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ふたり  作者: いずこ
1/2

再会

結婚して2年目を迎える。

銀行員の旦那の優也。専業主婦の私の沙耶。犬一匹と暮らしてる、ごく平凡な日々。


優也が帰ってきて、向かい合って食べる夕飯の事だった。

「今度、友人らで集まって、ご飯を食べる話があるんだ」

優也が、おかずを摘みながら話す。沙耶も箸を進める。

「へぇ。楽しそうだね」

「その会に誘われてるんだ。一緒に行こ?」

「私もよいの?」

会話をしながらも、箸を進める。

「もちろん。奥さん同伴が条件!」

そういうと優也は沙耶を見て微笑んだ。沙耶も楽しみが増えた一心で笑顔で頷いた。


けど、この会で、平凡の日々が変わっていく事を知る由もなかった。


「こんにちはー」

とある一軒家に招待される。そこには、すでに3組ほどの夫婦が集まっていた。

「今日は、お招きいただき、ありがとうございます」

と丁寧に挨拶をすると、1人の女性の朋子が駆け寄ってきた。

「あぁあ!固いの無しにしよ。私、朋子。仲良くしよ」

沙耶の両手を包み込み、笑顔いっぱいの朋子。

「こちらこそ。沙耶です」

「じゃあ、さやとも?ともさや?コンビだ!」

朋子は、すごく人懐っこくて笑顔も素敵な女性だった。

「私の旦那は、ちょっと仕事で遅れてるけど先に始めよ」

3組の各夫婦の紹介があってから、キッチンで立って食べる人、座り込んで喋る人、ソファで、くつろぐ人、各自が楽しんでいた。


「ただいまー」

と、そこに朋子の旦那さんが帰ってきた。朋子が嬉しそうに話す。

「あっ!旦那が帰ってきた!おかえりー」

リビングを出て玄関へと出迎えて、2人でリビングに顔を出した。

私は、朋子の旦那の顔を見て驚いてしまった。旦那も私を見て驚いていた。

「紹介するね、私の旦那の優一です」

すると優也が沙耶のよこに立った。

「初めまして。朋子さんと同じ銀行で働いてる優也です。妻の沙耶です」

2人で頭を下げる。優一も驚きながら挨拶を返す。

「は、初めまして」

そう簡単に挨拶をして輪の中に入っていく。


また各自で過ごす。お酒も入り、更に賑やかになっていく。気づくと、沙耶の隣に優一が居た。話が進まず、沈黙な空気。

そんな2人を他で楽しみながらも朋子が見ていた。

2人は気づいていない。

「なんか飲みます?」

気づけば、沙耶のグラスが空になっていた。沙耶は慌てて首を振る。

「まだ良いです、あ、ありがとうございます!」

そんな慌てぶりに、思わず優一が笑ってしまった。笑顔の優一に思わず見とれた沙耶。

「変わってないな」

優一が優しく話しかける。そんな声のトーンに沙耶も口を開いた。

「そっちも」

2人は優しく微笑みあった。けど、そんな空気感を、朋子と、優也が見ていた。


食事会も終盤な時、リビングで朋子が、かなり酔っ払っていた。優一に甘えている。

「飲みすぎちゃったー」

そんな朋子を愛おしそうに優一も支えながら、この会の終了を話す。

沙耶の隣には、優也がいる。優也の目線は沙耶だった。

「今日は来てくれて、ありがとう。また集まりましょー」

優也もお酒が回り楽しそうだった。その時だった。優也が沙耶の手を握りしめた。

沙耶は驚いて優也を見る。

「いいじゃん。時には」

優也は微笑んでいる。沙耶も、ゆっくり手を握り返した。

そんな手を優一は、朋子を支えながらも見ていた。


「今日は、お邪魔しました。朋子さんには、いつもお世話になりっぱなしで」

玄関先で優也は、優一にお礼を伝える。

「いえ、こちらこそ楽しい時間をありがとうございます。また集まりましょ。奥さまも一緒に」

その言葉に、沙耶は優一を見た。優一は何事もないような表情だった。

「沙耶?どうした?」

少し動揺してしまった沙耶に気遣う優也。沙耶は首を振る。

「何でもない。ありがとうございました」

頭を下げて、優一の家をあとにした。


優一は見送ったはずの玄関を、しばらく見てしまっていた。

「可愛いとか思ってるのー?」

リビングで休んでいた朋子が茶々を入れに顔を出してきた。

「何言ってるんだよ。よい夫婦だなぁと思って」

「ふぅん。ねぇ?」

「ん?」

ふと優一は隣に並んだ朋子を見ると同時に、朋子が唇を重ねてきた。

「したくなってきた、、」

朋子が甘える。だが優一の返事は、

「ゴメン。今夜は疲れた。まだ片付けもあるだろ」

優一はリビングへと行ってしまう。朋子は1人、玄関で立ちずさんでいた。


