第2話
第2話
朝食を済ませた僕たちは、準備を整え学校に向かっていた。
「おーい!和人ーーーーー」
しばらく、歩いていると聞きなれた声が聞こえてきたので、僕たちは足を止めた。
「おはよう、渉」
「おう!おはよう和人」
今、僕に挨拶したのは親友の皆本渉、僕とは小学校からの付き合い。運動神経抜群でバスケ部に所属している。成績の方は、お世辞にもよろしいとは言えないけど・・
「美晴先輩と亜姫ちゃんも、おはよう!」
「おはよう・・」
「おはよう・・ございます」
亜姫とはる姉は、渉とは面識があるが、二人とも少し苦手らしい。
多分、自分とは性格が合わないからだろう。
渉が来たところで僕たちは学校へ向かい始めた。
「なぁ、和人」
「どうしたの?」
渉が急に真剣な顔つきで僕に話しかけてきた。
「なんで・・・なんで俺は、モテないんだ!」
僕は、危うく転びそうになった。だって、いきなり真剣な顔で何を言うかと思えば、なんでモテないかなんてそんなの僕がわかるわけないじゃないか。
「僕に聞かないでよ・・・」
「じゃあ、誰に聞けばいいんだ!」
「亜姫やはる姉とかにでも聞いてみれば」
「なるほど!」
僕がそう言うと、渉は亜姫とはる姉に同じ質問をしていた。そして、二人は口をそろえて何の迷いもなく。
「「うるさいから」」
と答えた。
その答えを聞いた渉は、ショックを受けてその場に膝をついてしまった。
「亜姫、はる姉、いくらなんでもその答えはちょっと・・・」
そう言うと、二人はまた口をそろえて
「「私は、兄さま(和ちゃん)以外に興味がない」」
いやいや、その発言はやばいでしょ。いろんな意味で。
そんな、やりとりをしていると学校に到着した。
学校に到着し上履きに履き替えていると、ドサドサという音がした。音の場所は、おそらく亜姫とはる姉の所だろう。
僕と渉は、亜姫とはる姉の様子を見に行った。
「亜姫、はる姉なにかあったの?」
僕がそう聞くと、亜姫もはる姉もたくさんのある物を見せてきた。
「それって、ラブレター?」
二人はコクリとうなずいた。
「こりゃーまた、たくさんあるなー」
二人のラブレターを見て渉がそう言った。
二人は、すごくモテるため、良くラブレターをもらっている。
二人がモテるのは、知っていたけど、まさかここまでとは
「どうするのそれ?」
僕が聞くと二人は
「「捨てる・・・」」
ひど!
「せめて少しは、目を通してあげれば?」
「どうして?・・」
「だって、二人のために書かれたものでしょ。なら、少しは目を通してあげてもいいんじゃない」
「和ちゃんが・・・そういうなら」
と言ってはる姉はラブレターをかばんにしまった。しかし、亜姫は納得してない様子。
「兄さまは、私たちが告白されてほしいの?」
「そういうことじゃなくて、せっかく亜姫のために書いてくれたものだろう?だったら読んであげないと可哀想じゃないか」
僕がそう言うと、亜姫もしぶしぶラブレターをかばんにしまった。
「和人!そろそろ教室行かないとやばいぞ!学校にはきてるのに遅刻しちゃ意味ない!」
「嘘!」
僕は、時計を確認する。すると、チャイムが鳴るまで後五分ぐらいしかなかった。
亜姫とはる姉のラブレターの件で時間を使っていたらしい。
「和人急ぐぞ!」
渉は、そう言いながら走りだしていた。
「亜姫、はる姉、僕たちも急がないと!」
そう言って僕たちも自分たちの教室に急いだ