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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

約束の奇跡 第一章「紺碧公園」

作者: ヨルノチョコ
掲載日:2023/03/16



登場人物


 岩本 潤矢じゅんや(21)大学生

 インターネットのコミュニティーにハマっている青年

 普段はあまり外にも出ない。HNは黒猫


 佐藤 聖華せいか(19)大学生(兼ね役あり)

 インターネットのコミュティーにハマっている女の子

 非常にアクティブだが容姿は可愛いくモテる。HNは☆ヒカリ☆


 相沢 冬季ふゆき (21)大学生(兼ね役あり)

 潤矢と同じ大学に通う女の子

 潤矢に片思いをしている…?


 ♪刹那♪ (せつな)

 潤矢が所属しているコミュニティーのメンバー


 @イツキ@ 

 潤矢が所属しているコミュニティーのメンバー


 ナイアー 年齢不詳 性別不明

 長い黒髪にすらっとした体型

 容姿端麗で男か女か判別ができない。

 紅い眼をしている。

 謎の人物 


【役表】

 ★岩本潤矢/黒猫 ♂(不問可):      

 ◆佐藤聖華/☆ヒカリ☆/♪刹那♪♀:     

 ■相沢冬季/@イツキ@/テレビ ♀:    

 ▼ナイアー 不問 :  



【台本を楽しんでいただくために】

 ・台本上映の際は、営利、非営問わず、作者名と台本名、台本のURLの明記をお願い致します。

 ・性別転換やアドリブは制限はありません。皆様の自己責任で楽しんでいただきたいです。

 ・この台本は著作権は放棄してません。自作発言等はおやめください。

 ・チャハハの男→@kaku4946 感想や公演のおしらせなどDMしていただきますと嬉しいです!

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(PCに向かって座っている潤矢)


★黒猫:今日もヒカリちゃんと通話ができる…!あ、返事がきた!よし、通話開始っと、こんばんわ~!


◆ヒカリ:黒さんこんばんわ!今日も良い声だね~好きっ!


★黒猫:えへへッ!開幕デレモードは反則だって!


◆ヒカリ:いいじゃ~ん!本当のことなんだもーんっ!


★【黒猫M】:大学入学と同時に一人暮らしを始めて早3か月が経ち、毎月の親の仕送りで大学に通学している。            

俺の実家は医者だけあって、仕送りは余裕があるぐらいの金額があり不自由のない学生生活を送れている。        

だけど、仲が良かった友人たちとも疎遠になったから大学が終わってからのこの時間が退屈で仕方がなかった、だから俺はノートPCを購入した、それから「サイベノ」というフリーウェアの中にあるコミュニティーで出会った、女の子と絶賛ネット恋愛中だ。



★黒猫:ヒカリちゃんの声もさっきから俺に刺さりまくっててマジで辛い!


◆ヒカリ:やめて!照れちゃうからッ!もうッ!…好きっ!


★【黒猫M】:ヒカリちゃんは、サイベノでの最初のフレンドであり、当時、コミュニティー慣れしていない俺に親切にしてくれた優しい子だ。                        

更に声も俺好みときたもんだ!…そんな娘が今では俺の彼女である。


★黒猫:俺、いつか、ヒカリちゃんと真剣に付き合いたいと思ってるんだ


◆ヒカリ:私もだよ、だからずっと仲良くいようね?


★【黒猫M】:彼女とは既に会う約束はもちろん、お互い顔の写真も交換しているし,彼女も俺を好きでいてくれているから、もう運命の相手と言っても過言ではない。    

ここまでくれば、彼女とはネットだけで終わる関係じゃないハズ!


◆ヒカリ:ねぇねぇ、黒さん。明日早いからそろそろ寝るね?


★黒猫:あ、もうこんな時間かっ!ーーうん、今日もありがとうな!おやすみ


◆ヒカリ:おやすみ。黒さん大好きっ!(リップ音)


★【黒猫M】:三時間の通話もあっという間だ、こんな感じで、就寝するまでの数時間はヒカリちゃんと通話して寝る。                         

それが、俺の毎日の日課であり楽しみだ。こんな幸せがずっと続きますように…。


★黒猫:さて、俺も寝るか

今日のヒカリちゃん可愛かったなぁ~っ!マジで好きすぎるっ!ん?ヒカリちゃん、鯖のチャットに何か打ってる?ーーなになに。


◆ヒカリ:『みなさん、おやすみ☆』


★【黒猫M】:ヒカリちゃんは俺にだけでなくコミュニティーの他メンバーにも優しく、コミュニティーのアイドル的な存在だ。     

彼女がチャット打つと男性メンバーは即レス!嫉妬するけど、今は俺の彼女なんだから優越感を感じている。


★黒猫 :いい子だよな…。俺も返事打っとこう。【おやすみ~♪】 これでよし!ーーおやすみ、ヒカリちゃん。


【夜中:ヒカリの部屋】


◆ヒカリ:もしも~し!ユウく~ん、こんばんわ~!


◆【ヒカリM】:黒猫との通話がやっと終わったから、次は本命のユウ君と通話する。                                              カワボ出して雑談に参加すれば【黒猫】のような飢えた男共から通話の催促が毎日送られてくる。                                        

これだから、インターネットはやめられない!

そう、私はこうやって自らの承認欲求を満たしているのだ。    

ネット恋愛ってなに?ーー気持ち悪…そんなことに本気になるはずないじゃん。                                               だけど、ユウ君はそんな男子たちとは違って、優しくてイケボでいつも私を褒めてくれた。


◆ヒカリ:私の声が最推し!?ーーて、照れるんですけどっ!


◆【ヒカリM】:はぁ…まじ男って単純!

