前世の私は石油王で正室と側室、愛妾がいました。(これは非リアの妄想です)
…………何だか…………ふわふわした気分…………
雲の様な優しい感触がそっと額に触れた気がした。…………これはまさか…………
「煌めきの王子さまっの宇津木君の抱き枕!?」
「誰ですか。その方は。起きたと思ったら急に叫び始めるなんて…………もう一回寝ましょうか。」
はっ。何だ夢か。いやーあの感触は確実に宇津木君の抱き枕だったんだけどなー。あれ?私ちゃんと枕下に引いて寝てる。昨日もだけど前世の時からいつも枕なぜか起きたら顔の上にあるのに。
「大変でしたよ。少しでも目を離したら枕が顔に乗ってるのでその度に枕下に引いて。5、6回は繰り返しましたね。」
なるほどね。泣きたい。
「有難う。もう大丈夫よ。お腹空いたんだけどなんかない?」
ん?なんかめっさジトーとした目で見られてる……
「何かね?レイちゃん。もしかして私の美貌に見とれてる?」
「いや。それは無いのですが、お嬢様って喋り方統一されていませんよね。恐らくさっきの方が素なのでしょうが貴族達に付け入る隙がそれでは生まれてしまいますよ。まあ3時間ほど前に言いましたけどね。」
突然のさり気ないリヴィアちゃんの美貌への自信を削られる一言にダメージをくらいながら、えー、抗議した。
「大丈夫さ!これからマナーとかのレッスン頑張るし。っていうか貴族達に付け入る隙与えなきゃ良いんでしょ。それならレイちゃんといる時くらいこの喋り方でもいいでしょ!」
「まあ。確かに…………お嬢様が言うのであれば。」
ふっふっふっ。これで基本的にゆったり話せるぜ。しかもそういう話の流れの中でレイちゃんのヒロインちゃんとの恋バナとか聞いちゃって?それを基にリヴィアのバットエンド回避しちゃえばいいわけよ!とその前に
「お腹空いた!食堂に行けば何かあったりしちゃう?」
「あったりしちゃうも何もお嬢様の体調が優れないので昼食は食堂では食べられないと言っておきましたので、この部屋で食べます。」
「え?マジで?最高じゃん!ついてるー。」
「いやついてるじゃないですから。ほら此処に温めてありますからもう喋らずにそこで大人しく座ってて下さい。」
そう言うとレイちゃんはいつの間にかワゴンを持って来てスープとパン、湯気のたったハーブティーを用意した。
「あれ?このハーブティーりんごの香りがする。いい香り~」
そう言うとレイちゃんはふっと嬉しそうに顔を綻ばせた。
「気付いて頂いて嬉しいです。私が入れました。熱いので気を付けてお飲みください。」
「…………そんな風に笑えるんだ。いいね!可愛い!」
「男児に向かって可愛いとは…………そこはもう少し上手い事言えないですかね。」
いや。驚いたし可愛いもん!やっぱある程度正直に言わないと暗殺とか断罪とかも気付きやすいと思うんだよね!
「…………何か企んでます?まあ大した事考えてないと思うので構いませんが。」
「す、すわあーー!?別にそんな事考えていないよ!それに何か私馬鹿にされてる?」
「何言ってるんですか?私と貴方は侍従関係ですよ。それは幻聴と言うのです。怒りますよ。」
「あっ。すみません…………まあいいや!そのハーブティー下さいな!」
「ハイハイ。どうぞ。再三言いますが熱いので気を付けて下さい。」
うーーん。いい匂いですなあ。そっとカップを握るとチビっとずつ飲む。
「ふえーーー。落ち着くわー。」
「ありがとうございます。はい。スープをどうぞ。」
すっとスープの入ったスプーンを差し出してくる。スプーンごと受け取ろうとするとレイちゃんはスプーンを離そうとせずにグイグイと私の口にスプーンを押し付けてくる。まっまさかこれは俗に言うあーんと言うリア充にだけ成せる伝説の奥義か?!おずおずと口を開けるとスプーンが入り込んできた。
「おおおおいしいDESU…………」
「良かったです。」
目を細めると彼はまたそれはそれは可愛らしく笑った。
…………新妻かよ!!
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読了お疲れ様です!レイちゃん可愛いなあ…………他にも思いつく限りのショタを出したいと思ってるのでお付き合い下さい!青年になっても可愛さは90%出して貰う予定です!