第20話
第20話
夏休みに入って数日、僕は相変わらず家事にいそしんでいる
前のように一日何もしないのは退屈だからやっぱり僕も家事をするよと二人に言ったら、渋々ながらも二人は了承してくれた
しかし、そんな二人は今、見たい映画があるらしく姉妹で仲良くお出かけ中だ
そのため、必然的に僕は今一人というわけだ
家事を一通り終えた僕は少し休憩しようとソファーに座りテレビを見ることにした
しばらく、テレビを見ていると家の電話が鳴った
「誰だろう?」
僕は、ソファーから立ち上がり電話に出た
「はい、もしもし」
「もしも~し、その声は和人君?」
電話の相手は美里先輩だった
「はいそうですけど、どうしたんですか。家の電話にかけてくるなんて」
「いや~それがね、美晴の携帯に電話したんだけど電源切ってるみたいでね、それで家の方に電話したのよ、それで、美晴はいる?」
「すいません、今、はる姉は亜姫と一緒に映画を見に行ってていないんですよ」
「そうなの、まぁいいわ用事があるのは和人君のほうだし」
「僕ですか?」
「ええ、和人君にお願いがあるの」
「なんですか?」
「ちょっと、私に付き合ってくれない」
「今日ですか?」
「ええそうよ」
「う~ん、いいですよ家に居ても暇ですし」
「ホント、ありがと和人君」
「でもなんで、僕に用事があるのにはる姉に連絡したんですか直接僕にすればいいのに」
「いや~美晴の許可取らないと私後からひどい目にあいそうだし」
「どうしてです?」
「和人君はわからなくてもいいのよ」
「はぁ」
「それじゃあ、今日のお昼に駅前に集合ね」
「分かりました」
「それじゃ~ね」
美里先輩は、用件を済まして電話を切った
「さてお昼か、まだ少し時間あるし宿題でも済ませておこうかな」
僕は自分の部屋に戻り宿題を始めた
切りのいいところで宿題を済ませ時計を確認すると、11時20分だった
「そろそろ準備しないと」
僕は、タンスから服を取り出し着替えた
素早く着替えを済ませ、僕はリビングにはる姉たちに書置きを残しておく
戸締りを確認し僕は待ち合わせの場所へと向かう
20分ほど歩き駅前に到着した、駅前に到着するとすでに美里先輩が待っていた
「あ!お~い和人君こっちこっち」
「すいません待たせたみたいで」
「そんなに待ってないから気にしなくていいわよ、用事頼んだのはこっちなんだしね」
「それでその用事って何なんですか?」
「まぁ、大したことじゃないんだけどね、ちょっと買い物に付き合ってほしくて」
「僕にですか?」
「うん、主に荷物持ちを」
「ハハハ、なるほどそういうことですか、いいですよいつもお世話になってますしね」
「ありがと!和人君」
「それじゃあ、行きましょうか」
「そうね、それじゃあ、まずはあっちのほうに行ってみましょう」
「了解です」
こうして僕と美里先輩は買い物を始めた
「ねぇねぇ、これなんかどうかな~」
「似合ってるんじゃないですか、明るい感じで美里先輩にもぴったりだと思いますよ」
僕たちは今、洋服売り場に居る少し前にも来たような気がするがそこはまぁ、女の子だしということで納得しとくことにした
「ねぇ、聞いてる和人君」
「え?はい、なんでしょう」
僕が、ぼ~としていると美里先輩が僕を呼んだ
「やっぱり聞いてなかったでしょ」
「すいません、ぼ~としちゃってて。どうしたんですか?」
「こっちの水色の服と、こっちの白い服どっちがいいと思う」
美里先輩が両手に服を持ち僕に聞いてくる
「そうですね~僕は水色のほうがいいと思いますよ、なんか夏って感じがしますね僕的にはですけど」
「じゃあ、水色にしようかな。会計済ませてくるからちょっと待っててね」
「分かりました」
美里先輩はレジの方へと向かったのだが・・・
なぜだか、美里先輩がアタフタしている、僕は美里先輩の方へと向かった
「美里先輩どうしたんですか?」
「和人君、それが財布忘れちゃって」
どうやら財布を忘れてお金が払えないようだ
「そういうことなら僕が買いますよ」
「でも、悪いわよ私が誘ったんだし」
「気にしないでください、どうせ家に居ても暇なだけでしたしね。困ってるときはお互い様ですし」
僕は、財布から洋服の代金を取り出してレジに置いた
店員が袋を美里先輩に渡した
「ごめんね、和人君」
「謝ることないですよ、僕が勝手にやったことですから」
「でも・・・」
「う~んじゃあ、あれは日頃お世話になっている僕からのお礼ということでどうですか」
「お礼?」
「はい、美里先輩には学校で良くお世話になってますからそのお礼です」
「・・・分かったわ、いつまでもこうしていても和人君に迷惑かけそうだし、今日はそういう事にしとくわ、ありがとね和人君」
「どういたしまして」
それからも、別の店を回ったりゲームセンターに行ったりして楽しんだ
そして、夕方
「今日は、ありがとね和人君、結局全部お金払ってもらっちゃったし」
「そんな、こっちだって今日一日楽しかったですし、これぐらいの出費大したことないですよ」
「でも、それじゃあ私の気が済まないわ、何かお願いとかない?」
「じゃあ、今度泊りに来た時においしいご飯御馳走してください」
「そんなのでいいの?」
「ええ、これでも結構楽しみにしてますから」
「分かったわ、それならとってもおいしいのを作ってあげるわ」
「ありがとうございます」
「それは、いいんだけど結局いつ泊まりに行ってもいいの?」
「2週間後ぐらいですかね、渉もその時なら問題ないらしいですし」
「そう、じゃあ2週間後楽しみにしててね」
「ええ、期待してますね」
「それじゃあ、今日はありがとね」
「途中まで送りましょうか?夕方とはいえ女の子が一人で帰るのは危ないだろうし」
「大丈夫よ、そんなに遠くないし」
「そうですか、それじゃあ気お付けてくださいね」
「ええ、バイバイ和人君今日一日楽しかったわ!」
「はい」
美里先輩は、僕にそう言って走り出した、しばらく先輩を眺めて僕も家へと帰宅した
家に帰宅すると、はる姉と亜姫が玄関でお出迎えしてくれた
「和ちゃん・・・お帰り」
「兄さま・・・おかえりなさい」
「ただいま、二人とも。今日は、映画楽しかった?」
「うん・・・和ちゃんは・・・誰と出掛けてたの?」
「美里先輩だよ」
「美里と?」
「うん、なんか買い物に付き合ってほしかったんだって」
「「ッ!!!」」
「僕もどうせ暇だったしね、おかげで今日一日は楽しかったよ」
「和ちゃん・・・それって・・・デートって事?」
「え!デートじゃないよ!僕は、荷物持ちしただけだし」
「でも・・・二人っきりで・・・お買いもの」
「兄さま・・・どこに行きましたか?」
「え~と、ゲームセンターや洋服や後はいろんな所を転々としてたかな」
「美里・・・羨ましい」
「?」
「兄さま・・・こういう所は・・・鈍感です」
「??」
結局そのあと、細かく今日の内容を話す羽目になってしまった
どうしてだろう?