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第34話

第34話


僕は、いつものように皆で朝食を取っている


はる姉、美里先輩、由香ちゃん、渉はすでに起きているけど亜姫がまだ起きてきていない


「そういえば亜姫ちゃん、まだ起きてこないわね」


「私が起きた時は、まだぐっすり寝てましたけど」


「まぁ、たまにはゆっくり寝かせてあげるのもいいんじゃないですか」


そんな事を話していると亜姫が起きてきた


「亜姫おはよう」


「・・・」


返事が返ってこない


「亜姫?」


亜姫はしばらく僕をジーと見つめた後、僕に抱きついてきた


「あ、亜姫!」


「あらあら亜姫ちゃん朝から大胆ねぇ~」


美里先輩が茶化すように僕たちを見ながらそう言った


「亜姫・・・和ちゃんから・・・離れる」


「・・・」


「亜姫、離れてくれないかな?」


「嫌・・・」


亜姫、少し力を入れギューとして僕の胸に頬をすりよせてきた


「和人、亜姫ちゃんいつもよりなんか甘えん坊じゃないか?」


「確かに、まさか・・・」


「なんか心当たりあるのか?」


「多分ね、とりあえずはる姉、体温計持ってきてくれないかな」


「ん・・・分かった」


僕の言ったことではる姉も気づいたのかすばやく体温計を持ってきてくれた


「ありがとう、はる姉」


僕は、はる姉から体温計を受け取ると口にくわえさせる


しばらくしてから咥えさせていた体温計を取る


体温計の温度は、38度と結構、熱が高かった


「やっぱり熱があるね。亜姫、食欲ある?」


僕がそう聞くと、亜姫は首を横に振った


「そっか、じゃあ薬飲んで寝てようか」


「はい・・・」


今度は、ちゃんと返事を返してくれた


「和人君、亜姫ちゃん風邪?」


「はい、熱も結構高いんで寝かせておかないといけませんね」


「よく亜姫ちゃんが熱だってわかったな和人は」


「亜姫は、風邪をひくと甘えん坊になるんだよ」


「なんだその羨ましい特徴は」


「バカ兄貴!そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!亜姫ちゃん風邪で苦しいのに」


「そうだったなすまん和人」


「気にしないで渉」


「それより和人君、亜姫ちゃん部屋に連れて行かないと」


「そうですね。亜姫、部屋に戻って寝てないとだめだよ」


僕がそう言うと亜姫はボ~とした感じでこっちを見ながら


「お姫様抱っこ・・・してください」


と言ってきた


「え!お姫様抱っこ!」


「ホントに甘えん坊ね今の亜姫ちゃん」


美里先輩が今のやり取りを見ながらそう言った


「しょうがない今回は特別だからね」


「はい・・・」


僕は、亜姫をお姫様抱っこして部屋まで連れていく


部屋に到着し扉を開けて亜姫をベッドに寝かせる


「最近、いろんなところに行ったから疲れが出たのかもね」


「兄さま・・・ごめんなさい・・・迷惑掛けて」


「迷惑なんかじゃないよ」


「ホントですか・・・?」


「うん」


「ありがとう・・・ございます」


「どういたしまして。今日は一日ゆっくり休むんだよ」


「わかりました・・・」


亜姫と話しているとコンコンと扉をたたく音がした


「はい、どうぞ」


僕がそう返事をすると、はる姉が入ってきた


「薬・・・持ってきた」


「ありがと、はる姉。亜姫、薬飲んでから寝ようか」


「はい・・・」


「亜姫・・・大丈夫?」


「大丈夫・・・心配かけて・・・ごめんなさい」


「ん・・・気にしないで・・・ゆっくり休んで」


はる姉は、薬を置いて部屋を出た


「さてと僕も下に降りて食器の片付けしないと」


僕も部屋を出ようと思い立ち上がろうとした時、亜姫に服の袖を掴まれた


「どうしたの?」


「ここに居てください」


「でも・・・」


「お願い・・・します」


「やれやれ、分かった今日はここにいるよ」


僕がそう言うと、亜姫の表情が明るくなった


「ずっと、ここに居るから少し寝なさい」


亜姫は僕の言ったことに従い寝始めた


僕は、することもなくボ~としていた


しばらくすると、また扉をたたく音が聞こえた


今度は美里先輩が入ってきた


「亜姫ちゃんの具合はどう?」


「今は、ゆっくり眠ってます」


「そう、和人君お昼はどうする?」


「ここで食べようかなと思ってます、亜姫に今日はずっとここにいるって約束しましたし」


「そうじゃあお昼になったら持ってくるわね」


「ありがとうございます」


「ええ、他に必要なものとかあったら言ってね」


「それじゃあひとつお願いしてもいいですか?」


「何?」


「その、僕の部屋から適当に本とか持ってきてもらえませんか、自分で行きたいんですけど袖ずっと掴まれたままで動けないもので」


美里先輩は、袖を掴んでいる亜姫を見てクスクス笑いながら


「分かったわなんでもいいの?」


「はい、お願いします」


「まかせなさい」


美里先輩は、部屋を出て僕の部屋に行った