ある日、突然男から【告白】される事なんて、ネットでは日常茶飯事だ。                        

最近の黒猫はちょっとウザくなってきた。

でも、好奇心で黒猫の告白に応じてしまったのがそもそもの間違いだった。

だって、今では通話の催促とかどうでもいいDMが毎日のように送られてくるようになってから、正直、めんどくさい…。そろそろ距離取るか。


◆ヒカリ:今日もありがとう!ユウくんおやすみなさい~!ーーはぁ、寝よ。


【朝:冬季の部屋】


■【冬季M】:今日もやってしまった…。一晩中、ネットでおしゃべりするのが楽しくて徹夜続きな生活が続いている。                     

この生活サイクルどうにかしないとリアルの生活に悪影響が出てしまうよね…。

インターネットの怖い所だ。


■冬季:もう朝か、また、やっちゃったな…今から寝たら絶対遅刻だ…。


■【冬季M】:大学入学と同時に一人暮らしを始めて早3か月が経つ。                                           

私は一人っ子だけど金持ちでもないが貧乏でもない、円満な家庭で育ったネットが好きな女子である。            

現在は「サイベノ」というフリーウェアに絶賛ハマっていて毎晩ボイスチャットで不特定多数の人たちとお話しするのが楽しくなってる。

今回の雑談すごく楽しかったなぁ、都市伝説とか聞くの本当に久しぶりだった。

とある都市伝説を聞いた、私が住んでいる町のとある公園にまつわる話だった。                                 

内容は、深夜にその公園にいるとごくまれに願いを叶えてくれる美しい神様が現れるって話だった。             

まぁ、こういう手の都市伝説はよくある話しだよね、でも、自分が住んでいる町のだから興味はあった。

ふぁ~あ…いけない。大学の準備しよ!


【朝 大学(DMを送信する潤矢)】


★黒猫:おはよう~ヒカリちゃん。昨日はたのしかったよっ!今日も通話しようね~!


◆ヒカリ:おっはよー私も楽しかったよー今日もがんばろうねー。


★黒猫:うんっ!ヒカリちゃんちゅきっ!


★潤矢:やっぱり、好きすぎる!ヒカリちゃん、可愛いわ…。


■冬季:あ!ちょっと!…ぶつかる!


★潤矢:うぐッ…!(よそ見しており冬季とぶつかる)ご、ごめん!


■冬季:うぅ…!いたた…大丈夫?ーーあ、スマホ‥落としてるよ!?


★潤矢:うあ‥!画面割れてないかなッ!?(スマホを拾う)ーー電源がつかない…あれ?


■冬季:ご、ごめん!壊れちゃった!?どうしよう…。


★潤矢:積んだわ…ヒカリちゃんにDMできないじゃんっ!

 

■冬季:ーーヒカリ?


★潤矢:なんでもない!やばい…授業!(走り去る)


夕方:ヒカリ(※エモギフ=電子マネーの事)


◆聖華:待ってるのに、黒猫からDMこないじゃん…あ、これってチャンスかも!

DM来なかった事にヒカリちゃん怒っちゃってブロックっ!

焦った黒猫は凹みまくってエモギフ送るっと!


◆【聖華M】:私が黒猫をブロックすると毎回、黒猫は私の機嫌を取るためにエモギフを送ってくるから助かる。

これだけで今月のバイトの給料に手を出さずにエモギフだけで今月は過ごせてるんだからやばすぎでしょ


(黙々とDMを打つ聖華)


◆聖華:これでよしッ!我ながら名演技だわ、今月いくら貯まるかな…たのしみ!


【大学 放課後(起動しないスマホを眺めながら歩く潤矢)】


★潤矢:だめだ、起動しない。

俺からDM来なくて、ヒカリちゃんまた怒ってないかな…。

ショップに行って見てもらうしかないか…。


■冬季:あ、いたいた、お~い!


★潤矢:ーーん? 君はたしか、朝ぶつかった人


■冬季:そうだよ、あの時はごめんね。もう一度、謝りたくて貴方を探してたんだ。

で、スマホはどう?


★潤矢:ううん、まったく反応なし。これからショップに行こうと思ってる。


■冬季:ーー私も行っていい?ほら、私とぶつかったのが原因だし。


★潤矢:え?気にしなくていいよ!俺がよそ見してたのが悪いんだから!


■冬季:でも、あれから朝の罪悪感がずっと晴れなくて…。


★潤矢:そこまで、気に病まなくていいのに…。わかった、行こう。


■冬季:うん!ありがとう。ーーねぇ、そういえば名前聞いてなかったよね?

私は相沢冬季(あいざわふゆき)…君は?


★潤矢:俺は岩本潤矢(いわもとじゅんや)よろしく、相沢さん。


■冬季:冬季でいいよ。そういえば、岩本君って何回生なの?


★潤矢:1回生だけど、相沢さんは?


■冬季:うあ!私もだよっ!同級生だったんだね! 


★潤矢:相沢さんも一回生だったんだ!ぜんぜん見なかったから知らなかった。


■冬季:うん、私も今日まで全く気付かなかったよ!ーーでも、岩本君ってけっこう幼いよね?顔


★潤矢:あーはいはい!どうせ、中学生みたいで大学生に見えないって言いたいんだろ~!?

もう慣れたわ、ったく!


■冬季:ごめん!そういう事じゃなくて、可愛いなぁ~っておもってさ!

不謹慎だけどスマホを困った顔で見てる岩本君がかわいくって…つい。


★潤矢:なんだよそれ…。これでも凹んでんだからな?

そんでもって、彼女と連絡もとれないし、散々だぜ。


■冬季:彼女?もしかして‥ヒカリって人?


★潤矢:なっ!?なんで知ってるの!?うちの鯖にいるの?!


■冬季:鯖…?それはわかんないけど、朝名前言ってたからさ。


★潤矢:俺言っちゃってたか。そうだよ、彼女の名前。


■冬季:そういうことね。ーー鯖って言ってたけど、もしかして、サイベノやってるの?


★潤矢:うん、やってるよ。相沢さんはサイベノやってるの?


■冬季:うん!サイベノのコミュニティーで遊んでるよ!


★潤矢:わあ!どこのコミュニティーに入ってるの?


■冬季:私は普通の雑談鯖かな?ーー最近は都市伝説にハマってるよ


★潤矢:へぇー! なにか面白い都市伝説ある?


■冬季:えとね、この町にまつわる都市伝説。「公園の神様」って話なんだけど。


★潤矢:公園の神様…?


■冬季:うん、この近くに「紺碧公園(こんぺきこうえん)」があるでしょ?

深夜に公園に訪れると、ごくたまに美しい神様が現れて、なんでも願いを叶えてくれるんだって。


★潤矢:なんでもかぁ…。でも美しい神ってのが新鮮だよな!あはは!


■冬季:でもさ?そういうのって、逆にロマンチックでよくない?ーーもし、実話なら絶対会ってみたいよね~。


★潤矢:もし、出会ったら何をお願いする?


■冬季:そうだな…。ーー自分の欲しい物が手に入る力…?かな。


★潤矢:自分の欲しい物が手に入る力か…。ーーあ、俺も思いついたぞっ!


