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298話:恐怖!列車の上での稽古!

小説内でやりたい事が沢山ある。だから話を上手くまとめつつ、未だに出来ていない起承転結を組み込み、話を加速させる。そしてなるべく擬音を使わない。これが最近の目標っす。

「改めて自己紹介。私の名前はティアル・アレイストアって言うの。アレイストア家の伯爵令嬢って所ね。よろしく、白髪頭の変な子」


「…俺はそんな名前じゃない。俺には天道明星(てんどうあきら)っていうちゃんとした名前があるんだ」


「あはは、ごめんごめん!」


謎のアサシンメイドとの戦いを終えた後、俺とシアン、そしてラプラスは目の前に座るティアルと名乗る令嬢さんの部屋へと来ていた。


「それで早速本題なんだけど、さっきの戦いはどういった理由で始まったのかな?アキラ君ってもしかして私と同じ貴族?」


「はっは!ご冗談を。この御方は貴族等ではなく、“王“ですよ」


「「「えぇ!?」」」


「ラプ…話をややこしくするな。俺は王なんかじゃなくて、ただの平民だよ」


相変わらず俺への信仰というかなんというか……ラプは俺を王にやたらしたがる。まだそんな実力は無いってのに。


「えっと…なんだか凄い信仰されてるのね」


「まあ…色々あってな。ラプの話には耳を傾けなくていいよ。それで話を戻すが、何故あのメイドに襲われたかだったな」


ティアルの後ろに控えている護衛らしき人の視線が気になるが、別に隠すような事でもないのでありのまま説明する。


「つまり、アキラ君を危険視した彼女が突然殺しに掛かってきた、と」


「そういう事だな」


「ふーん、成る程ね」


彼女は俺の目を真っ直ぐと見つめると、1人納得するかのように何度か頷くと、明るい笑みを浮かべる。


「良かったぁ~。君って少し変な子だったから、何か危ない人なのかなぁ~って思ってたんだよね。でも今そんな人じゃないって()()()()()から安心ね」


「…?よく分かんないけど、信じてもらえて良かったよ」


「ふふ、まぁね。それにしても君、結構強いんだね。それに平民って言ってたけど執事もいるなんて…本当にアキラ君って平民?」


「はは…本当だよ。ラプとは色々複雑なんだ」


「ふぅ~ん?そう。別に詮索するつもりはないから安心して」


良かった、悪魔なんて宿してるなんて知られちゃヤバイからな。それにしてもティアルって魔法がかなり上手だったよな……いいなぁ、才能ある人って。


「んじゃ疑いは晴れたし、俺達はもう行っていいか?」


「ええ、勿論構わないわ。でもまた何かあったら、話を聞かせてね」


「ん、了解」


いつまでもこうして拘束されている訳にもいかないので、俺はそう言った後に席を立つ。

今は少しでも自分の強化の為に時間を使いたい。勿論こうしたイベントは気になるが……インフレが始まった現状、俺が勝てる相手はごく少数……ならば力を付けてから挑むのがいいだろう。




そしてそのまま何も起こらず、列車内で2日目の朝を迎えた。以前のように突然列車が攻撃を受けたとか、魔物の襲撃とかは起こらなかった。だがこの3日間の間に何かが起こると俺は見ている。



「あ、アキラ」


「うっす、ミル。偶然だな」


「ん、そうだね」


朝食も食べ終え、全員が自由時間となったある時ミルと廊下でバッタリ出会した。

たまたま見られたが、ミルがあくびしてる所を目撃できた。ラッキー。


「後1日だってのは分かってるけどさ、やっぱり3日間も体を動かせないってのはやっぱり辛いな」


「ん、そうだね。ボクももっと体を動かしたい。じゃないと鈍っちゃいそう…」


「だよなー…」


そんな会話をしつつ、ミルと共に列車からの風景を楽しむ。俺やミルは体が1番大事だから、こういう何も無い時間が結構辛かったりする。シアンもなんかルナやソルの部屋に遊びに行っちゃうしさ~……別に妬いてる訳じゃないけど。


「なら……打ち合う?木剣が無いから真剣になっちゃうけど」


「あはは…ご冗談を……。そもそもこんな狭い列車内じゃ打ち合えないでしょ」


ミルとの真剣ガチ稽古は神経をゴリッゴリに使うからキツいんだよなぁ……いやまあミルとの真剣勝負ほど実践経験になる稽古は無いんだけどさぁ?ミルって打ち合うの稽古だとマジなるから容赦無いんだよな…


「平気。上なら…自由だよ」


「おふ……マジデスカ」


「マジ」


ミルが指差した先は天井。天井で戦おうと言っているのではなく、ミルは屋根の上で戦おうと言っているのだ。そんな場所で戦うなんてフィクションだけだろ、普通…


「やろう…!」


「うぅ……わ、わかった」


「やった…!」


そんなに鼻をふんす!って可愛くされたら断れないだろうよ…男の子だからね、仕方無いね。








「さみぃぃぃぃぃっっ!!!!」


「風、少し強いね」


「もう強いってレベルじゃねぇぞ!!突風やん!!いや列車の上に来たら当然っちゃ当然なんだろうけどさぁ…!!」


はい、列車の上にやって参りました。よくバスの上とか、列車の上でバトルすのは憧れるの1つではあった……。が、現実はかなり厳しい。まず風が強すぎて凄いあおられる。立ってるのも難しい状況だ。


