現代魔術は異世界をクロールするか : 数理科学による魔術の始め方
ジーニアスが、父の所有する魔法書を読んで至った結論は、数理科学、であった。
精霊という名前の『ラグランジアン密度で規定される物理作用場(スカラー場)』を仮定。状態空間表記される数式は特異値分解SVDを計算することでハンケル特異値が求まり、棄却可能な要素を削れば魔術方程式の計算リソースを大幅に節約可能。
魔術演算補助アプリケーションを立ち上げ、数理系の工学理論を駆使して、ジーニアスはこの世界唯一の現代魔術師へとなるのであった。
※空想科学[SF] 日間最高1位、月間最高2位(2021-07-23時点)
※数学・科学に興味が沸くような小説にしたいです。
※説明が至らないため読みづらい点があるかと思いますが、読み流していただけたら幸いです。
※この小説は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアップ+」に連載しております。
精霊という名前の『ラグランジアン密度で規定される物理作用場(スカラー場)』を仮定。状態空間表記される数式は特異値分解SVDを計算することでハンケル特異値が求まり、棄却可能な要素を削れば魔術方程式の計算リソースを大幅に節約可能。
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前書き
はじめに
2016/05/04 19:09
(改)
0.その名は現代魔術
プロローグ「俺は、チューリング完全で、計算完備であることを目指す。才能にこだわるほうがよほどちっぽけである」
2021/06/18 13:15
(改)
1.現代魔術師、迷宮の核を狙う
第一話「俺は自分の道を行く。そして、独学で全ての魔術を越えてみせる」
2021/05/28 22:09
(改)
第二話「マナが空間のエネルギーをゲージ変換したものなのであれば、それは変換の問題だ。無属性の俺が、各属性魔術を行使することが苦手なのだとしても、不可能ではないんだ」
2021/05/29 16:35
(改)
第三話「いいだろう。スプリットリング共振構造によって、透磁率、誘電率のきわめて低いクローキング領域を実現する、透明化技術について説明しようじゃないか」
2021/05/30 02:55
(改)
第四話「渦の発生過程は、最初は外から風を循環させる強制渦だ。だが渦がうまく形成できれば、バーガース渦に近似される。バーガース渦はナビエ・ストークス方程式から導かれる」
2021/06/01 21:45
(改)
第五話「有機チオ硫酸化合物。玉ねぎやニラなどのアリウム属植物のもつ化学成分。 赤血球や赤血球の中に含まれるヘモグロビンを酸化させる作用を持ち、還元型グルタチオンとの反応によって、溶解性貧血を起こす」
2021/06/02 20:14
(改)
第六話「……はぁー。魂の器が増えたのと、迷宮核の欠片からマナ・マテリアルがたくさん手に入ったことで良しとするかぁ」
2021/06/04 12:03
(改)
2.現代魔術師、魔術学院に入学する
第七話「アポロニウスのギャスケットを基本として、小円魔法陣に簡素化された魔術的意味を付与し、大円魔法陣全体の調和をとるために必要最小限の呪文を書き足して補強された、各種の精緻な魔法陣」
2021/06/05 10:32
(改)
第八話「なに、簡単じゃよ。聞き分けの悪い学生に、きつーいお灸を据えてやってほしいのじゃよ。お主が入試で書いておった魔法陣改良のお話をしてほしいのじゃ」
2021/06/06 12:05
(改)
第九話「さて、ここで伝達関数を見るだけでも安定か不安定かを見ることができます。極零相殺がない限りは、伝達関数の極を見るのが一番楽だと思います」
2021/06/07 20:23
(改)
第十話「入寮申請書を紛失した? じゃあ君、うちの学校の正規の学生寮には入れないよ。野宿でもするか、もしくは学校非正規の寮に入るしかないね」
2021/06/13 11:22
(改)
第十一話「とはいえ概日リズムの寄与だけでは信頼性が乏しいから、覚醒 - 睡眠調節因子として知られる、ドーパミンニューロンを活性化させるプリセット魔術を用意していた。寝過ごすのを防ぐためだ。わかるか?」
2021/06/14 20:00
(改)
第十二話「ジーニアス君を生徒会に勧誘するつもりだったのですが、まさか無視されるとは思いませんでした。……う、ウインクまでしたのに」
2021/06/15 20:00
(改)
第十四話「得られた、RBM(制限付きボルツマンマシン)の階層型ニューラルネットワークの出力結果が――あまりにもひどかった」
2021/06/19 20:00
(改)