■冬季:どんなの?


★潤矢:ヒカリちゃんとリアルで結ばれますようにって!


■冬季:本当に大好き…なんだね。


★潤矢:うん、すごいいい子なんだ。だから、かなり心配でさ…。


■冬季:ーーそっか、連絡取れるといいね…。あ、着いたよ。


【数時間後:夜・潤矢の部屋】


★黒猫:でさ、ヒカリちゃんからこんなDMが届いてさ、またブロックされちゃったんだよ!


◆刹那:また?今度はどんなDM?


◆ヒカリ:『黒さん。いつもDMくれるの今日はぜんぜん送ってくれないじゃん。

すごく雑じゃない?私、待ってたのに落ち込んだ。

ごめんだけど、信用できないし他の女の子と仲良くしたいなら勝手にどうぞ。』


★黒猫:もう、俺どうしたらいいんだよ。最悪だ…。


◆刹那:まぁ、時間が経てば、また向こうからなんかいってくるんじゃない?

今日はまだ鯖には来てないみたいだし…ブロックされてるなら、今はどうする事もできないんじゃない?


★黒猫:なぁ?刹那からDM送ってくんない?

「すごく反省してる」って黒猫が言ってたって。


◆刹那:え?私はヒカリちゃんとそんな絡みないし…。

明らかに不自然じゃない?


★黒猫:ーーくそッ!なんなんだよ、マジでッ!(机をたたく)



◆刹那:あ~…そろそろご飯の準備するから落ちるね?



★黒猫:おつかれ


(==通話が切れる==)


◆刹那:なんで、キレてんの?ウザ…。


【3日後:公園(夜中)】


★【潤矢M】:それから3日経ってもブロックは解除されなかった。

ここ3日間は大学もサボって部屋でずっと放心状態だった。

でも、このままでは駄目だと思った俺は真夜中の市街地へ散歩に出掛けた。

真夜中だけあって、辺りは静まり返っていて、聞こえるのは自分の足音と風で擦れる葉っぱの音ぐらいだった。

しばらくして、俺は公園に辿り着いた、それからブランコに座りながら、物思いに耽る。

公園を照らす街灯と、月の薄明りが更に孤独感を煽る。

まぁ、今の俺にはちょうどいい場所だった…。


▼ナイアー:こ~んばんわっ!


★【潤矢M】:声がした方向には、隣のブランコに座りながらこちらを窺う女…いや男か。

黒髪の(つや)やかな長髪で端整な顔立ちをしている。


★潤矢:ーーえ!? いつのまにッ!?


▼ナイアー:ん…?びっくりさせちゃった?


★潤矢:いや、全然気配がなかったもんだからつい…。


▼ナイアー:ボクはちゃんと君に2回も声をかけたけどね?


★潤矢:え?ーーそうか俺が気づかなかっただけか…


▼ナイアー:凄く悩んでる様子だね。


★潤矢:まぁ…間違ってはないけどな。


▼ナイアー:ねぇ?何をそんなに悩んでいるんだい…?

こんな時間にこんな薄暗い公園に一人でいるって事は、相当、お悩みのようだね?


★潤矢:まあね。


▼ナイアー:女の子に嫌われちゃった…?


★潤矢:え…?どうしてわかったの?


▼ナイアー:チャハハ…君を見てると、大体分かるさ。

君のような若さの人間がまず孤独感を抱くきっかけと言ったら、ほら?「恋愛」なんだろうと思っただけさ。


★潤矢:うぅ…。


~~潤矢の様子を見て嬉しそうにするナイアー~~


▼ナイアー:図星だよね?ーーやったぁ!当てちゃったっ!

それだったら、こ~んな薄暗い公園なんかじゃなく、月光に照らされる、さざなみが美しい浜辺の方がロマンチックなのに。


★【潤矢M】:こいつはいったい何者だ!?めっちゃ不審者だろ!?

でも、めっちゃ美人だし、タイプかもしれない!ーー性別はどっちなんだ…?

あと香水かな、すごくいい香りがするしなんか安心感を感じるわ。


▼ナイアー:ねぇ…良かったら話してくれないかな、君の悩み。

ボクで良かったら、力になってあげられるかも…?


★【潤矢M】:彼は俺に優しく語りかけてきた。

俺は思わす悩みの顛末てんまつを話した。

「うん、うん」と穏やかに傾聴けいちょうしてくれる彼が頼れるカウンセラーに思えるほど安心感を感じた。


▼ナイアー:スマホが壊れたという理由を待たずして、君を遮断するなんて、辛かったね。


★潤矢:ううん、俺が悪いんです…ッ!(泣きながら)

スマホさえあの時壊さなかったら、ヒカリちゃんを寂しがらせる事はなかったのにッ!


▼ナイアー:だめ、自分を責めてはいけないよ?

ーーよろしい、ボクが彼女を君の元に帰ってくるようにしてあげるよ。


★潤矢:は…?


▼ナイアー:チャハハ、ヒカリちゃんからDMが届くようにしてあげる。


★潤矢:ーー何言って…そんな事できるの!?


▼ナイアー:まぁ、信じがたいのも無理はないか、騙されたと思って今日はおうちに帰って眠るといい。

眼が覚めたら、愛しの彼女からメッセージがきてるはずだよ。


★潤矢:う…うん。わ…わかった。


★【潤矢M】:バカバカしいけど話を聞いてくれたのもあってノッてやることにした

何もしないで夜を過ごすよりはマシだもんな。


【朝:潤矢の部屋】


★潤矢:嘘だろ…マジでひかりちゃんからDM来てる!



◆ヒカリ:おはよう。

寂しくて、ブロックしちゃったのを謝ります。

黒猫さんが好きすぎて、ヘラちゃってごめん。


★黒猫:おはよう!全然許すよッ!

俺の方こそごめん。

実はあの日スマホを壊してしまって。


◆ヒカリ:よかった!安心した…黒猫さん好き!


★黒猫:俺もちゅきちゅき!だ~いちゅきッ!