夜道を手を繋いで歩く優也と沙耶。沙耶の頭から、優一からの「奥さまも一緒に」という声が離れないでいた。

「楽しかったなー」

優也は何事もなかったかのように話し出す。

「そ、そうだね」

「朋子の旦那さんも優しそうだったし」

「うん。そうだね」

「隣で何を話してたの?」

優也は、立ち止まり真剣な顔で沙耶を見た。沙耶は驚きながらも足を止め、

「別に、他愛のない話だよ」

「許さないよ、おれ」

繋がれた手に少し力が入る。沙耶は優也を見る。

「沙耶が誰かに取られたりしたら、おれ、どうなるか分からないからね」

「優也?」

「早く帰ろ」

少し手を引っ張って歩く優也。沙耶は少し急いで後をついていく。


パジャマ姿で、優也に後ろから抱きしめられながら眠るベットの上。優也は静かに寝息をたてていた。だが沙耶は眠れずにいた。


朋子と優一は、二人とも眠れないのか互いに背を向けていた。朋子が口を開いた。

「優一?」

「ん?」

軽く返事を返す優一。

「私、諦めてないから」

優一は何も言えなかった。朋子は、そう告げると静かに目を閉じた。優一は何も言えないでいた。


それから1週間後。


銀行で書類をまとめている優也。そこへ朋子が寄ってきた。

「ねぇ。今夜空いてる?」

「え?誘ってくるなんて珍しいなぁ。沙耶に連絡を入れれば大丈夫だよ」

優也は笑っている。朋子は真剣な顔をしていた。

「どうした?何かあったのか?」

「夜に話すわ」

そういうと朋子は行ってしまった。優也も不思議に思いながら携帯を手に取り連絡を入れる。


外へと買い物に出ていた沙耶。優也から連絡が届いた。

【今夜、夕飯は外で食べてくる】

沙耶も返信を、その場で返した。

【わかった】

沙耶は、また歩き続けようとすると、とある建物から優一が出てきた。

沙耶は目線をそらすと病院だった。優一も沙耶に気付くもの、慌てて何かをカバンにしまい込んだ。

「よっ!」

沙耶は頭を下げた。優一が沙耶に駆け寄ってきた。

「買い物か?」

「うん。そっちは?」

「俺は、、取引先が近くだったんだよ。あ。そういえば、こないだは楽しかったなぁ」

優一は少し話を逸らしたものの、沙耶も返事を返す。

「うん、楽しかった」

優一は沙耶を見る。沙耶は笑っていた。その笑顔に、ほっと何かを感じた優一。

「うん。あ、この後、まだ得意先と時間が空いて、30分ぐらいだけどお茶でも付き合って?」

「う、うん」

沙耶は一瞬、戸惑ったものの優一と歩き出した。


とあるカフェ。優一と向かいあう沙耶。だが会話がなかった。優一が口をひらいた。

「なんか改まると変だな」

「うん」

沙耶が頷く。

「けど、また会えるとは思わなかった。あれから心配してた」

「ごめんなさい」

「あ、謝ってほしい訳じゃないから!元気そうで良かったよ」

優一が優しく微笑んだ。沙耶も、その笑顔に安心していた。

「うん。体も復活してきた頃に、今の旦那さんに出会えたの」

優一は返す言葉が見つからなかった。沙耶も、ハッとして言葉を詰まらせた。

「よかったな。今の旦那さんに出会えて」

沙耶は何も言えなかった。

「俺も沙耶と別れて、しばらくしてから朋子に出会って、結婚し、今に至る感じかな」

「朋子さん、明るくて楽しい人だね。優一に、ぴったりな感じ」

「沙耶の旦那さんも優しそうじゃないか。ちゃんと沙耶の事、想ってる感じが伝わってきたよ」

「そうかなぁ」

2人の他愛のない会話が続き、重かった空気は、いつしか和やかになっていた。



賑やかな居酒屋。お酒も進む朋子。優也も少し飲んでいた。

「で、話って何だよ?飲んで、食ってばかりだぞ」

優也が朋子に問いかける。朋子は残っていた酒を飲み干した。

「おいっ!少し飲みすぎだぞ!」

優也が、その手を止めた。と、その手の上から朋子が手を重ねた。驚く優也。

「私、嫌なの!」

「へ?なにが?」

分からぬままの優也。朋子は言い続けた。

「このままの生活は耐えれないの」

優也はなにも言えなくなった。朋子は優也の手を払いのけ、朋子が口をひらいた。

「優一に出会って、すごく、すっごく幸せよ。結婚もして毎日、一緒に居られて、すっごく、すっごく嬉しいの」

「惚気か?」

半分、優也が呆れているが朋子の口は止まらなかった。

「けど、その後から何もないの!何の変化もないの!!私も優一も働いて、働き続けてて、帰って、ご飯を食べて、テレビをみて、お風呂入って寝て、起きて、会社に行って、帰ってきての繰り返し!!」

