第1章 ミハタノハツ(御機の初) 伍
建国記念の日である2月11日の豆知識
(前書きが長くてごめんなさい。)
『2月11日は、神武天皇(日本神話の登場人物であり、古事記や日本書紀で初代天皇とされる)の日本書紀における即位日(辛酉年春正月、庚辰朔、すなわち、旧暦1月1日〈『日本書紀』卷第三、神武紀 「辛酉年春正月 庚辰朔 天皇即帝位於橿原宮」〉)
戦前は宮中三殿において大祭の紀元節祭が行われていた。戦後はGHQの圧力で1948年(昭和23年)に廃止された。ただし、昭和天皇は翌年の2月11日より、宮中三殿において「臨時御拝」として、旬祭と同じ作法で親拝を行った。平成以降は「三殿御拝」に名称が改められ、同様に天皇の親拝が行われている。この日、天皇は橿原神宮に勅使を派遣する。』
引用 ウィキペディアより(抜粋)
2月11日の祝日は、建国記念日ではなく「建国記念の日(建国をしのび、国を愛する心を養う日)」なのだとか、かつては「紀元節」といい、初代の神武天皇の即位日を祝う祭りが行われていた日だったのに廃止されただとか色々考えさせられる日ですが――
要するに“日本のはじまりの日”ですね!
おめでたい日!!
そして日本神話にはもってこいの日!!
『キツノナトホムシサルアヤ(東西の名と穂虫去るアヤ) ⑤』
「さて、ここからは成長したワカ姫様がイサワの宮(三重県伊勢市の辺)にお仕えしていた時のお話です。
キシヰのクニ(和歌山県)の稲田がホヲ虫(穂につく虫:蝗)の被害にあい民が嘆いているという報告がイサワの宮にありましたが、アマテル様は天の眞名井にお出かけになった後でした。
代わりに報告をお聞きになった后のムカツ姫様ことセオリツ姫様が対応することになり、ワカ姫様を伴い急ぎキシヰのクニに向かいました――」
キシヰのクニに着き、ワカ姫様は蝗を祓うためセオリツ姫様と田に行き準備をする。虫祓いのまじない――田の東に立ちオシ草で扇ぎながら祓うためのワカ歌を詠うこと――をするためだ。
まずはセオリツ姫様に詠ってもらい、ワカ姫様は2人の両側に並んだ30人の侍女と共に合わせて詠う。
『タネハタネ ウムスギサカメ
マメスメラノ ソロハモハメソ
ムシモミナシム』
(田、畑に根をはる大麦・小麦やサカメ(豆類)、 大豆・小豆、その葉も全部食べてしまったら、虫たちだって食べるものがなくなり死んでしまいますよ。皆同じものを食べるシムなのだから鎮まってください。)
繰り返すこと360回、皆で朗々と詠えば、空気が揺れるように響む。すると稲穂に食いついていた蝗たちが一気に西の海の方に飛び去っていった。
穢(汚いもの、悪いものなど。けがれ)を祓ったおかげで稲は勢いを取り戻し、若々しく甦り、その結果豊作となって――暗闇に光が差すように塞ぎ込んでいた民たちの心に希望が灯る。
ちゃんと糧を得ることができ喜びと安心感、そして心からの感謝の想いに、何とかお礼をしたいとセオリツ姫様とワカ姫様のための宮を建てることになり······
ふぉぉぉ!これはッ!!
呪術では!?
不思議な力の登場に、オカルト好きの血が騒ぐし。
テンション爆上がりだ!
ワカ歌って和歌のことだよね?そう言えばオオタタネコさん、最初に言ってたな。ワカ姫様は和歌を大成した人だって。だから和歌の使い手だったわけね。
っていうか和歌って呪術的ツールだった?確かに陰陽師が和歌を呪術で使ってる作品とか表現とか見たことある。
ただ今回の和歌というかワカ歌は文字数が最初は五•七調だけど、次は六•七調で最後は七調なんだよね。今とは違うな。
そんなワカ歌で虫退治!
虫のこと穢って言ってるの、当時虫は穢れとか汚れとか魔のものとか、悪いものとして呼ばれてたのが興味深い。今みたいに農薬なんて使ってないわけだから、発生すれば自然災害扱いだったのかも。というか自然災害全部ひっくるめて良い神、悪い神の神罰的に考えられていそうだよね。あるいはそういう現象自体神様にしちゃうやつ。
それをワカ歌でどうこうできるっていうのが神話らしくていい!
僕も呪術とか使えたらな、ってやっぱ思っちゃうよね。
コトバにもっと気持ちを込めて意味とかもしっかり考えて、成り立ちとか歴史とか知った上で大事に使えば、僕でも言霊として不思議な力を宿すことができるのでは?なーんてね·······あり得そうなんですけど!
「アヒの前宮をセオリツ姫様のために、タマツ宮をワカ姫様のために建てました。お二人はそれぞれの宮にしばしの間、留まることにしました。
セオリツ姫様はアヒの前宮をクニカケ宮とし、後々までクニ同士を架ける――クニを行き来するための拠点の1つとして長く利用されました。
またタマツ宮はワカ姫様の功績をいつまでも忘れず記憶に留める民たちに大事にされ、キシヰのクニの名前も、稲を甦らせたワカ姫様のワカの歌に因んで“ワカのクニ”と呼ぶようになったのでした。これが後の和歌山です――」
喜び、笑顔の戻った民たち。皆率先して宮を建てる手伝いをする。その様子はとても活気があり、清々しい。誰もが気力が沸き、元気に動き回っていて。宮もどんどん出来上がっていく。
立派な宮にセオリツ姫様もワカ姫様もとても感謝して。滞在すれば民たちはなおも喜んだ。
滞在中、民たちは2人をとても大切にして、帰った後も慕い続け、宮も大切にして。クニの名前も変えてしまうほど、いつまでもいつまでも語り継いだ――
今に残る県名、和歌山。
名前の由来がこうして残ってるなんて、すごいなぁ。
食料の危機は命の危機!2人の功績は民にとってまさに“神様からの救いの手”だったんだろうね。
蝗の脅威は確か聖書にも出てくるよね?世界的に脅威と認識される事象ってことね。大群で飛来した奴等に大事に育てたものを食べ尽くされる恐怖と絶望。マジ怖い······
それを救ってくれたのだから、クニの名前だって因んだものに変えちゃうのも納得。
絶望を希望に変えて、(心の)暗闇に光を取り戻したセオリツ姫様とワカ姫様、さすが日の神アマテル様の関係者だって思うよね。
日本語を当たり前に使ってるけど、実はすごいことなんだっなって。平仮名、カタカナ、漢字を使い分けてるし、敬語だって尊敬語やら謙譲語やら丁寧語やら使い分けるし。
色だって季節だって現象だって様々な表現をして、その言の葉を聞けば情景を想像できるとか、もう感動ですよ。
日本語を国語という日本文化がすごく好きですし、日本語を大事にしたいですね~。
日本語が簡略化しちゃったり、省略されちゃったり、使われなくなって忘れ去られちゃったり、もったいないって思いますが、そもそも自分自身が言うほど使いこなせていない。不甲斐ないですね。口惜しや〜。
ちなみに「いとをかし」が結構好きです(笑)
色の名前は「月白」が最高に好きです。名前だけでイメージつきますよね。月の色だなんて素敵ですね。