★潤矢:あの人、マジでやりやがった。

一体、何したんだ?ーーとりあえず、相沢さんに話してみるか。


テレビからニュースが流れている


■テレビ:次のニュースです。

昨夜、都内に住む小倉明人おぐらあきとさん21才が都内のホテルで死亡しているのを、ホテルの従業員により発見されました。ーー小倉明人さんの首には、何らかの強い力によって絞められている跡があり警察は殺害された可能性があるとして捜査を続けています。

近隣の住民からの証言によりますと、小倉明人さんが発見される数時間前に女性と一緒に歩く姿が目撃されており、警察は事件となんらかの関係性があると見て捜査を進めています。

次のニュースです。


★潤矢:こえぇ~。犯人は絶対その女だろ。今頃、県外へ逃走中なんだろうな。


【昼:大学】


■冬季:え、DM来たの?ーーよかったね。


★潤矢:本当にマジで焦ったわ、今回は自殺するまであったよ。


■冬季:(苦笑い)そこまで、思いつめてたんだ…。


★潤矢:自殺は冗談だよッ!ーーで、夜中に公園に行ったんだけど、そこで美人で長い髪の人が話しかけてきて、ヒカリちゃんとの事話したら、朝にDMが来るようにしてあげるって言われてたんだ。

不審者だとおもって、正直、信じてなかっただけあってびっくりしてるよ。


■冬季:美人で長い髪の…。もっと詳しくおしえてっ!?


★潤矢:え!?ーー(つや)やかな黒い髪で顔はすごい美人だった、正直、俺のタイプまである。

いい香水をつかってるのかな、いい香りもしたし、あと…眼が赤かった!ーーコンタクトかな。


■冬季:え、もしかして…その公園って何処の!?(潤矢に顔を近づける)


★潤矢:おわっ!ーーえ~と、紺碧商店街の近くにある公園だよ。


■冬季:ねぇ…?そこって「紺碧公園」だよ…。


★潤矢:紺碧公園…。あっ!相沢さんが話してた都市伝説のっ!?


■冬季:うんっ!潤矢君の話してる人の特徴が神様に似ているのよ!


★潤矢:じゃあ、あの人って…もしかしてっ!?


■冬季:うん…。紺碧公園の神様かもしれない。


0:【夕方:聖華の部屋】 (※エモギフ=電子マネー)


◆ヒカリ:でさ、ユウ君から返事来なくなったから、黒猫のブロック解除しちゃった。


■イツキ:そうなんだ。ーーどうして、黒猫さんに拘るの?

   

◆ヒカリ:えっと、エモギフ貢いでくれるし?


■イツキ:エモギフ貢いでくれるのっ!?ーーまぁ、それで黒猫さんが幸せならいいんだろうけど。

でも、ユウ君どうしたんだろうね…。昨日からDM返事ないの?


◆ヒカリ:昨日の夕方からずっとDMしているんだけど、全然、返事がこなくて…。

でも、ブロックはしてないみたい。


■イツキ:リアルで何か事故に巻き込まれたのかな…。


◆ヒカリ:怖い事言わないでよ~、ユウ君てさ、イケボで優しいし、話してて楽しかったから正直寂しいよね。

◆ヒカリ:とりま、返事待つしかないよね。


■イツキ:私もあとでDMとか送ってみるね、黒猫さんとはほどほどにね。


◆ヒカリ:分かってるよ~。イツキっち、またね!(通話切る)


◆聖華:ユウ君、本当にどうしたんだろ…。ーーまさか、本当に事故…まさかね。

適当に黒猫と絡んで返事待と。


【夕方:帰り道 潤矢】


★潤矢:紺碧公園の都市伝説か…夜中に公園に居ると、神様が現れて願いを叶えてくれる…。

あの人が神様だったら、マジでやばくね。


▼ナイアー:なにが、やばいのかな?(潤矢の背後から)


★潤矢:うわぁッ…!ーーあっ!昨日の公園の人ッ!


▼ナイアー:また会ったねっ!潤矢君。


★潤矢:びっくりしたッ!ーー丁度、お礼が言いたかったんだ、ヒカリちゃんからDMが返ってきんだっ!

本当にありがとうな!


▼ナイアー:そっか、よかったねぇ~。ーーボクも安心したよ。


★潤矢:次はブロックされないように俺がんばるわ。


▼ナイアー:うんうん、頑張ってねっ!ーーでも、またブロックされたらボクがまた戻してあげるよ。


★潤矢:マジでッ!ーーなんだか、チートみたいですごいな、嬉しいけどーー


▼ナイアー:(割り込み)そのかわり!


★潤矢:え…?


▼ナイアー:チャハハ…君は、これからヒカリちゃんを「一生」愛さないといけないよ?

その約束を守ってくれるなら。


★潤矢:なーんだ、そんな事かっ!ーー俺はさ、ヒカリちゃん以外の女はあり得ないんだが。

あ、噂をすればヒカリちゃんからDMだ…。(小声)


▼ナイアー:ふぅ~ん…なるほどね。ーーよかったっ!その言葉を聞きたかったんだ。


★潤矢:あ、そういえば…名前。(視線をナイアーに向ける)

あれ、居ない…。どこ行ったんだ。ーーでも、なんで俺の名前を知ってたんだ。


★【潤矢M】:それから数日、俺はヒカリちゃんとのネットライフを楽しんでいたが、ヒカリちゃんはDMの返事が遅れたり、少しでも他の女子と鯖のチャットでやり取りしているとすぐブロックされる。

最初は寂しがり屋の可愛い癇癪だとおもっていたが、今では笑えないレベルにまでエスカレートしていた。

そして、ブロックされては、あの人に戻してもらう事の繰り返し。


★潤矢:あの人の名前は「ナイアー」という名前らしい。ーーなんだか、外国人みたいな名前だよな。

それで、ブロックを解除させてくれる、ナイアーは毎回俺にこう言った。


▼ナイアー:約束、ちゃんと守ってね。


【夜:聖華の部屋 @イツキ@と通話】(エモゾン=通販サイトの事)(SS=スクリーンショットの事)


◆ヒカリ:あははっ!そうなの、返事が5分以上遅れたら1日ブロックして1万ギフトが私の物。


■イツキ:うわぁ…。ヒカリちゃんってホント悪魔。

黒猫さんもそこでエモギフ送っちゃうなんて、相当、ヒカリちゃんに惚れこんでるのね。


◆ヒカリ:一週間に3万ギフト稼いじゃったっ!ーー実は、黒猫の家ってどうやら医者らしくてさ?

仕送りがたんまり入ってくるんだって?


■イツキ:ほどほどにしておいたほうがよくない?ーーもし、逆上されてDMとかSSされて晒される可能性もあるんじゃない?


