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28話:リコティ王国到着!ヒロインどこ?

またしてもブックマークが増えました。本当にありがとうございます。目指せブックマーク10人っ!(笑)

「お疲れさん、若ェの!まだガキなのによくついてこれたな!!ほらよ、報酬の金だ!」


「ありがとうございます!」


言うほどガキではないのだが…まぁ若く見られるのは得だね。下に見られやすい&舐められやすいけど。


それは兎も角、ボスのおっちゃんから仕事の報酬をいただく。渡されたのは大銀貨1枚と小銀貨1枚。日本円で5500円の価値がある硬貨だ。


「しっかしなんで今日のアイツは煙幕が効かなかったんだろうなァ…」


ボスのおっちゃんが誰に言うでもなく呟く。

ごめん、多分それ俺の体質…つかリコスのせいなんです!!文句はリコスの信仰してる所に言ってね。


「まあいいか!!んじゃお疲れ、若ェの!!」


「またな坊主!」


「あばよー!」


「ウッス!お疲れ様でした!」


元気なおっちゃん達と別れ、俺は早足で竜車乗り場へと向かう。途中広場の時計を見れば寅刻の裏。つまり14時くらいだ。この世界に長針が無いから、いつ卯刻になるかわからない。だがら急いで竜車乗り場へと向かった。



「おぉ…!あれが竜か。概ね予想通りだな」


竜車乗り場に到着すると、既に竜車は到着していて、出発準備をしていた。

竜は昔から妄想してた通り、二足歩行のトカゲみたいな奴だ。うん、リゼロで見た。


「あの、リコティ王国に行きたいんですが…この竜車であってますか?」


念の為、俺は竜の手綱を握る若い兄さんに声を掛けてみる。これで全く知らない場所に送られたら、マジな話で笑えない。


「ええ、あってますよ。もうすぐ出発しますから、中でお待ち下さい」


そう言われ一安心して、俺は代金を払った。これで所持金が550円になった…俺どうやって生きてくんだ…?


『てか550円って小3の小遣いかよ』


そんな事を考えながら俺は竜車へ乗り込む。俺が乗る場所は、軽トラの荷台に屋根をつけたような感じ。よく言えば低コストで良心的。悪く言えば手抜きで風が当たって寒そう。


それから10分程して、竜車は出発した。結局竜車に乗る人は俺と他2人だけ。結構少ないから、思ったより快適だ。尻が痛いけど。


「お兄さん、リコティ王国までどれくらいで着きますか?」


「そうですねー、大体明日の刻の表には到着すると思いますよ。何事も無ければ」


「へぇー…」


アカン、俺死ぬかも。おかしいなぁって思ってたんだ、お世話になってた村【ショウタロウ】の最終日に敵が出なかったから。


大体こういうのは【なろう】とか関係無く、修行とかチュートリアルを終えたら、主人公の成長具合を見ている読者に見せつける為に強い敵が襲ってくる。なのに俺の時は現れなかった。


「ならいつ来るか…それは恐らく今、この竜車に乗っている最中に起こる…!」


そう、起こる筈なんだ…!だってお兄さんがあんな意味深な事を言ったんだ!起こらないわけがない。

だからここは気を抜けない。いつこの竜車に攻撃が仕掛けられるかわからないから。


俺は目をガッ!っと見開き、いつでも戦える体制&逃走体制に入った。闘いの時は近い。




6時間後。時刻は酉刻の裏。

アキラはと言うと、、


「ZZZZZ~…」


大爆睡中であった。労働の後に、神経を張って集中していたら、疲れてしまった彼の緊張は3時間しか保つことは出来なかった。


尚、彼は世にも珍しい、ガチでZを言葉にして寝るタイプの人間であった。








「───さん!お──さ─!起きて──さい、お兄さん!着きましたよ!」


「んがっ!……んーっ…………あれ?」


誰かの呼び声と共に体を揺すられ目が覚める。

バキバキになった体を伸びして解して目を擦る。


「やっと起きた……着きましたよ、リコティ王国に」


「…………へっ!?」


お、おおおおお俺は寝ていたのか…!?!?なんて命知らずなんだ…!

いや、て言うか、、


「なんっっっにもイベント起こってねぇじゃねぇかぁぁぁあ!!」


寝た→危ない→生きてる→イベント無し


つまりこういう事だろう。なら敵との闘いが起こって欲しいのか?って聞かれれば、正直な所平和が1番なのだが、起こらないと少々物足りない。平和ボケした人間は刺激に餓えているのだ!



さてさて、竜車から下ろされた俺はリコティ王国の竜車乗り場で停滞中。


「うーむ…本来なら適当にぷらぷら歩いてたら、路地裏で騒ぎが聞こえて助けに行くってのが王道なんだが…」


有名どころで言えば賢孫、異世スマとかがいい例だな。ここでヒロインを助けるのがテンプレートだ。

うん、行こう!チョロ──ではなくヒロインを助けに!ぐふふっ!



それっぽい路地裏を見つけてはチラッと覗き、何も無ければ即退散。厄介事はヒロイン関係まで取っておこう。これ大事。


「おいおい…一体どれだけ歩いたと思ってんだぁ…?そろそろ主人公補正働いてよぉー…」


普通に歩き疲れた。

全っっ然!ヒロインらしき女性に遭遇しないんですが!それどころか、いかにもって感じのチンピラもいない。あれぇ…?


「そもそも朝すぎたかな?ヒロイン睡眠中の可能性があるな…」


ここ、リコティ王国に到着したのが巳刻の表。朝5時程だ。結構歩いて時間を使ったとは言え、まだ未刻の表。朝の7時過ぎだ。

リコティ王国に到着した頃よりは多くなったが、建っている建物的に、まだまだ人は少なく感じる。


「はぁ…ヒロイン探しは後に─「舐めてんじゃねぇぞ!!」─来たっ!」


取り敢えずギルドでも探そうと思ったとき、路地裏から男の怒鳴り声が聞こえてくる。

俺は満面の笑みで走り出す。路地裏へ向かって。


──────────


「おいおいおい~無視って酷くねぇかぁ?」


「そうそう、俺達が声掛けたんだからさぁー相手してくれてもよくねぇか?」


「…………」


とある路地裏。そこでは黒髪に紅い眼をした少女に絡む男達3人がいた。

黒髪の少女は男達を全く怖がらず、それどころか、面倒そうに壁にもたれ掛かっていた。


『この男達を殺すのは簡単。だけど…事後処理が面倒ね。どうしたものかしら』


「また無視かよ。そういう事してっと…痛い目みるぞ?女」


「はぁ……もういいかしら?私、貴方達に構ってる程暇じゃないの」


「あぁ!!?舐めてんじゃねぇぞ!!」


もういい、面倒だ。この男達は殺してしまおう。黒髪の少女の目付きが変わった瞬間だった。




チョコバナナ(そこまでだ)!!」


路地裏に大声が響く。

男達3人と黒髪の少女は声が聞こえた方へと視線を向けた。


街に差し込む日を背中に浴びた、黒髪の少年が腕を組んでそこには立っていた。


「その子から離れて貰おうか!」


自信に満ち溢れた表情と共に。

この主人公は、結構痛い奴だと思ってて下さい。

ホント中学生がそのまま大人になった感じです。

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