「それに比べてミル、凄いな君は…!!足が列車にくっついてるのかなぁ!?」


「少し体制が崩れるけど、問題無い」


「そんなんチートじゃん!!や、やっぱりやめようよ…!こんな所から落ちたら大怪我じゃすまないって…!」


「ん……」


俺の猛抗議に、ミルはションボリとしか表情を浮かべる。何で俺がワガママ言ってるみたいになってるの!?やめてよね!そういう事されちゃうと世間の人達は俺を責めるんだから!


「……わかったよ!!やりますよ!戻るのも戻るで怖いしっ!」


「…!んっ…!やろう…!」


なんていい笑みを浮かべるんだこの子は……

そう思っていた次の瞬間、俺の視界には大木の枝に背中を強打し、内臓を破裂させる俺の姿があった。


「…っ!!今のは[世界関数(ラプラス)]…!」


その未来を回避するべく、俺は震える足を無理矢理動かし、大きく跳躍した。


「っぶねぇ…」


「凄い…後ろに目があるの?」


「まさか…あるわけ無いでしょうよ…」


クスクスと微笑むミル。あんにゃろう…!俺が跳ぶって信じて言わなかった…!?正規の未来なら俺内臓破裂してたぞ!!


「ここはいいね……注意力と動体視力、そして体感を大きく鍛えられる」


「…!もしかしてミルはそれを見越して…!」


「え…?………………ああ、うん。そうだよ」


おい、なんだ今の間は。あ、目線そらした。

今思い付いたのかよ!!くっそ…!怒りたいけど怒れない…!美少女って便利だな、俺も将来はイケてる美少女にやりたいもんだ。


『ミルみたいなクールな感じで、ローザみたいな容姿とツンデレ、そしてルナみたいな社交性と明るさのある~───────!!』


「い、いきなり来ますか…!ミルさん…っ!」


「稽古はもう始まってる。ここでの油断は…命取りになるよ」


氷のような冷徹な視線と共にミルの細剣が俺の突き刺す。後一歩反応が遅ければ、横腹を斬られていた。どうやらミルはマジになったようだ。こうなった以上、ミルに対しての油断は一切出来ない。それこそ本当の殺し合いのように……


「こうして本気でぶつかるのは久し振りだね」


「っ…!ああ!そうだ───なァッ!!」


高速且つ冷気を纏った鋭い刺突が何度も俺を襲う。ギリギリ反応出来る速度だが…このままでは押しきられる…!


「っ…![氷冠(ひょうかん)]!!」


「ん、いいね。一旦距離を取ると同時に追撃をさせぬようにする。悪くないよ。でも────後ろにも気を付けようね」


「っ!!」


うっすらと氷のような微笑みを浮かべるミル。その言葉と同時に感じ取った背後から迫る“死“。俺は咄嗟にうつ伏せとなる。

頭上を通過する“死“の気配と、突風……またしても大木の枝だ。


「その調子で反応速度を上げていこう。ボクに言われなくても反応出来るくらいにね」


「っ!!?マジかよ…っ!!」


枝を回避し安堵する間も与えずに迫るミルの放った氷の刃。ここで立てば胴体は真っ二つ。しかしこのままうつ伏せのままではミルに更なる攻撃をされてしまう。


「容赦が無いな…!クソッ!!」


俺は列車を強く叩き、体を起こしてすぐさまジャンプする。だがすぐそこまで迫る氷の刃は回避が間に合わない。

だから俺はタイミングを合わせ、ミルの放った氷の刃を踏みつけて更に上へと跳躍する。


「っ……相変わらず凄い事をするね、アキラは」


「へへっ…!体だけは昔っから鍛えてっからな…!こんぐらい朝飯前よ…!」


ふらつきながらも着地した俺は、冷や汗をかきながら笑みを浮かべる。

ぶっつけ本番且つ、列車が走行中の為ジャンプすればミルとの距離が縮まる。あまり高く跳躍するのは自殺行為だな。


「片腕となったボクを倒せないようじゃ…この先アキラが辛いからね。何としてでもアキラを強くする」


「…!ありがたい限りだな。ホント俺はいい師匠に巡り会えた…!そこだけは感謝してっぞ!リコス!」


俺はこの世界にミス転移させたリコスにほんの少しだけ感謝の念を抱き、ミルと向かい合いながら細剣を構えた。

もう少しでブックマークが200人いきそうなんですよね、ありがたい。

見てないのに外さない人もいるから嬉しい。勿論ちゃんと見て、良し悪し評価はしてほしいが(笑)

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