第十五話「手法は、分散やχ二乗検定――例えば分散が0に近い変数はほぼ説明力がないと判断して削ぎおとし、おなじくχ二乗統計量が小さい(≒p値が大きい)ものは独立性が薄いとして削ぎおとす」
2021/06/25 08:00
(改)
第十六話「どうやら貴公は、聖教騎士団の騎士と戦うらしいぞ。秋の勝利凱旋祭の催しで開かれる御前試合で、貴公と聖教騎士が交流戦をするそうだ。うちの代表として負けるなとお達しがでているらしい」
2021/06/26 19:46
(改)
第十七話「生きている魂だったら、先祖代々刻み込まれた魂の情報があるはずなのに、彼にはその情報がない。脈々と受け継がれてきたものが何もないんだ。これなら、魔術の才能がないと言われている理由もわかるよ」
2021/06/28 20:06
(改)
第十八話「科学を積み上げ理論で殴る――現代魔術ってのはそういうものさ」
2021/06/29 22:12
(改)
第十九話「どれもこれも、この魔術学院に入学することができたからの出来事である」
2021/06/30 21:44
(改)
第二十話「八賢人の試練。もしよかったら、一緒に受けてくれる? 私、絶対に負けちゃうと思うから」
2021/06/30 23:14
(改)
閑話 現代魔術師のひとやすみ
閑話「一年を十二ヶ月で表すのが太陰暦だ。けど八年に三度ほど、十三ヶ月になる年がある。これを太陰暦では閏月としている」
2021/07/08 20:00
(改)
閑話「今回のような妨害魔術は、ほぼ一様にランダムに文字を変換させる程度の妨害しかしない。だからシングルトンの限界式をつかってシンボル数の訂正限界を見積もれば、概ねリード・ソロモン符号で訂正できる」
2021/07/11 13:00
(改)
3.現代魔術師、恋の悩みに応える
第二十一話「これこそが雄効果(male effect)と呼ばれるもので、フェロモンが作用して、生殖制御中枢の活動を促すという事象である」
2021/07/15 12:00
(改)
第二十二話「その金貨には魔法をかけておいた。友達を作るのが得意になる魔法だ。受け取れ」
2021/07/17 22:01
(改)
第二十三話「つまり、片思い中の男性に、なんとかこっちに向いてもらいたい、というわけだ。そこで俺が一肌脱ぐことになった」
2021/07/22 22:16
(改)
第二十四話「もしかしたら、ワッツ・ストロガッツモデルの場合、次数分布は格子とポアソン分布の中間となるので、スケールフリー性を満たさないことを気にしているのかもしれない」
2021/07/24 23:01
(改)
第二十五話「諸君らは吾輩の許可のもと、世界迷宮で活動が許されておる。つまり無許可の行動は死につながることを、ゆめゆめ忘れぬことだ」
2021/07/27 00:01
(改)
第二十六話「よっしゃ気持ちにまさるアドバイスはないね!! ファイト!!」
2021/07/30 23:15
第二十七話「マナマテリアルを加工した吸着デバイス。タコの吸盤を模して、普通の吸盤構造に微細なミクロの毛を追加して、壁の表面の微妙な凹凸にもぴったりとフィットする生体模倣技術の真骨頂」
2021/08/01 09:23
(改)
第二十八話「問題ない! 振動はすべて安定軌道を外れない! たとえこれだけ揺れてもリアプノフ安定条件を満たす、大域的に漸近安定だ!」
2021/08/03 20:27
(改)
第二十九話「俺からすれば精霊とは、誰もが参照可能な公共財産《パブリックドメイン》であり、汎用性の高い複数の術式をひとくくりにした機能モジュール群《ライブラリ》のことである」
2021/08/04 22:35
(改)
第三十話「透明になって部屋に押し入って、男装女性に媚薬を嗅がせて拉致したやつがいる、とか。女の子を媚薬漬けにして雁字搦めに拘束して、魔術で尋問したやつがいる、とか」
2021/08/07 00:21
(改)
4.現代魔術師、泥棒を探す
第三十一話「そして、解が一意に決まらない問題をヒューリスティックに解くため――その疑似脳を最も興奮させるように数値シミュレーションをした、プリセット呪術を仕込んだマナマテリアルのナノマシンの混合」
2021/08/07 22:27
(改)
第三十二話「その間に、法科学的な現場検証により真犯人を突き止める。唾、汗、髪の毛などの生体遺留物の採取、およびマナマテリアルを用いた指紋採集と、現場のカードの筆跡鑑定によって、絶対に暴いてみせる」
2021/08/10 14:23
(改)
第三十三話「パウダーによる検出の他に、シアノアクリレートを噴霧する方法がある。短時間で硬化する接着剤だが、これは指紋の成分と反応するんだ」
2021/08/12 19:17
(改)
