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第22話

第22話


由香ちゃんがうちに泊まりに来る話も終わり、僕と渉はお昼を食べ終え再び部屋に戻った


「これからどうするよ、和人」


「う~ん、宿題もひと段落してるし僕もさすがに一日中勉強はちょっとな~」


「和人にしては珍しいセリフだな」


「そうかな?」


「和人は真面目だからなそういうことは言わないタイプだと思ってたぞ」


「僕だって普通の高校生だからね、遊びたい気持ちのほうがあるんだよ」


「それなら、ゲームでもするか」


「そうだね、僕はあんまり詳しくないからどんなのをするかは渉に任せるよ」


「了解」


僕たちはゲームの準備を始めようとしたら、ドアをノックする音が聞こえた


「誰だろ?」


「母さんか由香しかいないだろ」


「まぁね」


渉がそう言いながら、自分の部屋のドアを開けて確認する


部屋の前には、由香ちゃんが立っていた


「なんだ由香か何の用だよ」


「べ、別に用ってわけじゃないけど」


「なんだよ」


「か、和人さんに用事が」


「え?僕に?」


「はい、そ、その出来ればでいいんですけど、勉強を少し教えてもらえたらいいなって」


「俺と和人は今からゲームするところだったんだよ」


「そ、そうだったの」


渉から話を聞き、あからさまに落ち込む由香ちゃん


「僕は別にいいよ、ゲームと並行しながらやればいいし」


僕がそう言うと、由香ちゃんは暗い表情から一変して明るい表情に戻った


「でも、迷惑じゃないか?」


「いいよ、全然。とはいえゲームと並行してやるつもりでいるから渉の部屋でやることになるけど」


「まぁ、俺は別にいいけどよ」


「じゃあ、決まりだね」


「よ、よろしくお願いします」


「うん、僕でよければ」


こうして、由香ちゃんの勉強を見てあげることになった


ゲームの方は、勉強も教えやすいようにと1ターンずつ交代していくテーブルゲームになった


そんなこんなで、勉強を教えてほしいと言って勉強を始めた由香ちゃんだけど、元々学校での成績もいいらしく、僕が教えるのはちょっとした応用問題だったので、そんなに教える必要はないっぽい


