第2章 ミハタノフ(御機の二) 壱
第2章スタートです。
なんと宇宙のお話からなんです。
アメナナヨトコミキノアヤ(天七代床神酒のアヤ) ①
「さて、これはアマテル様の皇子、オシヒト様のご婚礼の儀を目前に控えたある日のお話です。
キミであるアマテル様のご子息、オシヒト様とタカミムスヒ様のご息女、タクハタチチ姫様との婚儀の準備が着々と整っていきます。
婚儀は婚礼の儀であると同時に、国を治めるために必要な神宝の『瓊』を継ぐ儀――“トツギ”神事でもあり、とても重要な儀式と位置づけられておりました。
そんな婚儀直前の、誰もが若干なりとも浮足立ったような落ち着きのない心持ちになっていたある日、タクハタチチ姫様の親族であるタカギ様がアマテル様に“お話”を聞きたいと乞いました。どんなお話かといいますと――」
婚儀の準備が丁寧に抜かりなく整っていく。どこもかしこもおめでたい雰囲気を纏いつつ、アマテル様のご子息の婚儀とあって緊張感もあり、ソワソワとした気配が隠しきれない。
そんな中、周りのざわめきなど気にせず普段通りのタカギ様がアマテル様に『神酒の由来についてお話してくれませんか?』と願った。周りの人たちも興味津々の様子で耳を傾ける。アマテル様は鷹揚に頷き語り出した――
『気が遠くなるほど遠い太古の昔、この世がまだ天と地とが混ざり合い際もなく、辺りにウビ(ガスとかチリとかエネルギーとか)が漂うだけだった頃、そこにあったのはアメノミヲヤノカミ(天御祖神)だけだった。
あるときその混沌にアメノミヲヤノカミが大きく息を吹きかければメとヲが渦を巻きだし、重いものは陰に軽いものは陽にと別れていった。そしてそれぞれに集まったものから陽は天と太陽を生み、陰は大地(地球)と月を生んだのだよ』
ふぉぉぉ!?
こここ、これは宇宙の創造、ビックバンの話なのでは!?!?
混沌から地球が出来上がっていく過程だね。あと渦巻き銀河誕生話でもある。
ねぇ、太古の科学というか知識ってどうなってんの?!驚きしかないんだけど!!
アメノミヲヤノカミって原初も原初、最初からそこにある神様だぁ。創造主だね。混沌そのもので、混沌に力を与えたもの、そのどちらでもあるって感じかな?ビックバン=アメノミヲヤノカミ=宇宙そのもの、みたいな。
陰陽の渦は太極図に通ずるね。宇宙の根源を表しているところも、陰と陽の属性があって色々創り出していくところも同じ。きっとそういった考え方が当時のトレンドだったんだろうね。それが今でも残っていて知ることができるって、本当に凄いよね。
「天と大地ができたそこに最初のカミが現れました。クニトコタチ様です。
クニトコタチ様は最初の国、“トコヨクニ(常世国)”をつくりました――」
『クニトコタチは世を治めるために八御子を産んでねぇ、世界の八方に遣わして、それぞれ国を興させ治めさせたんだ。これが“クニキミ(君主、統治する者)”の始まりだね。
それで二代目で世継ぎでもあるこの八御子のことをクニサツチとも呼んだ。どうして皆が同じ呼び方になったかというと――実は、当初はひとりの御子が国の代表となり治めるという話だったのだけれど、重要で責任の重い役でもあるし、皆が遠慮してしまって中々決まらず、結局治めるべき世を八つに別けて、八御子がそれぞれの区域を国として治めることになったから。だから皆が等しくクニサツチだ。
そしてサキリの道――季節の巡りや自然と調和し、共に生きていくために必要な知識や儀礼や教訓など――に則り、トコヨクニを中心とし連携を取りながら、各々が国を清く正しく導き守り治めていく体制を整えていったのだね』
クニトコタチ様は神世七代の最初の神様だったっけ?記紀とかだと最初に現れた神様だったはず。天地開闢の神様。
でもホツマツタヱはアメノミヲヤノカミ様が先に存在してたというか宇宙そのものとして扱われてるよね。
そこから地球ができて、トコヨクニができて、最初のカミとしてクニトコタチ様だから······うん、地球として考えたら最初の神様だね。
そのクニトコタチ様なんだけど、ひとりで子ども産んでるし!原初のころの神様は性別の概念がないんだな。でも創造する力がメチャ強だ。
国の体制は、トコヨクニを中心にして世界を8つに分け統治する感じで、八御子たちが各区域を治め、まとめたり色々決めたりするのはトコヨクニみたいな。
なんとな〜く中央集権型統治かなぁって思ってみたり。でも各々の統治に任せてる部分もあるようにも思え、そうなると地方分権型統治?とも思い。中央と各地のクニサツチとの連携体制もできてるっぽいし。
あ、連邦制ってやつか?
ビックバンからの天地開闢!
国が生まれてる······
そうなのですよ、イザナギ様イザナミ様がこおろこおろしないのです。
もっと人間寄りなお話なんですね、ホツマツタヱって。神話であり、より歴史っぽい感じです。




