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初めてチームを結成!

「サマセタ!」


放課後、学校のゲートで俺を抱きしめてくれたのは、姉さんだ。


「エド主任に連れて行ったと聞いて、心配したよ!」


「いや、主任と少し話しただけ。今回も例のアレだから、俺のせいではない」


おそらく既に俺がやった事を知った姉さんの目は泣きそうだになっているから、俺は慌てて弁解した。


「入学二日目で他の生徒を病院送りとは、さすがに高校デビューしすぎと思わない?」


え?誰?


「あ、凛子、見苦しところを見せてしまってすみませんね」


「大丈夫ですよ、それよりこいつは先輩の……?」


この凛子は姉さんを先輩で呼ぶから見ると、二年生かな?とりあえず、まずは自己紹介をしよう。


「初めまして、サシアン=レインハートの弟のサマセタ=レインハートです」


「二年生の凛子(りんこ)=森薔薇(もりばら)、サシアン先輩の直属後輩よ。よろしく」


なるほど、道理で姉さんと親近してるように見えるわけか。そして俺今気付いた。凛子先輩の耳から見れば間違いなくエルフ族だけど、皮膚の色は一般のエルフより深い……まさか!


「サマセタ、そんなにじろじろ見るのは良くないよ、あなたは一番それを理解してるはずだ」


「すみませんでした、森薔薇先輩」


姉さんの話で俺は森薔薇先輩に謝った。


「よくある事よ、今更……」


森薔薇先輩のその重い顔、俺は確信した。確かに姉さんの言う通り、俺と同じ悩みを持つ人だ。


「それにしても、先輩の弟はかなりイケメンではないか?その顔ならエルフにも通用できる程よ」


「凛子、それはエルフ族の審美観だよね」


「あ、はい、すみませんでした」


そう、もし俺は人類やエルフなら、今の悩みはないかもしれん。だが俺は獣人、あの光栄の崩天氏族のメンバーだ!今更……!


姉さんの話に従って、素直に俺に謝ってくれた森薔薇先輩、いい人だそうだ。


「それより凛子、あなたはやっとその刀の許可をもらったの?」


「はい!やっと師匠から承認してくれて、正式に弟子にしてもらったよ!」


「おめでとう」


俺はようやく気付いた、森薔薇先輩の背中に背負ったのは、明らかに先輩の身長を遥か超えたもの。姉さんの話によると、それは刀って知っているけど、そんな大きな刀があるのか?


「それは大太刀よ、うちの学校の剣道部のトップ、エーカー=D=ルーンは大太刀の使い手、そして入学以来一敗もない」


よく姉さんが知っているよね。


「同じクラスにいるから」


え?


「そろそろ帰らないと、凛子、今晩あなたもログインするの?三人一緒にやっても悪くないと思うよ」


「はい、そうします」


姉さんの招待を考えもない、すぐ頷いてくれたとは……


「では帰りましょうか」


==========


「え?どうしてサマセタまたレベルアップしたの?昨日はレベル2のはずなのに」


うん、すぐ姉さんにバレてしまった。仕方ない、俺は今朝エド主任の事を姉さんに説明した。


「まさかエド主任はチャルソウ族長の義父なんて……それは初耳だよ」


いや、俺もだけど。


「つまり、アゴンは拳士に決めたの?」


俺の説明を聞いた姉さんは、そうやって俺に聞いてくれた。


「はい!」


剣や刀には興味がないというわけもないけど、今はこの拳に専念したい。


「よかった」


今俺の顔を見て、姉さんはようやく安心したようだ。心配をさせてすみません。


「遅れてすみません!お待たせしました、先輩」


背中が大太刀を背負っている人類がやって来た。


「大丈夫だよ」


森薔薇先輩、じゃなくて。


先輩が到着したから、姉さんはすぐチームを組んだ。そして俺が見た先輩の名前はーー


セシオス。


「セシオス先輩、よろしくお願いします」


ここはゲームの中だから、アバターの名前でしか呼ぶことがいけない。


「あなたもよろしく」


「ここもすぐ大太刀に変えたの?」


姉さんはセシオス先輩が背負っている大太刀を見て質問した。


「はい!師匠はまずここで少しずつ慣れるようにって言われたの」


「そうか、いい師匠だね」


さすが姉さんが讃えた奴だ、あっさり姉さんが認めたとは……


そしてもう一つ今気付いたことがあった。それはセシオス先輩のレベルはなんとただの20!あの、セシオス先輩も一年間やったのはずでは?


「彼女がずっと大太刀が必要な能力を鍛錬していたから、それは人類だろうかエルフだろうかどっちにも不向きの方向だから、成長し遅いのも当然だよ」


姉さんこっそり俺に答えてくれた。さすが直属先輩というべきか?姉さんはセシオス先輩の事よく知っているね。


「私も、一度彼女に大太刀を放棄する方がいいと勧めたけど、彼女の目にある決意を見たら、私は説得を放棄した」


え?どうして?


「忘れあるまい?ここはただのゲームではない、自分がなりたい模様を探すのもこのゲームの目的の一つだよ」


そう言えば、確かに姉さんは言ったよね。


「では先輩、これからどうします?」


「そうね……西の平原はちょうどいいかも」


「確かにあそこなら、弟さんのレベルアップにぴったりですね」


「なにを言うの?あなたもその大太刀を慣れる時間が必要じゃない?あそこなら広いし、安全も確保できるし、今このパーティーにとっては一番だと思う」


「そ、そうですね!」


姉さんの提議に少し切なくなったセシオス先輩は姉さんの話を聞いたら、楽になった。


「俺はあまり詳しくない、姉さんに従うよ」


だって始まったばっかりだったから、ここは素直に三年生の姉さんに従う。


「私、ヒーリングを使えるから、ダメージの心配は不要よ、どんどん行くといい!」


姉さんの話は実に心強い。


すぐ狼五匹が出て来た。敵のレベルは……10⁉︎


本当に大丈夫かこれ?

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