優也は黙って聞いていた。

「このままの生活も感謝してる!もちろん贅沢だって言わない!けど、けど、私、ちゃんとしたいの!家庭をもちたいの!」

「朋子?」

口調も荒く、大きくなっていく朋子。周りの視線が少しずつ痛くなる。けど朋子は気づかず。

「けど、優一は、そんな事、これっぽっちも思ってない。今のままでいい。って!私は一体、何なのよ!側にいるだけ、側にいるだけじゃ嫌なの。もう、嫌なの!」

「わーかったから、朋子!とりあえず落ち着こ」

周りの視線が気になりだす優一。朋子は落ち着く様子も見られず。

「分かってない!優也も分かってないじゃない!」

優也は呆れて、朋子を抱き抱え、とりあえず店を後にすることにした。


おぼつかない朋子の姿勢を支えながら夜道を歩く優也。朋子は静かに口をひらいた。

「私だって、女なのよ。わかってほしいじゃん」

「女だって事は、旦那も分かってるだろ」

軽く遇らう優也。朋子は優也を見た。顔が近くなる2人。優也は慌てた。

「な、なんだよ。今、離したら、転ぶぞ」

「優也は?」

優也は朋子を見る。朋子は真剣に優也を見た。

「なにが?」

「奥さんと、してるの?」

その言葉に目が泳いだ優也。朋子が口をひらいた。

「パパになりたい!とか思わないの?」

「お、俺は、沙耶と2人で居たいから。パパとか、子供とか考えてない」

「なんで?」

「なんで?って」

優也は言葉を詰まらせた。その様子に朋子は不思議そうに優也を見ている。

「優也、してないの?」

真剣な顔で優也を見る朋子。優也も朋子を見続けたが、話をそらす。

「タクシー捕まえるから、帰れよ」

優也がタクシーを捕まえようとした時だった。

「いいよ、しても」

朋子が優也の首に両腕を回してきた。驚く優也。

「したくなったら相手するから、私の相手もして?」

「な、なにを言いだすんだよ、飲みすぎだぞっ」

動揺する優也。するとタクシーが止まった。

「じゃあねー」

そう言うと朋子はタクシーに乗り込み行ってしまった。優也は立ち尽くしていた。


既に電気は消されていた。寝室を覗くと沙耶が眠っていた。静かに沙耶の寝顔に触れる。沙耶が目を覚ましたと同時に思わず口をふさいだ優也。その突然の行為に驚く沙耶。

「ど、どうしたの!」

優也は、そのまま沙耶の上に覆いかぶさる。沙耶は驚き続けた。

「沙耶の事、抱きたい」

「優也?」

「沙耶」

沙耶は驚いた顔して動けず、何も言えなかった。と優也は優しく微笑みながら沙耶の頭を撫でた。

「ゴメン。少し飲みすぎた」

そういうと優也は、そのまま沙耶の横で布団に、もぐりこみ眠りについた。沙耶は、しばらく驚きのあまり眠りにつけなかった。


明かりがついていたリビング。朋子がリビングに入ると、優一がソファで眠ってしまっていた。

「ただいまー」

優一の顔に触れるもの起きる気配がなかった。朋子は、その横に座り込み優一の寝顔を、じっと見つめていた。


銀行に出勤。優也は、朋子の姿を探していた。朋子が後ろから声をかけてきた。

「おはよう」

優也は驚いた。

「お、おはよう、あのさ」

優也は昨夜のことを話そうとすると、

「昨夜のこと、忘れて」

