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6話:二人の少年

ブックマークをしてくれた人がいる…!?

たまげたなぁ…

「ふぅ…さて…」


異世界初の戦闘。絶対やるってわかってたけど、いざ生き物を殺すとなると心が何かくる。日本に住んでたら普通は生き物を殺す事なんて無いからね、仕方ないね。


「えっと…君達、無事かな?」


俺は振り返り、お互いに寄り添う兄弟に話し掛ける。二人は肩をビクつかせて怯えていた。

……俺に怯えてるんじゃねぇよな…?


「あっ…えっと…おじさんは…?」


ハッとし、代表としておそらく兄である少年が答えてくれた。俺が聞いたのは無事かどうかなのだが。おじさん…………まぁ…いいや。


「あぁ、俺は天童明星(てんどうあきら)って言うんだ。よろしく」


なるべく怯えさせないように、慣れない笑みを浮かべて、優兄を演じる。いや、俺は優しいぞ?(個人の感想です)


「俺はルカ、そんでこっちが弟のリオ。ほらっ挨拶しろ、リオ」


「……リオ…です」


兄の後ろに隠れてチラッと頭を出して挨拶する弟君のリオ。うん、ヤバいくらい可愛い。なんであんなに鼻高いの?俺と作画違くないか?


「ホント無事で良かったよ…ゴブリンに連れていかれた時は嫌な予感が凄かったし…」


「本当にありがとうございました、おじさん!」


ペコッとお辞儀をするルカ君。育ちの良さが見える。きっと俺より裕福なのだろう…


「取り敢えずここから出よう。またゴブリンが入ってきたら厄介だし」


「そうですね、行きましょう」


リオ君の手を引いて歩く姿は立派な兄。さっきも見てたけど彼は自分より弟を優先していた。親御さんは誇らしいだろうな。俺は一人っ子だったからその辺は知らないけど、どこの兄弟もこうなのだろうか。


そんな事考えていれば、あっという間に洞穴出口。ルカ君達の村が下流付近にあるそうなので、そこへ案内してもらう。三人で歩く中、そう言えばと思い俺はルカ君に質問した。


「あのさルカ君、いくつか質問いいかな?」


「ええ、構いませんよ」


笑顔で頷くルカ君。その言葉に甘えて俺は気になっていた事を質問した。


「さっきから気になってたんだけどさ、二人って…エルフ?」


「はい、俺達はエルフでうちの村ではこの付近の森を管理しています」


耳が少し長かったからそうかなと思ってたけど、やっぱりエルフだったか。森を管理してる割には俺とは会わなかったなぁ…。


「そう言えば何でこの辺には生き物がいないの?この川沿いに来てからようやく生き物に会ったよ。…ゴブリンだったけど」


「それは変ですね…森には魔物以外にも生き物は沢山いますし…。そもそもおじさんはどこから来たんですか?こんな辺境の地までわざわざ来るなんて…」


「俺は向こうの方からぷらぷら歩いて来たんだよ。目が覚めたら平原でさぁ…ホント、まいちゃうよ。ハハッ…」


渇いた笑い声を出して苦笑いする。

てか思い出したら腹立ってきたわ…!あのクソロリ神がぁ…!この恨み、晴らさずにはいられないぞ!


「平原から!?一体どうやって!!」


「えっ…いやその……何か不味い事言ったかな…?」


表情が一変するルカ君。その表情は怒りではなく、焦りに近い気がした。

何?あの平原ヤバいの?

俺なんかやっちゃいました?


「まさかあの平原から来たとは…」


「一向に話が見えないんだけど…もしかして結構ヤバい感じ…?」


額に手を当てて首を横に振るルカ君の姿を見て、俺は何かヤバいんだなっと感じ取り、心配になる。汗がタラッと垂れるのを感じるのと同時に、誰かに俺の手を握られる。見れば弟のリオ君が俺を上目遣いで握っているではないか。


「おじさんは神聖龍(じんせいりゅう)様の使いなの?」


「神聖龍ゥ?何その中二病臭い名前…。メチャクチャカッコいいじゃん!」


ルビフリをもう少し捻って欲しいのはあるが、今のやり取りで大体分かった。多分ルカ君達が森を管理している理由がその神聖龍と関係あるんだろうな。んで俺がそこから来たって言うから驚いたんだろ。


「おかしいと思っていた…人族(ヒューマン)がこの森にいる自体が異常…!」


『あれ…?これって俺殺されるパターンじゃね?………ヤバくね?』


「貴方は…!」


『わぉ…本格的にヤバいな。いやでも、さっきルカ君が俺の事を神聖龍の使()()って言ってたから…多分平気…の筈』


「勇者の素質があるのかもしれませんっ!!」


「……え?」


『あっそういう感じ?ドラゴンマスター的な感じかなーって思ってたんだけど…』


内心ほっとしている俺。

やはり俺にはなろう主人公素質があるらしい。フッフッフッ☆そうなれば後は俺の物だ。取り敢えず複数の女の子と曖昧な関係を築いて、絶望ハプニングに巻き込まれても解決。後これが一番大事な事。それは、イキッてれば主人公。これテストに出るよ。


「俺が勇者…?何かの冗談だろ…?」


取り敢えず否定。自分にはそんな資格無いんですよぉ…っていう体を取る。これも主人公になる為に必要な事だ。


「いえ、我が一族はこの森で勇者様の誕生を待っていたのです!それがおじさん!貴方なんですよっ!」


うんうん!っと俺の手を握るリオも目を(しいたけ)にして頷く。

………うん、その前にちょっと待て。


「あのさぁ…俺って言うほどおじさんかな…?確かに君達から見たらおじさんなんだろうけど…俺まだ30よ?まだまだ現役だし、そのー…ね?おじさんは勘弁っつーか…」


「「えっ」」


「えっそんな驚く?こっちの方が驚きですわ」


「おじさん…30歳なの…?」


意外にもリオ君が少し驚きながらも聞いてきた。兄であるルカ君は固まっている。


「まさか本当に人族(ヒューマン)は寿命が短いとは…」


次に口を開いたのはルカ君。あっ、君達エルフだもんな。俺から言わせれば寿命長いって本当なんだなって感じです。


「おじ──アキラさんは僕より年下なんだね…!」


え?


「ホント…驚きです」


は?


「つかぬことお聞きしますが…お二人はおいくつで…?」


「俺は78歳です」


「僕は51歳だよ…?」


「……うそぉ」


見た目は小学1年生くらいなのに…俺より年上とか…。これもうわかんねぇな…


俺が勇者の素質があるとかの話がぶっ飛ぶ程の衝撃話に俺は…


「年下かと思ったら年上でしかもショタで兄弟で美形とは反則でしょ。もう俺の方が個性ないじゃん」


オタクのような早口でそう呟いた俺は、静かに天を仰いで呆然としていた。

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