしてここに?」


僕は、単刀直入に聞いた


「それはもちろん、和くんたちの様子を見に帰ってきたのよ」


「母さま・・・いつ帰ってきてたの?」


今度は、亜姫がそう質問した


「昨日の夜よ、でも、家が暗いし入ってみても誰もいないからご飯を食べようと冷蔵庫を探しても何もないし・・・皆で一体どこに行ってたの!」


母さんが涙目になっている


「くじ引きで・・・温泉が当たったから・・・温泉旅行に・・・行ってた」


はる姉が母さんの質問に答えると


「ずるいよ!和くん、春ちゃん、亜姫ちゃん!私が飢えで苦しんでたのに自分たちだけ温泉だなんて!」


母さんは、少し怒りながらそう言った


「そう言われても・・・」


僕は、プンスカ怒っている母さんを見て困っていた


「母さんが・・・帰ってくるって・・・連絡しないのが悪い」


「姉さまの・・・言う通り」


はる姉と亜姫がそう言った


「ひどい!和くん、春ちゃんと亜姫ちゃんが冷たいよ~反抗期だよ~」


またしても母さんが僕にひっついてきた


「はる姉に亜姫、言いすぎだよ。母さんは何も悪いことしてないでしょ」


「うう~和くんありがとう、私を癒してくれるのはやっぱり和くんが一番だよ~」


「あ、あの~和人君」


僕がはる姉と亜姫をなだめていると美里先輩が僕に話しかけてきた


「そろそろ、私たちも話に混ぜてくれる」


「すいません美里先輩」


僕たちは、その後、皆を混ぜて母さんたちと話をしたりしていた


しかし、数時間が経った時


「和くん、私はお腹がすいたよ~」


母さんがそう言ってきたので、僕たちは一旦夕食を作ることにした


近くのスーパーまで急いで行って材料を買い、素早く夕食を作る


人数が人数なので、渉や美里先輩にも手伝ってもらった


皆で作ったので思ったよりも早く夕食を作ることができた


「う~ん、おいしい久しぶりの和くんの料理」


母さんは、パクパクと夕食を食べていた


「それは良かった」


その後母さんは、ご飯を5杯もおかわりしていた


僕たちは、片付けを済ませてからお風呂に入ることにした(母さんには、皆がお泊りをしていることをきちんと説明した)


僕が入ろうとした時、母さんが「私も、一緒に入る!」と言ってきたがはる姉と亜姫が全力で阻止していた


そして、全員がお風呂からあがり、しばらくダラダラしていたが長旅の疲れなのか家ならではの安心感からなのかすごい眠気が襲った


「そろそろ、寝ましょうか」


「そうですね」


「和くん」


「嫌だ」


「まだ何も言って無いよ!」


「どうせ一緒に寝ようとかでしょ」


「な、なんで分かったの!」


「いや、分かるでしょ普通」


「だな・・・」


「渉ちゃんまで!」


渉もだんだん母さんのキャラに慣れてきたようで普通に発言できるようになってきた


ちなみに、母さんは人のことをちゃんづけにする癖があるので(僕だけはなぜかくん付け)


「いいじゃない、私だけ下で寝るのはさびしいよ~」


「いいんじゃないの和人君、久しぶりにお母さん帰ってきたんだし一緒に寝るくらい」


「さすが、美里ちゃん良いこと言うわ~!」


「でも、それならはる姉か亜姫のところでも」


「和人君を指名しているんだから、ここは和人君じゃないと」


「そうだよ、和くん」


母さんが、ウルウルとした目で僕を見る


「わ、分かったよ」


僕は、ため息をつきながらそう言った


「さて、和人君たちのお母さんの寝る場所も決まったし寝ましょうか」


美里先輩の一言で僕たちは各自の部屋に戻ることにした


亜姫とはる姉は納得していない様子だったが、美里先輩及び由香ちゃんになだめられて渋々了解した


こうして、僕たちは眠りに着いた


ちなみに、母さんは僕のベットで一緒に寝ることになりずっと僕の腕をがっちりつかんで寝ていた










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