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第28話

第28話


レストランに到着し、店員に案内されたテーブルへと向かう


テーブルに着いた時、美里先輩がまたくじを出してきた


「さぁ、くじを引いて」


「ここでも、くじを引くんですか?」


「当たり前じゃない、ペアになった人は和人君の隣ね」


「ご飯の時ぐらいくじで決めなくてもいいんじゃないっすか」


「でも、自分たちで決めたら戦場になるわよ」


「た、確かに・・・」


「じゃあ、引くか」


「そうだね」


「それじゃあ、順番に引いてね」


美里先輩の指示で皆が順番にくじを引く


結果、僕の隣は渉になった


「なんか、変な組み合わせになったわね」


「そうですか?」


「まさか男同志になるとは」


「なんか・・・複雑です」


「大丈夫・・・和ちゃんに・・・そっちの趣味は・・・ないから」


「バカ兄貴、和人さんに何かしたら許さないからね!」


「なんで飯食う時に席が隣になっただけでこんなに言われなきゃならないんだ・・・」


「僕が知りたいよ・・・」


「まぁ、決まっちゃったんだから仕方ないでしょ」


「なんだろう、このアウェーな状況は」


「気にしたら負けだよ、渉」


「・・・だな」


「さて注文を決めないと」


僕たちは、各自食べたい物を決める


「和人お前はどうするよ」


席が隣同士なので、僕と渉は一つのメニューを一緒に見ている


「どうしようかな、とりあえずドリンクバーを頼んで。後は、ハンバーグとライスのセットでいいや」


「俺もドリンクバーは頼むとして、ステーキとライスのセットにするか」


「決まりだね」


「美里先輩たちは決まりましたか?」


「ええ、私はミートスパにするわ。後、ドリンクバー」


「私は・・・ドリアと・・・ドリンクバー」


「私は・・・雑炊と・・・ドリンクバーです」


「私は、唐揚げ定食とドリンクバーです」


「皆、ドリンクバーは頼むんですね」


「なんか、レストランに来たらドリンクバーは頼まないといけない気がするのよね~」


「あ~なんか分かるっすわ、特に飲まないのになんか頼みたくなるっすよね」


「そうかもね」


「じゃあ、注文しますか」


注文も決まり、店員を呼んで注文を頼んだ


ドリンクバーは各自、自由に取りに行けるので


とりあえず、女性陣を最初に行かせることにした


「おまたせ~」


女性陣が戻ってきたので、僕と渉も飲み物を取りに行くことにした


「う~ん、とりあえずメロンソーダにしようかな」


「俺は、レモンスカッシュにするか」


コップを取り飲み物を入れて自分達のテーブルへと戻る


「和人君たちは、メロンソーダとレモンスカッシュなのね」


「はい、女性陣は紅茶とコーヒーで分かれてますね」


ちなみに由香ちゃんと亜姫が紅茶ではる姉と美里先輩がコーヒーである


ドリンクを飲みながら皆で話をして料理を待つ


そして、徐々に注文した料理が運ばれ全員分の料理が来て僕たちは料理を食べ始めた


「普通のレストランにしてはなかなかおいしいわね」


「そうですね」


「和人、ステーキ少しやるからハンバーグ少しくれよ」


「いいよ、はい」


「サンキューそんじゃ、ほい」


僕と渉は、互いに少しハンバーグとステーキを交換した


それを見ていた、美里先輩が


「和人君と皆本君ってなんか仲が良すぎる気がするんだけど」


「そんなことないと思いますけど」


「これぐらい、普通じゃないっすか」


「そうかしらねぇ~、美晴たちはどう思う」


「仲良すぎ・・・だと思う」


「私も・・・そう思います」


「私は、普通だと思いますよ」


「まぁ、昔からの付き合いですし」


「和人君と皆本君って昔から仲いいの?」


「まぁ、そうですね。たまに喧嘩もしましたけど」


「へぇ~意外ね」


「つっても、ほとんど和人の圧勝だったよな」


「そうだっけ?」


「ああ、お前めちゃくちゃ強かったし」


「だから、僕は強くないってば」


「そう思ってるのは、お前だけだよ」


「そんなこと・・・」


「確かに、和人君は強いわね」


「和人さんってそんなに強いんですか?」


「その気になったらヤクザとかも潰せそうなぐらい強いぞ」


「す、すごいんですね和人さん」


「そんなことないってば」


「昔から、自分で鍛えてたって言ってたけど具体的には何してたの?」


「鍛えてたって程のものでもないですよ、普通にランニングしたり筋トレしたり」


「へぇ~そうなの」


「それに、渉も同じぐらい鍛えてましたし」


「でも、良く美晴と亜姫ちゃんに見つからずに続けてこれたわね」


「基本的に和人は、家に来てやってたからな」


「そうだね、はる姉も亜姫も基本的にあんまり外で遊ばないタイプだったからね。渉の家がちょうどよかったんだよ」


「ちょっと前まで・・・和ちゃんが・・・強いの・・・全然知らなかった」


「私も・・・です」


「まぁ、中学校ぐらいから鍛え始めたし。僕を呼ぶ人たちも二人には気付かれないようにしてたみたいだし」


「今まで、どれぐらいの人に呼ばれたの?」


「どうなんだろう?」


「50人は超えてるんじゃないか」


「そんなに!!」


