四枚の同居人
「四」も、よくある数字です。
あの天井さえ無ければ
四方の囲いが いくら高く聳えようと
画用紙一枚ぶんに 切り取られた空が
この目にも映るのだろうに
憎むべきは やたら小綺麗なあの天井か
無愛想な四枚の同居人に
四人の預言者の名を当てて
投げかけど 返される望みなど持つでもないが
問答を交わすかわりにと
赤い唇もない横一文字を刻む
薄汚れた四枚の同居人に
四方の獣の名を冠して
残された幾許か まるで知る由もないが
暦をめくるかわりにと
赤く腫れもしない引っ掻き傷をつける
無辜の身で 投じられた小部屋の床に
昏い澱みを 敷き詰める我には
「正」の文字にて 歳月を画くことは
もはや 叶わず
拾に積まれぬ傷痕を
陌に束ねられぬ傷痕を
阡に届こうかという傷痕を
四枚の同居人の
もとはのっぺりとした そのつらに
愛しさを以って 忌まわしさを込めて
深く 刻みつける
節くれた枯れ木のような両の手から
枝分かれした十の指に貼りつくは ひび割れし爪
欠けるがいい 割れるもいい
すべて 砕け落ちるが早いか
すでにのっぺりとは呼べぬ
四枚の同居人の そのつら満面を
歳月を画くこともない傷痕が
びっしり 埋め尽くすが早いか
もの言わぬ四枚の同居人に
四人の預言者の名を当てて
投げかけど返される 望みなど持つでもないが
その問いの答えを知る日が やがて来るのか
その問いの答えを知らぬまま 果てる日が来るのか
生まれた 新たな問いは 彼らに投げかけるまでもなく
あの天井さえ無ければ
四方の囲いが たとえ笑みを浮かべられたとしても
画用紙一枚ぶんに 切り取られた空に
心を奪われていただろう
有り難きは やたら小綺麗なあの天井か
「四方の獣」は。
四獣の青龍・白虎・朱雀・玄武でも。十二支の子・卯・午・酉でも、どっちでもいいです(笑)
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