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4話目

週に一回合同練習をする試みは双方にいい影響を与えていた。

男子は女子の前でかっこ悪いところを見せれないということで、女子は全国に出場するようなレベルの男子の弓道をすぐそばで見ることができるということで。

特に影響を受けいているのは一年生のようだった。

最初の四か月間は筋トレだが、中学まで運動部だった女子と文化部だった男子では女子のほうが筋トレがうまいのだ。

やり方を知っている、コツを分かっているということは時として強みになる。

今年度弓道部に入部した女子はみな中学でバリバリの運動部の子だった。

男子は半分が文化部出身らしい。

合同練習では女子部員が男子部員にやり方を教えているらしい。


「よかったのかな。」

「なんのこと?」

「いや、空が言い出した合同練習なんか女子にはあんまりメリットないみたい。」

「そういってもね。遥佳は考えすぎなんだよきっと。一年のことでしょ?教えるってことは自分でもいうちど学びなおすってことだって本かテレビでいってたし、相乗効果でよくなっていけばいいんじゃない?」

「奈都も遥佳もかんがえすぎだって。私はただ大会の会場である弓道場を週に一度使いたかっただけだし。」


理由は人それぞれだが、確かに大会の会場を練習場所にできるのはいいことだし、相乗効果で一年生が強くなってくれたらもっと上の大会を目指せる。

私は・・・


「遥佳が気にしてるのは一年のことじゃないでしょ。お兄さんから釘さされた?」

「・・・」

「図星か。相変わらず過保護だねー」


そう、私があまり合同練習に乗り気ではないのには兄が関係している。

私は親にすら話していなかったのに、第一回の合同練習が終わった日、


「合同練習同だったー?楽しかった?」


そう聞いてきた。

どこから情報を仕入れているのかはわからないし聞いても教えてくれないが、その時釘を刺されたのだ


「いい、どんなにいい人だなーって思っても裏があるから、必ず裏があるから。気を許しちゃだめだし、できたら近寄らないでね。」


兄の忠告は昔からよく当たる。

だから今回も何かあるのかと近づかなくてもいい方法を考えている。

部活は休みたくな。

なら、合同練習がなくなればいい。

しかし様々な面でいい影響が出ているとなると難しい。

どうしようもなく、空と奈都に愚痴をこぼすことしかできなかった。


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