◆ヒカリ:大丈夫よ~黒猫は私に惚れこんでるし絶対あり得ないって!

あ、そうだ、イツキっちさ?私と会わない!ーー私たちとご飯食べようよ!?


■イツキ:え…!? 急にどうしたの!?


◆ヒカリ:えとね、ギフトが貯まって来たから当分は買い物はエモゾンで何とかなるし。

お小遣い浮いちゃったからさ、パーッと飲み会したいなぁって思ったんだッ!刹那ちゃんもくるしさ!


■イツキ:刹那ちゃんも来るんだ…?ーーヒカリちゃんって刹那ちゃんと仲良かったっけ?


◆ヒカリ:うん、実は最近はよく通話とかDMで話してるんだ!

ブロックされた黒猫が、病んで刹那ちゃんにダル絡みしてる時のDMのSSとかくれたりして、二人で盛り上がってるよ!


■イツキ:…DMのSS? 


◆ヒカリ:うん、刹那ちゃんもすんごく迷惑がっててさ、私に黒猫の相談DMが来たのがきっかけで仲良くなったの。

だから、お詫びも兼ねて刹那ちゃんも誘ったのだっ!


■イツキ:そうなんだ…でも私、可愛くないよ?ーー会うの怖いなぁ~。


◆ヒカリ:え~、イツキっち、女は顔じゃないよ~ッ!

私だってよくカワイイとか言われるけど自分では全然可愛くないと思ってるし。


■イツキ:ヒカリちゃんの顔見て見たいな?気になるっ!


◆ヒカリ:え~!?ほんっとうに可愛くないよ~!?ーーいいけどさ。

 

(即行、SSが添付される)


■イツキ:添付はやッ!


■イツキ:わあ、ヒカリちゃんって、こんな顔してるんだ!すっごい可愛いじゃん。


◆ヒカリ:え~!?うっそだぁ~?ーーすごい恥ずかしいんですけど~!


■イツキ:なんだか、ヒカリちゃんに会いたくなっちゃったな。

ヒカリちゃんって、何処に住んでるの?


◆ヒカリ:えっと、私はね、藤並区だよ~。イツキっちは?


■イツキ:え?近い!ーー私は紺碧区だよっ!


◆ヒカリ:わお!すっごい、どうしよう!三人ともすごく近くてやばいじゃん!


■イツキ:え!?刹那ちゃんも近いの!?


◆ヒカリ:うん、刹那ちゃんも藤並区なの。


■イツキ:わあ、案外狭いね!刹那ちゃんはどんな顔してるんだろ…。


◆ヒカリ:え? 私写メ持ってるよ?この前交換したんだ~。

内緒にしててくれるなら見せるけど?


■イツキ:わあ~。思ったより大人の女性なんだね…声だけだと、もっと若いと思ってた。


◆ヒカリ:でしょ!?ーーもう結婚もしてるし主婦なんだって!

ねぇねぇ?イツキっちのも見せてよ?


■イツキ:あ、私、自分の写真を持ってないの…後日でもいいかな!?ーーごめん。


◆ヒカリ:うん、いいよ!ーーでも、その代わり…食事会参加してよね~っ!


■イツキ:うん、分かった、ごめんね。

そろそろ、お風呂にするから落ちるね!(通話を切る)

そのかわり…。


【翌日朝:潤矢の家】


■テレビ:次のニュースです。

藤並区に住む二山和子ふたやまかずこさん35才が市内の公園で倒れているのを通行人によって発見されました。

二山さんはただちに病院に運ばれましたが、間もなく死亡されました。

調べによりますと二山さんは、首に強く絞められたと思われる痣があったという事から警察は殺人事件の疑いがあるとして捜査を進めております。

次のニュースです。


★潤矢:最近多くないか…?ーーここ毎日、こういうニュースが流れてるよな。

俺は、幸せの真っ只中なのに、なんだか胸が痛いな…。ーーまぁ、他人は他人、俺は俺か。

ヒカリちゃんにDM送っとこ。


★黒猫:おはよう!ヒカリちゃん!最近、物騒なニュース多いよな!今日も通話しようなッ!


★潤矢:これでよし、朝の日課は欠かせないからな。ーー返事が来た!


◆ヒカリ:おはよう~、昨日の夜から刹那ちゃん反応ないんだ。

ユウ君も未だに反応ないし、どうしちゃったんだろ、黒さんなんか聞いてる?


★潤矢:ん?なになに…刹那ちゃんと、ユウ君?ーーユウ君って…なんだよ、俺には君付けした事ない癖に…しらねーよ!ーーなんか、ムカツクわ。何がユウ君だよ…。


★黒猫:知らん。

というか、ヒカリちゃんははユウさんと仲いいの?「君」って付いてるから親しい中なのかな~って。


◆ヒカリ:なんか返事冷たくない?そんな事、今気にするとこなの?もういいわ、気分悪い。


★黒猫:ごめん、そういうつもりじゃなくて、仲いいのかただ気になっただけで…。

ほら、鯖では絡んでるとこみたことないしさ。気に障ったんなら謝る!



<<ブロックを示唆させるメッセージが表示される>>



★潤矢:は~ッ!?ブロックされた!?俺が何したって言うだよ!

そこは普通にきになるだろがッ!下手に出てりゃあ調子乗りやがって!

あのクソアマァ!

…ッ!(スマホをソファーに投げつける)


【夕方:大学帰り道】


■冬季:え…?またブロックされちゃったの!?

     

★潤矢:あぁ、つい、カッっとなっちゃって…。


■冬季:潤矢君も大変だね…。ーーけど、二人が反応ないのっていつからなんだろ?


★潤矢:男の方は2週間ぐらいで女のほうは昨日の夜からだって、鯖でもインしてこないんだってさ。


■冬季:そっか、リアルで何かあったのかな…。ーーさすがに2週間インしないって、心配よね。


★潤矢:俺、その男の事、あんまり好きじゃなくてさ。

ちょっと声がいいからって、雑談中なんかも変に気取って女子意識して、ちょっかい出してるみたいだし。

だから、正直、帰ってこなくていいって思ってるのはある。


■冬季:いるいる、そういう人、ウチの鯖にも居るよ。

でも、そういう人ってほら、すぐ晒されたりして注意人物になったりするからさ。

そのうち痛い目みるんじゃない?ーーネットで女性を敵に回すと怖いからね~。


★潤矢:ぜひ、そうなってほしいわ。

だったら、ヒカリちゃんだって俺に構ってくれるのに…。

ヒカリちゃん、ブロック解除してくれないかな、またお願いにいくか。


■冬季:ねぇ。ーー前から話そうと思ってたんだけどいいかな?