少ししてから美里先輩が何冊か本を持って戻ってきた


「とりあえず、目に入ったものを取って持ってきたわ」


「ありがとうございます。美里先輩」


「どういたしまして、それじゃあ下に居るから何かあったら携帯にメールでも入れてね」


「わかりました」


美里先輩は部屋を出てリビングに戻って行った


それから僕は、本を読みながら時間を潰した


しばらく本を読んでいて今の本を読み終えた時、時計を確認すると時刻は丁度12時になっていた


「ん・・・兄さま」


「亜姫、起きたの」


「はい・・・」


「なんか食べれそう?」


「少しお腹がすきました」


「そっかじゃあ何か作ってもらおうか」


僕は、連絡して何か作ってもらおうと思い携帯を手に取った瞬間、部屋の扉が開いた


「和人君、お昼持ってきたわよ」


「ありがとうございます美里先輩。ちょうど連絡しようと思ってたんです」


「なら良かったわ。うどんは和人君でたまご粥が亜姫ちゃんね」


「あろがとう・・・ございます・・・美里先輩」


「困った時は助け合いでしょ気にしないでいいのよ、亜姫ちゃん早く元気になってね」


「はい・・・」


「和人君、この本読み終えたのなら別の持ってこようか?」


「いいんですか?」


「もちろんよ」


「じゃあお願いしてもいいですか?」


「了解」


美里先輩が本を持って再び僕の部屋へと戻って行った


そして別の本を持って戻ってきた


「はい、別の本置いておくわね」


「どうもすみません何度も」


「気にしない気にしない、じゃあ私は下に戻るわね」


「はい」


美里先輩が下に戻って行った


「兄さま・・・お昼・・・食べましょう」


「そうだね」


その後、僕と亜姫はお昼を食べた


お昼を食べ終えた亜姫は薬を飲んで再び眠り始めた、僕も読書を再開した


そして、夕方になり亜姫が目を覚ました


「起きたの亜姫、だったら一回体温を測っておこうか」


「わかりました」


亜姫に体温計を渡して体温を測ってもらう


亜姫から体温計を受け取り体温を確認すると36度5分に下がっていた


「熱は下がったみたいだね」


「兄さまたちの・・・看病のおかげです」


「元気になってよかったよ。でも、夕方も一応薬は飲んどこうね」


「分かりました・・・」


時計を見ると時刻は6時になっていた


「もうこんな時間か亜姫夕食はここで食べる?」


「下で・・・皆と・・・食べたいです」


「う~ん、熱も下がってるみたいだし分かった。じゃあ下に降りようか」


「はい・・・」


そして、僕と亜姫はリビングに向かった


リビングに向かうと皆が食事の準備をしていた


「お!和人に亜姫ちゃんどうかしたのか?」


「あれ和人君、もしかして夕食取りに来たの?」


「いえ、亜姫の熱も下がったみたいだしどうせなら皆と一緒に食べたいって亜姫が」


「亜姫・・・熱下がったの・・・和ちゃん?」


「うん、36度5分ぐらいだったからもう大丈夫だと思うよ」


「良かった・・・」


「それじゃあ食べましょうか」


「亜姫ちゃん、熱下がって良かったね」


「はい・・・心配かけて・・・ごめんなさい・・・由香さん」


「友達だもん、気にしないで」


「ありがとう・・・ございます」


そして、僕たちは皆で楽しく食事をとった


その後しばらくテレビを見て時間をつぶし、順番でお風呂に入った亜姫はまだ病み上がりのため由香ちゃんと一緒に入ることになった


皆お風呂に入り今日はしばらく談笑してから寝ることになった


そして、就寝するため部屋に戻ることになったのだが


「兄さま・・・一緒に・・・寝ましょう」


「だからさすがにそれは駄目だよ」


亜姫が僕と一緒に寝ると聞かないのだ


「でも・・・今日は・・・ずっと一緒に・・・居るって言いました」


「確かに言ったけど、さすがに一緒に寝るのは」


「いいんじゃない和人君、今日ぐらい」


「そうだぞ和人、亜姫ちゃんもまだ病み上がりでもしかしたらまた熱が上がる可能性もあるんだからよ」


「和ちゃん・・・今日は・・・亜姫と・・・一緒に寝てあげて」


「分かったよ、今日は特別だよ」


「はい!・・・」


「それじゃあ、由香ちゃん今日は僕の部屋で寝てくれるかな?ベッド使っていいから」


「は、はい分かりました」


なぜか由香ちゃんの顔が赤い


「どうしたの由香ちゃん顔が赤いけどもしかして由香ちゃんも風邪?」


「そ、そういうわけじゃないです」


「和人君、この鈍感さがなければねぇ」


「まったくだな」


「???」


こうして亜姫と一緒に寝ることになった僕は亜姫の部屋に行った


「今日は・・・すいません・・・兄さま・・・いろいろ我儘・・・言って」


「気にしないで、たまには甘えるのもいいんじゃない」


「それじゃあ、そろそろ寝ようか」


「はい・・・兄さま・・・おやすみなさい」


「お休み、亜姫」


亜姫の熱も今日中に下がり一安心しながら僕は眠りについた









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