遂に遂にっ!新キャラ御登場だよっ!
さあさあ決戦の時は来た。…………訳じゃないけど、何か緊張してきたわ。母親かあ。リヴィアってめっちゃ美人だから母親もとんでもない美人なんだろうな。はあ…………ついついBBAって言っちゃったらどうしよう!いや前世は言わなかったけど脳内ではBBA呼びだったし、ついうっかりする前に逃げまくってたから大丈夫だったけどそうはいかないよねえ。はあ…………世知辛い。
「お嬢様。お嬢様?着きましたよ?」
「えっ!おっおう!」
おっと、ついついぼうっとしてしまった。まあ母親と会うだけだしそんな重要なイベントじゃないでしょ!田舎臭さをひたすら隠して乗り切ろうっと。
コンコンとレイちゃんがノックをすると重厚な扉が両開きにゆっくりと開かれた。扉の両脇からずらりと使用人達が並んでいた。奥にいくにつれてお付きの侍女や家令、侍女長が並んでいた。
わお、圧巻だあ。っていうかこんな並び方なんだ。この家は大々的な代替わりをして貴族らしからぬ方法で国の勢力をバンバンに広げていった事でとんでもない勢力も公爵家自身も持ってるんだよね。15歳の乙女ゲーム時点の話でだけど、この時から土地の大きさも見ると凄かったんでしょ。っていうとこんな並び方するルールなんてする必要もない筈だけど。もしかしてあの公爵家のトップ連中にも知らせなきゃいけない事とか?!ひいっ、それって絶対乙女ゲームに関係することじゃん!無理!無理だから!
いや待てリヴィア。まだそうと決まった訳じゃない。只魔法学校の旧友同士で楽しくお茶したいだけかもだし!親しく喋ってるの見たことないけど!きっとそうに違いないさ!はっはっは!
「あの、お嬢様?お嬢様!うんうん頷いてないで早く歩いて下さい。ほら!」
「おおう!YES!」
思わずそう言うとぎこちなく歩いた。ううっ、椅子までの道がとんでもなく遠い…………あと侍女長の視線がえげつないないんですけど!誰かお助け!ちゃんと歩けって目が言ってる!はっ、前向いて歩けとも言ってる!グイっと顔を前に向けると一番近くにお父様がいた。その横にお母様らしき人が。
勝気そうな朱色の瞳と豊かなストレートの髪は母とは、公爵夫人とは到底思わせない覇気があった。
さすがこの子にこの母有りだね。めちゃ美人。
…………ってあれ?
「お父様お母様?その方はどなた?」
「良い質問だね。リヴィア。今から説明するからお座り。」
「はい。分かりましたわ。」
そろそろと席に着くとその女の子がニコッと笑いかけてきた。へらりと笑いかえす。
ウェーブのかかった暗いピンクの髪はレイちゃんくらいの髪の長さでリヴィアに負けず劣らずの透き通った白い肌はこれまたピンクのレースで縁取られたロリータのワンピースによく合っている。ウルウルとした水色の大きな目はときめかずにはいられない。一言で言うと
「これはヒロインに勝てるんじゃね?」
「うん?どうかしたかい。リヴィア。そう言えばこんな朝早くに起こしてしまってすまないね。」
「はっ、いえそんな事ありませんわ。あとお母様、お帰りなさい。」
「久し振りね。リヴィア。こういう時はただいま、と言うべきなのかしら?」
「そうだね。ロネ。では早速本題に入ろうか。リヴィアのお母様の実家の領地はね魔法を得意とするこの王国でも珍しい身分関係無く魔法能力が強い人間が多く誕生する土地でね、父も私も従兄弟がいないし遠すぎる分家は分家の役割が定められていて私の跡取りは私の子供しか難しいからより公爵家に相応しい者をお母様の土地から見つけて来てもらう事になったんだ。リヴィアが他に嫁ぐ事になったら跡が継げる者を、公爵家を継ぐのなら婿になってもらおうと思ってね。」
「…………は?えっと色々質問したい事が幾つかあるのですがよろしくて?」
「「もちろん(だ)よ。愛しい我が子。」」
「えっとこの方女の子ですわよね?私女の子でしてよ?」
くうっ。前世のガサツさがこんなところででるなんてっ!リヴィア悲しいよ!
「「レオンは男の子よ。」」
横できゃっとレオン(仮)が恥ずかしそうに顔を隠した。KAWAIIネ!
「いやいやこれはないでしょう!間違えてらっしゃいますわ!」
「私は正真正銘の体も心も男の子ですわあ。…………多分♥」
ぶりっ子ポーズが尚更レオンちゃんの可愛さを目立たせていた。ウルウルとした目が下からこっちを見つめる。
「お嬢様。お気を確かに。」
レイちゃんが耳元に口を寄せて呟いた。おおっ、イケボが耳元に!み、耳が妊娠するっ!(妊娠しません。)
「お嬢様!」
「はっ、あとはですね。何故今なのでしょうか?その、お父様ともお母様はまだお若いですから幾ら多忙とはいえ二人目もつくる事は十分に可能ですし、お父様の言う男性だって見つかるかも知れないですし。いくら何でも早過ぎると思うのですが。」
「うん。リヴィアの言う事は理にかなっている。本来ならそうしたかも知れない。でもね、リヴィア。私達はリスクを徹底的に無くしたいんだ。今このオールシー公爵家はかなり勢力を広げてきている。だから裏の噂を広めようとしたり失脚させようと動く貴族達も出てきている。気にいられようと媚びてくる貴族もいるけどね。勿論私達もそんな罠にかかりはしない。けれど今回だけは万全の用意をしなければならないんだよ。もし二人目が息子ではなく娘だったら?もし何とかできたらいいけれどそもそも生まれなかったら?ロネと私は魔力が高いから流産しやすい。それにこの家と釣り合う家なんてもう数える程しかない。これは非常事態なんだ。分かるかい?」
「はあ…………分かりましたわ。でも婚約者ではないのですわよね?」
「うん。一応婚約者候補もいるしもしもだね。」
横にいるレオンをちらりと見る。間違いない。この子は攻略対象だ。多分。男の娘キャラ「このとき」に出てたんだ…………見たことないんだけどなあ。脳内にハッとすっかり忘れていた情報が思い出される。
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<このとき攻略のすすめ!>
1:何か隠しキャラめっちゃ多いんですけど。
2:だよねー5、6人はいた。
3:マジかよ。ワロタ(^…^)
4:
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ああーーー!そういえば攻略サイトに書いてあった!
「さあもう食べようか。」
ゲームでのオールシー公爵家一家がそろうなか始まった朝食はまだまだ続く。
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いつも道理の更新に戻るとか書いておいてすいません!少しずつ頑張っていきますので応援よろしくお願いします!