★潤矢:うん?ーーどうしたんだよ?


■冬季:もう、ヒカリちゃんの事、絶対やめたほうがいいよ。

たぶん、良い様にされているだけだし、潤矢君にはもっと優しいーー


★潤矢:(割り込み)お前にヒカリちゃんの何が分かんだよッ!?ーー何も知らないくせに適当な事いうなよ。


■冬季:ーーッ!?ご…ごめん。


★潤矢:わりぃ、俺もう一人で帰るわ。(走り去る)


■冬季:…。ーー何も知らないくせに…か。


【夜中:紺碧公園】(ブランコに座り片手にアロエを持ち眺めている)※知ってる方は歌ってください。


▼ナイアー:聞いてアロエリーナ。ちょっと言いにくいんだけど。聞いてアロエリーナ。

気になるあの子にブロックされたよ、聞いてくれてありがとうアロエリーナ。


間       


▼ナイアー:ほぉら、来たよ。


★潤矢:ハァ…ハァ…居たッ!ーーまた、ヒカリちゃんにブロックされちゃってッ!


▼ナイアー:あらら…君も大変だね…。

ここは前向きに、二人で幸せになるための神が与えた試練だと思えばいいーー明日の朝、DMを確認するといいよ。


★潤矢:ありがとう!なんだか、最近ブロックされる頻度が増えてるような気がする…。

エモギフいくらあっても足りんわ…。


▼ナイアー:必要経費だと思えばその分報われるさ、たぶんね。


★潤矢:おう、俺は絶対ヒカリちゃんとリアルカップルになって幸せになる。

そういえば、変な質問していいかな?ーーえっと、ナイアーさんって紺碧公園の神様…じゃないよね?


▼ナイアー:ナイアーで構わないよ。

チャハハ、ひょっとして最近巷で流行っている都市伝説の事かな?


★潤矢:いやッ!なんでもない、都市伝説って所詮、都市伝説だよな!ーーじゃあ、俺は帰るわ!


▼ナイアー:約束…忘れてないよね?


★潤矢:わかってる、何があってもヒカリを「一生」愛するだろ、まかせとけってッ!じゃあな!(走り去る)


▼ナイアー :恋は盲目…か。

変化を恐れ、迫る孤独から眼を背けるために、彼女に適用しようとして、自分の感情を押し殺し我慢する。

そして、彼女に合わせる事が、最善の愛し方だと勘違いする。

やがて、自分が気づかぬ内に、少しずつ環境が悪化しても、当たり前の感覚となり、自分が晒されている危機に気が付くことが出来ない。ーー君が抱いてるのは「安心」なんかじゃない、「ぬるま湯」なんだよ…。

ゆでガエルの法則さ…。


【数時間前:聖華の部屋 イツキと通話】


◆ヒカリ:やっぱり、二人とも反応がない…というか、鯖にも来てないってさ。


■イツキ:私もみんなに聞いてみたんだけどさ、誰もここ数日ユウさんと刹那ちゃんを見てないみたい。

他の鯖にもいないってさ…。


◆ヒカリ :どうしちゃったんだろ…朝は黒猫にウザ絡みされるし、もうマジで最悪だよーーはぁ、ユウ君…。


■イツキ:ねぇ…?ヒカリちゃんってさーーユウさんにガチ恋してる?


◆ヒカリ :えッ!?なんでッ!?


■イツキ:いや、なんとなく?ーー女の勘ってやつかな…あはは。


◆ヒカリ:実はさ、半年前にユウ君に告ってフラれたの…。ーーていうか、保留にされた?

「俺、今は勉強も忙しいしそんなに相手にしてあげられない」からって…。


■イツキ:そっか…。ーーでも、それなのに黒猫さんとは、なんで付き合ってるの?


◆ヒカリ:「勉強期間が済んだら前向きに考える」って言ってたユウ君が別の女性と付き合ってるっていう噂を聞いたの。

私、すごくショックでさ…「あぁ…ネットってこんなもんなんだ」って。

期待する者がバカを見るんだって、だから、私もバカじゃなくて、期待させる側に立つことを決めたんだ。


■イツキ:なるほどね。ーーそういうこと。


◆ヒカリ:(泣きながら)う…ぅ…うぇ…。

ごめん、わたしって性格悪いよね、でも、怖いの、辛いの、いやなのッ!

もう辛い思いは嫌ッ!ーーだから、私も、ごめんなさい…うあぁぁぁ…。


■イツキ:…ーーねぇ、ヒカリちゃん、今から会わない?ーーご飯一緒に食べよ?一緒に泣いてあげる…ね?


◆ヒカリ:(泣きながら)え…いいの…?ーー嬉しい、ありがとう…イツキっち。ーー本当にありがとう…。


【朝:潤矢の家】


★潤矢:(睡眠から覚める)ふあ~あ。ーーそうだ、ヒカリちゃんからDM届いてるかな。

ん…来てないか。ーーそういう事もあるか…少し、待ってみるか。


0:テレビからニュースが流れる


■テレビ:次のニュースです。

藤並区の森林で女性の変死体が発見されました。

鑑識の結果、遺体は佐藤聖華さとうせいかさん19歳である事が分かりました。

現場には、佐藤さんの所持品が残されていましたが、荒らされた形跡はなく。

佐藤さんの全身には打撲のようなアザが数か所あり、警察は暴行事件として捜査を進めています。

次のニュースです。


★潤矢:またかよ…。こう連日だとほんと世も末だな…。

なんで、人間はこうも殺人が好きなのかねぇ…ヒカリちゃんDMまだかな。


【大学:昼休み】


■冬季:まだDM来てないんだ…。


★潤矢:あぁ…。おかしいな。ーー昨日、公園に走ったら例の人が居て言ったんだ、朝にはDM来るって。


■冬季:え…。昨日会ったの!?教えてほしかったなぁ…


★潤矢:あ、すまん…。昨日必死だったからさ…それと…昨日の夕方の事は謝りたい。ーー大きな声出して…すまん。


■冬季:ううん…私の方こそ軽率だったよ、もう気にしないで?


