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ショートショート集

可愛い友達を紹介してもらう方法

作者: 宮本摩月

 男たちが血の涙を流す思いでようやく悟る経験則がある。それは、『可愛さ』不確実性原理だ。

 例えば、俺が知り合いの女性に、「可愛い友達紹介してよ」などと頼んでも、その女性より可愛い娘を紹介されるなどということはないのである。

 ならば、紹介してもらった友達に同じような依頼をした場合はどうなるのか? さらに可愛くない女性が紹介されることが、法則を応用することで予測できる。ということは、『可愛い友達紹介』を依頼し続けていけば、究極の『可愛くない友達』に行き着くのではないだろうか。……いや、想像するのはよそう。

 つまり、男たちが『可愛い友達』を紹介してもらうことなどありえない、というのが従来の定説だった。

 しかし、本当に無理なのだろうか。

 俺は夢追い人である。無理だと言われれば言われるほどに、夢を追い求めたくなる性分なのだ。それがどんなに険しい道であっても、夢に向かって歩み続ける。それが男のダンディズムってやつだ。

 可愛い友達を紹介してもらう方法を追い求めてきた俺はついにある方法を思いついた。正攻法で駄目なら、その逆をいけばいいのではないだろうか。

 先日、俺は彩香という知り合いの女の子にこう依頼した。

「ブサイクな友達紹介してよ」

 逆転の発想ってヤツだ。こう言えば、逆に可愛い友達を紹介してくれるにちがいない。

 今日は、その娘と会える日だ。もうすぐ約束の時間。彩香と共にこのカフェに来るはずだ。きっと俺は、あまりの可愛いさに絶句することだろう。



 カフェのドアが開き、女性二人連れが入ってきた。彩香の隣に立つ娘を見て……。

 俺は絶句した。


《終わり》

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 喫茶店で待つ間、どんな可愛い女が来るか、妄想を膨らまして期待を大きくもっていくと、落差が際立って良くなると思いました。
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