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弟の死

作者: 小波
掲載日:2023/03/16

弟が死んだ朝、私は普通に学校へ行った。

ごく普通にうながされ、玄関でスニーカーを履いた。


夕方帰ってくると弟の葬式は始まっており、私はそこへ呼ばれなかった。だから普通に外へ遊びに行った。友達のお家で寝っ転がってシュウマイを食べていた。

今、弟のお葬式してるんだよと私が言うと

友達はえっ!と飛び起きた。

なんで遊んでるの!?いいの?と驚かれた。

私は弟は2日前に亡くなり、今朝も普通に学校へ行くように言われてそうした。そしてお葬式には呼ばれなかったよと言った。友達はなんだか黙ってしまって部屋が静かになってしまって窓の外がピンクから暗い水色になって、それをみていたらお家まで一緒に送っていくよと言われた。


弟はやっぱりお葬式をされていた。家が近づくと橙色の大きな提灯が見える。

なんで死んじゃったの?と彼女は言うので、私は

病院で、病気で

と答えた。

私が小学校に上がる前には彼は家に居なかった。

生まれてから家に居たのなんか何日かしかなくて病院に住んでる様なものだった。

何か聞きたそうな顔のまま私に手を振ってあの子は家に走って行った。


なぜ、私はお葬式に呼ばれなかったのだろう。子供だからかな。

よくわからないが父か母に聞くのはやめておこうと思った。

そーっと家に入りそーっと戸を閉めてゆっくりゆっくり階段を上がり部屋のドアを閉めた。


弟が死ぬよりも私のお葬式の方が早ければ良かったのに。

私はこれから元気を失った両親と暮らさなければならない。

父と母はわたしに気を遣って学校の様子を聞いてくるだろう。本心からではなく、そのくらいはしなければという思いで。

私は多分明日も学校へ行くのだろうな。

弟の顔はずいぶん見ていない。


私と弟は顔がそっくりなのだそうだ。

私は自分の顔に興味が無かったから、そんな風には思ってこなかった。

弟は私のことを覚えていたのかな。



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