プレーヤーじゃなくなった少女の後悔
インターハイ最終日。
個人戦では遥佳が第三位。篠田先輩が優勝という成績を残し、今日団体の決勝戦まで行われる。
おそらくここまで友情ルートで来ているし、選択肢がおそらくあったであろう場所もハッピーエンドに向かっているはずだ。
友情エンドをあまり深く攻略していなかったからうろ覚えの部分が多いがおそらくこのまま優勝できるだろう。
私は今日出番はない。
ルート的にそうだったし、今の私の調子では交代で出ることもないだろう。
「奈都、頑張ってくるから!」
「見てて!」
二人がほかの先輩たちと控室に向かうのを後ろから見て、悔しくなった。
どうして私はそこにいないのだろうか。
私もその場所にいっしょに立ちたかった。
結果を知っているためなおさら。
でも入場してくる五人の中に入るためには私の努力では足りなかった。
それが結果。
どんなに頑張っても、どんなに努力しても。
私より努力している人がいれば、私より結果を出せる人がいればレギュラーとして高校を、県を代表してあの場所に立つことはできない。
「くやしい?」
「・・・うん。悔しい。今弓道しているのは私だったかもしれないから。」
私が手を思わず握りしめながら第一控えとして道場に入ってきた仲間を見ているのに気が付いた浩太君が話しかけてきた。
「でも、悔しいって思えるっていいことだってコーチ言ってたよ。俺もそう思う。悔しいって思うこともなければ向上することもないから。」
なぜか私の頭を撫でてほかの男子部のレギュラーがいるところに歩いて言った。
どうして今私は浩太君に慰められたのだろう。
いつも三人で遥佳の周りにいたのに・・・
いや、浩太君は、いなかった。
遥佳の周りではなくそれをちょっと離れたところから見ている私と空のところにいた。
もしくは私の隣にたっていた。
試合が始まるというのに私の頭は別のことを鑑がていた。