「え?」

「と言いたいけど、あれが私の本心。私は、優一としてないし。奥さんとしてないなら分かるでしょ」

優也は何も言えなかった。

「今夜、ためす?」

優也は驚きのあまり朋子を見た。朋子は真剣に優也を見ていた。

「今夜って」

「そうだね。ブレーキ効くみたいでよかった。じゃ」

そういうと朋子は、スタスタと歩いて行った。優也は何も言えなかった。


沙耶が洗濯物を干していると電話が鳴る。

「もしもし」

「番号、変えてないんだな?」

優一だった。沙耶はソファに腰を下ろした。

「う、うん、変えたら色々と面倒だし」

「たしかに。あのさ、またお茶でもしない?」

「え?」

「なんか一度、会ったら会いたくなる」

朋子は何も言えなかった。優一が言い続ける。

「迷惑かな?」

「迷惑じゃない!」

沙耶は、咄嗟に、そう返答していた。その言葉に嬉しさを感じた優一。

「よかった。その気持ちだけでも嬉しいよ。今日は、やめとくわ。また連絡する」

「うん」

電話は切れてしまった。沙耶は切れた携帯を握りしめていた。


「おつかれ様でしたー」

朋子が退社しようとしてた時だった。

「朋子!」

後ろから優也に声をかけられた。

「一緒に帰らないか?」

朋子は優也の様子を伺っていた。

「なんだよ?」

「ゴメン。今日は買い物に寄らないといけないし、一人がいい」

「あ、そう」

「じゃあね」

そういうと朋子は、スタスタと足早に帰っていった。その後ろ姿を優也は、じっと見てしまっていた。


「ただいま」

優一がリビングに顔を出すと、朋子が料理を作っていた。

「あれ?今日、早かったの?」

「うん。だから、いっぱい作ったの。食べよ」

朋子はテーブルに料理を、四、五品並べる。向かいあって食べる食事。

「いただきます」

それぞれ箸を進める。だが、これといって会話がなかった。


沙耶と優也も向かいあって夕飯を食べていた。

「今日は中々、お客さんとの都合がつかなくてダメだなーって諦めてた所、新規のお客様があったりして」

優也が仕事の話をしており、沙耶は、それを聞いていた。

「ノルマがあったりするだけで、もう疲れるよなー、本当」

優也の仕事の不満の話が多かった。それを沙耶は相槌を打ちながら聞いていた。


会社の昼休み。朋子と優一は、ランチがてら街を、ぶらついていた。と、目先に優也がいた。

「あ、優也だ!」

朋子が駆け寄ろうとしていた時。足が止まった。その様子に優一も気づいた。

「なんで?あの二人?」

朋子と優一は立ち尽くしていた。


「おまたせ」

優也が沙耶に駆け寄る。

「ううん、私も今、来たところ」

と沙耶が優也に話しかけようとすると、後ろから声がした。

「優一!」

驚いて後ろを振り向くと、そこに朋子と優一がいた。沙耶の表情が曇った。

「何してるの?」

朋子は優一に腕を回して問いかける。

「えっと」

優一が返答に困っていると、優也が沙耶の手を握った。

「お昼まだなんだろ?一緒に食べよう。ご主人も、どうですか?」

優也が優一にも声をかけた。

「そうだよ!4人で食べよう」

朋子も、その誘いに乗っかった。


