第43話
第43話
旅行二日目の朝、僕たちは朝食をとっていた
「はぁ~、朝のみそ汁はおいしいわね」
美里先輩がみそ汁をすすりつぶやく
「そうですね」
「旅館の朝食ってうまいっすよね」
「そうそう、和食だからいいのよね。これが洋食とかだったら多分テンション下がるわ私、まぁ、ホテルとかじゃないからさすがに洋食は出ないと思うけどね」
「あ~なんか分かる気がします。周りの雰囲気に合わないものがあるとなんか冷めるっていうか」
そんな話をしながら朝食を食べ終えた僕たちは今日のことを話し合う
「さて、今日はどうしようかしら」
「昨日、海に行きましたからどこか別のところがいいですよね」
「そうね、となると観光名所を回るとかになるかしら」
「でも、この辺って何があるんですかね?」
「聞いてみましょ、夏目さんに」
「じゃあ、僕が行ってきますよ」
「頼むわね和人君」
「はい」
ということで僕は、夏目さんのもとへと向かう
しばらく探していると夏目さんを発見した
「あら?どうかいたしましたか文弥様?」
「ちょっと聞きたいことがありまして」
「はい、なんでしょうか?」
「今日どこに行こうか迷ってましてこの辺って、どこか観光できそうな場所はありますか?」
「この辺は、田舎ですからあまりそう言ったものはないですね」
「そうですか・・・」
「あ、でも、電車をいくつか乗り継いだところに大きなショッピングモールがありますよ」
「ホントですか!」
「ええ、なんでしたら地図を書きましょうか?」
「はい、お願いします」
「それでは少しお待ちください」
夏目さんがどこからか取ってきた紙とペンで地図を書く
「はい、どうぞ」
書き終えた地図を渡してくれた
「ありがとうございます」
「また、何かありましたらお伝えください」
「わかりました」
僕は、地図を持って部屋へと戻る
「お、戻ってきたか和人」
「それで、どうだった?和人君」
「観光できる場所はないそうです。でも、電車をいくつか乗り継いだら大きなショッピングモールがあるそうなのでそこに行ってみませんか?地図も書いてもらいましたし」
「そうなの、じゃあそうしましょ」
今日の予定も決まり各自準備をし始める。といっても服に着替えて貴重品を大きなカバンから取り出すだけなので皆、短時間で準備が終わった
そして、準備を終えた僕たちは旅館を出て駅へと向かう。目的の駅へと到着し電車を降りる、そして、夏目さんに書いて貰った地図を頼りにして複合商業施設へと向かった、歩くこと数十分やっと目的のショッピングモールに到着した
「ホントにでかいな」
渉がショッピングモールを見ながらそう言った
「そうね、とりあえず中に入りましょ」
美里先輩の意見に賛成し僕たちはショッピングモールの中に入る、入ってすぐのマップを見てみる地下1階から7階まであり、地下一階は食品で1階から2階が服売り場、3階が飲食店、4階が雑貨屋などで、5階はゲームなどのおもちゃ売り場や本屋があり、6階はゲームセンターや映画館などの遊技場になっており、7階はヒーローショーなどをやる屋上になっている
「さてどこから回ろうかしらね」
「別行動でいいんじゃないっすか」
「それもそうね、各自回りたいところを回ってお昼ごろになったらメールで連絡して集合してお昼を食べて午後のことは食べながら考えればいいわね」
皆、美里先輩の意見に賛成した
「それじゃあ、一時解散」
美里先輩の一声で各自行きたい場所に向かう
「和人、一緒に回ろうぜ」
「いいよ、どこにする?」
「そうだな~、俺も和人も服にはあまり興味がないし、とりあえず5階を回るか」
「そうだね」
「よし!それじゃ行こうぜ」
「うん」
行く場所を決めた僕と渉は、5階へと向かった
5階に到着した僕たちは、最近発売されたゲームなどを見たり、本屋に行ったりを繰り返して時間をつぶした
しばらくして、携帯にメールがきた
「美里先輩からだ」
『3階の飲食店コーナーに集合』
と短い文章でそう書いてあった
渉の方にも同じメールが来たらしく携帯を見ていた
「渉の方にもメールが来たんだ」
「ああ、一応全員に送ってるんじゃないか、もしかしたら一人で行動してるやつもいるかもしれないし」
「そうかもね」
「とりあえず3階に向かうか」
「ちょうどお昼頃だしね」
そして、美里先輩のメール通り3階へと向かう
「こっちこっち~」
僕と渉に気づいた美里先輩が手を振ってアピールした
すでに僕と渉以外は集合していた
「皆、集合早いですね」
「まぁ、私たちは服とか雑貨を皆で見て回ったりしてたからね」
「そうなんですか」
「ええ、まぁ、皆集まったことだしお昼食べに行きましょ」
「そうっすね」
僕たちは、手ごろなレストランに入って食事を取りながら午後のことを話し始めた
「午前中で大分行きたい場所は回ったし、午後は、6階で遊びましょう」
「そうですね、皆6階には行って無いみたいだし」
僕たちは、ご飯を食べ終え6階へと向かった
6階に到着した僕たちは、ボーリングをすることになり受付で人数などを書いていた。美里先輩が今回も対戦形式でやると言ったので半分ずつに分かれて申し込みを行っている。
チームは、僕・美里先輩・美奈ちゃん・優菜ちゃん
渉・由香ちゃん・亜姫・はる姉となった
申し込みを終わらせた僕たちは、自分たちのレーンにボールなどを取りに向かった
ボールを選び終えた僕たちの前で美里先輩が
「あ、ちなみに、これ罰ゲームありだから」
と言った
それを聞いた僕は嫌な予感がした
「どうしたの和人君?」
「ちなみに罰ゲームって何ですか?」
「それを言ったら面白くないじゃない」
美里先輩が笑みを浮かべながらそう言った
「それじゃあ始めるわよ」
美里先輩の一声で勝負が始まった
あれ・・・なんだろうこのデジャヴ