第2章 異変
光に包まれ気を失った坂本達。
最初に目を覚ましたのが恭子である。
「んー頭痛い…」
恭子は頭を押さえながら起き上がり、辺りを見渡した。
「え?ど、どこここ?」
その場所は見渡す限り草原だった。
そして倒れ込んでる坂本達を見つけた。
恭子は麻美の体を心配そうに揺する。
「麻美?ねぇ大丈夫?」
麻美は体を揺すられて目を覚ます。
「う、うん…え?キョー?」
麻美も目を覚まし辺りを見渡す。
「どこなのここ?」
「わからない…もっさん達も起こさないと…」
麻美は倒れ込んでる坂本達に目をやり、体を揺すって起こす。
坂本はゆっくり目を覚ます。
「うわっでっかい太巻き!」
「だからさっきからなんだよそれ」
わんわんとのりおも恭子が、体を揺すって起こした。
だが拓司と守屋がいない事に気がつく。
「タクちゃん達は?」
恭子は首を横に振って答えた。
「わからない…目が覚めたら私達しか居なかった」
さらに坂本はあることに気がついた。
「車がない!!!」
「あらら、ほんまや」
「どこいった!まだローンが残ってるのに!」
「まぁ無い物はしゃーない」
他人事なのでわんわんは気にしてなかった。
坂本達は車に乗ってたのに何故車がなくなり、何故草原に倒れていたのか状況がいまいち理解出来なかった。
とりあえずここに居ても仕方ないから拓司達を探しながら、誰かに助けを求めにその場を後にした。
歩きながらわんわんがポケットから携帯を取り出し携帯の画面を見る。
「電波がないじゃんここ」
それに釣られるかのように全員携帯を取り出し確認した。
わんわんと同じく電波がない。
「んだよ!使えねーな!」
わんわんは苛立ちを隠せない様子だった。
「まぁ誰か人に会えば電話借りて迎えに来てもらおうよ」
坂本はわんわんを落ち着かせる。
しかし歩けど歩けど見渡す限り草原。
2時間以上は歩いただろうか。
その時、のりおが指を差し、前方に数件の集落らしきものを発見した。
「おっ!あれ家じゃないですか?」
全員のりおが指差す方向を見て安堵した。
「やっと見つけた。」
少し早歩きしながら集落の方向に向かう。
家に近づくと数人の男や子供達の姿を確認した。
向こうもこっちに気がついてる様子だ。
麻美はその姿を見て驚いた
「ねぇ?ちょんまげ?」
麻美の言う通り髪型が全員まげだった。
服装も着物ぽい姿で、大人達の後ろに隠れ、子供達はこっちを見ている。
坂本達は男達と合流し、助けを求めた。
「すいません。迷子になったんで電話貸してください」
丁寧にお願いする恭子。
しかし返って来た返答に驚く。
「なんじゃ?その電話とは?」
すぐさま答える恭子。
「電話です」
「電話?そんたな物知らん!」
わんわんは顔色変えて詰め寄る。
「だから迷子になったんで、迎えに来てもらいたいから、電話を貸してほしいんだってば」
男達は理解できないこと言う、坂本達に対して警戒し始める。
「なんたらお前ら盗賊か?この村にお前らにくれてやる物なんかねぇ!」
「盗賊?村?何言ってんだこのおっさん」
段々イラつき始めるわんわん。
騒ぎを聞きつけどんどん人が集まってくる。
坂本は異様な雰囲気を感じ始める。
「なんかやばくないか?」
麻美も異様な空気に恐怖を感じ始める。
「ねぇ怖いよ、もう行こうよ」
しかし数十人に囲まれてしまい逃げるタイミングを失ってしまった。
「おい誰か奉行所連れていけ」
「奉行所?」
話が全く通じない状況だった。