朋子、沙耶は隣同士。向かいに互いの旦那が座る。ファミレスだ。

「お昼休憩、残り少ないから、私、サラダぐらいで良いかも」

朋子が口を開く。優也も口を開く。

「そうだなー。あ、今夜って予定ありますか?もし良かったら、家で夕飯、食べませんか?」

「いいの?!」

朋子は沙耶を見た。沙耶は少し驚きながらも頷いた。

「じゃあ、優一、仕事終わったら連絡するから2人で、お邪魔しよ」

「いいのかな?」

心配そうに聞く優一とは、裏腹に優也が、あっさりと受ける。

「ぜひ。あ、沙耶、俺も手伝うから買い物だけ頼んでも良いかな?」

「う、うん」

沙耶は頷いた。あまり良い反応を見せなかった沙耶に優一は心配していた。そんな心配顔を朋子は、うっすら見ていた。


沙耶は買い物を済ませ、台所で食品を並べていると、

「ただいまー」

優也が帰ってきた。

「おかえり。今、買い物から帰ってきたところで、これから用意しようかなって」

「手伝うよ、その前に携帯、貸して」

沙耶は何も言えなかった。優也は表情、一つ崩す事なく沙耶に問いかける。

「見たら、ダメなものでもあるの?無いよね?だいたい料金、払ってるの俺だし、旦那だし、見る権利はあるよね?」

優也が一気に問い詰めた。沙耶は、しぶしぶ携帯を優也に差し出した。

「同じ機種で良かったよね、分かりやすいもんね」

慣れた手つきで携帯チェックをする優也。沙耶は料理を始めた。

「みーつけたっ!これだよね?優一って」

携帯の表示は、優一の連絡先。沙耶が口を開く。

「別に、これといって何もないよ?」

「あってからでは遅い!消しても不自由しないでしょ?」

沙耶は返す言葉がなかった。

「電話帳を、一件、一件は見てなかったから今まで分からなかったけど、着歴を見たら知りたくなくても、知れちゃった。消してもいいよね?困る?」

「困らない」

そういうと優也は迷いもなく連絡先を消去し携帯を沙耶に返した。

「心配だから。もう傷つかなくて済むように、俺が守るから。ねっ」

そういうと、優也も沙耶と一緒に台所へと立つ。

「お皿でも出しておくね」

「うん」

沙耶は返事しか出来なかった。


「お邪魔しまーす」

朋子と優一が遊びにきた。テーブルには色んな食事が並べられていた。

「美味しそう!沙耶、ありがとう」

朋子が嬉しそうにお礼を伝える。沙耶は首を振る。

「こないだの食事には敵わないけど」

「なに言ってるの!あれは、ほとんどが惣菜品だし。こんな手料理を毎日、食べれる優也は幸せ者だね!」

優也も嬉しそうに笑っていた。

「有難いと思ってるよ。沙耶と結婚できて俺は幸せだねー。って、優一も幸せだろ?朋子と一緒に居られるんだから」

沙耶も朋子も優也も、一斉に優一を見た。

「も、もちろん」

優一は微笑んだ。その様子に、

「本当?!良かったー、優一に、そう言ってもらえて私も幸せー」

朋子は、優一に抱きついて甘えていた。優一も照れながらも嬉しそうだった。

「さぁ、座って、食べて、飲みましょ」

優也が座って食べるように誘導して、食事会が始まった。

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