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第10話

第10話


放課後になり僕たちは、体育祭の出場種目を決めていた


出場種目を決めるのはいいけど、何やら変な種目が混じっていた


100m走やリレーそして借り物競走これはいい、でも


男子限定種目のバトルロワイヤルってなんだ?


「それでは、今から出場種目を決めたいと思います。」


出場種目を決めようとした時、渉がクラス委員長に質問をした


「男子限定種目のバトルロワイヤルってなんだ?」


「これは、校長の気まぐれで提案された種目でその名の通り代表の男子生徒にバトルロワイヤルをやってもらいます」


なんて提案をしてくれたんだ校長・・・


いつも、元気な渉でさえこの種目には若干引いている


「他に質問はありますか?」


皆、黙っている


「ないのなら、種目を決めたいと思います。ではまず、この種目にこの人を推薦したいという人はいますか?」


そういった瞬間、男子生徒が一斉に手を挙げて


「「「「「文弥をバトルロワイヤルに推薦します!!!!」」」」」


「なんで!!!」


「「「「「お前が憎いからだ!!!!!」」」」」


クラスの男子が声を合わせて僕にそう言った


「僕が何をしたっていうのさ!」


「何をしただと!俺たちの前で美晴先輩や亜姫ちゃんとイチャついてただろ!」


「俺たちの学園のアイドルと弁当を食べてあまつさえ、あ~んなんてしてもらってただろ!」


皆が、僕に対してそれぞれ罵声を浴びせている、しかもそのすべてが、はる姉と亜姫とお昼を食べたことだった


「そんなこと言われても、はる姉や亜姫とは家族だし・・・」


「「「「「黙れ!シスコン!!!」」」」」


「酷い!!」


僕が嘆いていると横から渉が僕の肩に手を置く。そして、一言


「和人、人生何事も経験だ!がんばれ」


僕は、これまでこんなに親友を憎んだことはないよ


そんなこんなで僕は無理やりバトルロワイヤルに出場することになってしまった


他のみんなも出場種目が大体決まり僕たちの体育祭の話し合いは終わった。


結局僕が出ることになったのは、バトルロワイヤルをはじめとし100m走や借り物競走にも出ることになった


僕は、沈んだ気持ちのまま下駄箱まで向かった。


下駄箱に行くとはる姉、亜姫、美里先輩がいた。


「やっほー和人君!」


「美里先輩どうも・・・」


「和ちゃん・・・どうしたの・・・元気ないね」


「うん、ちょっとね」


「兄さま・・・何か・・あったの」


「もしかして、和人君バトルロワイヤルに選ばれたの?」


「・・・はい」


「ありゃりゃ、そりゃ落ち込みもするわけだ」


「どういうこと・・・美里」


「ほら今日、体育祭の出場種目を決めたでしょ?その種目の中に男子限定の種目でバトルロワイヤルがあったじゃない」


「兄さま・・・それに出なきゃ・・・いけないの」


「うん・・・」


「でも・・・どうして・・・和ちゃんなの?」


「僕が一番知りたいよ、クラスの男子全員の総意で勝手にきめられたんだよ」


「なんか、なんとなく理由がわかっちゃうような気がするわ」


「どうしてなの・・美里」


「美晴と亜姫ちゃんは知らない方がいいと思うわ」


「「?」」


はる姉と亜姫は何が何だかわからない様子だ


「はる姉たちは、何に出るの?」


「私は・・・100m走と・・・リレーに出る」


「私は・・・借り物競走・・・です」


「私は、美晴と同じ競技よ」


と皆が自分の出る競技を僕に教えてくれた


「和人君は他に何の種目に出るの?」


「100m走と借り物競争に出ます」


「大変ね和人君も」


「おかげさまで」


「兄さまも・・・借り物競走・・・出る?」


「うん、亜姫お互い頑張ろうね」


「はい・・・(///)」


亜姫が僕に返事をした瞬間、はる姉が後ろから抱きついてきた


「ちょ、ちょっと!はる姉どうしたの!?」


「なんでも・・・ない」


「あらあら、美晴は意外と嫉妬深いわね~」


美里先輩が微笑ましいといった感じでこちらを見ている


「そんなこと・・・ない」


「・・・私も」


そして、いつもの流れで亜姫もひっついてくる


「あ、亜姫まで!二人とも今日はなんだか様子が変だよ!」


「「そんなこと・・・ない」」


どうして、うちの姉妹はこういう時だけ意気投合するんだろ


「ほらほら、二人ともそろそろ離れてあげないと和人君帰れないわよ」


美里先輩が二人にそう言うと、二人はしぶしぶといった感じだが僕から離れてくれた


「はぁ、ありがとうございます美里先輩」


「どういたしまして」


「まったく、二人はどうしていっつも僕にひっついてくるの?」


僕がそう聞くと二人は声を合わせて


「「好き・・・だから」」


「なんでこんな時だけ息ぴったりなの!」


「まぁまぁ、和人君、二人は君のことを本当に思っているからこそ、こういった行動をとっちゃうのよ」


「なら、もう少しひっつくのをやめてほしいです」


「二人とも不器用なのよ」


「そんなもんですか」


「そんなもんよ」


「和ちゃん・・・そろそろ・・・帰ろ」


「え、うんそうだね」


「兄さま・・また・・手つなご」


「え!それはちょっと・・・」


「・・・・(シュン)」


「わ、分かったからそんな悲しそうな顔しないで!」


「和ちゃん・・・私とも」


「はる姉まで、はぁ、分かったよ」


「ふふ、和人君もなんだかんだで二人に甘いわね」


美里先輩が僕を見てそう言った


僕は、二人と手をつなぎ帰った。そのころには、僕の沈んだ気持ちも治っていた











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