第2章 異変
村人に囲まれた坂本達、何を言っても理解してもらえず、身の危険すら感じていた。
「お前らの格好はなんだ!そんたな格好見たことねぇ」
憤慨する村人。
「見たことないって言われても…」
そう言いながら落ち着く為、わんわんはポケットからタバコを取り出し、火をつけて一服する。
それを見た村人達は驚き動揺し始める。
「なんだ!?今何をした!火がついたべ!」
「え?」
その発言に逆に驚く坂本達。
「たんなるライターだけど…」
そう言うとわんわんは再びライターを着火させる。
「う、うわー!!」
更に驚く人々。
その様子を見たわんわんはちょっと面白くなった。
「ほれほれ!」
ライターを連続に着火させる。
囲まれてた坂本達から少しずつ離れる人々。
「余のメラじゃ」
完全にからかうわんわん。
「バカ!!何が余のメラじゃだよ!!ダ◯の大冒険か!」
わんわんが坂本とのりおに呟く。
「いいからお前らライター着火させろよ。びびって何もして来ねーから、このまま逃げるぞ」
なるほどと思い坂本とのりおもライターを取り出して着火させる。
人々は、よほど怖いのかどんどん離れて行き、坂本達はゆっくり前に歩き出した。
更にわんわんが真顔で怯えている人々に対して叫ぶ。
「いいかお前らもし俺らを追って来たり触ったりしたら、火の精が村全体を焼き尽くすぞ!!」
それを聞いた村人は座り込みお経を唱えて怯えていた。
わんわんの機転で坂本達はうまく逃れることができ、集落を後にした。
「なんだよ火の精って」
坂本がわんわんに問うとわんわんは半笑いしながらで答える。
「さー?それっぽくない?」
「まぁ…ね」
麻美は集落を振り返りながらボヤいた。
「なんだったんだろうね」
全員理解が出来ない顔しながら村を後にした。
集落を後にした坂本達は再び歩き出した。
歩きながら突然のりおが唐突に笑いだした。
「ふふふ」
それを見た坂本は不気味に思いながらのりおに尋ねる。
「何笑ってんの?」
「余のメラじゃって」
どうやら先ほどの事を思い出し笑いをしていたらしい。
それを聞いたわんわんがドヤ顔で言う。
「せやろ?」
「思い出すだけで笑えてきますねぇ」
「確かに笑える。あそこであんな言葉良く言えたな」
しかし麻美と恭子には全くわからない話だったので、何故坂本達が笑ってんのか理解出来なかった。
「メラって何?」
3人は同時に答える。
「火」
全く理解出来ない麻美と恭子。
「なんで火なの?」
3人は同時に答える。
「メラだから」
段々イライラしてくる麻美。
「メラが火で火がメラなの?!!全然意味がわからない!」
3人は更に同時答える。
「呪文」
「もうなんなの!?」
キーキー言う麻美に対して坂本が言い放つ。
「そんな麻美はメダパニ」
「もう意味わからない!!」
こんなくだらない話をしてるうちに、さっきより大きな集落に辿り着く坂本達だった。