『心霊映像』
本当は、家から出たくない。
見えないけど、見えてしまうから。
僕は、いつもスマホをカメラモードにしてる。自己防衛みたいなものだ。
アパートの扉を開けて周りを画面の映像で確認する。
「よし、見えない。」
僕には霊感は無い。ただ、幼い頃からカメラ越しに霊が見えてしまうのだ。
強い霊ほどハッキリと画像に写り込む。しかも、僕にしか見えない。
幼い頃は怖くて近寄らなかったが、中学生の時、慣れてきた性か、その霊が居る場所に重なってみた。
カメラ越しで霊の視線から見る怨めしい現実の世界は呪われていた。
そして、僕はその場で事故にあった。
一命はとりとめたものの、今でも病院でリハビリを受けなくてはならない体になってしまった。
所々(ところどころ)でカメラの映像を確認し、霊が居る場所を避け、動いているモノがいた場合は消えるのを待つか、迂回した。
「君、君。何してるの? 少し話伺ってもいいかな?」
僕に話しかけてきたのは2人の警官だった。
「何を撮影してたのかな? 少し見てたけど怪しい行動だよね。 もしや盗撮じゃないよね?」
「……画像、確認しますか?」
「すみませんね。確認させてもらいますね。」
僕は、めんどくさいのでスマホを警官に渡した。
誰が、映像なんか残すか!画像すら撮っていない。
恐ろしくて できるものか!
「……君、まったく画像とか撮っていないのだね。珍しいね。」
「そういう人もいますよ。僕は、人が怖いのです。でも、画像を通して見ると何故だか大丈夫なんです。それで、時々画面を見て落ち着かせているのです。」
「…そうでしたか。失礼しました。くれぐれも歩きスマホはしないでくださいね。」
そういうと、僕のスマホを返してくれた。
「ばっ!」
帰ってきたスマホは自撮りモードに切り替わっていた。
見てしまった。僕の後ろに のしかかる霊の姿を…
今度は、事故で済まないかもしれない。
読んで頂き誠にありがとうございます。
今日のTwitterトレンド『心霊映像』です。
久しぶりに、このような番組見てるw
それでは、またお会いいたしましょう。
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