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最終話、26話目

インターハイが終わった。

本当は今日、最終日に帰る予定だった。

しかし男女ともに決勝リーグまで残ったとなったときに先生がホテル側と交渉して今日の夜に簡単な打ち上げ会というか祝勝会を行うことになった。

そのためインターハイに来る前に言っていた、もしかしたらもう一日長引くかもという先生の予言が的中したことになる。


「遥佳!」

「せんぱいー」


何を話すでもなくただキャーキャー騒ぐだけ。

それだけなのにどうしてこんなに幸せなのか、

きっと今まで生きてきた中で今が一番幸福だと断言できる。


「楽しかった。三年間弓道やってきて一番楽しかった。それをくれたのはここにいるみんなのおかけだー!ありがとう!」


女子部部長として千枝先輩がそう挨拶した。

目に涙が浮かびそうになったけど我慢。

この場所に涙はふさわしくないから。


ああ、考えがまとまらない。

ふわふわして、ドキドキして。

幸せという感情が全身を駆け巡る。

今以上に幸せなことがあるのか、きっともうないとおもう。


「遥佳。」


篠田先輩が声をかけてくれた。

会場はそれぞれ歓談している。

でもその中から視線も感じる。

一つや二つじゃない。

もしかしたらレギュラーがみんな見ているのではないかと思うくらいの視線。

そんな中先輩は口を開いた。


「好きだ。遥佳のことが、好きだ。俺と付き合ってください。」

「・・・」


いませんぱいはなんといっていた?

ふわふわした気持ちが一瞬消え現実に戻った。


先輩が、私のこと、好き、と


現実に戻ったのにすぐには理解できなかった。


「え、えええ?」

「理解できないって顔だな。わかるまで何回でもいう。遥佳のことが好きだ。隣に立っていておかしくない権利がほしい。俺と付き合ってください。」

「・・・はい。」


思わず返事をしていた。

だってもしかしたらとは思っていた。

篠田先輩も私と同じ思いを持ってくれているんじゃないかって思っていた。

だから、デートの時に告白しようと思っていた。

けれど、それより早く先輩が・・・

ああ、そうだ。

大切なことを先輩に伝えていない。


「私も、先輩のこと、大好きです!」


最後は叫ぶように伝えると、周りから歓声が聞こえた。


「うん。よろしくな遥佳。」

「はい!」


周りからはやし立てるような声。

ああそうだ祝勝会の途中だった。

でも幸せが今までより大きくなったような気がする。


きっともう兄と比べて彼氏を見ることはないと思う。

人を好きになるって今までわかっていなかったけどそういうこと。


なんとなくだけれどそう思った。



END

応援ありがとうございました!

これで完結になります。


デートの様子とか書こうかなと思ったのですが、だらだらとなりそうだったのでここで終了とさせていただきます。

初々しいデートの様子は皆様の想像の中でご覧ください。


本当にありがとうございました。

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