第6話 ソードアトリエ襲撃事件
ソードアトリエに入ってから1年が過ぎた。
剣術はそれなりに上達した。算数は元からできたからいい。歴史に関しては国の細かい歴史なのであまり覚えてはいない。
アルクやアルナともよく練習しているがアルナはともかく、アルクはものすごく強い。なんだって、あのフューチャーストライクを打つことができるようになったからな。まだ軽めの剣だがレインが褒めるくらいだ。
よし、今日も4人でいつもの道を歩いていると……
ドッカーン
凄まじい音がした。音の方角は……ソードアトリエ!!
まずい、何があったのか?慌てる3人たちとは違いレインは今までに見たことのない険しい顔をする。
「魔族の襲撃か?」
マジかよ、城を取り返しに来たんじゃあないだろうか。
「お父さん、大丈夫だよね?」
アルナが不安そうに聞くとレインが、
「安心しろ、お前たちは必ず守る。もちろん他の生徒もな。俺は先に行く。お前らも付いてこい」
この1年でだいぶ上達したとは言えまだまだ。必殺技も打てない。
「俺たちも行くぞ!」
「うん!」 「うん!」
俺たちもソードアトリエに向かう。
いつもの道を行くとついにたどり着いた。中庭に入るとレインたち教師や生徒がいる。
すると、何やら魔族の大群や……人!?らしき奴もいる。数は3人か。全員が青髪だ。なぜだ?なぜ魔族側に人間がいるんだ?それにしても、誰かに似てるような?
するとその人間の3人がこちらの方にやってきた。
「ファクタージュを連れ帰りに来た。よこせ」
1人の男が声をかける。
「そんなやつ、知らねえなあ」
レインが言う。
「なあに、そこにいるではないか」
アルクの方に指を指す。ん?どういうことだ?
「ごあいにく様こいつはおれの息子でなあ。どこの馬の骨か分からないやつに、おいそれとくれてやるわけにゃいかねえんだよ」
「フン、そいつは俺たちの息子だ。返してもらおうか」
確かに髪の色や雰囲気は似ているが……本当、なのか?
「断る。魔族なんかについてる人間なんかに渡せるわけないだろ」
「なら、力ずくで奪うのみ」
その男がレインに猛スピードで向かう。
レインはそれをかわし、剣を交える。
すると、もう2人の青髪がこちらに来る。1人は俺より少し身長の高い女で、もう1人は俺よりはるかに身長の小さい男の子だ。
すると、2人同時にこちらに来た。俺とアルクが女の方を食い止める。男の子の方はアルナが。
これがきっかけに魔物も一斉に襲いかかる。
「ファクタージュ、あなたに会いに来たの」
女がアルクに言う。
「あ?お前のことなんか知らねえよ」
と言いつつ戦う。2対1しかもこちらには天才と呼ばれてるアルクがいる。そう簡単にやられるものかと思っていた。しかし、一瞬だった。あのアルクが気絶をさせられた。手刀でもしたのだろうか。
俺は困惑し恐怖した。動かないといけないのに身体が動かない。でも動かないと。動こうとしたその時にはもう遅かった。ヤツらの姿はどこにもいなかった。残ったのは雑魚の魔物だけ。少しだけ強い魔人もほかの教師が倒した。
「アルクは?」
連れて行かれた。クソッ 何もできなかった。何が少しは強くなっただよ。
レインの方を見ると悔しそうに唇を噛んでいた。
レインは俺とアルナの方に向かう。
「お前たちに話しておかないといけないことがある」
そこでレインは、自分が俺たちの本当の親ではないこと。俺たちの故郷が魔族に滅ぼされたことを告げた。
「薄々気づいてましたよ」
アルナが言う。
「僕もです」
「おいおい気づいていたのかよ。それと、敬語はやめてくれよ。親の自覚はあったんだ」
なぜか敬語になってしまった。
「ごめん、なんかかしこまっちゃった」
「私も」
「それで、アルクのことなんだが……」
レインがアルクと出会った時の話をする。
「アルクとは、魔族の領地に狩りに行っていたとき二出会った。最初は魔人かと思ったけど、よく見ると人間だった。こんなところに迷い込んでしまったと思い保護した。まさか、魔族に味方の人間なんているんだな」
「それと、お前ら、頼む。アルクを救うために俺に力を貸してくれ。あいつらは強い。それでも俺たちなら救うことができる」
「もちろん!」
というわけで今日からより一層、アルクを助けるために訓練が始まった。
その日の晩。
「ねえアルト、アルク大丈夫だよね」
泣きそうな目でアルナが聞く
「きっと大丈夫さ!あのアルクだぜ」
「でも私不安で」
「大丈夫だよ」
そっとアルナを抱きしめる
「実は、私レインのこと本当に親だと思っていたんだ。でも、なんか嘘ついちゃった。アルトやアルクとも血はつながってないんだね」
「血はつながってなくてもアルナは俺の妹みたいなもんさ」
「何よ、みたいなものって」
2人でアルクの無事を祈るように笑った。
「アルト、ちょっといい?」
「どうしたの?」
「チュ」
キス、された?
「私、アルクいないの辛い」
「俺もだよ」
「だからさ、その、1つになりたいの。アルクと」
その日の夜、俺は童貞を捨てた。




