第11話
第11話
あれから数日経ちが経ち、今日は体育祭当日
僕はいつもよりも早起きして弁当作りに取り掛かっていた。
なぜなら
いつもは、自分とはる姉、亜姫の分を作ればいいけど。
昨日、美里先輩と渉が僕の作った料理を食べたいというので、それだったらいつもの弁当箱じゃなくて、大きな重箱にしようと思ったわけだ。しかし、重箱をどこにしまったか忘れてしまい、いつもより早く起きて重箱を探したというわけだ
まぁ、意外と簡単に見つかったからよかったけど
そんなわけで、僕は今、全力で唐揚げを揚げている。他にも、たまご焼きやウィンナーなどすでに何品か仕上げている。
唐揚げを仕上げ、その後もいくつかの料理を仕上げ、重箱に詰めた
ひと段落し時計を確認すると、そろそろ、はる姉と亜姫が起きてくる時間になっていた
僕は出来上がった弁当を邪魔にならない所に置いておき、今度は朝ご飯の方の支度をした。
準備をしていると、はる姉が起きてきた
「和ちゃん・・・おはよう」
「おはよう、はる姉、今朝ご飯の準備してるからちょっと待っててね」
「手伝おうか?」
「ありがとうはる姉、じゃあ食器とか出しといてくれる」
「うん・・わかった」
はる姉が食器のしまってある棚からいくつかの食器を取り出しテーブルに並べる
僕はできた料理を皿に盛っていく
「こんなもんでいいかな」
朝食の準備が終わると、亜姫も起きてきた
「おはよう・・・兄さま」
「亜姫、おはよう朝食できたから皆で食べよ」
「はい・・」
僕たちはそれぞれ席について朝食を食べ始めた
「兄さま・・・おいしいです」
「ありがとう、亜姫」
「和ちゃん・・・今日は何時ぐらいに・・・起きたの?」
「え~と、五時かな」
「眠く・・・ないの?」
「少し眠いけど、それぐらいに起きないと今日は五人分のお昼の準備もあったし間に合わなくなるからね」
「大変だったら・・・起こしても・・・良かったのに」
「でも、起こすのも悪いからさ」
「兄さま・・・手伝ってほしい時は・・・言ってください・・・いつでも・・・手伝います」
「ありがと、ホントに手伝って今度から言うようにするよ」
「和ちゃん・・無理・・しちゃだめだよ」
「分かってるよ、はる姉」
朝食を食べ終え準備をして、僕たちは学校へ向かう
「お~す、和人!」
「おはよう、渉」
「おう!おはよう和人、今日はいよいよ体育祭だな!」
「そうだね、美里先輩と渉の要望通り、今日はちゃんと二人の分も弁当作ってきたよ」
「ホントか!それは楽しみだな!」
「重箱に入れてきたから皆で取っていくような感じになるけどね」
「いいんじゃねぇか、その方が楽しいし」
「じゃあ、楽しみにしててよ。結構自信作だから」
「それじゃ、お昼までに腹空かせとかないとな」
渉と話していると、美里先輩とも合流した
「おはよう和人君、今日はお昼楽しみにしてるわね!」
「はい、頑張って作ったんでいっぱい食べてくださいね」
学校に着いた僕たちはいったん別れ自分たちの教室へと向かった
僕たちは、体操服に着替え外に出て自分たちのクラスが集まってる場所へと向かった
そして、時間になり体育祭が始まった
教員らの何名かがいくつかの注意事項をして開会式が終わり。競技がない者は自分のクラスのテントへ今から競技の者は軽い準備運動を始めた。
「わくわくするな和人!」
「渉は運動得意だからね」
「和人もだろ、部活に入ってないのがもったいないぐらだぜ」
「僕は、普通だよ」
そんな会話をしていると、最初の競技が始まった
「この高校ってなんだかんだで運動神経いいやつ多いよな」
渉が競技を見ながらつぶやいた
「そうだね、運動部なんかも結構レベル高いし」
