12話~新しい朝~
よ、ようやく日常に、多分短いです……
あれから、少し時間を掛けてようやく人里についた。
まあ、ゆっくり飛んでいたから、仕方ないが……
そして、今は……
「……それで、説明してくれるか?」
……先生がお怒りだ。
「あ、えっと、この子は」
「はじめまして、フランドール・スカーレットです、フランって、呼んでください」
「ふむ、礼儀の正しいいい子だな、私は上白沢慧音、慧音で構わないよ、よろしくな、フラン……それで、綾香、説明してくれるか?」
「えっと、その、はい……」
私は、大人しく紅魔館での出来事を説明することにした。
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「ふむ、なるほどな……」
「えっと、そうゆうことなので、フランに危険性は……」
「ああ、それは問題ないのだろうな、でも、そうじゃない、心配したんだぞ、綾香」
「あ、その、ごめんなさい……」
なんというか、ホントに"先生"って、感じだ……
「はぁ……今回は無事に帰ってきたんだ、とりあえずは、それでいいさ」
「う……はい……」
あんたは、私の保護者か?
いや、保護者だよな、考えてみたら……
これからは、気を付けないと。
「……綾香、もしかして何も言わずに来たの?」
「あ、うん、あんなに時間かかるとは、思わなかったし」
「ごめんね……」
「ああ、フランが謝る必要はないよ」
「そうだ、フランが謝る必要はない、綾香が何も言わずに行ったのが悪いのだからな」
……慧音さん、ひどいよ、ホントのことだけど。
「うん……でも、私のせいだから……」
「フランはいい子だな、それに比べて綾香は……」
「ああ、慧音さん……ごめんなさい」
「はぁ……お前も、もう謝らなくていい、次からは気をつければな、紅魔館から帰ってきたんだ、それなりに強いのは確かなんだろう、でもな、行き先くらいは言ってくれ……」
「はい……そうします……」
なんか、こうゆうのって、いつぶりだろうか……?
「ふう、もう行っていいぞ、時間も時間だしな、フランに関しては、私から話しておく、安心しろ」
「はい、ありがとうございます」
慧音さんには、これからも迷惑かけそうだ……
なんか、できることあればな……
「慧音さん、ありがとー! またねー!」
「ああ、またな」
とりあえず、今は慧音さんの言葉に甘えて、家に帰ろう。
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「ここが、綾香のお家?」
「ええ、一応ね、ちょっとまっててね」
とりあえず、依頼箱の中を確認する、何枚か手紙が入っていたが、全部、依頼ではなく、私を心配するものだった。
「何してるの、綾香?」
「ん? ああ、私がいない時は、ここに依頼入れといてもらうことにしてるから、緊急のやつ以外はね」
「ふーん? それで、依頼はあったの?」
「特にはなかったわよ、さあ、入りましょ、もうホントに遅い時間だし」
「そっか、わかった、まあ、ホントなら、私が動くのはこれからなんだけどね」
「そういえばそうね……」
吸血鬼だもんなぁ……
「ま、こっちにいる間は、綾香に合わせるよ」
「……朝とか、辛くないの?」
やっぱり、気になる。
「大丈夫だよ、力は弱まるけどね、日傘あれば、出歩くことも出来るし」
「そう……ま、今日はもう休みましょ、ちょっと疲れちゃったしね」
「うん!」
さてさて、明日からは心配かけた人に挨拶かな、仕事の再開はそれからね。
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「ん……」
目覚める、時間を確認、いつもどおりの時間だ、疲れてた上に、二日間も眠ってたのだ、もっとズレると思ってたけど……
とりあえず、朝ご飯どうしようか、今日から二人分作らなきゃいけないんだよな、まあ、フランの分は咲夜から食材をもらったが、もう既に、ある程度加工されているものを……
加工前がなんだったかは知りたくないな、これ……
と、とりあえず、フランの分はこれでいいし、私の朝食だ、問題は……
まあ、余り物でいいか。
「ん……うん? ……ここは……? あ!」
どうやら、フランが起きたみたいだ、吸血鬼なのに早起きだな……
「おはよう、綾香」
「おはよ、フラン、ご飯どうする? もう、作るけど」
「食べるー!」
「うん、じゃあまっててね、ご飯食べたら、出かけるよ」
「うん、わかった!」
なんか、ホントに素直だな……
ま、さっさとご飯食べて、挨拶回りね。




