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リヴィアは逞しく生きるよ!(レイ:えっ本当にその題名で良いんですか?)

外はまだ薄暗く人一人としていない。

今起きているとしたら、料理人か生真面目な侍女長かどこぞの悪役令嬢くらいだろう。


そう悪役令嬢である。


リヴィアはまるで天国にいるようなフッカフカのベッドから決死の思いで這い出るとそっと机の引き出しを開けた。


あれから大人しくレイちゃんと読書してたけどやっぱりあのレイちゃんルートは調べておかないといけないよね。

思いっきり腕を突っ込んでゴソゴソと引き出しの奥を探る。

おっ、あったあった。えっと確か一枚目に書いてあったよね。指で文章を伝っていく。


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レイルート←重要!

・転生してから多分1週間以内レイルート達成率100%になると出てくるイベントがあるはずです。ヒロインとレイが裏庭で出会うのは(十二色の魔法水の噴水の近くにある花壇の茂み)レイのイメージカラーでもある青色の花の花壇-----------------------------

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すっと立ち上がるとむんずと近くにあったクッションに顔を突っ込んだ。

「無理ゲーじゃねぇかぁーー!!」


どうしよう、どうしよう。一週間以内。完全に詰んでる。多分この世界の乙ゲーのストーリー干渉力は相当強い。この体の前の主の手紙から何となく分かる。いくら阻止したとしてもヒロインとレイちゃんは近いうち何処かで出会うだろう。となるとイベントそのものの発生を防ごうとするのは無駄骨だ。


リヴィアはノートっぽい紙束を取り出すと無我夢中で書きなぐっていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1:レイちゃんルート (私にとっての)バットエンド回避方法


・ヒロインの悪口をそれとなくレイちゃんに言い続けて好感度をあらかじめ下げておく。

・事前の計画通り、二人の恋を応援する提でいく。

・二人が出会った瞬間に二人の間に茂みからモモンガの如く全身で飛んで出てきて注意を逸らす。

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ふうっとりあえずこのくらいだ。本当は二つ目の方法を即選択だろうけど……レイちゃんって直ぐ何か企んでると気付いちゃうからなー。嘘ってばれて信用が無くなるとバットエンドにそれこそ一直線だし。となると一つ目も安全とは言いがたい。くっ、この手段は使いたくはなかったがもうこれしか後がない。物理的に二人の距離が離れるモモンガ戦法でいくしかない。真面目なレイちゃんなら主が大ジャンプしながら転がってきたら放って置くことは出来ない筈だ!

………出来ないよね?う、うん。出来ないと信じよう。し、信じるよ!

でも勢い余って顔に傷付けたりでもしたら社交界に出たときにとんでもないことになる。レイちゃんに迷惑がかかってしまうだろうし、フカフカの土の上にダイブしなきゃ。何回か練習する必要が有りそうだ。あと下見もしなきゃ。えーと早急に取り組むこととしてまずフカフカの土の大量設置。あと場所の特定と隠れ場所の決定。もしもの時のために2,3箇所は考えておかないと。その為には庭師に相談してみなきゃ。後は…


コンコン。ショタならではの変声期前の涼やかな声が聞こえた。

「お嬢様。失礼しても宜しいでしょうか?」


えっ。ヤバいこれ見つかったら確実にばれる!

急げ!急げ!


「寝てるでしょうし、入りますね。……………………って何してるんですか?」


「へ?」


「なぜネグリジェが異様に膨らんでいるのでしょうか?…………ひょっとして何か隠してます?」


「なわけないっわっ!昨日食べ過ぎてお腹が膨らんでるだけだよ!」

ちょっ、ヤバいやん!けど上手い事言えたや!ふうっ。


「突っ込みどころ満載ですけど…………まあいいです。」


「…………ばれてるなら貴方ならまた取り乱すと思った。」


「一応私もちょっとは分かった事がお嬢様のお陰で分かった事があるんです。それに僕の価値以前に隠し事があるのはお互い様でしょう?私はお嬢様が秘密の事で頼ってくれるまで待ちます。」


そう真っ直ぐな瞳でレイちゃんは見つめてきて言った。

やばい。天使過ぎるわ。


「有難う。レイちゃん。じゃあ私も待つことにするわ。」


「有難うございます。ところで割と言葉も使える様になってきましたね。昨日延々と公爵令嬢の恋愛小説を読ませたかいがありました。」


なん?わ、私は何も聞かなかったヨ。知らないシラナイ。

ひゅうひゅうっと口笛を吹いてごまかす。(吹けてないけど!)


「相変わらず変なことしますね。ほら!さっさと支度を済ませて下さい。今日の朝食は食堂に全員で召し上がるとのことですから。」


「あり?って事はお母様帰ってきたの?」


そそくさとネグリジェの中にあるノートを引き出しに入れながら聞いた。


「はい。今さっき帰っておられたようです。何やら重大事項のようで。」


そう言いながらレイちゃんは無慈悲にもズルズルと乙女としての処刑場に(姿見の前)引きずられる。ううっ、これ毎日やってたら乙女としての何かが失われる気がする。でもレイちゃんは仕事でやってるだけだし我慢だ。リヴィア。


「重大事項って?」

出来るだけ何も考えまいと更に聞く。


「さあ?侍女長や執事は何か知っているかも知れませんが。私は何も。来たばかりですし。奥様も帰って来て旦那様とお話しされているようで会っていないのですよね。」


「へえーー」


すっかり脱がされ無防備な肢体があらわになった。平常心。平常心。


あっという間にドレスが着せられ、ドレスの紐がぎちぎちと絞められていった。ううっ、今はまな板だからちょっと締め付けられるだけだけど乙女ゲーム(成長した章)が始まったらあのリヴィアの具合は凄い事になりそうだな…………あれで攻略対象釣れれば楽だけど

…………ヒロインの方がデッカイんだよね…………

いや別にね?別に?リヴィアのがちっちゃいって訳じゃないんだけどね?ヒロインのっヒロインのがねっ、でっかすぎるんだよ!ヒロインに勝ってるところってゲーム当初のステータスと魔法学園の成績だけじゃん!顔は五分五分!


「どうしました?そんな悲しげな顔をされて。お腹すきましたか?」


「将来の挫折よ…………」

ぐっ、男子共には到底分からないさ。けっ。


「何か拗ねてます?」


レイちゃんが紐をギチッとさせながら私の首元から顔を覗かせてきた。サラサラな淡い黄色の髪が肩にかかってこそばゆい。

密着度な!有難う!神様!リヴィアは幾らヒロインにお胸で負けようと逞しく生きてゆきます!


「ありがと!レイちゃん。美少年パワーで元気が出たわ!」


「はあ。元気になったのであればもう何でもいいですよ。」

そう言いながらレイちゃんは私の髪の整えに移るとサイドの髪をまとめていった。緩くまとめられていくのでどことなく柔らかい印象を受ける。


乙女ゲームのリヴィアはストレートに髪をおろしてて、目がぎらついてるからキツイ印象だけど今のリヴィアは可愛いや。ふっふっふっ、ゲームの干渉もここまでは無理でしょ!元々の髪がストレートだから良かった。


「喜んで頂けて光栄です。」


あ、笑った。天使。


「ではもう支度も済ませましたし、行きましょう。」


「うん。」




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大変大変長らくお待たせいたしました!そして出せなかった新キャラ!私のおバカ!次は必ず出しますのでご了承下さい!本当ごめんなさい!あと、テスト終わりました!更新が通常ペースになると思います!



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