五話 抱きつかないで下さい!
やっとアリスは自室に帰ってこれました、まぁ私が説明させなければよかったのですがね。
てなわけで五話です、と言うか話数で数えてるのによく○○回って言っちゃってますね!アハハ。
「ただいま〜」元気に自室の扉を開け入る、ま、誰もいないんですけ「おかえりー」にゅにゃぁ返事!ビックリして変な声出ました、
てか一年生以外はまだ授業中のはずじゃ…
「あれ〜でも午前授業にしては遅かったね、アリスちゃん」
扉を、開けたまま固まっている私に話しかけているのは、もう一人のこの部屋の主、
イース・アザー・マアガ先輩だ、前にも言ったけどこの学生寮は相部屋だ、そして一年は六年と同じ部屋になる、これは同じ部屋で様々な事を学び、分かち合う為、と言われたが、
お姉ちゃん曰く部屋数の問題だそうな…
「遅かったって…六年生はまだ授業中じゃないですか!?なんでいるのですか!?」
「サボった、サボタージュした、めんどくさい」
…この人はそういう人だった、
イース先輩はこれまで一度もまともに授業を受けたことが無いそうだ、しかし彼女のこと知らない人は在校生の中にはいない、
それは彼女の異例で偉業で意趣返しとも言える成績が物語っている。
「出席日数ゼロにして、テストは満点、年三大会一位、学園史上最高成績かつ、最低出席数を、同時に更新中の化物、ついた二つ名はアザー、その意味は異端、まさに全生徒の思ったことを的確に表した言葉だね」イエーイとピースしながら言われても…
「自分で言いますか、それ」ほんと変わった人だ、何考えてるのかさっぱり解らない。
「ほらほら玄関に突っ立ってるままじゃなくて座りなよ、ここは君の部屋でもあるんだからさ」
「貴方が椅子使ってるじゃないですか」この部屋は狭く、椅子は一つしか置けない、まあ、この寮全部狭いらしいけど。
そう言うと彼女は部屋の隅にある二段ベッドを指差した、
「椅子がなくともベットに座るぐらいの知恵はあるでしょ?」因みに床に座る文化は無い。
「はいはい」よっと、やっと一息つける…
「アリスちゃんおかえり〜」ぶわっ!
「抱きつかないで下さい!」少し気を抜いた瞬間抱きついて来た。
彼女はよく私に抱きついてくる、部屋の中でも、学園の中でも、どこでもだ。
これがかなり恥ずかしいし、問題だ、一番問題なのが彼女が控えめに言って美少女だということ、
奇麗なブロントカラーの髪からいい匂いがして、笑顔が素敵、その美貌には男子だけでなく、女子も虜にする、やはりファンクラブがある、彼女自体は全く人目を気にしないので、廊下で会うと必ず抱きつかれる、すると周りからの嫉妬や、妬みの視線が痛いのだ、ホントに鬱陶しい。
「は、離れてください〜」「ん!なんだかアリスちゃんから変な香りがする、これは…事件の香り!なんか悩み事?全部先輩にまっかせっなさーい!」そんなドヤ顔しなくても…てか私は臭うの!?うわっ、眼がキッラキッラしてる…
「実は私はですね、今日の帰りに精霊から他の精霊達は『人間なんて私達を道具にしか見ていない!』と言っているらしく悩んでいるんです」
「何に?別弾普通のことでしょ?別の生き物なんだからさ、そりゃ同じ人間として見てないでしょ」
「先輩も精霊は道具だと思いますか」
「あれ、言わなかったっけ、私はアザーつまり異端だよ、そんな当たり前な考えしないよ〜妖精は、友人でしょ?」
「はい!」…一応慰めてくれたのかな…
「そういえば先輩の精霊ってどんなのですか?」「あれ?知らない?私、実は契約精霊いないんだ、特殊体質っていうのかな?変わりに周りの魔力を少し操れるんだ、そうして魔法を、使うわけだよ」へ〜…じゃあ精霊もいないのにこの学園で一番強いの!?
「それよりさ、アリスちゃん結局クラブどうするの?」「クラブですか…どうしましょう」
「あれ?異世界術の試験受かったんでしょ?てっきり異世界術かと思ってたけど…」
ええ、試験には受かったんですけど…
「というかいい加減離れてください!」
いつまで引っ付いているんですか!?
「もうちょっとだけ〜」はぁ…
私がなぜクラブ活動をこんなに決め兼ねているか、そもそも異世界術クラブになぜこだわるか、その理由の一つには入学した時の話しが関係してきます。
入学式が終わり、クラス分けが発表され、ロイと同じクラスだね、と話しながらクラスに向かっていたときです、この頃の私はまだ知らなかったんです、これからの学園生活に心を踊らせるピカピカの生徒達は物凄く都合が良かったんです、そう、クラブの勧誘に!
