【プロットタイプ】自分を殺さないでね
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
もしかして、おにーたま、メンヘラぁ?
あ、でも構ってちゃんではないです。
寧ろ『身内と認めた者以外全て、自分に興味持つな。関わんじゃねぇ』精神です。
兄さんは常に穏やかで、あまり声を荒あげるタイプでは無い。気に触る様な事を言われても、極めて穏便に、波風立てずに事を成す。
だから第三者は気が付かれる事はほぼない。兄さんの本心や、表情に。
大都会の人混みに揉まれた後、チラリと兄さんの顔を見る。
表情は何時もと変わらない。何かを映す事のない無表情。けれども何処か疲れている。苛立っている。早く気を休めたいと何処かで思っている。
「兄さん……大丈夫? 元気ない? ……あの……喫茶店行く?」
「私は大丈夫だよ。気にしないで」
僅かに口角が上がって表情に色が乗る。所謂、『笑顔』と呼ばれるものだ。きっと第三者が見たら、『ご機嫌だね』と言われるものだろう。
けれども此方としては心配で仕方なかった。能面の笑顔を見せられて、心配するなという方が難しい。
少し悩んだ結果、私と兄さんが好きそうな純喫茶にお世話になる事にした。
訪れた純喫茶はまだ午後三時前だったので、比較的席も空いていて、すぐに座る事が出来た。
兄さんの無表情に色が乗る。ほんのりとした薄桃色。どうやら安心した様だ。先ほどの無表情とはやはり違う。
「兄さん、あんまり無理しないでね」
「……何時から気が付いていたの? 気疲れしてるって」
「大都会の人混みに揉まれていた時から。何か……顔色悪かった」
兄さんは面倒事が嫌い。だから自身も面倒事を起こさないように、嫌なこと、辛いことも極力顔に出さない。表面では極めて平和主義な人に見えるだろう。
その分、溜まった鬱憤は想像に難くないのだが。
「前にも話した通り……誤魔化していたつもりなのだけど」
「大丈夫だよ。多分、他の人が見たら、分からないと思うから」
人は意外と他人に無関心だ。表情だけでは気が付かない人が多い。行動を伴って漸く今の状態が分かる。
「一緒に居る相手にバレた時点で、私もまだまだ甘ちゃんだね。もっとしっかりしないと」
兄さん、あんまり無理しないでね。そのうち精神を殺さないか心配だよ。
私が『おにーたま』発言する度に、ビキビキいってそうだな。
『君の兄になったつもりは無いよ。胎児からやり直せば?』って。
人って意外と無関心なんですよ。
その人に声掛けても返答がなくて、その場で蹲って、漸く気づくかな〜ってレベル。
其れは同僚、友達、家族であっても。
『顔色が悪い』とか期待するだけ無駄です。
そしてお兄さんは、人よりその傾向がずば抜けて強い。
友達、家族であっても、『苦しい』ってバレたくないし、『面倒臭い』って思って欲しくない。
だから極力、顔には出しません。
でも妹は結構なブラコンなので、かなり見てる。そして表情分析してると思います。だから分かる訳で。
創作部の面子も『人間観察が趣味』って人が殆どなので、まぁ頑張ればワンチャンあるかな。