「高校に入ってから減ったから良かったけどね」


「それで今まで全勝してたの?」


「いえ、ほとんど殴らせてましたね」


「嘘!そんなに強いのに!」


「和人は基本的に平和主義だからな。よっぽどのことがない限りは自分から手を出したりしなかったよな」


「で、でもそれだと美晴たちなら気がつくんじゃ・・・」


「それはないと思いますよ、僕を呼ぶ人たちは露骨にお腹とか裸にならないと分からないような所しか攻撃してこなかったし」


「でも、前に美晴先輩に手を出そうとした源口先輩のようなタイプには容赦なかったよなお前」


「まぁ、さすがにああいうタイプにはちょっとね」


「皆本君、結構知ってるみたいだけど和人君が呼ばれてるときに一緒に行ってたの」


「そうっすね、暇な時だけだけど」


「なんで、助けなかったの」


「そりゃあ、俺だって目の前でダチがボコボコにされてるのは見てられなかったっすよ。でも、和人はいつも攻撃を受け流すようにして受けてたからほとんどダメージなさそうだったし、和人が手を出そうとしてないのに俺が出したら和人に悪いじゃないっすか」


「そうなの」


「まぁ、ホントにやばかったら俺も手を貸そうと思ってついていったりしてたって感じっすね」


一通り話を終えると、皆の空気が暗いのが分かる


「あ、あのそろそろお店出ませんか皆食べ終わったみたいだし」


「そうね、ごめんねなんか変な事ばっかり聞いて皆のテンションを下げる形になっちゃって」


「僕は、気にしませんよ」


「俺もっすよ」


「ありがとね。和人君、皆本君」


「まぁ、僕たちは聞かれたことに答えてただけですからね」


「美晴に亜姫ちゃん、由香ちゃんもごめんね」


「そ、そんな私は気にしてないですよ!とゆーか、話がよくわからなかったし」


「私も・・・気にしてません」


「私も・・・」


「そう、じゃあ気を取り直してお昼もたくさん遊びましょ!」


お金を払い、レストランを出てまだ行ってないアトラクションへと僕たちは向かった


それから、店を出た僕たちはいろんなアトラクションへと向かい、時間はあっという間に夕方になった


夕方になり、僕はそろそろ帰ろうと美里先輩に言うと


「そうね、でも観覧車に乗ってないからそれに乗ってからにしましょ」


ということで、観覧車に乗ることになった


こちらもくじでペアを決めて二人一組で乗ることになった


僕のペアは、はる姉になった


「ペアも決まったし、乗りましょうか」


「そうね、じゃあ和人君たちお先にどうぞ」


「ありがとうございます、それじゃあ乗ろうかはる姉」


「うん・・・」


僕とはる姉は観覧車に乗りこんだ


観覧車に乗ってから少ししてから綺麗な景色が見えた


「景色が綺麗だね、はる姉」


「うん・・・」


「どうかしたの、元気ないみたいだけど」


「和ちゃん・・・」


「何?」


「ごめんなさい・・・」


はる姉が僕いきなり頭を下げて謝ってきた


「ど、どうしたのいきなり」


「和ちゃんが・・・中学校の時から・・・暴力振るわれてたって・・・お昼に聞いてから・・・ずっと悪いと・・・思ってた」


「そのことなら気にしてないって言ったでしょ」


「でも・・・そのことを知らなかった・・・自分がなんだか悔しくて」


はる姉は、涙を流しながら僕にそう言った


「はる姉・・・」


「多分・・・亜姫も・・・同じ気持ちだと思う」


「はる姉の言いたいことは分かったよ、でも僕はホントに気にしてないんだよ」


「でも・・・」


「お昼も言ったけど、知らなかったのは僕がそういう風にしてたからだし。僕が暴力をふるわれて黙ってたのも二人に悲しい顔をしてほしくなかったからだしね」


「和ちゃん・・・」


「僕は、二人の悲しい顔を見たくなかったからね。そのためなら暴力をふるわれても気にしないよ」


「・・・」


「だからね、はる姉気にしないで、はる姉と亜姫が笑顔でいてくれれば僕は満足なんだよ」


「うん・・」


はる姉は、涙をぬぐって笑顔を僕に見せてきた


「良かった、やっぱりはる姉は笑顔が似合うよ」


「ありがと・・・和ちゃん」


「どういたしまして、ほら見てはる姉、景色が綺麗だよ」


「そうだね・・・夕方だから・・・もっと綺麗に見える」


「今日は、楽しかったねはる姉」


「うん・・・また・・・皆で来たいね」


その後もいろいろ話をしていると観覧車が一周して僕たちは観覧車から降りた


少しして、皆も観覧車から降りてきた


「和人君、どうだった?」


美里先輩が僕の隣に来て声を小さくして話しかけてきた


「何がですか?」


「もちろん、美晴の事よ」


「もしかして、わざと僕とはる姉のペアにしました?」


「ええ、お昼に和人君たちとあの話から美晴元気なかったからね、私の責任だしそれぐらいはしないと」


「大丈夫ですよ、はる姉は」


「それなら良かった」


「そろそろ帰りますか」


「そうね、皆そろそろ帰りましょうか」


「そうっすね」


「今日は・・・少し・・・疲れた」


「でも・・・楽しかった・・・です」


「そうだね、亜姫ちゃん」


こうして僕たちの楽しい一日が終わった













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