なにせ授業が始まれば噂などであのクラブはダメだ、とかあのクラブこそ素晴らしい!だとか根も葉もない噂が飛び交うので、それに惑わされない内にどのクラブも勧誘しときたいのです、
後に姉ちゃんが言ったことによると、クラブ人数が多ければ多いほど様々な実験を優先的に出来るそうで、どのクラブも必死なのだそうです。
ただ入学式なので余りに激しい勧誘をするとトラウマになってしまいますので、その辺りは厳しく決められていて、話しかけることすら禁止らしいです、なんでも勧誘で怪我をした人がいたらしく、接触、近距離での魔法は禁止という状況です、そんな中、先人達はは知恵を出し、近距離で魔法を使わなくとも目立つ方法を思いつきました、それが旗、です。
なんだよ旗かよ、と思うかもしれませんが、旗というのは実際かなり目立つものです、だからこそ地球でもこの星でも国のシンボルを表す旗があるのです、
まぁ欠点として風に煽られると読みにくいですが、そこは魔法で様々工夫がされていました、
例えばエレメントなんかは火や水の魔法で上空にクラブ名をデカデカと描いていたり、パペットも空中を翔ける人形に旗をつけて動かしたりと、クラブの個性をしっかりと引き出せていたと思いました。
唐突ですがこの世界にも言語はあります、私は子供の頃に転生してると知りましたが、しかしこの世界の言葉をある程度知っていましたし、今も勉強しています、
そんな風に異世界に順応している私ですが、日本語や英語も覚えています、
完璧ではないとは思いますが、一度習得した言語はやはり忘れないものなのでしょうか?まぁいいか、
それでですね、入学式のとき、各クラブかそれぞれの旗を振っていたわけですが、
その中で私の目を引いたのは異世界術でした、魔法も人形も使っておらず、ただ単に旗を降っているだけのクラブになぜそんなに気を取られたかというと、書かれていたんですよ、
その旗に『Welcome to word』って!驚いたなんて騒ぎじゃないですよ、まさか学園で元居た世界の言葉を見るとは!ともかくそのクラブが異世界術クラブと聞き、
私は考えました、えぇ、海より深く、山より高く!
一応前世では異世界転生物をよく読んでいたとはいえ、まさか私が、、
他人から馬鹿にされていた知識ですがやっと日の目を見せる時がきました!
で、その知識を使い、考えた結果、
私は「ぶわっ!!」私が華麗に結論を言おうとしたその時、急に私の右頬に衝撃と痛みが迸りました、一体何が!?
「おいコラアリスーボサっとすんじゃねぇー今授業中だぞー!」ああ、そうだった、今は体術の授業中だった…ドサッ
「うわぁぁぁ!先生、先生!アリスちゃんが、アリスちゃんが〜!」きゅ〜…「ん?ほっとけばいいだろ…じょ、冗談だって、はぁ、おいロイ、コイツ医務室に捨てておいて〜はい、他の奴らは再開する〜」
今回の、後書きはキャラとトークします!
呼ぶキャラはイース先輩!
「こんにちは〜イース・アザー・マアガです!アハッ!」
なんかキャラ違うような気がするんですが…
「気にしない、気にしない、キャラ付けなんてその場のノリですからね、というわけでトークに呼ばれたけど、これは前にアリスちゃんとやってたやつの続き?」
そ、なんとなくキャラ紹介を本人のまえで呼んでしようかと、
「でもそれ本文でしたよ?」「だったら裏話でもしますか」
「じゃ、私の裏設定を優しく!詳しく!分かりやすく!説明してね〜」
イース先輩は謎のあるキャラとして作りました、タダの天然っぽいけどスイッチのオンオフがピシッとして、決めるとこは決める!…みたいなキャラのつもりです。
「学園最強でもあるんだよね〜私、実際どれ程強いの〜?」
というか学園が、珍しい世の中なのにそれをサボるってだいぶイカれてるね、よく考えると。
「だって、面倒くさいもん」
いやいや、まず授業受けたことないんでしょ。
「…これオチなくない?飽きた!次回予告して終わろう!
次回はアリスちゃんが捨てられたとこからだよね?」
「そうそう…って違うよ!医務室にて目覚めるとこからだよ!」
「目を覚ますと見知らぬ部屋だった…みたいな?」
「全然違うよ!?」こんなキャラが最強でいいのかな…?
とりあえず次回も登場します!宜しくお待ちください!




