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1話目

「ごめん、別れてほしいんだ。」

「えっ、なんで?私何かした?」

「なにもしてないわけないだろ。もううんざりなんだ。はるのお兄さんと比べられるのは!」


そういって走って去っていった、私の彼氏。

元カレというのが正しいのかもしれない。

惚れっぽい私は今までたくさんの人とつきあった。

そしてその全員から同じことを言われている。


『君のお兄さんと比べないでくれ。』

『もう比較されるのは嫌なんだ。』


私のブラコンが原因でふられている。

私が悪い訳じゃないと友人たちに話しても同意をもらえない。

兄がかっこよすぎるのが悪い。


私より四つ上の兄は、有名大学に通い、サッカー部のレギュラーとして活躍している。プロも視野に入っているらしくいい筋肉がついている体は見ていて美しいし、眉目秀麗で大変モテる。


そんな兄をずっと見てきていれば男性に対する目が厳しくなる。

基準が兄になってしまっている。

兄になにかひとつでも勝るところがあればかっこよくみえ好きになってしまうが、付き合ううちに他の部分が気になってくる。

そこを直してほしくて比べるのだ。


そしてフラれる。

これで10人目。しかも付き合ってから1週間は最短記録になってしまった。

親友達は今日お茶を飲みに行くといっていた。

今からならそこに参加できるだろう。LINEで連絡を取っていきつけの甘味屋に行くことにした。


「空ー奈都。きいてよー」

「またフラれたのか。で、原因は兄と。」

「お兄ちゃんがイケメンなのが悪い。私は悪くないもん!」

「比べるあんたが悪いに決まってるでしょ。」

「だって・・・そもそもさ、医学部で頭の回転速いのに、ご飯に行ったらテーブルマナーなってないんだよ!しかも基本的な肘をつかないとかその程度のことから言わなきゃなんないんだよ?」

「なら、遥佳の男を見る目がないのが悪いよ。」

「うっ、そうかもしれないけど・・・」


いろいろ話して冷静になるとどうしてあんな奴を好きになったんだろうとと思い始めた。

どこが引かれたのかはわからない。

でも彼を見たときに『この人が好き』と思いはじめた。

突然そう思ったから、一目どれなんだと思う。

そう思っていたけどみんなの話を聞くとそこまではないと思うといわれている。


いきなり自分の意志に反するように異性に思いを寄せる


そんなことがよくおこる。

兄に相談したこともあったがそのうちわかるよと言われはぐらかされた。


きっとわたしのどうして?に兄は答えることができるのだろう。

けれども答えてくれない。

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