第15話
第15話
カリカリカリカリ…… カチカチカチカチ……
教室には時計の針の音とペンを走らせる音だけが聞こえる
今は、期末テストの真っ最中そしてこの教科が終われば期末テストも終了というわけである
僕も、残り時間を気にしながらテストの答案を埋めていく
そして・・・
キーンコーンカーンコーン
テスト終了のチャイムが鳴った
「それまで、テストを後ろのほうから集めてください」
先生の指示に従い後ろの席の人が答案用紙を回収していく、回収した答案用紙を少しばかり確認した後
「テストが終わったからって浮かれるんじゃないぞ」
と一言忠告してから教室を出て行った
「よ~和人テストどうだったよ」
僕が自分の席でかばんに荷物を入れていると渉が話しかけてきた
「まぁまぁかな、渉はどうだったの?」
「和人のおかげで赤点は回避できそうだ」
「良かったね、渉今回がんばってたもんね」
「まぁな、たまにはちゃんと勉強しとかないとなと思ってよ」
「そうなんだ」
「和人はまた上位に入りそうなのか?」
「分からないよ、一応それなりに勉強はしたけどテストが返ってこないことには」
「いいよな~お前は頭がいいからテスト返却も不安じゃなさそうで」
「そんなことないよ、それに僕なんかよりよっぽど頭がいいのが身内にいるしね」
「美晴先輩か」
「うん」
「あの人弱点ねぇな」
「確かに僕も普段普通に暮らしてるけど、はる姉が苦手そうなものは特になさそうだしね」
「亜姫ちゃんも頭いいのか?」
「うん、多分はる姉と同じくらい成績いいんじゃないかな」
「マジでか」
「おおマジだよ」
「すげえなあの二人は」
「まったくだよ」
自分たちで話しといてなんだけど若干二人して落ち込んでいる
「落ち込んでても仕方がない、帰るか」
「そうだね、でも渉は部活じゃないの?」
「部活は明日からだ」
「そうなんだ、じゃあ帰ろうか」
「おう!」
僕たちはかばんを手に取り教室を後にする
「和ちゃん・・・」
昇降口に行くとすでにはる姉が待っていた
「はる姉、おまたせ亜姫はまだ?」
「うん・・・後・・・美里も来る」
「そうなんだ、じゃあ待ってよっか」
「うん・・・」
しばらくすると、亜姫と美里先輩もやってきた
「お待たせ~みんな」
「お待たせ・・・しました」
「皆そろったし帰ろうか」
「おお~またこの五人だね」
「そうですね、最近結構この五人で帰るの多いかもしれませんね」
「それもそうだな」
「五人?・・・」
「はる姉、なんで疑問分なの?」
「あ、そうか・・・皆本君も・・・いたんだ」
「ひどっ!」
「美晴先輩それはあんまりっす・・・」
「ごめん・・・」
「大丈夫よ~美晴、皆本君はこういうキャラなんだから」
「美里先輩まで・・・」
最早、完全に落ち込んでしまった渉を慰め僕たちは帰宅し始めた
「和人君と皆本君はテストどうだったの?」
「まぁまぁですかね」
「俺は、赤点は回避できそうです」
「へぇ~和人君はともかく皆本君まで赤点がなさそうだとは・・・」
「なんでそんな深刻そうな顔するんすか!!!」
「だって皆本君らしくないじゃない皆本君は赤点取ってなんぼでしょ」
「そんなことないっすよ!!!俺だってやる時はやります!!!」
「ほぉ~でもどうせ和人君に勉強教えてもらったんでしょ?」
「うっ!なぜそんなことを・・・」
「だって、皆本君いつもより自信があるような口ぶりなんだもん。でも、その反応をみると図星みたいね」
「まぁまぁ、美里先輩からかうのはそろそろそれぐらいにしてあげてくださいよ」
「まぁ、これだけイジリたおせば私も満足だわ」
「なんかしらんけど、無駄に疲れた」
「大変だね、渉」
「他人事だな和人」
「ソンナコトナイヨ」
「なんで、急に片言になったんだよ」
「気にしない気にしない」
「まぁいいや」
「それよりこれから、皆で遊びに行かない?」
「いまからですか?」
「そうよ、美晴は別にかまわないって言ったけど和人君たちはどうする?」
「僕はいいですけど」
「私も・・・兄さまが・・・行くなら」
「俺も特に用事はないから別にいいけどお金とかどうするんすか?」
「そういえばそうだね、僕も今お金持ってないよ」
「そういえば私もだわ」
「じゃあ、なんで誘ったんすか・・・」
「いや~テストも終わったし早く遊びたかったからさついね」
「それなら、各自いったん家に戻ってからどこかに集合するのはどうですか?」
「そうね、じゃあ、お昼ご飯家で済ませてから一時に駅前に集合でどう?」
「それで、いいんじゃないっすか」
「そうだね」
「決まり、それじゃあ各自一時に駅前に集合ということで」
「分かりました」
僕たちは、駅前に集合する約束をし家へと帰宅した