第1章 ミハタノハツ(御機の初) 参
節分が過ぎ、立春が来て、天気も非常に良くて。
毎日日が長くなっていくのも実感。
そんなお日様の動きにも通ずるお話です。
言葉遣いについて語り部のオオタタネコさんは丁寧だったり敬語を、語られる物語の中の登場人物の神様たちは普通の語り口調にしようかと思います。
オオタタネコさんの語りも短くしていく予定です。
どんどこ原文から離れてきているような······まぁ、二次創作ですしと、大目に見ていただけたらと思います。
『キツノナトホムシサルアヤ(東西の名と穂虫去るアヤ) ③』
「そんな賢いワカ姫様がある日カナサキ様に東西南北の故につて尋ねました。
それにカナサキ様が答えます······」
知的な瞳に好奇心の煌めきを宿したワカ姫様がカナサキ様に東西南北について質問すれば、鷹揚に微笑んだカナサキ様がゆったりと由来について語り出す。それをワカ姫様は真剣に、楽しげに耳を傾けて――
『東の方角をヒガシと呼ぶようになったのは、毎朝昇る太陽の様子に由来しているのだよ。日が昇る様子がまるで“日が頭”を出す様で、それを日頭と呼び、だんだん詰まって“ヒガシ”と言うようになっていったんだ。
次に南だが、これも太陽の動きに由来するね。太陽がグングン昇っていくと明るくなり皆がちゃんと見えるようになっていくので、特に太陽が一番高い方角を“皆見る”でミナミと呼ぶようになった。
次の西も太陽に関係する呼び方だね。南を過ぎ、沈む太陽の色が丹色(赤土色、黄みがかった鮮やかな赤)なことから“丹沈む”、それが詰まってニシと言うようになったんだ。
これは米と水を釜に入れて煮炊きする様子に言い換えることもできるね。
煮炊きのために火をつけると勢い良く火頭が上がる。釜が熱せられて湯となり煮えれば中身が波のように揺れる。それから水気が減り、弱火にしていけば中身が煮え沈んで······こうして米が炊きあがり神饌となって食すことになる――』
おぉー!
“キツサネ”って何?って思っていたけど、東西南北のことだったのか!!
······って北は?
東西南のお日様関係·米関係な由来は聞けたけど北には触れられずだぞ?
これから出てくるのかな?
とりあえず、東西南は理にかなったっていうか、なるほどって思える由来だった。
事象からよく考えられているし、観察眼っていうか感受性っていうか、とにかく古の人?たちの感覚とか感性とか鋭かったのは間違いないし、そういったことを言霊にできるのもすごいって思う。
続きが気になるッ!
「真剣に聞き入るワカ姫様に、カナサキ様は由来語りを続けます······」
『さて、この神饌を食べるということだけれど――
大昔、米を食べるのは年に2回だった。それがいつからか月3回食べるようになった。すると寿命が100万歳に減ってしまった。
その後も食べる回数は増え、月に6回食べるようになると、寿命は20万歳まで縮まった。
今は1日1回食べているから、寿命も2万歳まで減ってしまったのよ。
“神饌重なれば、齢なし”と言うくらい、食べ過ぎは健康に良くないし、寿命も縮めてしまうということだね。
だから御神と呼ばれるような方は、米食は月に3回で、長寿になると云われる苦いチヨミ草も食べているのだよ。
そして南向きの宮で、朝の氣を受けることで長生きできるわけだ。
さてここで北であるキタの話をしよう。
宮の後ろ側にあたるのが北だね。
夜になると“寝”るための部屋がある方角だから“ネ”とも呼び、休むことで“氣”を“溜”めることから“キタ”とも呼ぶのだね。
例えば北から人が会いに来て、意見が合わなくて喧嘩してしまったとしたら、会わずに北にいるといい。氣が溜まる方角だからね。
会おうと思うなら、日の出と同じ東で。弁えて話し合うなら、日も高くよく皆が見える南で。そして落ち着くために日の落ちる西に移動して、帰るのは来たのと同じ北からとなる。
人が“来たる”方角だからキタと呼ぶようになったとも言えるね。
人々は北から“来た”りて北に帰る······この循環は植物にも当てはめられるのだよ――』
キタキタキター!
“北”だけに!!
北はお日様と絡まないから東西南の説明と分かれているのかと思ったけど――そうとも言えるし、真逆だからこそ一番関係深いとも言えるかもね。
南向きの宮の裏側=太陽の反対側だし、日の出ている時間帯の反対の夜を過ごす場所でもあるし。
で、昔の宮は南向きに建ち、北向き玄関だったっぽいね。北から来て北に帰って行くってことは、そっちが玄関ってことだよね?
あと、太古の方たち、長寿すぎませんか?!
100万歳とか20万歳とか桁がおかしすぎるよ!
オオタタネコさんの200歳超えなんて可愛いものだったッ!!
これはやっぱり太古の1年が今の1年より短かったってことかなぁ?
それでも長すぎるくらいの年数だと思うけど。
興味深いね!
チヨミ草は菊の異称だそうです。
長寿の薬草として食べられていた(いる)みたいです。
(ネット情報です。)
カナサキさんの言葉遣いがとっ散らかっていて申し訳ありません。




