3話目
「へえー遥佳ちゃんって噂には聞いてたけどーホントにかわいい子なんだねー」
「そうそう、地方大会で女子部のレギュラーの一年生三人がかわいいって話にはなったけどホントに思っていた以上にかわいい。」
「・・・袴姿いいな。」
「わかるわー」
「いいよね、かわいい子の袴姿って弓ひいてる姿も凛々しくて俺すきだな。」
「・・・俺もだ。」
「あの、そろそろいいですか?」
新観の打ち合わせのため前日に男子部が練習している弓道場に向かった。
新観をメインで行うのは二年生というのが弓道部全体のルールらしく、私と空と奈都で向かった。
そこまではよかった。
男子部の二年生は3人。今年部員が2人以上はいらないと部の存続の危機ということでかなり気合が入っているということは聞いていたが、弓道場についたとたんにさっきまで真面目に話していたであろう三人の様子がおかしくなった。
その変わり方を私は今まで10人ほど見たことがある。
「もうそろそろいいですか?練習時間なくなってしまいますので。それとも男子部は暇なんですか?」
「えーでも暇じゃないのも本当だからーそろそろ新観の話しようかー」
この語尾を伸ばす襟足が長い男子が二年生リーダーらしい
あとは坊主頭の武士みたいなやつとさわやか!というかんじのやつ。
「まず自己紹介ねー俺は牛尾 彼方っていいまーす。よろしくー」
「・・・獅子野 巧太。よろしく。」
「伊射手 龍です。よろしくね。」
リーダーが牛尾、坊主頭が獅子野、さわやかくんが伊射手というらしい。
名乗られた以上こっちも自己紹介をしなければならないが、それはいらないのかもしれない。
「でー、空ちゃんは何かいいアイディアあるー?」
「今までと同じじゃダメなの?女子部としてはそれで問題ないんだけど。」
「だめだよー男子部は何とか5人は部員入ってほしいんだー。ちゃんと弓道ができるようになるのが5人ってことねー。」
「だってさ、大会になったら五人立ちで、控え二人でしょ?七人はほしいのに今二年生3人だよー怪我とかはやけとかもあるから8人は部員として最低ラインでしょ。」
「まあ、確かに・・・」
こういった形で話はテンポよく進んでいった。
「だからねーなにか売りがほしいんだよねー男子が釣れるようないい餌とか思いつかない?」
「とくにはねえ。」
「男子が釣れる餌ってよくわかんないけど・・・時間あるときに合同練習とか?週一で」
お互いに足りないとこみて、交流してみればいいじゃん。
私は男子の力強さとか見習いたいんだよねー
空の言葉で週一の合同練習を行うことになり、さっそく新観で伝えてみた。
男子部は新入部員が13名いたらしい。