★潤矢:あぁ…。


■冬季:私の方こそごめんね。ーーヒカリちゃん、どうしたんだろうね。


★潤矢:朝にDMが来るって言われた時は、ちゃんとDM来てたのに…こんな事初めてだ。ーー今日に限ってどうして…。


■冬季:彼女に何かあったのかな…?ほら、DMが送れない何かが起こったとか?


★潤矢:ーーッ!そうだ、俺からDM送ったらいいんだよな!ちょっとまってくれ。


★黒猫:こんにちわ!ヒカリちゃん起きてるか?ーーこの前はごめん。俺、嫉妬しちゃってつい冷たい文を送ってしまった。

男らしくないよな、彼女が困ってるのにこんなのじゃ、ヒカリちゃんを幸せになんかできないよな


★潤矢:これでよしっと、送信。


<<ブロックを示唆させるメッセージが表示される>>


★潤矢:え?ブロックが解除されてないッ!?


■冬季:どうしたの?


★潤矢:解除されてないんだよ、ブロックが。ーーなんで…。


■冬季:もしかして、スマホを触れない状態か、まだ、寝てるか…かな?


★潤矢:クソッ!(一目散に走り去る潤矢)


■冬季:あ、潤矢君!待って!


0:【昼:紺碧公園】


★潤矢:ハァ…ハァ…ハァ…。ナイアー!!ナイアー!!ーーいるんだろ~!?出てこい!


★潤矢:クソッ!こんなときに…


▼ナイアー:いーるーよ?ここに。(背後から声をかける)


★潤矢:うあッ!びっくりしたッ!


▼ナイアー:びっくりするのはボクの方さ…急に大声で呼ぶんだもん…。ーーで、なぁに?


★潤矢:すまん。ーーって、それよりッ!まだヒカリちゃんのブロックが解除されてないんだ!

朝からDMも来ないし…。


▼ナイアー:ふぅ~ん、なるほどね。


★潤矢:ふぅ~ん、なるほどね。ってッ!

アンタ、今日の朝にDM来るって言ったじゃんかッ!どうなってるんだッ!?


▼ナイアー:ちょ、そんなに怒らなくてもいいじゃないか~、君ってよく言われないかい?ーー短気だって。


★潤矢:うぅ…すーはー(深呼吸)

アンタが、DMが来るって言った次の日の朝には、ちゃんと来てたのに今日は来てないんだ。


▼ナイアー:おっかしいな、彼女が生きている限りちゃんと、DMはくるはずだけどな~。


★潤矢:ーー生きている限り‥‥?


▼ナイアー:そう、「生きている限り」


★潤矢:まさか‥‥(潤矢は一目散に走り去る)


▼ナイアー:あらら…呼んでおいて放置とかまったく…。ーーチャハハ「熱湯」だと気付いたからではもう遅いよ


【昼:潤矢の部屋】


★潤矢:ハァ…ハァ…ハァ…まさか…。


(急いで帰宅し、PCを起動、充電が切れそうなスマホをベットに投げ捨てる)


★黒猫:ヒカリちゃんって今日はインしてる!?ーー朝から連絡取れないんだけど!?誰か知ってる人いる!?


(鯖の全体チャットで発言する黒猫)


★潤矢:過去ログ読んでだと?ーーなんだよ、なになに。


(そこには朝のニュースの暴行事件の被害者がヒカリだという、チャットのやり取りが展開されている)


★潤矢:何か書いてんだ、こいつら。ーー佐藤聖華はヒカリのリアルの名前…?


★黒猫:いやいや、佐藤聖華がヒカリちゃんってなんでわかるんだよ!?

誰か雑談部屋にあがってくれ!


★潤矢:ーーチッ!なんで、誰もあがんねーんだよッ!ーーチャットが…。

「ヒカリちゃんとリアルで会った子が言ってる。間違いない」…マジかよ…マジかよ…マジかよ…。


【夜:潤矢の部屋 冬季が訪れる】


■冬季:お邪魔します…。

へぇ、綺麗な部屋だね。ーー急にウチに来てくれって電話が来た時はびっくりしちゃった。


★潤矢:…。


■冬季:初めてだから迷子にならないかな~って心配だったけど、ちゃんと辿り着けてよかったよ。

あれ…?PCの画面が割れてる…。ーーねぇ?大丈夫?


★潤矢:んだんだって…。


■冬季:え、どうしたの?


★潤矢:死んだんだって…ヒカリちゃん…。今朝のニュースで流れてたんだ。


■冬季:え!?じゃあ…。


★潤矢:(泣きながら)森林で暴行に遭って殺された…どうしよう、俺、俺…どうしたらいいんだ。


■冬季:うそでしょう…。ーー潤矢君、しっかりして、とりあえず冷静になろう?ね?


★潤矢:冷静になれるわけないだろ…恋人が死んだんだぞ…ッ!ーー冷静になれっていうほうが無理だろ…。

★潤矢:クソ…クソ…。


(冬季は涙を流しながら、潤矢をそっと抱きしめ)


■冬季:辛いよね…辛いよね…。私もね…大切な人を失った時同じだった…。

よしよし…。潤矢君…辛いよね…。


★潤矢:うああああぁぁぁ~~!(冬季の腕の中で泣く)



★潤矢:コンビニいってくる、何か飲む??


■冬季:じゃあ…。フルーツオレ。


★潤矢:わかった。ちょっと待ってて。すぐに帰ってくる。


■冬季:うん。待ってるね。


【コンビニの帰り道】


★潤矢:(泣きながら)ヒカリちゃん…俺があのとき怒らさなきゃ…クソッ!


▼ナイアー:こんばんわ~。(潤矢の前に立ちはだかる)


★潤矢:ナイアー…?


▼ナイアー:どうしたの、眼の周りが赤いけど?


★潤矢:ヒカリちゃん…その…殺されてしまったんだ。


▼ナイアー:まさか…。ーーそれは辛いよね、気の毒に。


★潤矢:オレ、どうしていいか…とりあえず、友達を家に呼んで、一緒に居てもらってるからまだ冷静でいられてるけど…。


▼ナイアー:心中お察しするよ。ーー誰だってそうなるさ…。


★潤矢:ありがとう。ーーでも、今は何も考えたくない。ーー今後の事は後で考えるよ。


▼ナイアー:そうだね、これからも君はヒカリちゃんを愛さなければいけないしね。


★潤矢:え‥‥?



