非通知
家に戻ると、俺はすぐにパソコンを開いた。
目的は…まぁブログ書きなんだけど。
[今日来た後輩、知り合いにそっくりで、チョービビった!!]
これで、送信っと。
家でパソコンを睨みつけてる風景って、本当にさみしい独身男って感じなんだろうな…。
「はぁ~…。」
ついため息が漏れる。
プルルルル~♪
ん?着信…誰だろ…?
…非通知?
「はい。」
「あ、西島先輩ですか?坂井です。」
あ、なんだ、コイツか。
「どうした?こんな時間に。もうかえってるだろ?」
俺が尋ねると、少し間が空いてから、嬉しそうな声で答えた。
「実は、帰りに会社の名簿で、確認して、連絡入れてるんです。良かったら、この番号登録お願いできますか?」
「なんで?」
「色々教わるのに、とっさに連絡ができないと、不都合かと思ったので。」
あ、そう言う事ね。
…それだけ…か。
「あぁ。」
ボソッとそう返した俺に、坂井はまた嬉しそうな声で、「有り難うございます!ではまた!」と言って、話すだけ話して、ブツっと切った。
おいおい、もっと上手に切るもんだぞ、電話って。
まずここから教えないといけない気がする。
ふわぁ、ってもう1時過ぎてんじゃねえか!!
早く寝よ…。