第三十四話「ポリグラフ検査によってあなたのパーソナリティを推定する。血圧、脳波、呼吸が記録される。あなたはすべての質問に「いいえ」で回答する必要がある」
2021/08/13 19:16
(改)
第三十五話「んぁッ、ぅぅ、だ、騙されませんよ……ッ、先ほどから、金剛結界が、び、媚薬の仄かな香りと……こ、声を使った、ぁっ、感染呪術を、弾いています……ッ」
2021/08/14 20:36
(改)
第三十六話「お姉様。指輪とは、八賢人の試練に使う儀式道具です。すなわち――八賢人の候補にお姉様の名前が挙がっているのです」
2021/08/15 20:00
第三十七話「我がノタリコン、ゲマトリア、テムラーの真骨頂。音価だけでなく数価にも対応するヘブライ文字の特徴を利用した、カバラ数秘術による二重詠唱。この声は――そう、いわば心の泥棒」
2021/08/19 01:01
(改)
第三十八話「オルフィレウスの輪だっけ? ね、ね、あれってほぼ無尽蔵に魔力を取り出せるんだよね? 演算を魔力に交換してるから、時間さえかけたら極大魔術も使えるってことかな」
2021/08/19 23:19
(改)
第三十九話「学習すれば勝てる、というのが君の敗因だ」
2021/08/22 05:05
第四十話「我々は世界迷宮の卵を、貪り尽くさないといけない。世界のあらゆる地を旅して、争いを未然に防がねばならない。その道は苦難のものになる。それに耐え得ることができるか、実力を見せてみろ」
2021/08/23 21:02
(改)
閑話 現代魔術師のひとやすみ
閑話「ふふふー、運命だったら嬉しいなあって思ってるんですよ? 面影があったのでつい声をかけてみたのです」
2021/08/27 08:30
(改)
閑話「ゴシップストーンの頭部にある空洞に砂糖を捧げて、ひたすら甘ったるい惚気話を聞かせると、口から色のついた砂糖を吐き出すのだという」
2021/08/28 00:50
閑話「はん、今回の八賢人とやらは、政治的な事情とかを優先した、くだらねえ人選になってやがるみてえだ。……くそうぜえ」
2021/08/28 21:21
5.現代魔術師、魔物を狩る
第四十一話「感慨深そうにしみじみしているところ悪いが、貴公の部屋は爆発してなくなったらしいぞ」
2021/08/30 08:11
(改)
第四十二話「お兄様、なんでこんな治安の悪そうな場所に部屋を取ったんですか!? ここに来るまでに四回もガラの悪い人に絡まれましたよ!」
2021/09/02 00:06
(改)
第四十三話「重金属元素の中でも、銅は植物への有害性が高く、土壌有機物の影響を受けやすい」
2021/09/04 16:01
(改)
第四十四話「実は、第一階層の守護者を討伐して、第二階層に挑もうと思っているんだ」
2021/09/10 23:19
(改)
第四十五話「……迷宮の卵を指輪にしたものが、八賢人の指輪。迷宮と深く同化した存在の“成れ果て”を討ち滅ぼすために、彼らには迷宮の卵を孵して貰わないといけない」
2021/09/11 21:10
(改)
第四十六話「ホウ酸塩の濃度が高まると、細胞は代謝反応が鈍化する。つまり、体内の栄養をエネルギーに変えることができずに、死に至るのだ」
2021/09/12 20:03
(改)
第四十七話「屍を食べながらも、女王はせっせと卵を産んでいた。目算のフェルミ推定になるが、恐らく五〇〇近くの卵がクイーンのそばにある」
2021/09/15 22:13
(改)
第四十八話「お兄様お兄様お兄様!!困ります!!あーっ!!!お兄様!!困ります!!あーっ!!!困ります!!あーっ!!!!困ります!お兄様!!困ります!!あーっ!!!あーっおお兄様!!」
2021/09/18 16:03
(改)
第四十九話「外骨格をずたずたに削り取られ、終わりのない渇きの責め苦に苛まれて、さらに代謝系をほぼ阻害されて――それでも女王は己の矜持にかけて、死の間際でも生にしがみついている」
2021/09/20 19:19
第五十話「みんな、触手に身を預けるんだ! むしろ触手に取り込まれたほうがキラーアントの攻撃が届きにくくなって、状況をいったん立て直せる! 展開型非協力的ゲームにおけるリスク支配的なナッシュ均衡だ!」
2021/10/03 15:41
第五十一話「有風時のパフ型の拡散、すなわちフィックの分子拡散の方程式に乱流としての統計的取扱いを導入することで、それは実現される」
2021/10/13 02:05
(改)
第五十二話「肉体の癒合が不完全な今が、最後の勝機」
2021/11/28 12:44
(改)
第五十三話「それって、俺に尻を差し出せ……ってコト!?」
2021/12/10 18:30
(改)