▼ナイアー:約束を忘れたかい?ーー君は「一生」ヒカリちゃんを愛さなければいけない。


★潤矢:いや…死んだ彼女をどうやって…?


▼ナイアー:死んだからってなんなんだい?ーーちゃんと、君のここに居るじゃないか、ヒカリちゃん。


(自分の頭部を指さすナイアー)


★潤矢:俺の記憶の中に…?ーーふざけるなッ!ーー会えなきゃ、どうすることもできないだろッ!


▼ナイアー:愛する事って実物が居て初めて成立するのかい?ーーちがうよ。

ずーっと想い続ける事が「愛する」ってことなんだよ?


★潤矢:あのな!ーー俺はヒカリちゃんとリアルカップルになって愛するって言ったんだ!

それが出来なくなった今…どうやって愛していけっていうんだよッ!


▼ナイアー:はぁ~、わかってないな。ーーまぁいいや、約束は守ってね、じゃないと、おそろしいーー


★潤矢:(割り込む)うるせぇな!今はほっといてくれよ!!(ナイアーの横を通り過ぎ走っていく)


間【数時間後:ベットで二人寝ている】


★潤矢:ごめんな…相沢…。


■冬季:ううん…ーーねぇ、冬季って呼んで?


★潤矢:冬季…。ーーこんなことしちゃって…ごめん。


■冬季:ううん…。私ね、こんな時に言うのも変だけど…。

ずっと、潤矢君の事…好きだったから、気にしないで…。


★潤矢:冬季…。


■冬季:よかった…。こうやって、潤矢君と一つになれて…。

もう思い残す事ないよ…。


★潤矢:もう少し…一緒に居てくれないか?ーー俺の傍に居てほしい…。


■冬季:今だけ…私を「愛してほしい」。


★潤矢:ーーあぁ…「愛してる」。


■冬季:よかった、本当によかった…ありがとう


【朝:冬季を見送るために駅まで同行する】


■冬季:ここまででいいよ、ありがとう。


★潤矢 :おう、また連絡するよ、気をつけてな。


■冬季 :さようなら。(駅のホームに消える)


★潤矢 :さて、俺も帰るか。


(振り返るとナイアーが立っている)


▼ナイアー:約束を破ったね。


★潤矢  :ナイアー…!?


▼ナイアー:君は「一生」ヒカリちゃんを愛すると僕と約束したのに…。

相沢冬季を愛してしまったね?ーー残念だよ。


★潤矢:少しの気の迷いだよッ!俺だって辛いんだよッ!


▼ナイアー:少しの気の迷いでも約束は約束だ。


★潤矢:お前だろ…ヒカリちゃんを殺したのッ!?


▼ナイアー:はい…?


★潤矢:大体、おかしいと思ってたんだよッ!

ブロック解除するとか、茶番をうってヒカリちゃんと組んで、俺からエモギフを搾取してたんだろッ!?

ヒカリちゃんを殺したのは誰だよッ!ーーお前、何か知ってんだろ⁉お前が殺したのかッ!


▼ナイアー:ぷッ!何を言い出すかと思ったら、人間とは納得しないと気が済まない生き物なのは承知だったけど、まさか…こんな落とし所になるとは思いもしなかったよ、ちょっと面白いかな。


★潤矢:ヒカリちゃんを返せッ!この人殺しッ!返せッ!返せぇッ!


▼ナイアー:チャハハ、約束を破った自分を棚に上げて、ボクを罵るなんて。

いいよ?ーーそんなに返してほしくば返してあげるよ。

今度こそちゃんと愛してあげてね。


(ナイアーは潤矢に手を向ける、潤矢は首に強烈な圧迫感を覚える)


★潤矢:ぐ…あ…あが…くるしい…ッ!ナ…イア~…。


(潤矢は気を失う)~間~



★潤矢:…こ、ここは…?ーー白い…部屋なのか?


★【潤矢M】:気が付くと、俺は、一面真っ白な壁に覆われた部屋にいた、明るい部屋で床や壁は真っ白だった。

ここまで記憶を遡ってみてもナイアーに手を向けられた後、苦しくなって。



★潤矢:ーーッ!なんだこの臭い、生臭くてやばすぎる…そうだ、ナイアーッ!ーーナイアーッ!どこだ!?


◆聖華:黒さん。黒さん…。苦しい…。助けて…。


★潤矢:この声は…!?ヒカリちゃんッ!ヒカリちゃんッ!!何処だ!?俺だよ!黒猫だ!!


◆聖華:来てくれたんだ…。ありがとう、黒さん、黒さん


(背後から肩を掴まれ振り向く潤矢)


★潤矢:…!!ヒカリちゃ…。ーー!?


★【潤矢M】:そこに居たのはヒカリちゃんではなく、全身血だらけの顔面が打撲痕で素顔が判別できないほど損傷した肥満な女性が立っていた。


★潤矢:うあぁぁぁぁぁ!!来るなぁ!!化け物!!!


◆聖華:…。酷い酷い酷い酷い酷い酷いよぅ…。黒さん…。助けて…。


(太いパイプのような両腕で首を絞めるヒカリ)


★潤矢:うぁぁぁぁぁ~~~~!!!


◆聖華:(潤矢の呻り声を入れてもよい)ねぇ?ねぇ?助けて?助けて?助けて?怖いの、怖いのぉッ!


(潤矢、事切れる)


◆聖華:ーーあれ…。黒さん…?


(首を強力な力で締め上げらた潤矢は痙攣し、口から血液が混ざった泡を吐き床に倒れこむ)



【紺碧公園のジャングルジムのてっぺんに座るナイアー】※DM=ダイレクトメールの事


▼ナイアー:あのまま、何も言わず彼女を抱いていれば、彼女とは程よく割り切った仲で楽しめていたはずなのにダメだよ、「愛してる」なんて言っちゃったら…。

浮気の件はヒカリちゃんには内緒にしてるから。ーーゆっくり、楽しんでね…いや、末永くお幸せに。


(ポケットから音が鳴っているスマホを取り出す)


▼ナイアー:ん…?潤矢君のスマホが鳴ってる…DMだ。


【潤矢の元に送信されたDM】


■イツキ:こんにちわ、黒猫さん。

全てを終わらせる前に…黒猫さんに伝えておきたいことがあるの。

ユウさん、刹那ちゃん、ヒカリちゃんの事は残念です。

最後に「愛してくれて」ありがとうございました。

BY 相沢冬季





 















































































 












 











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