「でも、こういう時って地味に文系部とかも強いよな」
「あ~確かに」
「そう考えると和人のバトルロワイヤルも危ないんじゃないか」
「嫌なこと言わないでよ・・・」
「ハハハ悪い悪い、お!競技が終わったみたいだぞ」
「次は、障害物競争だっけ」
「ああ、俺も出るから応援よろしく!」
「了解」
「さて、行くか」
「頑張ってね」
「任せとけ!」
渉は手を振って、競技のスタート場所へと走りだしていた
障害物が始めった、平均台やネットなどのありがちな障害物が設置してあった
いくつかの、レースが終わりいよいよ渉の番だ
「うぉーーーーー、やってやるぜーーーーー」
渉がスタート場所で叫んでいた、いくらなんでもテンション高すぎだよ渉・・・
そして、スタートのピストルがなる渉は見事なスタートダッシュを決め、他の人より若干前の位置を走っている
渉は、設置してある障害物を軽がる突破していく、そして全ての障害物を抜け見事一位でゴールした
しばらくして、渉が戻ってきた
「おつかれーぶっちぎりのゴールだったね」
「まぁな、いい感じにスタートダッシュも決まって満足のいく走りだった!」
障害物が終わり次の種目の放送が流れる
「次は、100m走です。出場する人は集まってください」
「あ、僕も行かないと」
「頑張れよ和人!」
「うん」
出場選手が集まり、競技が始まった
僕の番になり、スタートの構えをとった
ピストルの音に反応し僕は走り出した
皆、結構早かったけどなんとか一位をとることができた
僕は、自分のレースが終わりその後の経過を見ていた
しばらくすると、はる姉の出番が来た
僕は、そのレースを見て驚いた、はる姉はピストルの音で一気に走り出しそのまま、ものすごい早さでゴールした
100mが終わり僕は、自分のテントに戻った
「和人おつかれー」
「ふぅ、何とか一位でゴールできたよ、それにしても、はる姉はやっぱり早いなぁ」
「ああ確かにあれはレベルが違うな」
その後、しばらく僕たちの出る競技はなかったので渉と僕は競技を見ながら談笑して時間をつぶした
いくつかの競技が終わり、次は借り物競走だ僕はスタート場所へと向かう
レースは一年生からのスタートなので最初に亜姫が出る
亜姫の番になり亜姫はスタートして50mほど行ったところに置いてある机の上の紙をとった
亜姫は、しばらく紙を見た後、こちらに向かって走り出した
「兄さま・・・これ」
亜姫が僕にお題の書かれた紙を見せる、お題を見て僕は絶句する
一番親しい異性にお姫様だっこしてもらいゴールする
確かに、条件としては、あってるんだろう。でも、これはちょっと
というよりこれ借り物じゃない気が・・・
「兄さま・・・早く・・・お姫様だっこ」
亜姫は若干、頬を染めながら僕にお願いしてくる
「でも・・・これは」
「兄さま・・・早くしないと・・・他の人に・・・ゴールされてしまいます」
亜姫が急いでと僕を急かす
僕は、覚悟を決めて亜姫をお姫様だっこした
「兄さま・・・重くない・・ですか」
「重くないさ・・・むしろ・・軽いくらいだよ」
「良かった・・・」
「さてと早くゴールしないとね」
「はい・・・(///)」
亜姫は、さっきよりも顔が赤くなっていた
「亜姫、顔赤いけど大丈夫?」
「大丈夫・・・です」
「そっか、少し急ぐからしっかりつかまっててね」
「分かりました・・・」
亜姫が、僕をつかんでいる手にギュっと力を入れる
僕は、できるだけ早くゴールするため全力で走った
そして、無事一位でゴールすることができた
僕は、とてつもない殺気を感じながらのゴールだったけど
そのあと、自分のレースも一位でゴールして午前の部は終了した