「和人さん、ここの問題がわからないんですけど」


「ここは、こうやって解くと答えが出るんだよ」


「なるほど、ありがとうございます和人さん」


「どういたしまして、分からない所があったらまた聞いてね」


「は、はい!」


「和人~次お前の番だぞ~」


「うん、分かった」


こんな感じで、午後もあっという間に時間が過ぎた、時間も遅いし僕も帰ろうと思い勉強道具をしまっていると渉が話しかけてきた


「なぁ和人、折角だからさ晩飯も食ってけよ」


「でも、悪いよ」


「気にすんなよ、母さんも夕飯いつもより多めに作ってるぽいし」


「そうですよ、ぜひ食べていってください!」


由香ちゃんも会話に交じり、夕食に誘ってくれた


「でも、僕も帰って夕飯の準備しないといけないし」


「たまには、甘えろよいつも作る側なんだからたまには、作ってもらう側でもいいじゃねぇか」


「そうですよ、勉強教えてもらいましたし。食べていってくださいよ」


「由香が作ったわけじゃないけどな」


「う、うるさいなぁ!分かってるよそんな事」


そんな会話をしていると、不意に春香さんが部屋にやってきた


「和人君、よかったら夕飯も食べて行ってね」


春香さんも夕食の誘いに来たようだ


「和人、そういうわけだから夕飯食ってけよ」


「じゃあ、そうさせてもらおうかな」


「そうそう、たまには遠慮なんかせずに甘えりゃいいんだよ」


「ありがと」


「それじゃあ、下に降りましょう和人さん」


「うん、そうだね」


下に降りると、おいしそうなカレーの匂いがした


「おいしそうだね」


「そうだな、それじゃあ食うか」


「その前に、家に電話入れてもいいかな」


「別にいいぞ」


僕は、鞄から携帯電話を取り出し家に電話する


「はい・・・もしもし」


「あ、はる姉」


「和ちゃん・・・どうしたの?」


「今日は、友達の家で夕飯を御馳走になることになったから、夕飯は、はる姉たちで作ってもらえないかな」


「ん・・・分かった、帰りは気をつけてね」


「うん、ありがと、それじゃあね」


僕は、電話を切り形態を閉じる


携帯をしまい、渉の隣に座る


「ごめんね、待たせて」


「出たの美晴先輩か?」


「うん」


「夕飯誘っておいてなんだけど、美晴先輩たち夕飯どうするんだ?」


「材料は冷蔵庫にあるだろうし、はる姉も亜姫も料理ができないわけじゃないから大丈夫だと思うよ」


「それなら、問題ないな。さてと、俺たちも食おうぜ!」


「そうだね」


「それじゃあ、いただきますね春香さん」


「どうぞ~いっぱい食べてね」


僕は、スプーンを手に取りカレーをすくって食べる


春香さんの作ったカレーは絶妙な辛さとコクを持ち合わせていてものすごくおいしかった


「どうかしら、今日は少し辛さを変えてみたのだけど」


「とてもおいしいです」


「おいしいよ、お母さん」


「おお、うまいな」


「ありがと~皆、いっぱいあるからどんどんお代わりしてね~」


春香さんは、一足先に夕食を食べ終えていた


しばらくして、渉が口を開いた


「そういえば、和人」


「何?渉」


「今日、勉強見てもらっといてなんだけど、もう一個頼みがあるんだよ」


「ちょっと!バカ兄貴あんまり和人さんを困らせたらだめでしょ!」


「ぼ、僕は別に気にしてないから大丈夫だよ由香ちゃん」


「そ、そうですか」


「うん、それで頼みって何なの渉?」


「ああ、明後日学校でバスケの練習をしようと思ってなそれでできれば和人にも協力してもらいたいんだよ、和人は運動神経いいからさ1on1の相手をしてもらいたいんだよ」


「いいけど、僕なんかでいいの?他にも相手はいるでしょ」


「お前がいいんだよ、和人なら多少本気でやってもへばんないだろうしな」


「分かったよ、協力するよ」


「悪いな、今度なんかお礼するからさ」


「気にしなくていいよ、夕食御馳走になったしね」


「すいません和人さん、兄貴が迷惑かけちゃって」


「迷惑だなんてそんなこと思ってないよ僕は」


「そうですか、それならいいですけど」


「家に居てもほとんど暇だしね」


「じゃあ、集合は今日と同じぐらいの時間に学校の体育館に集合な」


「うん、分かったよ」


こうして、僕たちの夕食の時間は過ぎて行った


夕食を食べ終わってから少しして、あまり長居しても悪いので僕はそろそろ家に帰ることにした


玄関に向かうと、渉と由香ちゃんも見送りのため玄関に来てくれた


「和人、今日はわざわざ悪かったな」


「気にしないでよ、僕も楽しかったし」


「和人さん、またいつでも遊びに来てくださいね」


「ありがと、由香ちゃん時間があればそうさせてもらおうかな」


僕が、荷物を肩にかけドアを開けようとすると、春香さんも玄関にやってきた


「よかったわ~和人君がまだ帰ってなくて」


「どうかしたんですか?」


「帰る前にこれを渡しておこうと思って」


そう言って、春香さんが僕に一つの茶封筒を渡す


「なんですかこれ?」


「今日は、和人君に渉と由香の勉強を見てもらったし、お小遣いよ」


「そんな、悪いですよ夕食も御馳走になったのに」


「気にしないで、バイト料みたいなものだから少ないけどそれで好きなものでも買ってね」


「で、でも」


「貰っとけって和人」


「渉、でも」


「言ったろ、たまには甘えろって今日ぐらい遠慮しなくても罰は当たらねぇよ」


「そうですよ、和人さんいつもバカ兄貴がお世話になってるし」


「そうよ~和人君こういうのは、貰っておくのが礼儀ってものよ~」


そう言って、皆僕に笑顔を向けている


「分かりました、では折角なので貰っておきますね」


「ええ、またいつでも遊びにいらっしゃい」


「ありがとうございます、それじゃあお邪魔しました」


「じゃあな、和人また明後日な~」


「うん、じゃあね渉」


こうして、僕は自分の家へと帰宅したのだった















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