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第13話

第13話


体育祭も午後の部に入り、全体の盛り上がりも最高潮に達している感じだ


しかし、一部の人だけは違った


もうすぐ、男子限定種目のバトルロワイヤルがあるからだ


さっき、プログラムを見たときは、詳しいことは競技前に説明するって書いてあったけど


まだ、細かいことが知らされていないプレッシャーと不安で皆ピリピリしている


僕はクラスのテントで渉とどういう競技なのか考えていた


「どんな、ルールなんだろ?」


「そりゃーバトルロワイヤルって言うくらいだから潰し合うんじゃないか」


「でも、物騒すぎるでしょ」


「まぁ、あんまり危ないことはないだろ、一応、学校行事だし」


「そうであることを祈るばかりだよ」


そうこうしているうちに、放送が流れた


「まもなく、男子限定種目バトルロワイヤルを始めます出場選手はスタンバイしてください」


「じゃあ、行ってくるよ」


「健闘を祈る」


出場場所に行くと、先生がルールの説明をしだした


「え~この競技は自分の体に風船をつけて割る競技だ、武器はこちらで安全なゴム製の武器を用意しているので、使いたいやつを勝手に選んでくれ、そして、個人的にこの競技に優勝した奴は賞品がもらえる」


なんか、思ってたのより全然安全そうだなとか思っていると選手の一人が先生に質問をした


「賞品は何なんですか?」


その質問を聞いた先生は、得意げな顔で


「賞品は、最近新たにできたレジャープールのチケット五枚だ!!!」


「「「「「おお~!!!!!!」」」」」


皆それを聞いてやる気を出していた


今先生が言っているレジャープールというのは最近この街にできた大きなレジャー施設である。若い人に人気の場所でデートスポットなんかにも指定されている中でもプールの種類が豊富らしく流れるプールから迫力のあるウォータースライダーなど多種多様に存在するらしい


「それでは、各自武器を選んでください」


先生がそう言うと我先にと武器の取り合いが始まった


僕の武器は、僕は適当にその場にあった武器をとる


こ、これは!


僕が手にしたのは不良なんかが良く手にはめてそうな感じの武器だった


簡単に言うとメリケンサックだ


なんで、メリケンサック!ていうかゴム製だよねこれ完成度高すぎだよ!


戻すこともできず僕は仕方なく武器を装着した


範囲はグラウンド全体でスタート地点は自分のクラスのテントの前かららしい


僕が持ち場に着くと渉が話しかけてきた


「和人、武器なんだった?」


「メリケンサック」


「は?」


「だから、メリケンサック」


「まぁ、なんだ・・・がんばれよ!」


「慰めにもならないよ・・・」


「まぁ、和人なら余裕だろ」


「余裕じゃないよ、皆リーチの長い武器手に入れてるし、過酷すぎるでしょ」


しばらくして、皆持ち場に着いたらしく先生がスタートのピストルをならそうとしていた


「それでは、よーい始め!」


先生がスタートのピストルを鳴らすと全員がこちらに突っ込んできた


ん?全員?


もう一度確認する、やっぱり全員こちらに突っ込んできている


「・・・」


こうなったら逃げる!


僕は、全力で他の選手から逃げた


「待てーーーーーー!文弥和人ーーーーー!」


「なんで、僕なんだーーーーーー!」


「それは、お前が文弥姉妹や美里さんとイチャイチャしているからだよーーーーー」


「イチャイチャなんかしてないよ!」


「嘘をつくんじゃない!お前が美里さんに料理をしてもらうって情報をすでに聞いているんだよ!」


「それだけじゃねぇ!さっきの、借り物競走でも亜姫ちゃんをお姫様だっこしてただろ!」


「それは、競技だからじゃないか!」


「うるせぇ、そんなの関係あるか!」


皆が僕にとびかかってくる


僕がなんとかそれを避けると、ドミノ倒しのように倒れて何人か自滅する感じになってくれた


僕は、その隙になんとか距離をとり体勢を立て直した


「ふぅ、危なかった・・・」


このまま、逃げても埒があかない


「攻めるしかないかも・・・・」


僕は、小声でつぶやくと集団のほうへと突っ込んでいった


それに気づいた何人かが武器を構えなおす


「文弥和人が来たぞ!」


「血祭りじゃー!」


僕に向かって繰り出される攻撃を最小限の動きでよけて、相手の風船を割る


僕の武器では必然的に殴る形になるので、僕が攻撃した人は数メートル吹っ飛んでしまった


(しまった!力加減を間違えたかも・・・)


僕が心配していると選手の人は驚愕の表情を見せながら起き上ってくれた、良かった


周りの人たちも今の一撃をみて唖然としていた


僕は、その機を逃さないために攻撃を続ける


結果・・・


バトルロワイヤルは、思いのほか早く終わりそのまま終了を迎えたのだった


その後、他の競技も終了しテントなどの片付けを終え僕たちは帰宅しているところだ


「いや~それにしても今日の和人君の活躍はすごかったわね!」


「和ちゃん・・・強かった」


「兄さま・・・素敵です」


「皆、ありがとう」


「そういえば、なんで和人君あんなに強いの?」


「え~と強いかどうかはともかくとして、僕は昔から良くからまれたんですよね」


「なんで?」


「はる姉と亜姫は昔から可愛くて人気があって良く告白されてたんですよ。まぁ、いつも振ってましたけどね」


「それと和人君が強いのに何の関係があるの?」


「僕は、二人とは家族ですからね、振られた人が怒って真っ先に僕に矛先を向けてきたんですよ。それで、二人に心配をかけるわけにもいかず自分なりのやり方で戦い方を身につけました」


「さらりとすごいこと言うわね和人君」


「そうですか?」


「和ちゃん・・・そんな事があったの」


「知りません・・・でした」


「まぁ、内緒にしてたしね」


「まぁ、和人は運動神経がいいからな少し鍛えれば十分強かったよな。今じゃ、たいていの奴にはまけないだろうしな」


「そんなことないよ」


「謙遜することないわよ和人君、そのおかげで賞品も手に入れたんだから」


「ああまさか、あのレジャー施設のチケットが手に入るとはな」


「そうだね、ちょうど五枚あるんだし皆で行こうよ」


「いいの?和人君」


「構いませんよ、折角貰ったチケットなんですから使わないともったいないですよ」


「それなら、遠慮なく」


「渉も来るでしょ?」


「もちろんだ!部活さぼってでも行くぜ!」


「いや、それはどうなの」


「でも、その前にテストがあるのよねー」


「ああそうだった!」


「先生たちもしっかりしてわよねー、このチケット夏休みに入らないと使えないんだもん」


「まぁ、いいんじゃないですか夏休みのほうが皆、都合付くし」


「それもそうね」


「和人、また勉強教えてくれよ」


「うん、わかった」


「皆本君は成績悪いもんね~」


「うっ!そんなズバッと言わなくても・・・」


「渉は、部活に時間使ってるからね仕方ないと言えば仕方ないけど」


「和人ーーーお前だけは俺の味方だなーーーー」


「ちょっと!抱きつかないでよ」


「いいじゃないか!友として熱い抱擁を」


「でも、はる姉と亜姫がいまにも襲いかかってきそうな感じなんだけど」


渉にそう忠告すると渉は、ドキっとなり二人を見ると、二人はものすごい形相で渉を睨んでいた


「や、やだな~美晴先輩に亜姫ちゃん、ちょっとした友達とのコミュニケーションじゃないか」


「「問答・・・無用」」


その日、渉は星になった・・・

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